あさりは砂抜きを一晩放置すると死ぬ?腐っているか見分ける方法

あさりの砂抜き

あさりは砂抜きを一晩放置すると死ぬって耳にしたことありませんか?時間をかければかける程、きれいに砂が抜けると思っていた方にとっては驚きですよね。確かに条件が悪ければダメにしてしまうこともあるようです。今回は砂抜きに一晩かけるとあさりが死ぬと言われる理由や腐っているか見分ける方法、そしてあさりの保存方法などについても詳しく紹介していきたいと思います。

あさりは砂抜きを一晩放置すると死ぬ?

あさりの砂抜き

あさりの砂抜きは、一晩以上の長い時間をかければかけるほど、砂がきれいに抜けると思っていませんか?

実は、あさりは一晩以上砂抜きすると死ぬ場合があります。砂抜き中のあさりが、なぜ一晩で死ぬのか、その理由をこれから紹介したいと思います。

「砂抜き」とは、あさりの貝の中に入ってしまった砂を外に出す作業のことです。

普段、海で生活しているときのあさりは、砂の中にもぐっていますので、砂を体内に取り込んでしまっています。砂抜きせずにそのまま食べると、ジャリっとした砂の食感がありますので、砂抜きをすることはとても重要な作業になります。

塩抜きであさりが死ぬ理由

あさりの砂抜きは、海と同じ環境の塩水を作り、その中で貝に呼吸をさせ砂を吐かせるのですが、ご家庭の水道水で作った塩水にあさりを入れても、水は循環していない状態ですよね。循環していない塩水の中は酸素も減り、水も汚れてしまうため、酸素によってエラ呼吸をしているあさりは弱って死ぬのです。

砂抜きは3~5時間でOK!

あさりを塩水に一晩以上の長い時間つければつけるほど、たくさんの砂を吐き出すわけではなく、実際には3時間~5時間程度で十分のようです。砂が抜けきっていない時には、途中で塩水を交換して、長くても12時間程度で終わらせるようにしましょう。

《 ポイント 》

  • 循環していない塩水の中にいるあさりは弱って死ぬ場合があります。
  • あさりの砂抜きの時間は3時間~5時間程度でOK。長くても12時間程度で終わらせましょう。

あさりの正しい砂抜き・塩抜き方法

あさりの砂抜き

あさりを調理する前には、「砂抜き」と「塩抜き」の二つの下処理をする必要があります。生きているあさりの呼吸を利用して「砂」と「塩」を取り除くための作業です。

あさりの砂を抜く方法

あさりを食べた時に口の中でジャリッと砂を噛む嫌な感覚があると、美味しい料理も台無しになってしまいます。なので、潮干狩りで取ってきたあさりはもちろんのこと、スーパーで買ってきた「砂抜き済み」のあさりでも、念の為、一晩砂抜きをしておきましょう。

塩水の濃度

あさりの砂抜きをするときは、元々住んでいた海水と同じ濃度の3%(1ℓの水道水に対し塩大さじ2杯)の塩水を入れたバット(角型の底の浅い容器)に、軽く水洗いしたあさりを重ならないように置き、新聞紙などで覆って暗くします。

あさりを水温変化の少ない冷暗所に3時間ほど置いて砂抜きをしたら、最後に洗い流して砂抜き完了です。ここで大切なのは水の塩分濃度です。濃度を3%以上にしてしまうと、生息していた環境の海水と差があり過ぎて、上手に砂抜きができません。

この場合、あさりは潮干狩り場の海水が最も適しているのですが、海水をペットボトルに入れて持ち帰るのがベストな方法だとわかっていても、なかなかそうはいきませんよね。

だからと言って、ミネラルウォーターやアルカリイオン水を使うと砂を吐きませんので、水道水を使うようにしてください。

塩水の温度

あさりは活動できる水温でないと砂を吐き出さないことを、知らずにいたら大変です。あさりが活発になり、砂を吐きやすくなる水温は20℃前後なので、それより熱すぎると死ぬので、15℃以下になると活性が下がってしまいます。

しかも、あさりを冷蔵庫の中に入れて冷たくしすぎると、冬眠状態になって砂を吐かなくなります。特に夏場などは25℃以上にならないように注意して適切な温度で行うようにしましょう。

水の量

あさりを入れるポイントは水の量です。あさりは水の量が多すぎると酸欠で死ぬので、あさりが水から少し出るぐらいの量にします。

あさりをタッパーやバットなどに、貝同士が重ならないように平らに並べ、あさりの頭がちょっと出るぐらいまで塩水を注ぎ、しっかり呼吸させながら砂を吐かせてあげましょう。

