目次
テンセルのしわの取り方
テンセルは元々しわになりにくい性質を持っている素材ですが、ちょっとした不注意でしわを作ってしまうことがあります。
その場合には、アイロンを使用してしわを取り除くことになります。テンセルは高温に弱い特徴があるため、使用するアイロンの設定温度は中温(140℃〜160℃)にしておきます。
また、アイロンを使う際には当て布を使用して、なるべく素材を傷めないようにしましょう。アイロンをかける時のコツは、何度も往復してかけずに一方向に丁寧にかけることです。テンセルは柔らかい素材なので、そんなに強い力を加える必要はありません。
スチームアイロンの使用もオススメです。特に袖や襟、ポケットはしわや縮みが出来やすいので注意が必要です。縮みが気になった場合には、元の形状に戻るように生地を引っ張りながら、少しずつアイロンをかけるように心がけてください。
しわが酷い場合や、しみが出来てしまった場合には、自分で対処しようとすると素材を余計に傷つけてしまうこともあるので、テンセル素材の洋服を確実にキレイにしたいのならクリーニング屋さんを利用することも考えてみてくださいね。
テンセルの洗濯方法と干し方
テンセル素材の洋服は手洗いの方が良いとされていますが、きちんとケアしてあげることで洗濯機でも洗濯が可能になります。干す場合にも注意する点がいくつかあるので確認が必要です。
手洗い
最初に、大きめの洗面器やシンクなどにぬるま湯(30℃以下)をたっぷりとためて、洋服の洗濯表示に合った洗剤を規定の量で入れます。
柔軟剤を使用するのであれば、この時に一緒に入れて混ぜておきましょう。洗濯液を作ったら洗う前にまず、洋服を裏返しにして畳み、摩擦によるダメージを与えないようにしておきます。
その後、洋服を洗面器に入れて優しく押し洗いを繰り返します。汚れの程度にもよりますが、押し洗いは15〜20回程度繰り返せば十分でしょう。
洋服をすすぐときは洗面器にきれいな水を新たに張り替えてください。その上で、洗濯の時と同様に複数回すすぐようにしましょう。
すすぎ終わった後は、吸水力のあるバスタオルなどに挟み軽く押さえて脱水をします。この時、きちんと水分が吸い取れていない場合、乾燥後にしわが出来てしまいますので注意してくださいね。
洗濯機
洗濯機でテンセル素材の洋服を洗うときも手洗いと同様に、はじめに洋服を裏返しにしておきます。洗濯槽に直接擦れてしまわないように洗濯ネットに入れることも大事なポイントになります。
洗濯ネットごと洋服を洗濯機に入れたら、中性洗剤と柔軟剤をセットします。この時、アルカリ性の洗剤は洋服を傷めてしまう可能性があるため、避けた方が良いでしょう。
また、洋服の風合いを守るためにおしゃれ着用の洗剤を使用することもオススメです。洗濯時ですが、もし洗濯メニューが選べる洗濯機を使用しているなら、ドライコースや手洗いコースなどの丁寧に洗えるモードを設定してください。
脱水時間は20秒から30秒で設定し、設定できないのであれば脱水中に一時停止して洋服を取り出し、脱水できていない分の水分はタオルなどで吸い取りましょう。
干し方
テンセル素材の洋服を干す時に一番大事なポイントは、乾燥機を使用しないことです。なぜかと言うと、乾燥機内部の高温と回転で繊維がダメージを受けてしまい洋服が縮んでしまう可能性があるからです。
ですから、テンセル素材の洋服を干す場合は基本的には自然乾燥をさせることになります。直射日光が当たらない風通しの良い場所で陰干しするのが良いでしょう。
パンツやスカートは吊り干ししても問題はありませんが、ニットなどの型崩れしやすいものは平干しすることで上手に干すことが出来ます。
テンセルの特徴
テンセルはユーカリという木材を特殊な溶剤を使って溶かし、繊維にした素材です。リサイクルして繰り返し使用できることや、環境に良い溶剤を使っているので土に還しても問題ないことから、地球に優しいエコ素材として注目されています。
エコなだけではなく、テンセル素材は美しい光沢があり、シルクのように上品な風合いがあることも特徴となっています。洋服の生地にするのにぴったりなドレープ感ある柔らかい繊維もテンセルの大きな特徴と言えるでしょう。
テンセルのメリットとデメリット
テンセル素材の洋服を上手に洗濯して大切に着るためには、テンセル素材のメリットやデメリットなど、テンセルについての詳しい知識を持っておくと良いでしょう。
メリット
テンセルは生地にハリやコシがあり、弾力性もあることから破れにくいというメリットがあります。生地の強度が落ちにくいので、長く使用できることも大きな特徴です。
また、湿気による縮みが少ないので、押入れなどでの長期の保管にも向いていると言えるでしょう。速乾性と吸水性に優れている長所もあります。吸湿性の高い素材であるため帯電しにくく、着用時に静電気による不快感がないことも大きなメリットでしょう。
デメリット
テンセルの最大のデメリットはやはり摩擦に弱いことでしょう。テンセルには、生地が擦れると毛羽立ったり白くなったりするという弱点があります。
湿っている時に擦れるとダメージを受けやすい特徴があるため、洗濯するときには取り扱いに注意が必要になります。長時間の洗濯や脱水では、生地が傷んだり色落ちしてしまったりする点もデメリットと言えるでしょう。
水で洗濯したり、脱水が不完全なまま乾燥させたりすると生地が縮んでしまうと言う難点も持っています。テンセルのメリットである柔らかな風合いや光沢も、濡れると失われてしまうので注意が必要です。
テンセルとリヨセルの違い
テンセルと並べられてリヨセルという言葉もよく目にしますが、実はこの2つ、同じ原材料で作られた同じ繊維となっています。
当初、イギリスのコートルズ社が「テンセル」、オーストラリアのレンチング社が「リヨセル」という商標で販売していましたが、その後、両者が合併したため商標名を「テンセル」に統一し、総称として「リヨセル」と呼ぶようになりました。
日本では「テンセル」として広まり、洋服のラベルにも「テンセル」と表記されています。
まとめ
テンセルは多くのメリットを持った素材ですが、摩擦に弱いと言う難点も持ち合わせています。そのため、テンセルに合わせた方法で洗濯や乾燥をしてあげなければいけません。
また、適切なやり方でしわを取らなければ、状況を悪化させてしまう恐れもあります。正しい知識を取り入れて、テンセル素材の洋服を長く大切に着ていきましょう。