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電気ストーブのつけっぱなしで火事に!
東京消防庁が公開しているデータによると、東京都内で発生している電気火災の件数は毎年1,000件前後。その中でも、発生件数、死者数共に最も多いのが電気ストーブの消し忘れなどによる火災で、件数にすると毎年100件以上に登るそうです。
火災の危険が最も高いストーブと言えば、石油ストーブやガスストーブを思い浮かべる方が多いかもしれません。でも実は、ストーブ火災の原因の8割近くが電気ストーブによるものなのです。意外と多い電気ストーブによる火災、その原因を詳しく探ってみましょう。
電気ストーブで火事になってしまう原因
ストーブを点けたまま寝てしまった
電気ストーブによる火災のうち、最も多い着火物が寝具類・布団類です。寝返りなどの拍子に、布団が電気ストーブに接触することで火災が発生しています。
東京消防庁が行った実験動画によると、電気ストーブに布団が接触してから煙があがるまでの時間はわずか1分。5分と経たないうちに火が出て、布団が炎に包まれる様子がみてとれました。
寝ている間に、こんなに短時間で火事になってしまうなんて驚きですよね。
近くに洗濯物を干していた
寝具類に続いて多いのが、衣類に着火して火災に発展してしまうケースです。火を使わない製品だから大丈夫だろうと自己判断して、ストーブのすぐ近くで衣類を乾かすのは絶対にやめましょう。
ストーブのすぐ側には置いていないから、と安心していても、ストーブの上に干していた洗濯物がいつの間にか落下して燃え上ってしまった、なんてこともあるのです。
ホコリが溜まっていた
部屋のあちこちに溜まっているホコリ。電気ストーブも例外ではなく、毎日使っていても、いつの間にかホコリが溜まってしまいます。このホコリを掃除せずに放置しておくと、火災の原因になってしまうこともあるってご存知でしたか?
特に熱くなるヒーター部分にホコリが溜まっている場合は要注意。焦げ臭い原因にもなりますし、熱せられて着火してしまうことも充分に考えられます。
壊れたストーブを放置していた
意外に思われるかもしれませんが、壊れたと思ってそのまま放置していたストーブが原因になることもあるのです。外出中に何かの拍子で通電してスイッチが入り、火災に発展したケースも。
壊れているからと近くに燃えやすいものを置いていたり、ストーブも物置替わりにしているとあっという間に火の手があがってしまいます。壊れたストーブを家に置いておく場合は、コンセントを必ず抜き、燃えやすいものを近くに置かないように注意しましょう。
電気ストーブのつけっぱなしの危険性は火事以外にもある
電気ストーブは便利ですが、火事以外にも危険が潜んでいます。安全に使用するための注意点を確認しましょう。
一酸化炭素中毒の危険性
一般的に、一酸化炭素中毒の危険性があるのはガスストーブや石油ストーブと言われています。
しかし、前述したようなことが原因で火事にならずとも煙が出てしまった場合、一酸化炭素中毒により死亡してしまう最悪のケースも発生しています。焦げ臭い臭いがした時は要注意。
普段からホコリをこまめに取り除いておくことはもちろん、気分が悪くなるなどの症状が出たらすぐにスイッチをオフにしてお部屋を換気しましょう。
電気代が必要以上にかかる
ストーブをつけっぱなしにして出かけてしまった際、最初に浮かぶのは火災の心配でしょう。しかし、運よくセーフだった場合、次に気になるのは電気代ではないでしょうか?
部屋の温度などによって消費電力が変わるエアコンとは違い、電気ストーブはスイッチを入れてから切るまで常に一定の電力を消費します。
加えて、電気ストーブはもともと電力の消費が大きい製品なので、毎日のようにつけっぱなしにしていると、ほかの暖房器具よりも電気代が高くついてしまう可能性があるので注意しましょう。
電気ストーブの火事を予防する対策
安全性を確保するために必要なポイントを4点ご紹介します。
タイマー機能のあるものを選ぶ
就寝時の消し忘れが多くの火災を招いている電気ストーブですが、最近ではタイマー機能が備わっているものが多く売られています。
一定時間が経つと自動でスイッチがオフになるように設計されているので、消し忘れたまま外出してしまった、うっかりつけたまま寝てしまったという方にはもちろん、いつも外出した後に消したか不安になってしまうという心配性の方にもぜひチェックして欲しい機能です。
自動停止する安全装置機能があるものを選ぶ
電気ストーブを選ぶ際に注目したいのは、安全装置の有無です。足元にあるものですから、どうしても家事をしている最中に接触してしまったり、小さいお子様がいる場合はお子様が誤って倒してしまった、ということもあるかもしれません。
そんな時に役立つのが、衝撃を受けた時や転倒時に自動でスイッチがオフになる安全機能です。中でも防火に対応している商品は、一度倒れたら起き上がるまで通電しない、という機能もあるので併せてご確認ください。
寝具類やカーテンなどを防炎品にする
最近は様々な効果のある寝具やカーテンが販売されていますが、ストーブを使う部屋の寝具やカーテンを防炎品にするのも火事対策のひとつです。防炎品は炎に触れても燃え上がらず、自己消火機能も持っています。見た目も美しく肌触りも良いものが多いので、一度検討してみてはいかがでしょうか?
その他にも、パジャマやエプロンなど防炎製品はたくさんありますので、これを機に身の回りの物をチェックしてみるのもいいかもしれませんね。
火災報知器を設置する
最悪火災が発生してしまった場合には、イチ早く火災の発生に気が付くことが大切です。ちょっとした不注意から、外出から帰ったら家が燃えていた、なんて想像するだけで恐ろしいですよね。
自宅が被害にあうことはもちろんですが、周囲に燃え広がって大規模な火災になってしまうことも想定できますし、最悪の場合、なくなってしまうのは物だけではないかもしれません。安いものであれば、インターネットで数千円から手に入ります。
就寝中の火災に気づきにくい場面でも、連動式の火災報知器を各部屋に設置しておけばどこか1室に異常があった場合はすべての警報器が鳴る仕組みになっているので、高齢者やお子さんがいるご家庭でも安心です。
火災報知器の作動を受けてプロがかけつけてくれるサービスもあるので、もしもの場合に備えてご家族と相談されてみてはいかがでしょうか?
最後に
最近はおしゃれなデザインも増え、インテリアとしても人気のある電気ストーブ。コンセントを繋げばすぐに暖かくなる手軽さや、その身近さからついつい危険な使い方をしてしまうことも少なくありません。
読んでいてギクリとした方は、一度使い方を見直してみるといいかもしれませんね。火災の原因や対策を正しく理解した上で、安全な電気ストーブライフをお送りください。