目次
ひき肉の賞味期限
ひき肉は、スーパーで販売されている生肉の中でも消費期限が短い食材です。まずは、賞味期限と消費期限の違いをおさらいしましょう。
保存場所別の消費期限の目安や、ひき肉の種類別の消費期限についてもご紹介します。
賞味期限と消費期限の違い
スーパーなどで販売されている食品には、賞味期限か消費期限が必ず記載されています。
- 賞味期限…商品の品質が変化せずに美味しく食べられる期限。お菓子や缶詰などに記載。
- 消費期限…安全に食べられる期限。お弁当や生肉、生魚などに記載。
賞味期限または消費期限の記載は義務なので、どこかに必ず記載されていますよ。平成7年までは、製造年月日が記載されていました。
ひき肉に記載されているのは、消費期限です。賞味期限よりも消費期限の方が短く、生ものは消費期限を過ぎると傷むことが多い傾向。その日のうちに傷み始める食材もあります。
数日にわたって開封済みの食材を使い分けるときは、使用する都度傷んでいないかをたしかてくださいね。
賞味期限と消費期限に書かれている日数は、両方とも袋を開封していないときの保存期間を指します。開封したら、保存場所にもよりますができるだけ早く消費するようにしましょう。
保存場所によって賞味期限にばらつきがある
ひき肉を保存する場合、保存場所によって賞味期限にばらつきがあります。
- 常温…季節問わず保存に不向きな環境。夏場であれば数時間で傷むこともある。
- 冷蔵…未開封であれば、消費期限まで保存可能。
- チルド…消費期限から延長して2~3日前後。
- 冷凍…加熱前は2~3週間、加熱後は3~4週間保存可能。
これらはひき肉全体の目安の保存期限です。お肉の種類によって、消費期限が異なることもあります。
ひき肉の種類と消費期限
ひき肉と一口にいっても、いくつか種類があります。ひき肉の種類と併せて、消費期限の違いを確認しましょう。冷蔵で保存したときの消費期限の目安も、ご紹介します。
- 牛ひき肉…3日
- 豚ひき肉…3日
- 合いびき肉…3日
- 鶏ひき肉…2日
鶏ひき肉は、ほかのひき肉よりも水分が多いため傷みやすいのが特徴です。
豚ひき肉は、内側から傷み始めるので、表面だけでなくひき肉全体を見て傷んでいないかを確認しましょう。牛ひき肉は熟成期間などで消費期限が若干早まることがあります。
《 ひき肉の保存期間のポイント 》
- 保存場所によって保存期間が異なる
- 購入後は冷蔵保存、常温保存は不向き
- ひき肉の種類によって、保存期間が異なる
ひき肉の賞味期限(消費期限)が短い理由
ひき肉の消費期限は、ほかのお肉よりも短めです。そこには、ひき肉ならでは理由があります。
ひき肉はほかの肉より脂肪が多い
ひき肉は、さまざまな部位が混ざっていることが多いのが特徴です。どの動物のひき肉もそれは同じで、脂肪分も多めに含まれています。複数の部位で構成される理由は、以下の通りです。
- 部位単体では肉が固くて商品価値が低いため、ひき肉に加工している
- 販売のためカットした切れ端の肉を、ひき肉に回して無駄をなくす
これらの肉に加えて、油の多い部位も混ぜ込まれています。ひき肉はミンチにした肉を混ぜているので、油は一見多くないように見えますが、想像しているよりも油は多く含まれているのです。
油が多いと劣化も早いので、ひき肉の消費期限は自然と短くなります。赤身が多いと消費期限も若干が長くなるかもしれませんが、いろいろな部位が混ざっているので早めに消費してしまうのが無難です。
部位別で売られている肉より鮮度が低いことも
部位別で売られているお肉は、ひき肉ほど手を加えていない状態で販売されています。加工する過程もひき肉より少なく、鮮度も保たれている状態のお肉が大半です。
ひき肉になるお肉は、部位別で売られているお肉の切れ端を混ぜ込んでいるので、鮮度が低いことがあります。店頭に並ぶ時点で部位別で販売されているお肉よりも鮮度が低ければ、消費期限も短く傷みやすいくなっているのです。
空気に触れる面積が多いため
ひき肉をミンチ状に工する過程で、たくさん空気に触れます。お肉は空気に触れると酸化が進んで、劣化が早まり傷みやすくなるのです。
加工する過程で雑菌が入りやすい
ひき肉は加工の過程で、空気に加えて空気中の雑菌が入り込みやすいのも劣化が早い理由の一つ。生肉に雑菌が入り込むと繁殖しやすく、劣化もどんどん進んでしまいます。
雑菌が入らないような工夫を施して加工したとしても、絶対に雑菌が入り込まない環境を作ることは非常に難しいものです。仮に雑菌が入り込んでいても、傷み始める前にしっかりと火を通して調理すれば美味しく食べられますよ。
賞味期限(消費期限)切れの腐ったひき肉の見分け方
ひき肉が傷むと、どのような変化が現れるのでしょうか。誤って食べてしまわないためにも、ひき肉が腐ったときの見分け方を知っておきましょう。
表面や内側が黒や緑に変色している
ひき肉は傷み始めると、徐々に茶色く変色し始めます。少しずつ変化するので、変色の初期を見極めるのは難しいかもしれません。
茶色から黄色っぽくなり始めると、臭いも変化し始めます。本格的に腐り始めた証拠なので、食べるのは危険です。徐々に色が黒や緑に変色し、臭いも強烈になっていきます。
酸味のあるツンとした臭いがする
ひき肉は生ものなので、傷むにつれて臭いも変化します。古くなった油のような臭いがし始めたら、腐食のサイン。その時点では気が付かない場合もありますが、徐々に臭いが酸味を帯びてきます。
腐敗が進むと酸味の強い臭いに変化して、鼻を突くようなツンとした臭いに変化。アンモニアのような臭いがし始めるほど腐敗が進むと、冷蔵庫の中にひき肉の傷んだ臭いが充満してしまう可能性もあります。
ぬるぬるとした触感
ひき肉表面がぬるぬるしていたり、こねたときの触感に違和感がある場合は、腐り始めています。
ひき肉そのものが、さらさらしたものではないので、ぬめりだけではわからないこともあるかもしれません。そういった場合は、消費期限や臭いなどを参考にしてください。
表面を触ったときに明らかにおかしいと感じるぬめりや、触った場所が糸を引くときは、完全に腐敗が進んでいます。食べるのは危険なサインなので、調理はせずに破棄しましょう。
ひき肉の賞味期限(消費期限)切れは危険?
