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そぼろの日持ちはどれくらい?
ひき肉の定番料理である「そぼろ」は簡単に作れて使い勝手もいい分、ついつい多めに作ってしまいがちです。そぼろをたくさん作ってしまったときは、適切な方法をとることで食べ切るための十分な期間、保存できます。
そぼろは日持ちしない
そぼろは、お弁当だけでなく、さまざまな料理に使えますので作り置きしたいおかずのひとつですが、手作りのそぼろには保存料などが入っていませんので傷みやすく日持ちしません。
そぼろの水分をしっかり飛ばして、味付けを濃くすれば日持ちすると思いがちですが、夏など暑い時期には、数時間~半日程度、冬でも1日程度しか日持ちしないので、常温で保存するのはNGです。
そぼろは冷蔵保存で3日~5日程度
そぼろは、水分量や塩分量で保存期間が多少変わりますが、冷蔵保存で3日~5日程度日持ちします。調理の際に、しっかりと水分を飛ばして味付けを濃くすることで、1週間ほど日持ちします。
そぼろを冷蔵庫で保存する際は、一度粗熱を取ってから保存容器に入れることが大切です。粗熱が残ったまま保存すると結露により水滴がそぼろに付着し、細菌が繁殖しやすくなる恐れがあります。
また、保存するそぼろがなるべく空気に接することがないよう密閉性を意識することも重要です。ラップなどで隙間なく包みましょう。
そぼろは冷凍保存で2週間程度
そぼろは、冷凍庫で保存すると2週間程度日持ちします。水分をしっかり飛ばして、濃い目に味付けした場合は、1ヶ月程度まで保存期間を延ばすことができるのです。そぼろを日持ちさせて、いつでもすぐ食べられるようにしたい場合は、冷凍保存がおすすめです。
ただし、長期間保存できるといっても冷凍したそぼろは次第に風味と美味しさを損なっていきます。長く保存できるからと放置せず、できるだけ早い段階に食べ切ってしまうことをオススメします。
市販品のそぼろの場合
市販品のそぼろの場合、保存料を使用し保存性を高める加工を施しているため、手作りそぼろよりも長期間の保存が可能です。商品によっても大きく異なりますが、製造日から1~2週間、長いものだと1ヶ月以上先を賞味期限として定めています。
特に瓶詰されたそぼろや缶詰タイプ、冷凍そぼろは、より長持ちしやすく商品によっては1年以上先まで保存できる物もあります。
ただし、市販のそぼろであっても開封後は長持ちしません。瓶詰そぼろであれば数日以内、冷凍そぼろは遅くとも翌日までには使い切ってしまうことをおすすめします。開封後は各商品の記載に従って保存しましょう。
《 ポイント 》
- 常温保存のそぼろの日持ち:温度が高い場合は半日、寒い時期でも1日。
- 冷蔵保存のそぼろの日持ち:3日~5日。空気をしっかり抜いて濃い味付けにすれば1週間程度。
- 冷凍保存のそぼろの日持ち:2週間程度。空気をしっかり抜いて濃い味付けにしたら1ヵ月程度。
- 市販品の賞味期限は商品によって異なる。短くて1~2週間、長いものだと1年以上先まで長持ちする物もある。
そぼろを日持ちさせる保存方法
そぼろを日持ちさせるには、それぞれ適切な方法で保存することが重要です。正しく保存することで、そぼろの鮮度や風味を長持ちさせ、美味しさを持続させられます。冷蔵保存や冷凍保存でそぼろを日持ちさせる方法やコツをご紹介します。
そぼろを日持ちさせる保存容器
そぼろの保存容器は日持ちさせる保存方法によっても異なります。冷蔵保存の場合、ラップで密閉する他に、タッパーなどに入れて保存しても日持ちします。
