わらび(蕨)とは?食材の特徴や美味しく食べる方法を解説

ザルの上のわらび

わらびの栄養に優れた効能があることを知っていますか?山の雪が溶け始める季節に春の訪れを教えてくれる山菜のひとつが『わらび』です。日本料理だけではなく、フレンチやイタリアンでもわらびを使って季節感を取り入れた料理が提供されています。普段は季節の食材として「身体に良さそうだから」と言われていますが、実際どのように良いのでしょうか。今回は、わらびの栄養とその効果効能やおすすめの食べ方などについてご紹介します。

記事の監修
管理栄養士、野菜ソムリエプロ

管理栄養士取得後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」思いから独立しセミナーや個別サポートを行っている。その他、事業立ち上げ、商品開発、記事監修、特定保健指導、講師活動などを行っている。

春の訪れを教えてくれる食材の1つ『わらび』は人の手で栽培されることは少なく、ほとんどが自生しているものを採取します。葉が開く前か、開きかけのものがおすすめです。デトックス効果があるため、寒い冬の間に貯めこんだ脂肪や老廃物を排泄してくれる作用もあります。あくが強いため『あく抜き』が必須ですが、悪と一緒に水溶性の栄養素も抜け出てしまうため、あくを抜いたものをさらに天日干しした乾燥わらびは栄養価もアップし、保存期間も長くなるのでおすすめです。

わらびの栄養の効果効能

低カロリーで糖質も低く、とってもヘルシーなわらびが持つ栄養と優れた効能をひとつひとつ確認してみましょう!

  1. 発育ビタミンでダイエット効果
  2. 貧血の予防効果
  3. 二日酔いの予防効果
  4. アンチエイジング効果
  5. 生活習慣病やがんの予防効果
  6. 便秘の解消

1.発育ビタミンでダイエット効果

わらびの栄養には「ビタミンB2(リボフラビン)」が含まれ、体内で炭水化物、脂質、タンパク質の三大栄養素の代謝を促進する効果があります。脂質の分解に特化しているので、ダイエット効果を期待する人におすすめできます。

さらに、過酸化脂質を除去する効果で動脈硬化などの生活習慣病の予防や改善といった効能もあります!ビタミンB2は子供の成長促進に欠かせないため「発育ビタミン」ともよばれています。

2.貧血の予防効果

わらびに含まれる栄養のひとつ「葉酸(ビタミンB9)」は造血のビタミンと呼ばれています。他のビタミンとともに赤血球を作るので、貧血予防の効能があります!

3.二日酔いの予防効果

わらびの栄養「ナイアシン(ビタミンB3)」は、ビタミンB2と結びついてNAD(ニコチンアミド、アデニン、ジヌクレオチド)という物質に変化します。ナイアシンは、アルコール分解酵素のNADを補酵素として使用され、アルコールを分解するので二日酔い予防に役立ちます!

4.アンチエイジング効果

わらびに含まれる栄養には「βカロテン」や「ビタミンC」も含んでいます。β-カロテンやビタミンCは、抗酸化作用がある栄養素で生活習慣病の予防やアンチエイジング効果があります。ビタミンCには、シミやシワの予防、さらに美白効果などが期待できます。

5.生活習慣病やがんの予防効果

わらびの栄養素の「ビタミンE」は抗酸化作用が強いので、活性酸素の発生や酸化力を抑え体内の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがあります。動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病やがんの予防に役立つと言われています!

6.便秘の解消

わらびの食物繊維は、腸の調子を整える整腸作用や便秘を改善・予防する効能があります。そのため、美肌効果も期待できます!食物繊維は体内で糖の吸収を抑える効果もあります。その働きは、血糖値の急激な上昇を防いでくれるので糖尿病の予防につながります。

わらびの栄養を活かす食べ方

わらびの栄養素を出来る限り落とさないようにするには、下処理の段階で茹でないのがポイントです!わらびは「あく抜き」で茹でる必要はあまりありません。

アク抜きの手順

  1. 沸騰したお湯に重曹を入れる
  2. 火を止めてお湯に重曹を溶かす
  3. お湯の中にわらびを入れる
  4. 粗熱が取れるまで放置する
  5. わらびをつまんで柔らかくなったら取り出す
  6. わらびを水洗いする

