目次
サーターアンダギーとは
サーターアンダギーとドーナツの違いをご紹介します。サーターアンダギーは別名「揚げドーナツ」とも呼ばれていますが、どのような食べ物でしょうか?
サーターアンダギーは沖縄のソウルフード!
沖縄名物の食べ物とのひとつ「サーターアンダギー」について解説します。
沖縄の方言で「サーターは砂糖」「アンダは油」「アギーは揚げ」で、「油で揚げたもの」という意味を持ち、その言葉をつなげて「サーターアンダギー」と呼ばれるようになりました。
沖縄の人たちとっては古くからなれ親しんでいる「ソウルフード」でしょう。
中国由来で縁起のよい食べ物とされている
中国には「開口笑」と呼ばれているサーターアンダギー似た形の揚げ菓子があります。
揚げている最中にできた割れ目が笑っている口に見える、または花がパッと咲いたように見えることから、「福を呼び込む幸せの象徴」として、結納などお祝いや行事に欠かせない縁起のよい食べ物とされています。
中国由来の開口笑のレシピが、琉球国時代の沖縄に伝わったのが起源と言われています。昔は高貴な方々の食べ物だったようで、庶民が気軽に食べるようになったのは戦後からだそうです。
〈作り方〉
小麦粉、卵、多めの砂糖を練り合わせて油で揚げた球状のお菓子で、「砂糖てんぷら」または「揚げドーナツ」とも呼ばれています。
水分は卵のみというシンプルなものを、140~150℃の低温の油で数分間じっくりと揚げるので中心部までしっかりと火が通ります。
そのため、賞味期限が約2週間と長く、沖縄では保存食としても親しまれているようです。
《 ポイント 》
- 沖縄の人たちとっては古くから馴れ親しんでいるソウルフード。
- 中国の「開口笑」のレシピが琉球国時代の沖縄に伝わったのが起源。
- 「砂糖てんぷら」または「揚げドーナツ」とも呼ばれている。
- 低温の油でじっくりと揚げるため、賞味期限が約2週間と長い。
サーターアンダギーとドーナツの違いは材料
サーターアンダギーとドーナツ、どちらも小麦粉を油で揚げたものですが、どんな違いがあるのでしょうか?
穴の空いていない球状でずっしりとしたサーターアンダギー、それに対してドーナツは穴の空いたリング状の形…このような見た目だけではなく、サーターアンダギーとドーナツの大きな違いは材料にあったのです!
サーターアンダギーには牛乳を入れない
サーターアンダギーに使用されている材料は「小麦粉」「卵」「砂糖」「ベーキングパウダー」などで、牛乳や水など水分となるものが使われていません。牛乳や水の代わりに、その分卵を多く使用します。
そして時には、沖縄ならではの「黒糖」や「ラード」が入っているサーターアンダギーも珍しくありません。より一層「沖縄名物」らしいですよね。
ドーナツの生地には牛乳を入れる
一方ドーナツの材料も「小麦粉」「卵」「砂糖」「ベーキングパウダー」と、材料はサーターアンダギーと変わらないのですが、ここに「牛乳」などの乳製品がプラスされます。
要するに、材料に乳製品を使っているのがドーナツで、使っていないのがサーターアンダギーと覚えておくと間違いないでしょう。
《 ポイント 》
- 材料に乳製品を使っているのがドーナツ、使っていないのがサーターアンダギー。
サーターアンダギーとドーナツの賞味期限の違い
サーターアンダギーの賞味期限
販売されているサーターアンダギーのほとんどは、賞味期限が2週間前後です。
実際には賞味期限前でも、水分が減り油も酸化して固くなり、味が落ちてしまっていることでしょう。賞味期限を延ばす一番の方法は冷凍保存です。
サーターアンダギーはドーナツと同じで、常温で保存するのが基本ですが、油で揚げて作っているので酸化しないように密封状態にしてから保存します。
もし、賞味期限を超えてしまいそうなときは、冷蔵ではなく冷凍庫で冷凍保存しましょう。冷凍保存した場合の保存期間の目安はおよそ1ヵ月です。
ただし、上手に密封できずに冷凍中も空気に触れていたら、1ヵ月より短い2週間程度と考えておきましょう。
ドーナツの賞味期限
ドーナツの種類によってそれぞれ賞味期限に違いがあるようです。ドーナツ屋さんで売られている一般的な商品の賞味期限は、公式発表によるといずれも「今日中」となっています。冬場や日の当たらない涼しいところで保存した場合でも、せいぜい翌日まででしょう。
《 ポイント 》
- 賞味期限が約2週間のサーターアンダギー、ドーナツはその日のうちに。
サーターアンダギーとドーナツの歴史の違い
中国から琉球に伝わったサーターアンダギー
サーターアンダギーの歴史は500年以上前の王朝時代から始まりました。琉球から中国に渡った調理人が学んできたお菓子、「開口球(かいこうきゅう)」がルーツです。
生地を揚げている時にパカっと割れたサーターアンダギーの割れ目が、女性の笑顔に例えられたことから、沖縄ではお祝いの席や結納の席に並べられる習慣が残っています。
ヨーロッパで誕生したドーナツ
17世紀頃、オランダを始めヨーロッパ各地で親しまれていたドーナツは、今のように穴が空いていませんでした。
平らな生地の真ん中にクルミをちょこんと載せていたのだとか。ドーナツの「ドウ」は生地、「ナッツ」はご存じのとおり「木の実」からつけられた名前だったのですね。
以後、アメリカに伝わってからドーナツに穴が空けられるようになったのです。真ん中に穴を開けるようになったのには二つの理由が挙げられます。
火の通りを早くするためと、当時アメリカではクルミが手に入りにくかったからというのが、その理由です。その後、ドーナツは世界各地にあっという間に広まり、1970年頃に初のドーナツ店が日本に登場しました。
《 ポイント 》
- 17世紀頃からヨーロッパ各地で親しまれていたドーナツ。
- 1970年頃に初のドーナツ店が日本に登場。
サーターアンダギーとドーナツは味やカロリーも違う?
