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ポテトサラダの玉ねぎが辛い原因
ポテトサラダに入れた玉ねぎが辛いのはなぜでしょう?
玉ねぎの辛み成分は「硫化アリル」という成分なのですが、ポテトサラダの玉ねぎが辛い理由はこの辛み成分が出てしまっているからなのです。
玉ねぎをカットした時に、この硫化アリルが空気に触れると成分が流れ出して辛くなってしまうというわけです。ただし、硫化アリルは揮発性が高いので長時間は続きません。
また、水に流れ出す特徴があるので、ポテトサラダに玉ねぎを入れる場合は、水にさらして辛み成分を抜いてから加えるか、加熱することで別の物質に変化させることができます。
《 ポイント 》
- 辛みは玉ねぎの「硫化アリル」という成分。
ポテトサラダの玉ねぎを辛くしない方法9つ!
水にさらしたものを加える
ポテトサラダの玉ねぎが辛い理由は、玉ねぎを水にしっかりとさらしていないか、さらす時間が短かったことが考えられます。玉ねぎをスライスしてお皿にひろげ15分ほど水にさらしておきます。
こうして玉ねぎの辛み成分をしっかり抜いておくとポテトサラダを美味しく食べることができるでしょう。
塩でもむ
カットした玉ねぎに塩をまんべんなくまぶして10分ほど置いてから軽くもみます。しんなりしたのを確認したら塩分を流水で洗い流し、手でぎゅっと絞って水気を切ります。
塩でしんなりさせた玉ねぎの使い道は限られてしまいますが、お子様用にはそのあとさらに20分ほど水にさらしておくと、さらに辛味を抜くことができます。
サラダなどに入れてシャキッとさせたい場合は、水よりも氷水をおすすめします。
砂糖でもむ
塩がないときには砂糖で代用できます。カットした玉ねぎに砂糖をふりかけて軽くもみます。その後、水に10分ほどさらしたら十分に洗い流しましょう。ザルにあげて水気を切り、ぎゅっと手で水気を絞ります。
レンジで加熱する
加熱することで別の物質に変化する硫化アリルの特徴を生かして、レンジでチンするのもおすすめの方法です。
スライスした玉ねぎを耐熱皿に広げ、600wの電子レンジで30~60秒ほど加熱するだけという簡単な方法です。10分ほど冷まして粗熱が取れたらそのまま食べることができますよ。
熱湯に入れる
耐熱容器にスライスした玉ねぎを入れ熱湯を注ぎます。手で触れられる温度にまで冷ましたらザルに上げ、さらに流水でもみ洗いします。ザルに上げて水気を切ったら最後にぎゅっと手で絞って水気を切ったら完了です。
フライパンで炒める
フライパンで炒めると、細胞壁が壊れて糖分が細胞の外に出るので甘さを感じるようになります。加熱して辛みが抜けたことで、玉ねぎが持つ本来の甘みを感じるようになるというわけです。
お酢に浸す
水にさらすと、せっかくの硫化アリル成分の血液サラサラ効果が抜けてしまいます。それがもったいない方には、お酢を混ぜた水にさらす方法をおすすめします。
お酢大さじ1杯程度を水300mlに入れて混ぜた中に、スライスした玉ねぎを10分ほどつけておきましょう。ザルに上げて水気を切ったら最後にぎゅっと手で絞って水気を切ったら完了です。
広げてしばらく置いておく
スライスした玉ねぎをザルや大皿に広げて、空気によく触れるように放置しておくだけで辛みを減らせます。空気に触れる面が多ければ多いほど効果があるので、できるだけスライスした玉ねぎが重ならないように広げて置きましょう。
1時間ほどで硫化アリルが揮発して、辛さが和らいでいるのがわかります。水にもつけず加熱もしないこの方法だと、玉ねぎの栄養を損なわずに食べられますよ。
玉ねぎのカットを工夫する
【繊維を断ち切るようにカットする】
玉ねぎの薄皮をむくと、上下に繊維が通っているのがわかりますよね。この繊維を断ち切ることで辛みが抜けやすくなるので、サラダなど生で食べる場合は玉ねぎを繊維に対して水平にカットすれば、辛みを多少抑えることができます。
【スライスはできるだけ薄めに】
揮発性が高いということは、空気に触れる断面の面積が多ければ多いほど揮発しやすくなり辛みを和らげることができます。繊維を断ち切るようにできるだけ薄くスライスし、空気に触れる繊維の断面を多くしましょう。
《 ポイント 》