あさりなど死んでいる貝もそのままにして砂抜きをすると、他の貝まで死ぬことがありますので、あらかじめ取り除きます。

砂抜きする時間

あさりをスーパーで購入してきたあさりは、出荷、輸送の段階でほとんど一晩以上砂抜きがされているため、1~2時間の砂抜きで十分です。潮干狩りで採って来たあさりは、3~4時間、長くても12時間程度で終わらせましょう。

明るすぎない場所に置く

海の砂の中に生息しているあさりは夜行性なので、暗い所で活発になります。よって、あさりが海の砂に潜っているような状態に似せて、光を遮るようにして一晩砂抜きしてください。

新聞紙や雑誌、アルミホイルなどで上を覆って冷暗所に置きましょう。海の中と同じような環境を作る理由の他に、砂を吐いたときに水が飛び散るのを防ぐ役目もあります。

あさりの塩を抜く方法

一晩砂抜きを終えたあさりは、貝殻の中に塩水が残っていますので、塩抜きの作業もしなくてはいけません。

塩抜きせずにそのまま調理すると、塩辛く出来上がってしまうだけでなく、あさりのうまみ成分である「コハク酸」を増やすための大事な作業でもあるのです。

あさりを砂抜きをしたバットの塩水を捨て、水がない状態の中に砂抜きと同様に貝を並べます。先ほど使った新聞紙や雑誌、アルミホイルなどで覆い、そのまま室温で1時間程度放置するだけで塩抜き完了です。砂抜き後に、そのまま続けてできますので忘れずに行って下さいね。

《 ポイント 》

  • あさりを調理する前に、「砂抜き」と「塩抜き」の下処理をする必要がある。
  • 生きているあさりの呼吸を利用して砂と塩を抜く。
  • あさりは海の中と同じような環境を作った中で一晩砂抜きをする。

あさりの砂抜きを時短ですることはできる?

ボウルにお湯を入れる

あさりの砂抜きを一晩かければ死ぬ場合があります。ここではあさりが死ぬ可能性を少なくするための、時短での砂抜き方法を紹介します。

幾度となくメディアで紹介されましたが、「野菜を50℃のお湯で洗うと鮮度が保持される」という話をご存知でしょうか?衛生管理が厳しい学校や病院、数多くの飲食店でも、「50℃洗い」を実践しているところが増えていますが、これをあさりの一晩砂抜きにも応用することができるんです!

通常は水で一晩砂抜きを行うのが一般的ですが、50℃のお湯にすることで何時間もかかっていた砂抜きがたったの5分でできてしまうのです。

本来の砂抜きであれば、あさりの水管が出てくるまでに時間がかかりますが、50℃のお湯につけると、のぼせた状態になり、すぐに水管が出て貝から中身が出現しあっというまに砂が抜けるというわけです。

潮干狩りでとってきたあさりなどの貝をすぐに食べたい人や、時短で砂抜きしたい人にとって、この砂抜きの時短ワザは試してみる価値あり!ですね。

準備するもの

  • あさり:1パック
  • 熱湯 :500ml
  • 水  :500ml
  • 調理用の温度計
  • ザル付きの平たいバット

手順

  1. 水を入れた ザル付きの平たいバットに、水洗いをしたあさりを並べる。
  2. 温度が50℃になるまで、熱湯を少しずつ足す。
  3. バットに新聞紙かアルミホイルをかぶせ暗くした状態で5分ほど放置する。
  4. あさりの水管が出てきたら、汚れた水を捨て、もう一度50℃のお湯の中に入れて擦り洗いをする。

《 ポイント 》

  • あさりは50℃のお湯の中でのぼせた状態になり、すぐに水管を出す。

あさりが死んでいるか見分ける方法

水管が出てるあさり

腐った臭いがする

一晩砂抜きしたあさりが死ぬと、腐った臭いがしてくるので気がつきます。人によって感じ方は違いますが、かなり強い臭いなので判断しやすいでしょう。

腐敗の始まった死貝が1個でも混じっていると、容器の中のあさり全部に臭いが移ってしまいますので、不安に感じたら無理に調理せずに、残念ですが処分してしまった方が安心ですね。

水管が出っぱなしで口を閉じない

砂出しをしている最中のあさりは、水管という器官を貝殻から外に伸ばして、砂や海水を吐き出しています。

生きているあさりに触れると、直ぐに水管を貝の中に引っ込めて口を閉じてしまいますが、揺らしても突いてもピクリとも動かないのであれば、死んでいると判断して間違いないでしょう。

それに加えて、あさりが死ぬと、腐敗臭や、水管のまわりに白っぽい粘液みたいなものが付着して水が濁っているのも、判断する目安になります。

加熱しても口が開かない

口を閉じているあさりを加熱すると口が開いてきます。生きてるのか死んでるのか判断できない場合でも、加熱して口が開いたら食べられますが、加熱しても口が開かないあさりは、死んでしまっているので食べずに破棄します。

