目次
墨汁が服についたときの落とし方とコツ
墨汁は乾いてしまうと落ちにくくなってしまいますが、なるべく早く対処することで落とすことができることもあります。広がって乾く前の墨汁の汚れに効果がある落とし方を4つ紹介します。
台所用洗剤
食器を洗う時に使う台所用洗剤で墨汁を落とすことができます。まず台所用洗剤を水で2~3倍に薄めます。そして、それを使い、墨汁がしみ込んだ部分を揉み洗いしましょう。
よく馴染んだら、流水で洗い流す、コレを繰り返します。台所用洗剤だけで落ちにくい場合は、墨汁で汚れた部分を固形石鹸ですりこむと、汚れが落ちやすくなります。
石鹸
使うのは液体石鹸ではなく、固形石鹸です。墨汁の染みている部分を水で濡らし、固形石鹸で擦り洗いをしましょう。あまり乱暴に洗いすぎると、墨汁の染みが広がってしまうことがあるので気をつけましょう。
使い古しの歯ブラシを使うと汚れが落ちやすくなります。墨汁の染みが薄くなるまで擦り洗いを繰り返し、汚れが落ちてきたら洗濯機で洗濯します。石鹸は体を洗うために使うものなので、特殊な薬剤を使っておらず、子供に害がないのが石鹸で墨汁を落とすメリットです。
マジックリン
墨汁を落とすことができるもので有名なのが、マジックリンを使った方法です。まず、マジックリンを水で2~3倍に薄め、墨汁が付いている部分に浸透させます。
マジックリンを直接吹きかけて使用することもできますが、衣類を痛めてしまう可能性があるので、原液のまま使用するのは避けた方が良いでしょう。マジックリンを浸透させた後は、固形石鹸で汚れを何度も揉み洗いをしましょう。
ご飯粒
書道の世界では、ご飯粒を使って落とす方法が有名です。墨汁が染みこんでいる部分に、ひとつまみ程度のご飯粒をこねてから塗り込み、擦っていきます。ご飯粒が固い場合は汚れが落ちにくくなるので、少量の水を足してみましょう。
ご飯粒が真っ黒になったら、衣類を流水で洗い流し、再びご飯粒をつけて擦り洗いをします。そして、仕上げに中性洗剤や石鹸で汚れを落としましょう。
墨汁が落ちにくい理由は、汚れが繊維の奥まで浸透してしまっているためです。ご飯粒に含まれているデンプンは、繊維の奥に入り込んだ墨の粒子を吸い取ることができます。
時間が経過して乾いてしまった墨汁の落とし方
上記で紹介したのは、墨汁が付いてから間もない時に効果を発揮する落とし方です。ここからは、乾いてしまった墨汁の落とし方を4つ紹介しましょう。
歯磨き粉
墨汁の汚れを落とす時は洗剤や石鹸などに目がいきがちですが、歯磨き粉を使って落とすこともできます。
たいていの歯磨き粉には研磨剤が含まれており、この研磨剤の作用によって墨汁を落とすことができます。墨汁の付いた場所に歯磨き粉を付け、使い古した歯ブラシでゆっくりと汚れを落としていきましょう。
キッチンハイター泡タイプ
キッチンハイター泡タイプは、液体タイプのキッチンハイターを泡状にしたもの。泡状にしたことで、汚れの部分に直接吹きかけて使用することができます。
キッチンハイターを使った墨汁の落とし方は、今までと違いシュッシュッと吹きかけて30分放置するだけです。時間が経てば汚れが落ちているので、最後に洗い流したり、洗濯したりしましょう。
しかし、キッチン泡ハイターは塩素系の漂白剤ということで、色柄物には使用できません。
クレンザー
クレンザーには、歯磨き粉と同じように研磨剤が含まれています。クレンザーに含まれている研磨成分は微粒子で、繊維に絡んだ炭素粒子を物理的に掻きだすことができるのです。
歯磨き粉よりも研磨剤の成分が強いので墨汁を効率よく落とすことができますが、その分生地を痛めやすいため、使う時は衣類を優しく洗いましょう。墨汁を落とそうとして衣類がボロボロになったら意味がありません。
スミノン