サーターアンダギーとドーナツ、どちらもたまらなく美味しいのですが、例外なく美味しいものはカロリーが高いというのが悩みどころです。
サーターアンダギーとドーナツは、牛乳などの乳製品が入っているかいないかの違いの他は、使用する材料はほとんど同じでしたね。
では、この二つのカロリーに違いはあるのでしょうか?
サーターアンダギーのカロリーと糖質
サーターアンダギーはドーナツに比べて硬くずっしりと重い食感が特徴的です。
種類や大きさによっても違ってきますが、重量が70g程度の中サイズ~大きいサイズのサーターアンダギーのカロリーはおよそ200~300キロカロリーです。糖質となるとこれまた高めで、多いもので40gくらいでしょうか。
ちなみに、イチゴのショートケーキのカロリーはおよそ360キロカロリー。糖質はおよそ35gで、ケーキよりも砂糖がふんだんに使われている分、注意が必要ですね。
ドーナツのカロリーと糖質
ドーナツは、色とりどりいろいろな種類がありますが、最もサーターアンダギーに近いと思われるドーナツ、「オールドファッション」と比べてみましょう。
1個あたりの重量がサーターアンダギーと同じ70g前後のオールドファッションドーナツのカロリーは、大体290キロカロリーです。カロリーだけみるとそれほど大きな違いではないですよね。
糖質は30g前後と、サーターアンダギーよりもやや少なめですが、サーターアンダギーとドーナツ、このどちらも高カロリー高糖質で二つに大差ないと言えるでしょう。
味と食感の違い
どちらも甘い食べ物ですが、サーターアンダギーのほうがずっしりとした重い食感です。ふわふわに揚げたドーナツと違って食べ応えがあり、1個食べただけでお腹いっぱいになってしまいそうです。
また、ドーナツは生地が色々あって様々な食感を味わえますが、サーターアンダギーの種類はそれほど多くありません。
とはいうものの、プレーン以外に「黒糖」や「ゴマ」を組み合わせたものや、甘くないサーターアンダギーも作られています。
栄養の違い
サーターアンダギーとドーナツ、どちらも決してヘルシーな食べ物とは言えませんね。材料も乳製品以外はほとんど同じなので、栄養素にも大きな違いはありません。
卵が入っているので、どちらにも以下の栄養素が豊富に含まれています。
- 出血を止めるのに必要な成分の「ビタミンK」
- 抗酸化作用のある「セレン」
- 酵素を作るのに必要な成分の「モリブデン」
《 ポイント 》
- サーターアンダギーのカロリーと糖質はドーナツよりやや高め。
- どちらも高カロリー高糖質で大差ない。
- サーターアンダギーはずっしりとした重い食感で満腹感がある。
最後に
サーターアンダギーとドーナツの違いについて、いかがでしたでしょうか?古くから沖縄で親しまれてきたサーターアンダギーは、ちんすこうと並んで定番の沖縄名物です。
一方でドーナツは、全国どこででも手軽に買える人気のスィーツです。この二つは、材料に含まれる乳製品のちょっとした違いだったのですね。
要は、材料に牛乳などの乳製品を使っているのがドーナツで、使っていないのがサーターアンダギーというわけです。
どちらもカロリーと糖質は高いのですが、それが美味しさの秘訣!食べ過ぎない程度に、大好きな飲み物と一緒に食べてみてはいかがでしょうか!