菌が大量に繁殖して食中毒になるリスクが高いので、無理やり開けて食べようなどとは思わずに、潔く捨ててしまいましょう。

《 ポイント 》

  • あさりが死ぬと、腐敗臭や、水管のまわりに白っぽい粘液が付着している。
  • あさりが死ぬと、触っても水管を出したまま口を閉じない。
  • あさりが死ぬと、加熱しても口が開かない。

あさりの正しい保存方法

ザルの中のあさり

あさりの砂抜きが終わったら、すぐに塩水から取り出して塩抜きし、調理するまで冷蔵庫や冷凍庫で保存しておくのがおいしく食べるコツです。

冷蔵保存の場合

あさりは、2~3日以内に食べるのであれば、塩水なしで冷蔵庫に保存することができます。その場合は、乾燥しないように濡れた新聞紙で包んでから冷蔵庫で保存しましょう。

気温が15℃以下なら冬眠状態になり、一週間ほど海水なしで生きられるので、7℃~10℃の野菜室なら問題なく保存できます。

常温保存の場合

あさりを冷蔵庫に入れなくても、エアコンやクーラーなどで室温管理をした部屋であれば、常温保存も可能です。ただし、常温で保存するのはその日のうちに食べる場合だけにしましょう。

あさりにとって適切な水温は20℃前後なので、適切な温度の中であれば死ぬことはありません。心配でしたら途中で一度、水を交換しておくとよいでしょう。

冷凍保存の場合

あさりは冷凍して長期保存できますので、調理したい時にサッと使えてとても重宝します。家庭の冷凍庫だと、冷凍保存できる期間は半年程度を目安にしてください。

冷凍したあさりを調理する際は、生のあさりと同じように凍ったまま強火で一気に加熱して貝を開かせるのがベストな方法です。

中には、冷蔵庫に入れ替えて徐々に解凍している方もいるようですが、一気に加熱して溶かすのがあさりを美味しく食べるコツなんです。ちなみに冷凍したあさりを自然解凍すると、貝が開かないのでご注意下さい。

殻付きで冷凍する方法

  1. 砂抜きと塩抜きをしたら、殻についた汚れを流水で洗い流す。
  2. 貝殻についた水気を拭き取ってから、フリーザーバックなどの密閉袋に入れる。袋の中の空気をできるだけ抜いて真空に近づけると、新鮮さを保つことができます。
  3. 「急速冷凍」機能があれば活用し、なければ冷凍庫の下に入れて早く凍らせるようにする。

むき身にしてから冷凍する方法

  1. 殻つきのあさりを皿に平らに並べてラップをし、レンジで加熱する。
  2. 早ければ2分程度で口が開くので、温度が下がってからスプーンを使って身を取り出す。
  3. 滲み出した出汁は捨てずにあさりのむき身と一緒に、フリーザーバックなどの密閉袋に入れる。
  4. 速く凍らせるために「急速冷凍」機能を使うか、なければ冷凍庫の下の方に入れる。

《 ポイント 》

  • あさりを2~3日以内に食べるのであれば、塩水なしで冷蔵庫に保存できる。
  • あさりの常温保存はその日のうちに食べる場合だけに限る。
  • あさりの冷凍保存の期間は半年程度を目安にする。

最後に

あさりの砂抜き

あさりは適切な塩分濃度、水量、温度の条件が揃っていれば、一晩かけて砂抜きをしても死ぬわけではないんですね。

そもそもあさりの砂抜きにかける時間は一晩も必要ありません。一晩かけて砂抜きをすると弱ってしまうのは確かなので、3~4時間までにとどめておくのがおすすめです。

砂抜きをする際には、下記のことにきをつけてくださいね。

  • 水温は20℃前後。
  • 塩分濃度は3%。
  • 死んだあさりは取り除く。
  • 貝が重なり合わないように並べて、頭がちょっと出る程度の水加減。
  • 新聞紙などをかけて暗くする。

そして、腐っているかの判断材料として次の点を参考にすると良いでしょう。

  • 腐ったあさりは腐った臭いがする。
  • 腐ったあさり白っぽい粘液が付着している。
  • 腐ったあさり触っても水管を出したまま口を閉じない。
  • 腐ったあさり加熱しても口が開かない。

このような状態が目安となるので、腐ったあさりは勿体ないと思わずに処分してしまいましょう。

いずれにしても、あさりなどの魚介類は死ぬ可能性があるため、できるだけその日のうちに消費したほうがよいので、食べるのが数日先になるような時には、あさりは上手に保存し色々な料理にアレンジしてみてはいかがでしょうか。

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