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「いちじく」と「ざくろ」は似ているけど違う果物
「いちじく」と「ざくろ」の形はどちらも玉ねぎのような形をして見た目は似ていますが、味も食感も全く違う果物です。いちじくとざくろの違いは二つに割ると一目で分かります。
いちじくもざくろも中に赤いつぶつぶがたくさん入っていますが、いちじくは柔らかい果肉の中心に赤く小さなつぶつぶがあり、ざくろの中身はすべて赤い透明なつぶつぶで、いちじくのような果肉はありません。
また、いちじくの皮は柔らかく、ざくろの皮は硬いという違いがあります。言葉で聞いただけでは分かりにくいと思いますので、画像を見ながらいちじくとざくろの違いを説明しますね。
いちじくの特徴
いちじくは、クワ科の落葉樹木で2~4mの木に実がなります。いちじくの原産国はアラビア南部で、アジア諸国くで広く栽培されています。いちじくは、未完熟の時は緑色で完熟するにつれ赤くなっていきます。
いちじくを漢字で書くと「無花果」。無花果とは花の無い果実という意味ですが、実は、一般的に食べる部分は、果実ではなく花にあたる部分なのです。
実が花?と不思議かもしれませんが、二つに割ったいちじくの中身をよく見ると、つぶつぶの白い小さな花がたくさんあるのが分かります。
つまり、いちじくは花の部分を食べているということですね。いちじくは花の無い果物ではなく、外からは花が見えない果物なのです。いちじくは熟すと玉ねぎ型のお尻の部分が割れてくるのが特徴です。
ざくろの特徴
ざくろはザクロ科の落葉小高木で4~7mの木に実がなります。ざくろの原産国はイラン西北部ですが、市場で販売されているざくろのほとんどはカリフォルニア産です。ざくろジュースなどはイラン産も使われていますが、国産のざくろの流通はほとんどありません。
ざくろを漢字で書くと「石榴」または「柘榴」。一般的に食べる部分は中の赤いつぶつぶの果粒です。二つに割ったざくろの中身をよく見ると、透明な赤いつぶつぶの中に小さな種があるのが分かりますが、このまま種ごと食べても大丈夫です。ざくろは熟すと玉ねぎ型の頭の部分が割れてくるのが特徴です。
いちじくとざくろは食べ方や食感も違う
ここでは、いちじくとざくろの食べ方や食感の違いなどを説明します。
いちじくの食べ方
いちじくは中の果肉を食べます。熟したいちじくの実はとても甘く、ジュクジュクした食感があります。熟したいちじくの皮は手で剥くことができます。
いちじくのヘタをポキッと折り、ヘタをゆっくり下にひっぱり、皮に果肉がつかないよう注意しながら皮を剥きます。皮が残ってしまった場合、皮ごと食べてもOKですが、気になる方は果物ナイフや包丁で皮をそぎましょう。
熟してお尻の部分が割れているいちじくは皮も柔らかいので皮ごと食べることがおすすめです。いちじくの皮には小さな毛がついていますが、塩でこすって洗えば毛は落ちますので皮ごと食べても気になりません。
皮を剥いだいちじくは、丸ごとのままパクッと食べることができますが、カットする場合はくし切りにしましょう。
ざくろの食べ方
ざくろは中の赤いつぶつぶの果粒を食べます。味は甘酸っぱく、シャキシャキした独特な食感があります。
ざくろは熟すと頭の皮が割れますので、手でパキッと二つに割ることができますが、もし、手で割れない場合は、ざくろの先端を2cnほど切り落とし、皮の表面に5か所くらい切り込みを入れて手で開きます。ざくろのつぶつぶの果粒は中の小さな種と一緒にそのまま食べることができます。
ただし、種が硬めで食べにくいと思う方は、種の周りの実だけを食べて種をはき出すか、種ごとミキサーにかけてジュースやスムージーにすることをおすすめします。すっぱいのが苦手な方は他の甘い果物やはちみつなどを入れると飲みやすくなります。
また、ヨーグルトの中に入れたり、デザートやサラダなどのトッピングにして、彩も楽しむことができます。
その他のいちじくとざくろの違い徹底比較!
