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光化学スモッグ発生時でも洗濯物には影響ありません!
光化学スモッグが発生しても洗濯物への影響は心配ありません。
光化学スモッグが洗濯に影響しない理由は、「光化学スモッグの原因物質が洗濯物にぶつかって酸素に分解されてしまうので、洗濯物に光化学スモッグが影響することはない」からです。
もう少し詳細をご説明する前に、光化学スモッグの特徴や人体への影響などをご紹介したいと思います。それを知っていただければ洗濯物に影響しない理由も納得すると思います。
光化学スモッグの発生を知る方法
梅雨の時期や夏の良く晴れた日に自治体による市内の放送で「光化学スモッグ注意報が発令されました」と流れることがあります。放送を耳にしたことがある方は多いと思いますが、これによって私たちは光化学スモッグが発生していることを知ることができます。
光化学スモッグとは
光化学スモッグとは大気汚染の一種で、自動車や工場などから大気中に排出される化学物質が、太陽の光の紫外線を受けて化学反応を起こし、光化学オキシダントと呼ばれる汚染物質が発生されます。人体に影響を及ぼす光化学オキシダントの濃度が高い状態が光化学スモッグへと変化するので、注意報として発令され放送されます。
風が弱い日などには、発生した光化学オキシダントが大気中に拡散されず、薄まらずに留まってしまうので、空に白い霧がかかったような状態になり、遠くの建物がかすんで見えづらくなったりします。
光化学スモッグの発生条件
どのような条件を満たすことで光化学スモッグが発生するのかというと、風が弱く大気が安定し日射が強く気温が高いと言った条件が揃うことで光化学スモッグは発生しやすくなります。
光化学スモッグの人体への影響としては、次のような症状が出ることがあります。
- 目の症状:目がチカチカする、目が痛い、目に異物感がある
- 呼吸器の症状:喉が痛くなる、咳が出る、呼吸が苦しくなる
- その他の症頭痛やめまい、吐き気、手足のしびれなど
このような症状が出ているのに、光化学スモッグの発生時に洗濯物を外に干していても本当に大丈夫なのか?洗濯ものに光化学スモッグが付いたらどうするのか?干している洗濯物に付着してすごく身体に悪い影響が出るような気がしますが、実は光化学スモッグが発生していても洗濯物を外に干していても影響はありません。
光化学スモッグは他の物質にぶつかるとその衝撃によって酸素に分解されるという性質があります。洗濯物を外に干しておいても光化学スモッグの原因物質が洗濯物にぶつかって酸素に分解されてしまうので、外干しの洗濯物に大きな影響がないということになります。つまり、洗濯物には光化学スモッグが付かないということですね。
洗濯物自体には影響はありませんが、洗濯物を外に干すときに光化学スモッグによって身体に悪影響を受けてしまう可能性はあります。風が弱く日差しが強く気温が高くなる日の洗濯は、できるかぎり早い時間に洗濯物を外に干して光化学スモッグが発生する前に干し終えておくことが重要になります。また、洗濯物を干し終えたら手洗いとうがいをしましょう。
気温が少し下がると光化学スモッグの影響も少なくなりますので、それから洗濯物を取り込むことで身体への影響を回避することができます。ほとんどの場合光化学スモッグ注意報は3時間程度で解除されます。
光化学スモッグ発生時の対策
光化学スモッグ注意報の発令が自治体で放送された場合には、自治体の放送でも言われるように外出を控えて、窓を閉めて室内で過ごしましょう。外出していた場合は家に入ったら手を洗い、洗眼をしましょう。シャワーを浴びて皮膚をきれいにするのも効果があります。
屋外での激しい運動は避けましょう。乳幼児、お年寄り、病弱な人は光化学スモッグの影響を受けやすいので不要な外出はせずに屋内で過ごしましょう。光化学スモッグに対してはマスクをしてもほとんど効果はありません。
光化学スモッグによる諸症状の出方には個人差が大きいので、周囲の人に症状を訴えても異変を感じてくれない場合があるので、体調に異変を感じたら安静にして回復を図りましょう。
光化学スモッグによる健康被害は特に子供に多く現れると言われています。これは学校での体育の授業などで屋外での活動が多くなることや子供はそもそも外遊びが好きなことによって、身体を動かし運動量が増えるとそれに伴って呼吸の量も増えるので光化学スモッグの影響が高くなってしまいます。光化学スモッグ発生時に自治体の放送以外でも学校で旗を掲げ注意喚起をしているのは放送を聞き逃した方に化学スモッグ注意報の発令を知らせるためです。
光化学スモッグは化学物質のまま体内に蓄積されてしまうものではないので、胎児への影響はありません。妊娠中の方はご安心ください。
夏の暑い時期に光化学スモッグによる影響を身体に受けると、頭痛やめまい、吐き気、手足のしびれなどの症状から熱中症の症状と思われることもありますが、光化学スモッグによる身体への影響には目や喉に症状がでますので熱中症の症状との違いがあります。目や喉に症状がある場合には目を洗ってうがいをして屋内で安静にして回復するのを待ちましょう。
光化学スモッグ注意報の発令条件
光化学オキシダントの濃度が一定以上の数値を越えたときに各自治体が市内放送をします。濃度によって注意報、警報、重大緊急時警報と変わります。
- 注意報は1時間の値が0.12ppm以上
- 警報は1時間の値が0.24ppm以上
- 重大緊急時警報は1時間の値が0.4ppm以上
光化学オキシダントの濃度で自治体からの放送が変わります。何か放送が流れているなと感じたら、耳を澄ませ、内容をしっかり確認して対策をしてください。
黄砂やPM2.5の場合は屋内で洗濯物を干そう!
光化学スモッグは原因となる自動車や工場の排気ガスを削減する努力により発生が昔よりかなり少なくなりました。しかし、新しい大気汚染の黄砂やPM2.5は光化学スモッグとは性質が異なります。
黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠や黄土高原などの乾燥地域の砂が偏西風に乗って運ばれてくる大気汚染で、物質的に砂なので洗濯物を外に干しておくと付着して汚れてしまいますので洗濯物は外に干さずに部屋干しをするか乾燥機を使用しましょう。
PM2.5は髪の毛の太さの1/30の大きさの様々な物質が混ざり合った微小粒子状物質で、洗濯物に付着しても分解されることはなく残ってしまうので、PM2.5の注意報が出ているときは洗濯物は外に干さずに部屋干しをするか乾燥機を使用しましょう。
黄砂とPM2.5の発生時期は3月~5月になります。喘息や花粉症などのアレルギー症状のある方は特に注意が必要になる季節なので、不要な外出は控えPM2.5用マスクといった通常のマスクよりも目の細かいマスクをして対策してみましょう。
黄砂やPM2.5対応グッズをいくつかご紹介します。
まとめ
夏の暑い日の昼間に不意に聞こえる自治体の市内放送の「光化学スモッグ注意報が発令されました」というのをあまり気にしたことは無いという人も多かったのではないかと思いますが、光化学スモッグは身体に悪影響を及ぼす可能性があることを理解していただけたかと思います。
また、洗濯物は外に干していても問題ないということもわかりました。夏の暑い時期は特に洗濯物は外に干して気持ちよく乾かしたいものですよね?洗濯物を干す時間と取り込む時間をうまく調整して外干ししましょう。