ひき肉は消費期限が短いからこそ、1日過ぎただけでは破棄するのがもったいないと思いやすい食材です。
消費期限が過ぎたひき肉を調理して食べても大丈夫か、気になる情報をまとめました。
消費期限が1日過ぎただけでも危険
ひき肉は、基本的に傷みやすいものです。見た目や臭いなどに異常が見受けられなくても、お肉は傷み始めているかもしれません。加工の過程なども考慮して、消費期限が1日でも過ぎたら食べない方が無難です。
1日過ぎたものはすべて腐敗が進んでいるというわけではないので、調理して食べても異常がないこともあります。しかし、消費期限が過ぎてしまったら腐敗が進むリスクが高まるのも事実です。
食べるか破棄するか、しっかりと判断しましょう。
2日3日…日を追うごとに劣化が進む
ひき肉は傷み始めると、あっという間に劣化が進みます。消費期限を過ぎるほど劣化は進み、異臭を放ち始めることも。冷蔵庫内の衛生面も考慮して、傷み始めたひき肉は早めに破棄しましょう。
消費期限前でも劣化することもある
ひき肉の消費期限は厳守すべきです。しかし、保存環境などによっては、消費期限前に劣化し始めることもあります。
消費期限まで品質を保つためにも、購入後はすぐに冷蔵庫で保存しましょう。
食中毒の原因となることも
傷んだひき肉を食べると、食中毒になる可能性があります。
- 腹痛
- 下痢
- 発熱
- 嘔吐
- 血便
早ければ食べたその日に、上記のような食中毒の症状が出始めることもあります。食中毒は命にかかわることもあるので、心当たりがあるときはできるだけ早く病院を受診しましょう。
ひき肉の正しい保存方法
ひき肉は正しい保存方法を守ることで、消費期限までの期間は品質を維持しやすくなります。
せっかく購入したひき肉をすぐに腐らせてしまわないためにも、正しい保存方法を把握しておきましょう。
ひき肉の保存方法
1回で使い切れなかったひき肉を冷蔵保存する場合は、以下のものを用意しましょう。
- サランラップ
- キッチンペーパー
- ジップロック(または保存容器)
保存する前に、お肉表面の水分をきれいに拭き取ると劣化が進みにくくなります。
サランラップをきっちり巻いて酸化を防ぎ、ジップロックか保存容器に入れて酸素に触れにくい状態にしたら冷蔵庫で保存しましょう。
冷凍での保存と解凍方法
ひき肉は冷凍保存可能です。冷凍すると保存期間が伸びるので、すぐにひき肉が使えないときなどにおすすめ。
冷凍でひき肉を保存するときは、以下のものを使います。
- サランラップ
- ジップロック
- トレイ
冷蔵保存と同じように、ひき肉が空気に触れないようにぴっちりラップをします。
ジップロックに入れるときも、できるだけ空気が入らないようにしましょう。ジップロックごとトレイに乗せて、急速冷凍して劣化を防ぎます。
ひき肉を解凍するときは、衛生面を考えて冷蔵庫で自然解凍するのがおすすめです。
常温での自然解凍もできますが、雑菌の繁殖や劣化などが不安要素があります。電子レンジを使う場合は、解凍モードや低いワット数で半解凍状態にして使用してください。
《 ひき肉を保存するときのポイント 》
- 冷蔵の場合…開封後は無駄な水分を拭いてラップで覆い、保存容器に入れる。
- 冷凍の場合…ラップとジップロックで保存し、トレイに乗せて急速冷凍する。
最後に
ひき肉は、使用用途が広いのでいろいろな料理に使用できて重宝する食材です。傷みやすいということを踏まえて、保存場所には注意しましょう。
消費期限は、基本的に厳守して使うと安心です。食中毒を見逃さないためにも、ひき肉に起きている異変を見逃さないようにしてくださいね。