一方、冷凍保存の場合でも、タッパーはまとめて保存でき、解凍後の液漏れも少ないため便利です。ただし、冷凍庫内のスペースを占領してしまいがちです。
冷凍庫が大きくないご家庭は、そぼろをラップに小分けして包む、もしくはフリーザパックなどに入れて保存すると省スペースで保存でき、使いたいぶんだけ解凍できます。
また冷凍保存する際、瓶詰されている市販品は別の容器に移し替えましょう。冷凍することでそぼろの水分が膨れ上がり、容器が割れてしまう危険があります。手間ではありますが、瓶詰の食品はラップにくるむか冷凍保存可能なタッパーに仕舞うことをオススメします。
冷蔵保存でそぼろを日持ちさせる方法
- そぼろの粗熱をしっかり取る。
- 密封できるタッパーやジップ付きの保存袋などにそぼろを入れる。
- 容器の中の空気をしっかり抜き、フタをする。
- チルド室に入れて保存する。
注意点
そぼろの粗熱が残っているうちに冷蔵庫に入れると容器や保存袋の中に水滴が発生します。そぼろに水滴が落ちて水っぽくなると日持ちが悪くなりますので粗熱をしっかり取ってから冷蔵庫に入れましょう。
コツ
冷蔵保存はチルド室で保存しましょう。また、空気にふれないよう容器内の空気をしっかり抜きましょう。
冷凍保存でそぼろを日持ちさせる方法
- そぼろの粗熱をしっかり取る。
- そぼろを使いやすい量に小分けする。
- 小分けにしたそぼろを平らにして一つずつラップで包む。
※ラップで包む際、空気が入らないよう注意しましょう。 - 小分けした量が多めの場合は、定規などで真ん中に折れ目をつける。
※平らにしたそぼろに折れ目を付けておくことで、冷凍したままポッキっと折って使うことができます。 - 小分けしたそぼろをジップ付き冷凍用保存袋に平らになるよう入れる。
- 冷凍用保存袋の中の空気をしっかり抜いて閉じる。
- 金属のトレイにのせ冷凍庫に入れて保存する。
コツ
1回で使い切る量を小分けにしましょう。また、小分けにする際は、そぼろを平にし、空気をしっかり抜いてから閉じます。平らにすることで冷凍スピードが早くなりますし、空気を抜くことで傷みにくくなります。
また、平らに広げたそぼろに定規などで折れ目をつけてから冷凍しましょう。折れ目を付けておくと、冷凍したまま折ることができます。
冷凍庫の奥の方で保存すると温度変化のムラが少なく、より鮮度を保って保存しやすくなります。
冷凍そぼろの解凍方法
冷凍したそぼろを解凍する際は、前日にそのまま冷蔵庫に入れて自然解凍しましょう。もし、急ぎで解凍したい場合はラップのまま電子レンジに入れ、600Wで1分程度保存しましょう。
一度解凍した、そぼろは風味が低下しつつあります。再冷凍は避け早めに食べてしまいましょう。
またお弁当に冷凍そぼろを加える場合、半解凍の状態でいれると氷が解けた水がお弁当内に発生し食中毒のリスクが高まります。必ず完全に解凍してから入れましょう。
《 ポイント 》
- 冷蔵保存は、そぼろを密封容器に入れて空気をしっかり抜き、密封してからチルド室で保存する。
- 冷凍保存は、小分けにしたそぼろをラップで包み、ジッパー付き保存袋に平らに入れて冷凍庫で保存する。
- 解凍方法は前日冷蔵庫で自然解凍するか、電子レンジで加熱して解凍する。
そぼろを日持ちさせる作り方
そぼろを日持ちさせる保存方法は、冷蔵保存で3日~5日ですが、水分をしっかり飛ばして味付けを濃くすることで1週間程度日持ちさせることができます。
つまり、そぼろに含まれる水分量や塩分量で日持ちする日数が変わるということです。では、どのようにそぼろを作れば日持ちするのでしょうか?
