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セロリの旬の時期
年中見かけるように思えるセロリにも、実は旬の時期があることを知っていますか?新鮮で美味しいセロリを食べるには、産地ごとに異なる旬の時期を、よくチェックする必要があります。
長野産セロリは、5~11月に旬の時期を迎えます。春から秋にまで及ぶ出荷時期の長さから、長野産の新鮮なセロリを手に入れるのは、比較的容易かもしれません。
静岡産セロリは、12~3月ごろが旬の時期になります。冬から春にかけて市場に出回るので、寒い季節にセロリを食材にする際には、静岡産が最適でしょう。
福岡産セロリは、11~5月ごろが旬の時期と、こちらも冬から春にかけて市場で目立つようになります。寒いシーズンなのでハウス栽培が多く、市場に出回るのは西日本が中心です。
セロリの種類別の旬の時期
一口にセロリといっても、その種類は豊富です。したがって旬の時期を把握するには、産地だけではなく、種類からチェックする必要があります。そこで代表的な2つの種類について、セロリの旬の時期を紹介しましょう。
ホワイトセロリ
水耕栽培によって育てられるホワイトセロリには、旬と呼ばれる特定のシーズンはなく、年間を通じて安定的に出荷されています。
品種名の通り、白い茎が細長く伸び、一見して三つ葉にも似ています。栽培では種子を条まきして、温度や湿度を調整できる施設の中で、太陽光をたっぷりと浴びせながら、肥料を溶かした培養液だけで育てます。平均して10日もかからないうちに発芽し、草丈20~25cm程度になれば直ぐに収穫できます。土耕栽培と比較して生育が30〜50%も早いため、量産するには最適な品種です。
ミニセロリ
見た目については、市場でもよく見かける、オーソドックスなコーネル品種とさほど異なりません。しかしサイズが小ぶりなため、ミニセロリと呼ばれています。またコーネル品種より香りが強い点にも、特徴があります。
種まきの時期は、高原などの冷涼地で4月中旬~8月中旬。平野部など中間地では3月中旬~9月中旬で、温暖な地域になると2月下旬~10月上旬が通常です。このように1年トータルで見れば、どこかの産地で必ず旬を迎えている品種です。
栽培には発芽までに2週間ほどかかるため、土が乾燥しないように細心の注意を要します。なお冬場に栽培する産地では、ビニール状のハウスやトンネルを使用するケースが目立ちます。だいたい20~25cmまで成長したら収穫可能です。
ミニセロリは小ぶりなので調理しやすく、軽く流水で洗えば、そのままサラダなどの生食で味わえます。なお保存する際には葉と茎を切り離し、それぞれラップで巻いたりポリ袋に入れて、冷蔵庫で保存すると、鮮度も長く保てます。
旬のセロリに含まれる栄養
セロリにはビタミンAをはじめビタミンCやカリウム、あるいはカルシウムやマグネシウムといったミネラルを豊富に含みます。このうち最も注目すべきは、カリウムを多く含んでいることでしょう。
カリウムは神経伝達に欠かせない重要な栄養素であり、不足すると筋肉の痙攣や不整脈を招くことで知られます。またカリウムには塩分を体内から排出する作用があり、高血圧のリスクを軽減するのに有効とも言われます。
ちなみに日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、カリウムの1日摂取量は成人男性で2,500mg、女性では2,000mg。セロリ100gは410mgのカリウムを含むので、1日にこれだけセロリを食べれば、必要量の5分の1から6分の1を充たせる計算になります。カリウム不足の方は、これを目安にセロリを食事に取り入れるとよいでしょう。
この他には食物繊維が豊富な点も、見逃せません。セロリの食物繊維は腸の働きを活発にする不溶性なので、コレステロールを抑制し、便秘解消効果も期待できます。
