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麻にアイロンがけしても大丈夫?
麻に高熱を発するアイロンをあてても問題はないのでしょうか?結論から延べると、「麻にアイロンをかけても大丈夫!」です。麻の素材について掘り下げていきましょう。
まず、麻と一口でいっても種類はさまざまです。麻と呼ばれる素材は、すべて植物の茎を加工した物。衣類で使われるものから、カーペットやロープ、壁の材料にも麻が使われています。衣類に使われるのは、リネンとラミーという種類が該当します。リネンとラミーは、大変やわらかい肌触りで、衣類に使われる素材の中でも高級品です。
優しい感触に植物由来、すごく繊細な印象を持つかもしれませんが、実をいうと麻の耐熱性は非常に高い!「綿」と同レベルの耐熱性を誇ります。どの程度の温度に耐えられるかというと、235℃まで耐えることが可能です。およそ275℃の熱を与えると燃焼します。ちなみにほとんどのアイロンが発熱温度210℃が限界点。つまり、アイロンを出力全開にしても、麻には問題ないのです。
麻にアイロンをかける手順
麻の衣類をアイロンがけする際の手順は、絹製の衣類と同じ方法でOKです。ここでは、麻のワイシャツをアイロンがけする手順をおさらいしていきましょう。始めに、アイロンを高温設定にしてください。次に、ワイシャツに霧吹きをかけてシワを伸びやすくします。あとは、アイロン台に乗せて縫い目を引っ張りながらアイロンをかけていきます。ワイシャツにアイロンがけする基本的な手順は以下です。
- 襟元
- 肩ヨーク
- カフス
- 袖
- 身ごろ
この順番にアイロンをかけていきましょう。
襟元は、両面ともアイロンをかけます。先に裏面の端っこから中央に向かってアイロンをかけます。表面も裏と同じ要領でかけましょう。次に肩ヨークへ移ります。かけるのは表面だけです。縫い目の部分から、折り目の方に向かってシワを伸ばすようにスーッとかけていきましょう。縫い目付近のシワはアイロンの先端部分でしっかり伸ばしてください。
今度はカフスです。手首から手元までを覆う部分ですね。アイロンをカフス内側に突っ込んで裏面からかけていきます。端っこから中央に向かって裏面、表面の順番でかけます。カフスが、キレイな四角形に仕上がるイメージでかけていきましょう。
そして袖部分。縫い目を折り込んで、縫い目に沿ってカフスの袖口から肩ヨークに向かってアイロンを移動させていきます。この時、シワを引っ張りながらかけるのを忘れずに!
最後に身ごろ。シャツの一番広い面ですね。身ごろ全体をアイロン台に乗せ、シャツを右面から背面に移動し、左面までをかけていきます。まずは右身ごろ(ボタンのついてる場所)からかけていきましょう。かけるときは、身ごろの下部分から、脇、背面の身ごろ、左面の脇、左身ごろの順番にいきます。アイロン台の上でシャツを半回転させていくイメージです。
先に説明した通り、この手順は麻のワイシャツをアイロンがけする時だけの手順ではありません。綿製ワイシャツにも適応できるやり方なので、普段のアイロンがけにぜひ活用してください。
麻にアイロンがけする際のコツ
麻という性質を理解すれば、アイロンがけをする際のちょっとしたコツでパリッパリの状態に仕上げることができます。
霧吹きを使ってシワを伸ばしやすくする
麻の衣類にアイロンがけする前に、霧吹きで水をかけるとシワが伸びやすくなります。そもそも、一度シャツについたシワは乾燥した状態だといくら高温のアイロンかけても伸ばしにくい性質なんです。
そこで、アイロンをかける前に霧吹きでシャツに水分を加えましょう。少し濡らした状態で高温のアイロンをかければシワが伸びやすくなります。シワを伸ばして冷えるのを待てば、ピシッと伸びた状態を保つことができます!
