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友引とはどんな日?
「友引(ともびき)」は日本古来の「六曜(ろくよう)」という暦注の中の一つです。「六曜」にはそれぞれ意味があり、「友引」は「物事に勝負がつかない日」と伝えられています。
他には結婚式は「大安」が良い、祝い事では「仏滅」を避ける、お見舞いは「友引」を避けるなど、冠婚葬祭の日にちを決めるのに役立てられています。その中で「友引」は「吉事、慶事には吉の日」であるのと同時に「凶事には凶の日」という二つの意味が存在しているのです。
また、吉と凶の「時間」についての解釈もあり、「友引」には物事を行うのを避けたほうが良いとされる「凶の時間」と行うのが良いとされる「吉の時間」があります。11〜13時の「丑の刻」は「凶の時間」とされているため避けたほうが良く、それ以外の「吉の時間帯」に行うのが良いとされています。
「友引」はお見舞いやお通夜、お葬式は避けるべきと言われる一方で、「凶の時間」や「吉の時間」を意識して結婚式のスタート時間を決めることもあります。「友引」と真逆なのが「赤口」です。こちらは「丑の刻」が「吉の時間」、それ以外が「凶の時間」とされています。
友引にお見舞いに行くのはNG?
友引をお見舞いの日に選ぶのは避けたほうが良い
吉事、慶事には「友を引く」という言葉から「友引」を選ぶのが良く、その一方で「仏滅」や「赤口」は縁起が悪いとを避ける方がいらっしゃいます。一般的に「吉日」のイメージがある友引にも「お見舞いには不向き」とする解釈があるのをご存知でしょうか?
お見舞いに行く時のマナーの中には、「友引の日は避ける」というルールはありませんが、友引を選ぶのは縁起が悪いとする解釈があります。その理由としてお葬式などの弔事が避けられる傾向があるのと同じで「病気やケガが友におよぶ」「凶事に友を引く」として不吉だと思われる場合があるようです。
また友引には「物事に勝負がつかない日」という意味もあります。何をやっても引き分けで勝ち負けの決着がつかないということから「病気や怪我に負けないためにも、勝負がつかない友引は不吉」との解釈に繋がっているのでしょう。
事前に相手や家族に聞いておく
友引にお見舞いに行くのはマナー違反ではないというのが一般的な考えですが、六曜を知っている方なら「この日は大切な人にお見舞いに来てほしくない」と思っている場合もあるので、友引の日を避けることは見舞う相手に心配をかけずに済みます。
気心の知れた友人や、付き合いの長い知り合いなどの間柄でお互いに気にならないのなら差し支えないですが、どちらかが気にするのでしたら控える方が良いでしょう。もしくは、事前に相手や家族にその日にお見舞いに行っても良いか聞いて確認してください。
友引にお見舞いに行くのを避けたほうがいい場合や注意点
配慮したほうが良いケース
年配の方のお見舞いや会社の上司や上役、取引先など仕事上の相手のお見舞いに行く場合には注意が必要です。
年配の方は六曜を気にする傾向が強く、なるべく縁起の良い日を選んで行ったほうが何かと無難です。またビジネス上の相手のお見舞いに行く場合には、必ず相手の了承を得てから伺いましょう。
あらかじめ相手にお見舞いのアポをとるのはマナー的にも良いことなので、さりげなく六曜に関して探りを入れておきましょう。
地域によっても異なる
地域によっても違いがあります。他では問題がないようなことであっても別な地域ではタブー扱いされることもあるので注意する必要があります。
見ず知らずの土地や遠方に行く際には、事前に本人もしくは知っている方に確認しておくのに越したことはありません。地域によっては六曜の解釈に厳格なところもありますから、十分に注意して把握しておくようにしましょう。
お見舞いに行くときのマナー
お見舞いに行っても良い日を確認する