- スライスした玉ねぎを皿にひろげ水に15分ほどさらす。
- 塩をまぶして10分ほど置いてから軽くもむ。
- 塩がないときには砂糖でも代用できる。
- スライスした玉ねぎを600wの電子レンジで30秒ほど加熱する。
- 熱湯を注いで触れるくらいまで冷めたら流水でもみ洗い。
- フライパンで炒めると、玉ねぎが持つ本来の甘みを感じるようになる。
- お酢大さじ1杯程度を水300mlに入れて10分ほど浸けこむ。
- 空気によく触れるように放置して硫化アリルを揮発させる。
- 繊維を断ち切るようにできるだけ薄くスライスする。
辛くない玉ねぎの選び方
ポテトサラダの玉ねぎが辛い時や辛くならないための下処理方法を紹介しましたが、できるだけ辛くない玉ねぎを買いたい場合、どんなものを選んだら良いのでしょうか。
それには旬の「新玉ねぎ」「赤い玉ねぎ」の2つあげられます。
旬の時期の「新玉ねぎ」
1年中店頭で売られている玉ねぎの旬を意識することってなかなかないのですが、北海道では9〜10月、本州以南では4~5月ごろが旬の時期です。この時期に収穫してすぐに出荷されるのが、「新玉ねぎ」と呼ばれるものです。
生で食べるレシピが多い新玉ねぎは辛味が少なく、水分も多くジューシーで甘みが強いのが特徴です。ただ、収穫のあと乾燥してから出荷される玉ねぎと違ってあまり日持ちがしません。
「赤玉ねぎ」
赤紫色をした赤玉ねぎを輪切りにすると、切り口は赤紫の渦巻模様になりとてもきれいです。一般的な玉ねぎにくらべて甘みが強く、辛みが少ないのが特徴です。
《 ポイント 》
- 旬の時期の新玉ねぎと赤玉ねぎは、辛みが少なく甘みが強いのが特徴。
美味しいポテトサラダの作り方
ポテトサラダの美味さは、「じゃがいもで決まる」と言われていますが、どんなに美味しい男爵いもやメークインで作ったとしても、玉ねぎが辛いと味がイマイチになってしまいます。そこで、美味しい玉ねぎ入りのポテトサラダのレシピを紹介しましょう。
材料(2人分)
- 男爵いも :大2個
- にんじん :3分の1本
- きゅうり :1本
- 玉ねぎ :4分の1
- マヨネーズ:大さじ2
下味用調味料
- 塩小さじ:2分の1
- こしょう:少々
- 酢:小さじ2
- オリーブオイル:大さじ1
作り方
- 皮を剥いたじゃがいもと人参を水を張った鍋に入れ強火にかける。
- 沸騰したら火を弱火にして10分程度様子を見ながらゆでる。
- じゃがいもは細かくイチョウ切りにしてマッシャーでつぶす。
- 人参は皮を剥いてイチョウ切りにする。
- じゃがいもと人参をボウルに入れて熱いうちに下味用調味料を混ぜ合わせる。
- きゅうりをスライサーで薄く切り、軽く塩をして10分ほど置いたら水気を絞る。
- 玉ねぎもスライサーで薄く切り、小さなボウルに小さじ2の塩を入れ10分ほど置いてから軽く塩もみする。
- もんでいるうちに辛み成分のヌメリが出てくるので水ですすいで水気を絞る。※これで玉ねぎの辛みはほとんどなくなるが、ここで一度味見をして辛味が抜けたか確認する。
- あら熱が取れたじゃがいもに、水気を絞った玉ねぎ、きゅうり、人参、マヨネーズ大さじ2を混ぜ合わせたら出来上がり。
調理のコツ
- じゃがいもはメークインよりも男爵いもがおすすめ。
- じゃがいもと人参は水から塩を入れないでゆでる。
- 冷めてからだと味がなじまないので、熱いうちに下味用調味料と混ぜ合わせる。
- 玉ねぎは塩もみして辛みを抜いておく。
- 玉ねぎの辛み成分を少し残したい場合は塩の量ともみ加減で調整する。
《 ポイント 》
- 玉ねぎを軽く塩もみしているうちにヌメリが出て辛みがほとんどなくなる。
- 一度味見をして辛味が抜けたか確認する。
最後に
ポテトサラダの玉ねぎの辛みを取り除き、食べやすくする方法9つを紹介しました。
ポテトサラダの玉ねぎが辛いのは、「硫化アリル」という辛み成分をしっかり抜かなかったことが原因だったのですね。そのためには、
- 塩、砂糖、酢のいずれかを使う
- レンジやフライパン、熱湯で熱を加える
- 空気にさらし揮発させる
- スライスの仕方を工夫する
- 「新玉ねぎ」や「赤玉ねぎ」を購入する。
などの方法を挙げてみました。玉ねぎの辛み成分を上手に抜いて、美味しいポテトサラダが食べられるよう試してみてくださいね。