アイロンの温度は高温にする
シワを伸ばすためにはなるべく、高温の熱が必要です。ほとんどの衣類は、同じように温度が高ければ高いほどシワを伸ばしやすいでしょう。とくに麻のワイシャツにできたシワはかなり伸ばしにくいです。高温設定にして、スチームも利用しながらガンコなシワを伸ばす必要があります。麻は丈夫な素材なので、高温にあてても問題ありませんのでご心配なく!
麻にアイロンがけをする際の注意点
麻にアイロンをかける際は以下のポイントに注意しましょう。
高温に対応できるかチェックする
麻にアイロンがけをする際は高温で行います。麻を100%使った生地なら高温でもあて布しなくても問題ありませんが、その他の繊維をミックスした混合繊維の場合は注意が必要です。念のために「高温に対応できるかどうか」取扱い表示を確認してみましょう。また、製品によってはアイロン時にあて布が必要と表示されている麻の衣類もあります。
アイロン後は冷えるまで動かさない
アイロンがけでしっかりとシワを伸ばすことはできましたか?「さ~て、それじゃぁたたみますか」ちょっとお待ちください!ワイシャツ、とくに麻製のものはアイロン後にすぐたたんではいけません。せっかくシワを伸ばしても、熱々の状態で動かしてしまえばまたしわくちゃになってしまいますよ。
麻製はとくにシワができやすいので油断は禁物。シワを伸ばした直後は、シワができやすい状態でもあります。ですが、熱が抜けて冷えてしまえばそう簡単にはしわくちゃになりません。なので、アイロン後はハンガーなどにひっかけて冷えるのを待ちましょう。
麻のアイロンがけを簡単にするための洗濯方法
麻のシャツや衣類を、アイロンがけでシワを伸ばすのはちょっとひと苦労します。しかし、洗濯時にできるちょっとした工夫で、アイロンがけを簡単にすることが可能です。その方法をご覧ください。
洗濯ネットにいれる、もしくは洗濯物を少なくする
麻の衣類を洗濯する場合、アイロンがけをすることまで予定にいれましょう。その際にできる対策は、洗濯ネットにいれるか、少ない洗濯物で回すことです。
麻はシワになりやすい素材。麻の衣類をタンスの中で押しつぶしたりすると、あっという間にシワができますよね。少しでもシワを作らないようにするには、麻に圧力を与えない方がいいということです。
そのため、洗濯機で麻の衣類を洗う時も圧力をかけないよう気を付けなければなりません。他の洗濯物と麻の衣類が接触しないように、洗濯ネットにいれるか、もしくは大量の洗濯物と一緒に回さないようにしましょう。
脱水時間を極力短めに
麻にシワができる原因は圧力と説明しましたが、洗濯機内で最も圧力がかかるのは実は脱水中です。麻の衣類は脱水時間を10秒ほどで十分です。「そんなに短いと乾かないんじゃないの?」と不安になりますが、麻は水をはじく力に優れた繊維なのでほとんど脱水は必要ありません。水がしたたるくらい濡れていても、自然に乾燥します。むしろ水の重みでシワが伸びるメリットがあります。
まとめ
麻にアイロンがけをする際の手順やコツ、注意点でした。麻は意外にも丈夫な繊維、高温のアイロンにも対応できるということがわかりましたね。アイロンのかけ方も、一般的なワイシャツのアイロン方法と同じなのでお手入れも簡単にできます。
しかし、麻は他の繊維よりもシワになりやすく、伸ばしにくいのが弱点です。シワを伸ばすためにはアイロンがけする前に水気をしっかり含ませてからかけましょう。アイロン後、麻のシャツが熱いうちはまたシワができやすいので必ず冷やしてからたたんでくださいね。
また、洗濯の仕方にひと手間加えることによってシワを防ぎ、より簡単にアイロンがけを済ませることができます。
麻は通気性・吸湿性に優れた夏に欠かせないアイテムです。しかし、社会人ならしわくちゃのシャツを着て外に出るわけにはいきませんよね。いくら開放的なサマーシーズンだからといって、シャツはピシッとしていた方がかっこいいに決まっています!麻のアイロンがけをマスターして、この夏は麻のシャツや衣類をかっこよく着こなしましょう。