日持ちさせる作り方のコツ
- 水分をしっかり飛ばす
- 味付けを濃くする
- ショウガを多めに入れる
- 砂糖を多めに入れる
そぼろに水分があると日持ちしない
食品が腐る原因は細菌です。細菌が繁殖するには水分と酸素が必要ですので、そぼろに水分が多いと細菌が繁殖して傷みやすくなります。
そぼろの味付けを濃くすると日持ちする
塩分は細菌の繁殖に必要な水分を取ります。塩分濃度が高いほど細菌は繁殖しにくくなりますのでそぼろに塩分を多めに入れることで日持ちします。
ショウガを多めに入れる
ショウガに含まれるジンゲロールという辛み成分は殺菌作用がありますので、細菌の繁殖を抑えることができ、そぼろを日持ちさせることができます。また、ジンゲロールという辛み成分は加熱によって殺菌効果が下がることはありませんのでそぼろで加熱してもOKです。
砂糖を多めに入れる
砂糖は塩と同じく細菌の水分を取るため繁殖しにくくなり、そぼろに糖分が多いほど日持ちします。
それでは、そぼろを日持ちさせる作り方を具体的にご紹介します。
肉そぼろを日持ちさせる作り方
食材
- 鶏ひき肉:200g
- ショウガ:1かけ
- 砂糖:小さじ2杯
- 醤油:小さじ4杯
- みりん:小さじ4杯
作り方
- ショウガをみじん切りにする。
- フライパンにサラダ油を熱し、ショウガを入れる。
- 弱火にしてショウガを木べらで炒める。
- 中火にしてひき肉を入れ、ひき肉がダマにならないようかき混ぜながら炒める。
- ひき肉ポロポロになったら調味料を入れる。
- ひき肉と調味料を手早く混ぜながら炒める。
- 水分が飛んだら完成!
ショウガの殺菌作用と、醤油の塩分や砂糖が水分を取ってくれるので少しでも日持ちが良くなります。
卵そぼろを日持ちさせる作り方
食材
- 卵:3個
- 砂糖:大さじ1杯
- 酒:大さじ1杯
- 塩:少々
- みりん:大さじ1杯
作り方
- ボールに卵と砂糖、酒、塩、みりんを入れてしっかり溶きほぐす。
- フライパンにサラダ油を熱し、溶きほぐした卵を入れる。
- 弱火にして4本の菜箸でぐるぐるかき混ぜながら炒る。
- 卵がポロポロになったら完成!
砂糖は水分を取ってくれますので細菌の発生を抑えて日持ちが良くなります。甘いものが苦手という方は砂糖ではなく塩を多めに入れましょう。
そぼろの賞味期限が切れるとどうなる?
とりそぼろは日持ちが悪いのが残念ですね。そぼろに含まれる水分量や塩分量によって冷蔵保存していても1日~2日しか日持ちしないこともあります。傷んだそぼろをうっかり食べてしまうと食中毒をおこす可能性もありますので、そぼろがどのようになったら食べない方がいいのかをご紹介します。
傷んだそぼろの見分け方
- すっぱい臭いや異臭がする
- ねばねばの糸を引いている
- 変色している
- カビが生えている
このようなそぼろは決して食べないでください。一見なにも変化が無い場合でも食べたら「ちょっと酸っぱいかな?」ということがありますが、少しでも味に変化がある場合は食べずに処分しましょう。
傷んだそぼろを食べて具合が悪くなった場合
万が一、そぼろの劣化に気が付かず食べてしまい、体調が悪くなってしまった場合は必要に応じて医療機関の受診を推奨します。特に胃腸炎などによる下痢や嘔吐など脱水を伴うものは危険性が高いため、無理せず病院での処置を受けた方がいいです。
食中毒は最近の種類によって汚染食品を食べてから症状が現れるまでの期間が異なります。そぼろの調理に混入しやすい食中毒菌として黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌、カンピロバクターが挙げられます。症状が出現するのが早いのは黄色ブドウ球菌やサルモネラ菌で、食後しばらくして吐き気などを覚えることがあります。カンピロバクターの場合は数日後に症状が現れることが多いです。
加熱したとしても、手や調理器具などに食中毒菌が付着し、そこからそぼろに移る可能性もあります。適切に調理・保存していたとしても食中毒菌は増えます。食中毒菌が増える前にできるだけ早くそぼろは食べ切ってしまうことをオススメします。
最後に
ひき肉は日持ちが悪いため、冷蔵庫で保存していても食べる前に電子レンジでチンするかフライパンで再度加熱してから食べましょう。お弁当の場合、ご飯の上に冷たいそぼろをそのままかけるとお弁当内の熱や水分で傷みやすくなりますので注意しましょう。
そぼろはご飯にかけるだけでなくさまざまな美味しい食べ方があります。きゅうりの和え物、パスタと和える、豆腐にのせる、サラダに和えるなど、ご自分の好きな料理に和えて食べてみましょう。