うなぎが嫌いな人は多い?好きじゃない理由は?

うなぎ

高級食材である「うなぎ」が嫌いな人って、皆さんのまわりにも結構いますよね。頻繁に食卓に出てくるわけではありませんが、年に一度、「土用の丑の日」には必ず食べるという人も珍しくありません。日本人には馳走の部類に入るうなぎでも、嫌いな方にとっては「絶対ムリ!」と受けつけないその理由とは何でしょうか?そして食べやすくなる方法についても紹介していきます。

うなぎが嫌いな人は多い?

うな重

高級料理や夏のスタミナ食として知られるうなぎですが、「嫌い」だという方は意外と多いようです。しかも、小中学生を対象にしたアンケートでは、うなぎが「嫌いな食べ物」に堂々とランクインされているのですから、好きな人にとっては驚きですよね。

<小中学生がきらいな料理>

小学生 中学生
1位 レバー料理 レバー料理
2位 うなぎ うなぎ
3位 サラダ あえもの
4位 つけもの 煮魚
5位 焼き魚 焼き魚
6位 煮魚 つけもの
7位 酢豚 酢豚
8位 あえもの サラダ、生野菜
9位 その他 その他
10位 さしみ さしみ

出典:平成22年度児童生徒の食事状況等調査報告書【食生活実態調査編】

鮮度が落ちた美味しくないうなぎや、手抜きの調理法で作られて販売されているうなぎは、美味しくないものが多いので、それが原因になっていることも考えられます。

ところで、うなぎはいつから食べられるようになったのでしょうか?白身のふわっとした食感が美味しいうなぎは、縄文時代から食べられていて、江戸時代になると庶民的な食べ物として定着しました。

しかし、年々うなぎの稚魚の漁獲量が激減している中、ニホンうなぎは絶滅危惧種に指定されるまでになり、今では高級食材として特別な席でのご馳走とされることが多いようです。

また、夏バテ予防に必要な栄養素が豊富に含まれているため、年に一度、「土用の丑の日」にうなぎを食べる風習が根付いています。このようなことを考えると、うなぎが嫌いだなんてもったいないと思いませんか?

おもしろいことに、うなぎ自体が嫌いな人でも、うなぎのタレをかけたご飯なら大好きな人っていますよね。うなぎのタレは、甘辛くて深みのある味わいになっているので、「タレだけでご飯が食べられる」というわけです。実際にうなぎを買わずにタレだけを購入して、ご飯にかけて食べている方もいるようですよ。

《 ポイント 》

  • 小中学生を対象にしたアンケートでは、嫌いな食べ物にうなぎがランクイン。
  • うなぎは嫌いでもタレだけでご飯が食べられる人もいる。

うなぎが嫌いな理由

うなぎの開き

うなぎが好きな人にとっては、うなぎが嫌いな理由が分からないかもしれませんね。どうしてうなぎが嫌いなのか、その理由を調べてみました。

うなぎの小骨が嫌い

固いまま残っている小骨って、食べている時に気になりますよね。うなぎを調理する時に中骨を取っていますが、どうしても小さい骨が残ってしまいます。食べた時にこの小骨が喉に刺さったことがあるというのも、うなぎ嫌いになる理由の一つでしょう。

ぐちゃぐちゃした食感が苦手

独特の弾力があるうなぎは、ゴムを食べているみたいな感じがするというのも理由の一つになっています。身の部分はふっくらとした肉質で食べやすいのですが、皮の部分は非常に弾力があるので、その食感がどうしても苦手なようです。

皮がグロテスクに見える

うなぎの身は白身魚のような白身ですが、皮はテカテカと青黒くて食べるのに気が引けると言う人もいます。確かに、ちょっとグロテスクな色合いですよね。おまけにヘビに似たニョロニョロした動きを毛嫌いしてしまう人も珍しくありません。

脂分が強すぎる

うなぎの身にはたっぷりの脂分が含まれているので、タレも脂でギトギトした感じですよね。このしつこい脂分が強すぎるなんて事も理由の一つとなっています。

喰わず嫌い

うなぎを食べる習慣がない人にとっては、年に一度、「土用の丑の日」に食べるか食べないかという程度の頻度でしょう。そのため、今までうなぎを食べる機会がなく、喰わず嫌いなんて方もいらっしゃいます。

うなぎ専門店で食べる機会がなかったうなぎが嫌いな人は、一度勇気を出して、うなぎの人気店に足を運んでみてはいかがでしょうか。

品質が悪いうなぎが多い?

品質が悪いうなぎを食べた経験から、うなぎ嫌いになってしまった方はいらっしゃいませんか?品質の良いうなぎだと変なクセは感じられませんが、品質の悪い物だとうなぎ独特の泥臭さが残っていることがあります。

特に外国産の安いうなぎは、生臭さや皮の硬さを感じる他、泥抜き作業をしっかりと行っていない場合もあり、食べた際に違和感に気づくこともあるようです。外国産うなぎを食べて嫌いになってしまった方は、泥抜き作業をしっかり行っている国産うなぎを食べてみては如何でしょうか。

値段が高いから食べない

最近では、うなぎの稚魚が激減しているため、絶滅が危惧されています。そのため、価格が高くなり日常的に食べることは難しいのが実情です。

養殖するといっても、卵からの完全養殖の技術が確立していないので、シラスを獲ってそれを養殖しています。このシラスの漁獲高で価格が決められるので、どうしても高級食材になってしまうのでしょう。

《 ポイント 》

うなぎが嫌いな理由

  • 小骨、食感、見た目、しつこい脂分が苦手。
  • 食べる機会がなく食わず嫌い。
  • 品質が悪いうなぎを食べた。
  • 価格が高騰し日常的に食べるのは難しい。

