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『勤労感謝の日』とは
勤労感謝の日は、毎年11月23日でこの日は年内最後の国民の祝日となっています。今から70年以上も前の1948年に制定されました。勤労感謝の日だけあり、働いている人への感謝の示す日のように思われやすいですが、国民の祝日に関する法律では
「勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」
と制定されています。
「勤労」という言葉には「仕事に励むこと、賃金をもらって一定の仕事に従事すること」という意味があります。つまり、勤労感謝の日は、賃金が発生している、いないに関わらず、全ての労働をお互い感謝し合う日となっているのです。
お給料をもらっている立場の人も、収入にはなっていないものの家事や育児、介護などを頑張っている人も、全て含まれています。そして、日々の生産を祝い、国民みんなで感謝し合いましょう、という日であります。
『勤労感謝の日』の”意外な由来・起源”
新嘗祭(にいなめさい)と大嘗祭(だいじょうさい)
「勤労感謝の日」が制定される前は、11月23日とは「新嘗祭(にいなめさい)」が行われる日でした。新嘗祭(にいなめさい)とは、日本古来の重要な宮中行事と扱われていました。
その年の収穫に感謝し新穀を神様にお供えし、翌年の豊穣を願う行事、とされています。「にいなめのまつり」「しんじょうさい」と呼ぶこともあります。
今でも神様の恵みによって新穀を得たことを感謝するお祭りとして、宮中や神社などで行われている行事です。「労働」に感謝する日ではなく、農作物の収穫をお祝いする日でありました。
一方、11月23日を大嘗祭(だいじょうさい)と呼ぶ年もあります。これは、新嘗祭のうち、新しい天皇が即位して最初のものを大嘗祭というためです。こ新嘗祭・大嘗祭は働く「労働」に感謝する日ではなく、農作物の収穫をお祝いする日でありました。
新嘗祭が廃止になり『勤労感謝の日』が誕生
昔は新嘗祭であった11月23日が、なぜ勤労感謝の日となったかというと
- 戦後のGHQ(第二次世界大戦後に日本の占領政策に当たった連合国軍最高司令官総司令部)の考えにより、天皇が関わる祭日は、祝日として取り扱わなくなったため
と言われています。そして五穀豊穣に感謝する日から、
- 食物に感謝
- 食物を作っている生産者・販売者にも感謝
- 働いたお金でその食物を買ってくれる人に感謝
- その食物を美味しく料理してくれる人に感謝
など、毎日の食卓とそこに関わる全ての人に感謝する日となりました。そこから現在では、農作物の収穫を祝うだけでなく、あらゆる労働・勤労に対して感謝する日となったとのことです。
『勤労感謝の日』の過ごし方
勤労感謝の日は、労働・勤労に関わるすべての人へ感謝をしあう日です。おすすめの過ごし方としては、自宅でのんびり過ごしたり、温泉旅行などに行き日頃の疲れを癒すのもよいでしょう。
また、国民たがいに感謝しあう日でもあるため、お互いをねぎらい合い日々の「ありがとう」の気持ちを伝えるのもおすすめです。
毎日忙しく仕事をしている家族やパートナーに、感謝と尊敬の気持ちを込めて、何かプレゼントを贈るのも良いでしょう。また、「新嘗祭」は現在でも宮中や神社などで行われている行事ですので、地元のお祭りに参加するのも楽しいかもしれません。
- 自宅でのんびり過ごす
- 温泉旅行に行く
- 周囲の人たちと感謝の気持ちを分かち合う
- 感謝と尊敬の気持ちを込めて贈り物を渡す
- 地元のお祭りに参加する
最後に
勤労感謝の日は、成人の日や海の日などのように日と合わせて連休にするハッピーマンデーが適用されず、固定の祭日となっています。毎年11月23日はすべての労働・勤労に対して国民みんなで感謝し合う素晴らしい日であります。ぜひ、その気持ちで1日を穏やかに過ごしてみて下さい。