沸騰したお湯の中にわらびと重曹を入れて待ちます。自然と湯が冷めていく間につまんで柔らかくなればあく抜きもできています。水溶性の栄養素は流出しても脂溶性の栄養素は比較的保てます。

さらに、あく抜きしたわらびは天日干しして乾燥わらびにすると、栄養価が凝縮されて本来の10倍になると言われています。生のままではほとんど保存出来ないわらびを長期保存出来るというメリットもあるのでこの保存方法を活用してください。

次は手軽で簡単にわらびを楽しむレシピをご紹介します!

おひたし(醤油和え)

わらびの美味しさを味わうのに一番おすすめです。あくを抜いたわらびを適当な長さ(5~6cmくらい)に切ります。あとは醤油やめんつゆをかけるだけです。お好みでおろし生姜を添えたり、削り節をふったりして食べてください。

わらびのたたき(醤油味)

適当な長さに切ったわらびの醤油漬けを包丁で細かく刻みます。おろし生姜または山椒を少々加えて、包丁の背でたたきます。ほど良く食感が残る程度にたたいたら完成です!とろろのように白いご飯にかけて食べれば、わらびの香りやのど越しが楽しめます。

わらびを食べる際の注意点

わらびには発がん性物質プタキロサイドという成分を含んでおります。そのため大量に食べると中毒になり出血状態を引き起こすとされています。

ですが、安心してください!発がん性物質を確かに含んでいるのですが、あく抜きする事でプタキロサイドは分解されます。決して生では食べず、必ずあく抜きをして食べるようにしてくださいね。

あく抜きをすれば発がん性物質は消えますが、大好物だからと言っても食べ過ぎの過剰摂取は避けましょう!

わらびの栄養は妊婦に良い効能あり!

妊婦さんがあくの強い食べ物は余り食べない方が良いっと聞いたことありませんか?これはあくが栄養の吸収を阻害したり、破壊したりする成分があるので体に毒素を溜めることになると言われるからです。ですので、あく抜きをしっかりしていれば、妊婦さんがわらびを食べても問題ありません。

どんなものにも言えることですが、好物だからと言っても食べ過ぎには注意してください。わらびにはお腹の赤ちゃんが育つのに必要な成分の葉酸が多く含まれています。葉酸が足りない場合は何らかの障害を持って生まれてくることもあります。よって妊婦さんは、葉酸を含んでいるわらびを食べると良い効能が得られます!

わらびの栄養成分

[ 成分表 ]単位:100g

科名属名 コバノイシカグマ科ワラビ属
学名 Pteridium aquilinum
和名 ワラビ
英名 western bracken fern
エネルギー 15kcal
炭水化物 3.0g
食物繊維 3.0g
脂肪 0.1g
タンパク質 1.5g
ビタミンA相当量 13μg
β-カロテン 160μg
リボフラビン (B2) 0.05mg
ナイアシン (B3) 0.4mg
葉酸 (B9) 33μg
ビタミンC 11mg
ビタミンE 1.3mg
ビタミンK 15μg
カリウム 10mg
カルシウム 11mg
マグネシウム 10mg
リン 24mg
鉄分 0.6mg
亜鉛 0.5mg
0.06mg
水分 95.2g
水溶性食物繊維 0.5g
不溶性食物繊維 2.5g

最後に

「わらび」は全国各地に広く自生している山菜です。山の奥まで入らなくても、野原など比較的身近な場所で手軽に日本の全国各地で採取できる山菜です。

3月下旬から九州、4月からゴールデンウィークぐらいまでが本州を中心に、6月~7月上旬になると東北地方や北海道と、日本各地で採取され楽しまれています。その季節になったら野山を歩いて、わらび狩りで季節を感じるのも良いですね。

栄養たっぷりで効能が高いわらびですが食事は栄養バランスが大事なので、同じ物を食べ過ぎずに、適量を摂取するように心掛けてくださいね。

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