うなぎが嫌いでも食べやすくなる食べ方

うなぎ料理

ここからはうなぎ嫌いな人も美味しく食べられる、うなぎのレシピを紹介していきたいと思います。

うなぎのとろ~りチーズ焼き

チーズをかけることでうなぎ独特の泥臭さが感じなくなります。

<調理方法>

  1. 市販されているうなぎのかば焼きを切りやすいように半冷凍する。
  2. 皮を切らない程度に細かく切り込みを入れて、小骨が気にならなくなるように骨切りする。
  3. 食べやすい大きさに切ったうなぎを、耐熱皿に盛り付けてとろけるチーズを上にのせる。
  4. 600Wの電子レンジで1分ほど加熱し、チーズがとろけたら出来上がり。

うなぎとごぼうでふわふわ卵の柳川風

うなぎのコクとふわふわの卵が絶妙の美味しさを作りあげます。

<調理方法>

  1. うなぎのかば焼きを2cm幅に切る。
  2. ごぼうの皮をこそげてから、ささがきにして酢水にさらしてアクを抜く。
  3. 浅鍋にごぼうを敷き、醤油、みりん、砂糖、水150mlを注いで中火にかけ、煮立ったら火を弱めて煮る。
  4. ごぼうに火が通ったら、うなぎを並べて入れてひと煮立ちさせる。
  5. よく溶いておいた卵を流し入れ蓋をして火を止め、1~2分蒸らす。
  6. 小口切りにした青ねぎをちらして、お好みで粉山椒をふったら出来上がり。

うなぎのちらし寿司

青じそが好きに方は、お好みでたくさん散らすと、酢と青じそでさっぱり感が増してうなぎの脂っぽさがなくなります。うなぎを細かく切ることにより小骨が気にならなくなります。

<調理方法>

  1. うなぎのかば焼きを約5mm幅の細切りして耐熱皿に並べる。
  2. うなぎのかば焼きに入っている付属のたれを回しかけてラップをし、600Wの電子レンジで1分間加熱する。
  3. うなぎ1匹に対して1~1.5合程度の酢飯を作る。
  4. 酢飯に加熱したうなぎの細切りと白ごまを混ぜ合わせる。
  5. 上からみじん切りした青じそ5枚くらいと適量のもみのりを散らしたら出来上がり。

うなぎの旬の時期と土用の丑の日に食べる理由

うなぎ土用の丑の日イラスト

ここからは、土用の丑の日にうなぎを食べる理由についてご紹介します。うなぎ嫌いな人にとってはどうでもいい日かもしれませんが。

「天然」と「養殖」ではうなぎの旬の時期が違う

うなぎの旬の時期についてですが、「天然うなぎ」と「養殖うなぎ」ではうなぎの旬の時期が違ってきます。天然うなぎの旬は秋から冬にかけての時期で、冬眠に入る12月に漁を終えます。水温が下がり始める10月頃からは冬眠に備えて栄養を蓄えるので、脂が乗って美味しさが増している状態です。

一方で、市場の大部分を占める養殖うなぎは、徹底的に管理された水温で、食べごろになる時期を調整しながら育てられているため、特に旬の時期はありません。

とは言え、日本で一番うなぎが出回るのは「土用の丑の日」なので、その時期に合わせて多くの養殖うなぎが育てられています。そういう意味では7月が旬であるとも言えるでしょう。

うなぎを土用の丑の日に食べる理由

まだうなぎに脂が乗っていない夏場は、天然うなぎの旬ではありません。ではなぜ、土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのでしょうか?

暑い夏には人の食欲はなくなるので、夏うなぎの売り上げも当然ながら落ちてしまします。そこでうなぎ屋から相談を受けた蘭学者の平賀源内が、「本日、土用の丑の日」と書いて張り紙をしたところその甲斐あって店は大繁盛したのだとか。

その評判を聞きつけた他のうなぎ屋も真似するようになり、「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣が定着したと言われています。確かにうなぎはスタミナ食として知られていますので、夏場に食べるのは理にかなっているとも言えるでしょう。

また、日本では昔から、夏バテしやすい土用の「丑の日」の期間は、身体に良い「う」のつく食べ物、「梅干し」「瓜」「うどん」などを食べる「食い養生」の風習がありました。これに賀源内の宣伝文句によって、うなぎが加わえられたようです。

土用の丑の日はいつ?

「土用」というのは夏だけに限らず、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」前の18日間を、「土用」としています。

一方、「丑の日」というのは十二支の「丑」のことで、18日間の「土用」の期間のうち、十二支が「丑の日」に重なる日が「土用の丑の日」となり、その年によって2回ある場合も。

ちなみに、2021年は7月28日が「土用の丑の日」なので、この日にうなぎを食べる方も多いのではないでしょうか。

《 ポイント 》

  • 天然うなぎの旬は秋から冬にかけての時期。
  • 賀源内の宣伝文句によってうなぎ屋が大繁盛。
  • 2021年の土用の丑の日は7月28日

最後に

うなぎを食べる

うなぎが嫌いな人は意外に多く、その理由もさまざまでしたね。江戸時代、蘭学者の平賀源内の提案で、夏に大繁盛したうなぎ屋さんを真似するようになったことで、「土用の丑の日にうなぎを食べる」という習慣が定着したというのも面白い話です。

そもそもうなぎは栄養満点で美容にも効果的な食べ物なので、食欲が落ちる夏場には積極的に食べて欲しい食材ですね。うなぎが好きな人も、うなぎが嫌いな人も、お手頃価格のスーパーのうなぎで、いつもとは違った味を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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