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街中にはバリアフリーが至る所に施されている
皆さんは、街中にバリアフリーが至る所に施されていることにお気付きでしょうか。ご高齢の方や障害を持つ方が、生活する上で安心して移動することができるよう、物理的な障害や精神的な障害を取り除くために施されている施策です。
私たちがパッと見てわかるものもあれば、「これは何のためにあるのだろう」と不思議に思っているものが実はバリアフリー施策の1つであることもあります。
盲目の人のための工夫を知らないと邪魔していることも
特に、盲目の人のために施されているバリアフリー施策は、街中の多くで見かけます。しかし、意外にもその施策を知らない人が多いため、知らぬ間に盲目の人の移動の妨げとなっていることもあるのです。
目の見えない盲目の人にとって、バリアフリー施策によって施されている工夫は、まさに移動時の命綱のような存在です。街中に見られるどのようなものがバリアフリー施策に当てはまるのか、改めて知る必要があるでしょう。
盲目の人のためにある5つのものとそれぞれの役割
では、盲目の人のために街中にある施策には、どのようなものがあるのでしょうか。普段何気なく見ているものが、実は盲目の人のために施されたアイデアであることも多いので、今一度、それらの施策とそれぞれの役割について理解しましょう。
1.誘導用ブロック
街中の至る所で見かける地面に設置された黄色いブロックにお気付きでしょうか。見たことがないという人はいないほど、ポピュラーなブロックですよね。
これは『誘導用ブロック』という盲目の人が安全に移動するための点字ブロックです。一般的に、誘導用ブロックには、真っ直ぐな線が4本入った『線状ブロック』と均等に丸が打たれた『点状ブロック』があります。
この2つのブロックには、以下のような役割があります。
- 線状ブロック=安全な道を示すブロック。「進め」の意味
- 点状ブロック=一時停止や注意を促すブロック
白杖という目の不自由な人が歩行する際に、道路に接触させて点字ブロックや障害物を感知する杖を使い、誘導用ブロックを読み取っています。
したがって、なるべく目の不自由な人が安心して歩けるように、誘導用ブロックの上は歩かないように注意しましょう。また、白杖を持っている人を見かけたら、前方をサッと開けてあげる心遣いも忘れずに。
2.エスカレーターの最初の3ステップ
私たちは見落としがちですが、駅構内やショッピングセンターなどのエスカレーターの中には、最初の3段目までがしばらく平らの状態で進むエスカレーターがあることにお気付きでしょうか。
何気なく使っていると「なぜすぐに上へと行かないの?」と思うかもしれませんが、これは盲目の人や目の不自由な人、そしてご高齢の方などに配慮したバリアフリー施策の1つです。
エスカレーターに乗った際、すぐに上方へと向かってしまうと、足をステップの上に正しく乗せられていない場合、転倒や落下の危険性があります。しかし、3ステップ分、平らな状態な続くことで、落ち着いて位置を確認し、ステップの上に足を乗せることができるのです。
3.駅構内やショッピングセンターの音声案内
エスカレーターやエレベーター、さらには駅構内の改札口や券売機など、あらゆるところで音声案内が流れています。私たちは目で情報を得ることができるので、聞き逃していることが多いですが、目の不自由な人にとって、この音声案内は非常に重要です。
「このエスカレーターは上の階へ参ります」「ここは券売機です」などと音声案内を聞き取ることで、ここがどこであるか、またどこに何があるのかを知ることができます。
このような音声案内が流れている場所で白杖を持っている人を見かけたら、音を聴き取って移動していることも多いです。したがって、このような場面に遭遇した際は、なるべく大きな声での会話は控え、目の不自由な方が音声案内を聞き取りやすいよう配慮しましょう。
4.点字表記
目の不自由な人へのバリアフリーとして、有名なものが『点字』ですよね。点字は、小さい丸を指定の通りに打つことで、それを指で触り何を示しているのかを理解することができる目の不自由な方々のための文字です。
手すりや券売機、エレベーターのボタンなど、「ここは〇〇をする場所です」「ここには〇〇があるので注意してください」と誘導や案内、注意を促す場所に記載されていることが多いです。
他にも飲み物の缶やジャムの容器など、食品に点字が記載されていることも多いです。ぜひご家庭にある缶の上方を気にして確認してみてくださいね。
5.盲導犬
目の不自由な方の大切なパートナーとして社会貢献している存在『盲導犬』も忘れてはいけません。
盲導犬は、盲目な人や目の不自由な人が安全に行きたい場所へと行けるよう、障害物を避けたり段差や街の角を教えたり、横断歩道などで一時停止を促したりします。公共交通機関やお店などにも一緒に乗ることができるよう、事前に厳しい訓練を受けています。
街中では白い胴輪をハーネスに取り付けて装着していることが多く、このハーネスを装着している間は仕事中なので、話しかけたり触ったりしてはいけません。
しかし、盲導犬は信号機の色を判断することはできないため、信号を待っている方が青になったことに気付いていない様子を見せている時は、そっと「青になりましたよ」と教えてあげてください。
困っている様子の人を見かけたら優しく声をかけて
いかがでしょう。皆さんは、今回紹介した盲目の人のためにある街中のバリアフリー施策をどの程度、把握していましたか。ぜひ日頃からこうしたバリアフリー施策を気にかけ、困っている様子の人を見かけたら優しく声をかけて手助けする意識を持ちましょう。