スミノンとは、墨汁を落とすための専用の洗剤です。色々な方法を試して効果がなかった場合は、コストはかかりますが専用の洗剤に頼るという方法もおススメです。墨汁を使用する機会が多い場合は、スミノンを用意しておくと安心でしょう。
墨汁がついたらすぐ対処する
墨汁は粒子が細かく、時間が経つと繊維の奥まで入り込んでしまいます。乾くとより墨汁は落としにくくなるので、早めに対処することが必要です。
しかし、学校で習字をする機会が多い子供は、基本的に家に帰ってから対処することになります。そのため、学校で応急処置をすることが大切です。
ご飯粒を墨汁が付いている部分に付けると、色素の汚れを吸着することができます。しかし、学校にご飯粒を持っていくということはあまりないので、その場合は文房具のりで代用しましょう。
液状のりに含まれる粘着成分は、ご飯粒と同じように色素の汚れを吸着する効果が期待できます。文房具のりを塗っておくことで、家に帰った時に墨汁の染み抜きが楽になります。
壁や床についた墨汁をとる方法
墨汁は壁や床についてしまうこともあります。衣類の場合は、汚れが落とせなくても気に入らないものならば捨てればいいですが、壁や床についてしまうとそういうわけにもいきません。壁や床についた墨汁を取る方法を紹介しましょう。
壁に付いてしまった場合
壁に墨汁がついてしまった場合は、素材にもよりますが、専用洗剤やスチームクリーナーを使って落とすことができます。
壁がボコボコしている場合は、歯ブラシを使い、歯磨き粉や専用洗剤を使って落としていきましょう。時間が経つと素材によっては汚れが染みこんでいき、落とすのが困難になります。できるだけ早めに対処しましょう。
床に付いてしまった場合(畳・絨毯)
カーペットの場合は、衣類に付いた墨汁の落とし方と同じやり方が使えます。フローリングの場合は、メラミンスポンジや、歯磨き粉を歯ブラシにつけて擦ると落ちやすいです。
カーペットの場合も衣類と同じ落とし方でいいですが、カーペットに厚さや固さがある場合は、専用洗剤を使うと汚れを落としやすくなります。畳の場合はあれよあれよと墨汁がしみ込んでいき、かなり強敵です。
まず、墨汁を広げないように、ご飯粒に吸い込ませましょう。その後、歯磨き粉や専用洗剤などを使い、歯ブラシで目地に沿って優しくこすります。最後はタオルなどで優しく拭き取ると、汚れが薄くなっていきます。
洗濯以外の墨汁汚れの対策
墨汁を落とすのは大変です。できれば洗濯以外の方法で汚れを落としたい、という方もいるでしょう。洗濯以外で墨汁の汚れを対策する方法を紹介します。
洗濯で落ちる墨汁が販売されている
どんなに慎重になっていたとしても、あやまって墨汁を垂らしてしまうこともあります。そんな時に便利なのは、洗濯で落ちる墨汁です。
普通の墨汁とは違い少々色味が異なるため、清書用には向かないこともありますが、自宅で使う場合や練習の際に重宝します。墨汁が飛び散りにくいように工夫されていることもあるので、墨汁で汚してしまうのが心配な方は簡単に落とせる墨汁を使用しましょう。
習字の授業があるときは汚れて構わない服に固定
習字の授業がある時は、汚れても構わない服を着ていくことで墨汁汚れの精神的ダメージを大幅に軽減することができます。
習字の授業の前に、エプロンを着用したり、汚れてもいい服に着替えたりしても良いでしょう。サイズ的に小さくて着づらいもの、すでに汚れが付いたものなどは、墨汁で汚れても気軽に捨てることができます。
墨汁汚れはできるだけ早めに対処しよう
墨汁の落とし方を紹介してきましたが、墨汁汚れというのは非常に頑固です。時間が経つにつれて汚れを落とすのが大変になってしまうので、できるだけ早めに対処しましょう。
書道をする機会が多い家庭では、墨汁を落とせる専用洗剤や、簡単に落ちる墨汁を使うなど、工夫してみましょう。習字をする時に汚れてもいい服に着替えると、万が一汚れたとしても安心です。