旬のセロリを使ったおすすめのレシピ
旬のセロリはそのまま生で食べるのもよいですが、一工夫すればもっと美味しく毎日の食事に取り入れることができます。そこで次に、幾つか役立つレシピを紹介しましょう。
ささ身とセロリのスープ
必要な材料(2人分)
- 鶏のささ身:2本
- 小口切りのセロリ:2分の1
- 青ネギ:適量
- 塩:少々
作り方(調理時間:10分)
- カップ2杯分の水と塩少々を鍋に入れて沸騰させ、鶏のささ身2本を投入して4分ほど茹でます。
- いったん鶏のささ身を取り出し、適当な大きさにほぐします。
- そして小口切りのセロリ2分の1と一緒に、再び鍋へ投入。
- 塩少々で味を調え、しばらくして火をOFFにします。
- あとは器に適量を移して、みじん切りにした青ネギをお好みの量に合わせて入れたら完成です。
豚肉とセロリのオイスターソース炒め
必要な材料(2人分)
- 薄切りの豚肉:100g
- セロリ:50g
- にんにく:2分の1
- オイスターソース:大さじ1
- しょうゆ:小さじ2分の1
- サラダ油:大さじ2分の1
- ゴマ油:大さじ2分の1
- コショウ:少々
作り方(調理時間:15分)
- まずセロリ50gを5センチほどの棒状にカットします。
- 薄切りの豚肉100gはさらに細く切って、サラダ油をまぶします。ニンニクはすりおろしておきましょう。
- フライパンか中華鍋でゴマ油2分の1を熱し、そこへ豚肉100gを投入して炒めます。
- 色が変わり始めたらセロリ50gも一緒に炒め、さらにオイスターソース大さじ1、しょうゆ小さじ2分の1、コショウ少々を加えます。
- 強火で全体をからめるようにして、しばらく炒めたら完成です。
セロリとシラスのおひたし
必要な材料(2人分)
- シラス干し:小さじ1
- セロリ:約100g
- 和風だしの素:小さじ1
- しょうゆ:小さじ1
作り方(調理時間:数分)
- セロリ約100gを10cm程度の縦長にカットします。
- セロリを熱湯に20秒ほどくぐらせてから、ザルに上げます。
- 次にボウルへ大さじ1の水を入れ、さらに和風だしの素としょうゆ小さじ1、そしてシラス干し小さじ1を混ぜます。
- これをセロリと一緒に器に盛り付け、ちぎったセロリの葉をのせて、見栄えを良くしたら完成です。
セロリと生ハムのスパゲッティ
必要な材料(2人分)
- スパゲッティ:150g
- セロリ:2分の1本
- 生ハム:6枚
- 三つ葉:約10本
- スライスしたニンニク:1片
- 小口切りした赤唐辛子:1本分
- 白ワイン:3分の1カップ
- 固形スープの素:2分の1個
- オリーブ油:大さじ2
- 塩:適量
- 粗びき黒コショウ:適量
作り方
- セロリを10cm程度に細切りにし、三つ葉は約5cmの長さにカットします。
- 生ハムも3cm幅に切ります。
- 鍋にたっぷりの熱湯を用意し、ひとつまみの塩を加えてからスパゲッティを茹でます(この時には製品の表示時間よりも、30秒ほど短めに火をOFFにします)。
- フライパンにはオリーブ油大さじ2をひいて、ニンニクや赤唐辛子と一緒に弱火で炒めます。
- 香りが出始めたら、生ハムをはじめセロリや白ワインさらに固形スープの素を順次加え、中火で炒めます。
- しばらくしたら、ゆで上がったスパゲッティも投入して、塩と粗びき黒コショウで調味します。
- 最後は三つ葉を飾りつけて完成です。
セロリを上手に食卓へ取り入れて、ヘルシーライフを実現しよう!
ここまで読んでみて、普段は見慣れたセロリにも、様々な種類やメリットのあることが理解できたはずです。セロリは単に使い勝手のよい食材というだけではなく、健康に役立つ栄養素を多く含んだヘルシーな野菜。これからは、旬の時期や保存方法あるいはレシピなどをしっかりとチェックして、セロリを日々の食卓へ上手に取り入れてみましょう。