いちじくとざくろの旬の時期、産地、栄養価、保存方法などを比較してみました。
旬の時期
<いちじくの旬>
国産のいちじくの旬は、8月頃~10月頃です。いちじくは、初夏~夏に実がなるもの、秋に実がなるもの、初夏と秋の両方に実がなるものがありますので、収穫時期が長く旬も長めです。
<ざくろの旬>
カリフォルニアからの輸入ざくろの旬は9月~11月初旬です。国産のざくろの旬は、9月~11月中旬です。スーパーなどに販売されているほとんどのざくろはカリフォルニア産で国内のざくろはほぼ販売されていません。
産地
<いちじくの産地>
いちじくの主な産地は、愛知、和歌山、兵庫、大阪、福岡です。福岡には「とよみつひめ」という福岡ブランドいちじくがあります。
<ざくろの原産地>
市場に出ているざくろのほとんどはカリフォルニア産です。国産のざくろは少なくスーパーなどでは滅多に販売されないようです。
栄養価
<いちじくの栄養価>
いちじくの主な栄養素は、ペクチン、カルシウム、鉄分、マグネシウム、カリウム、ポリフェノールなど。いちじくに含まれる水溶性食物繊維のペクチンは腸を整え、便秘解消の効果があります。
また、カルシウムや鉄分やカリウムなどのミネラルにより高血圧防止、動脈硬化防止などに効果があります。ポリフェノールには抗酸化作用があり、美肌やアンチエイジング効果があります。
<ざくろの栄養価>
ざくろの主な栄養素はカリウム、ビタミンC、ビタミンB2、ナイアシン、ポリフェノール、クエン酸など。
ポリフェノールはざくろの赤い果汁に豊富に含まれており、抗酸化作用があり、肌やアンチエイジング効果があります。また、ビタミンC、ビタミンB2、ナイアシンなどは、高血圧防止、動脈硬化防止などの効果があります。
保存方法
<いちじくの保存方法>
いちじくは冷蔵保存、または冷凍保存しましょう。いちじくは鮮度が落ちやすく傷みが早いので、高温多湿の場所に置くとすぐ傷んでしまいます。また、いちじくの果肉はとても柔らかいのでうっかり指でつぶしてしまうとそこから傷み始めます。
<いちじくの冷蔵保存方法>
- いちじくが傷んでいる部分や潰れている部分を取り除きます。
- キッチンペーパーなどでいちじくについている水気をそっと拭き取ります。
- いちじくをひとつずつラップで包みます。
- いちじくをバットなどに並べます。
- 冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
冷蔵保存での賞味期限の目安は2日~3日です。
<いちじくを丸ごと冷凍保存する方法>
- いちじくをやさしく洗います。
- キッチンペーパーなどでいちじくについている水分をそっと拭き取ります。
- バットにラップを敷き、いちじくが重ならないように並べます。
- いちじくを冷凍庫に入れて冷凍します。
- 冷凍したいちじくを冷凍庫から取り出し、冷凍保存用の袋に入れます。
- 袋の中の空気をしっかり抜いて密封します。
- 再度冷凍庫で保存しましょう。
<いちじくをカットして冷凍保存する方法>
- いちじくをやさしく洗います。
- キッチンペーパーなどでいちじくについている水分をそっと拭き取ります。
- いちじくのヘタを切り落とし、食べやすい大きさにカットします。
- バットにラップを敷き、いちじくが重ならないように並べます。
- いちじくを冷凍庫に入れて冷凍します。
- 冷凍したいちじくを冷凍庫から取り出し、冷凍保存用の袋に入れます。
- 袋の中の空気をしっかり抜いて密封します。
- 再度冷凍庫で保存しましょう。
冷凍保存での賞味期限の目安は約1か月です。
ざくろの保存方法
まだ皮が裂けていないざくろの場合、皮付きのまま保存すれば常温保存でも日持ちします。また冷蔵保存や冷凍保存をすることで賞味期限を長くすることができます。
<ざくろの常温保存方法>
- ざくろを1つずつ新聞紙やキッチンペーパーで包みます。
- 15度以下の風通しの良い冷暗所で保存しましょう。
風通しの良い冷暗所での賞味期限の目安は1週間程度です。
<ざくろの冷蔵保存方法>
- ざくろを冷蔵保存用の袋やポリ袋に入れます。
- 中の空気をしっかり抜いて密封します。
- 冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
冷蔵保存での賞味期限の目安は皮付きのままなら2~3か月です。
<ざくろの冷凍保存>
ざくろを冷凍保存する時は、実を取り出して冷凍保存することをおすすめします。
- ざくろの皮をむき、ざくろの実を取り出します。
- ざくろの実をジッパー付きの冷凍保存用の袋に入れます。
- 中の空気をしっかり抜いて密封します。
- 冷凍庫に入れて保存します。
冷凍保存での賞味期限の目安は約6か月です。冷凍ざくろをミキサーにかけてジュースを作るのもおすすめです。
最後に
いちじくとざくろの違いや特徴をご紹介しましたが、見分け方は簡単でしたね。スーパーで販売されているいちじくとざくろの美味しい見分け方は、
- いちじく:果皮に張りと弾力があり、付け根部分まで赤褐色になっているもの
- ざくろ:果皮全体が濃い赤色で、重みがあり表面に傷が無いもの
いちじくとざくろ、どちらも美容や健康に良い果物ですので、美味しい実を選んで味わってみてください。