先方に負担をかけないためにはあらかじめ本人や相手側の家族にお見舞いに行く日付の確認を取ることです。相手が六曜を意識する方とわかれば友引の日はさけてお見舞いに行く日を大安など、別の日に変更すればいいわけです。
事前にメールや電話で具体的な日付を指定して「○日に行ってもいいですか?」と尋ねてもいいですし「いつでしたら大丈夫でしょうか?」と相手に日にちを決めてもらった方がマナー違反といわれる可能性はなくなります。
六曜だけでなく服装にも注意する
お見舞いに伺うときは服装にも気を配らなくてはいけません。黒や紺は葬式を連想させてしまい、相手に余計なストレスを与えてる可能性があるので、原色を避けて淡い色の服を選ぶのが良いでしょう。
また、病院には様々な病気の患者さんがいるので、服の汚れなど衛生面にも気を配るようにしてください。
お見舞いに行くベストな日
「大安」は一日を通して縁起が良いとされている日なので最も適している日となります。「先負」は午前が「凶」、午後が「吉」とされています。病院の場合は午前中に診察などが行われているためその点を考えても先負はおすすめです。
お見舞いの日取りで不吉とされる日
万事に凶となる「仏滅」は災いに注意が必要な日です。この日に立ち寄るのは避ける方が良いでしょう。
「赤口」は「赤」という字から刃物や血を連想するため病院との相性が悪く不吉とされています。亡くなった人の霊をお参りする「お盆」や「お彼岸」の時期は生者を故人として扱うことになるのでタブーとされています。十分に気をつけましょう。
避けたほうが良いお見舞い品
お見舞いに行く際は、日にちや服装だけでなく、持っていくお見舞いの品にも気配りが必要です。
鉢植えの花
鉢植えは「根付く=寝付く」を連想させ病気が長引くとして縁起が悪いとされています。
縁起の良くない花
- 葬式で飾られるイメージが強い「菊」
- 枯れる際に首が落ちる「椿」
- 死や苦を連想させる「シクラメン」
- 色あせて枯れていく「アジサイ」
- 血を連想させる「赤いバラ」
生花
花の香りや花粉アレルギーなどさまざまな理由から持ち込みを禁止している病院があります。また、白・青・紫の花はお悔やみに使う色として避けられています。
飲食物
病気によっては避けなければいけない食べ物もあるので、あらかじめ確認する必要があります。
友引の日に問題ない行事
友引とは「自分の身に起こったことについて友を引き連れる」という意味があるので、おめでたいことやお祝い事が友達にも起こるという解釈に繋がります。
友引におこなっても問題ない行事についても確認してみましょう。
結婚式や入籍
「友引」に結婚式や入籍をするのは、「大安」に続いて縁起が良いといわれています。幸せな場面を友に引き寄せることから「幸せのお裾分けに適した日」という解釈もあります。
縁起をかついで「友引」を選ぶ際は「凶の時間」である11〜13時を避けてそれ以外の「吉の時間帯」にすると良いでしょう。
納車
納車も「大安」や「友引」に行うと良いとされています。縁起に強くこだわる方は「凶の時間」の11〜13時をさけて納車するのが良いでしょう。
引っ越し
引っ越しも一番人気があるのは「大安」で予約がいっぱいで取れないこともあるようです。それだけに引っ越し料金も高く設定されているので、繁忙期は「友引」を選んだ方がスムーズに予定が立てられるのではないでしょうか。
お参り
お参りは「六曜」と関係がないため特に問題ないようです。もし気になるようでしたら「凶の時間」を避けてみてはいかがでしょうか。
最後に
友引にお見舞いは不向きだとされるのは解釈の問題であり、マナー違反と感じるかどうかは人によって異なります。特に年配の方は六曜を気にする人も多いので安心して治療に専念してもらうためにも友引は控えた方が良いかもしれませんね。
病気や怪我の回復に専念してもらうためにも、伺う日を相手に確認しておくなど配慮しましょう。