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サバ缶の食べ過ぎによるデメリット7つ
サバ缶の食べ過ぎはダイエットにNG!
サバ缶は、保存が利く栄養豊富な食べ物として注目されていますが、実は高カロリーなんです。
スーパーで手軽に購入できる一般的なサバ缶1缶のカロリーは、約300キロカロリーで、水煮よりも味噌煮の方がよりカロリーが高くなっています。
特にダイエット目的でサバ缶を食べている方にとっては、サバ缶の食べ過ぎは要注意です。
以前は、サバ缶ダイエットが話題に挙げられたりもしましたが、誤解のないように言うと、「食べることで痩せられる」のではなく、「食べて痩せやすい体に近づける」ということ。
サバに含まれている成分には脂肪を燃焼させる効果もあるので、ダイエット向きのイメージなのですが、高カロリー食でもあるので、その分の摂取カロリーを他の食事で調節しなくてはいけません。
食事で肉類や卵など食べた他に、サバ缶も摂取するとなると結構なカロリー量となり、サバ缶を食べ過ぎると太る原因になってしまいますよね。
EPA・DHAの過剰摂取による副作用
サバ缶には、オメガ3脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)と、EPA(イコサペンタエン酸)という体に良い油」として注目されている成分が豊富に含まれています。
DHAは、神経の情報伝達をスムーズにし、記憶力向上や認知症予防に効果があるとされ、医療用製剤としても活用されています。
EPAには中性脂肪や動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らす働きがあり、それが心筋梗塞や脳梗塞などの予防につながると医学的にも証明されています。
ですが、過剰摂取により、吐き気や下痢、出血が止まりにくくなる症状が現れるなど、体への副作用があることはご存知ですか?厚生労働省の発表ではDHA・EPAの1日の推奨量は合わせて1.600mg~2.400mgと言われていますが、3.000mg以上摂取すると過剰摂取による副作用が現れる可能性もあるのです。
よって、毎日サバ缶を食べたいのなら、内容量200g程度のものでしたら、1日1缶までに抑えるようにしましょう。ちなみに「内容量」とは、サバ缶の身と汁の全てを合わせた量のことです。
セレンの過剰摂取による副作用
サバには抗酸化作用により、老化を防ぐ効能や、免疫力を高めてくれる「セレン」という栄養素が含まれています。ガン予防にも効果が期待できる反面、過剰摂取による副作用も起こり得ることもあるようです。
セレンの副作用として挙げられるのは、「爪の変形」「脱毛」「疲労感」「焦燥感」下痢や嘔吐などの「胃腸障害」など。酷くなると「神経障害」「心筋梗塞」「賢不全」「末梢神経障害」などの発症も招いてしまう可能性も否めません。
サバ缶100gで1日の推奨量の約3倍ものセレンが摂取できますので、毎日サバ缶を食べている方でセレンの過剰摂取による症状が現れているとしたら、食べる量や頻度を減らしたほうがよいでしょう。
魚介類に多い水銀
魚介類自体が多量摂取している「水銀」の問題もあります。特定の魚ばかり続けさまに食べていると、多量の水銀を摂り込んでしまい体に支障をきたす恐れがあります。
特にマグロやクジラ、深海魚の摂取量に注意がされています。さば、いわし、サンマなどに関しては、それだけを毎日食べるような極端な食事をしなければ、大きな問題にはならないでしょう。
サバ缶の食べ過ぎは塩分取り過ぎ
缶詰は保存食の代表ですので、気持ちよくするため塩分や添加物が入っています。サバの水煮缶には約2グラムの塩分が含まれていて、それが味噌煮缶ともなるとより多くの塩分が加えられています。
日本人の大人の1日塩分摂取量は7.5グラムとすると、サバ缶1缶で、一日の3分の1近くの塩分を摂取することになってしまうんですね。
プリン体の過剰摂取
サバ缶の水煮汁には、痛風の原因になるプリン体が多く含まれています。サバ缶をおかずにビール・・・この食習慣はちょっと避けた方がよさそうですね。
缶の裏側にはサビの防止剤がコーティングされている
サバ缶の裏側には、サビの防止のために「ビスフェノールA」がコーティングされています。サバ缶を開けた瞬間から酸化が始まり、それが汁の中に溶け出すので、サバ缶詰の汁を飲むのは危ないとも言われています。
一方では「汁も体にいいから飲んだほうが良い」と言う専門家の話もありますので迷うところです。
《 ポイント 》
- サバ缶は「食べることで痩せられる」のではなく、「食べて痩せやすい体に近づける」。
- サバ缶のEPA・DHA、セレン、プリン体の過剰摂取による副作用。
- マグロやクジラ、深海魚の水銀摂取量に注意。
- サバ缶1缶で一日の3分の1近くの塩分を摂取。
- サバ缶の裏側にコーティングされているサビ防止剤が汁に溶け出す。
サバ缶が食べ過ぎにならない量とは
特に青魚の代表であるサバは、皆さんがご存知のように、生活習慣病の予防に適している優れた食材です。だからと言って、どんなによい効果があるものでも、サバ缶を過剰に食べ過ぎると害になってしまいます。
サバ缶のカロリーや塩分の高さ、DHAやEPA、セレンの過剰摂取など、注意すべき点がいくつかありますので、サバ缶は食べ過ぎないで、毎日食べるなら1日1缶が妥当でしょう。
サバ缶は食べ過ぎず、食事のバランスを考えながら正しい量を食べている分には、体の健康とって嬉しい効果効能ばかりです。
《 ポイント 》
- サバ缶は食べ過ぎないで、毎日食べるなら1日1缶が妥当。
サバ缶の栄養
サバ缶に含まれる栄養分を紹介します。ただし、サバ缶の食べ過ぎによる副作用もありますので過剰摂取に注意しましょう。
効率良く良質なタンパク質が摂取できる
タンパク質源としての代表格である魚ですが、中でもサバのタンパク質はとても良質です。
各アミノ酸が基準値に対して、どれくらいの割合で含まれているかを示す「アミノ酸スコア」ですが、サバの場合はなんと最大値の100なので、タンパク質を効率的に摂ることができる魚と言っても過言ではありません。
EPA、DHA
エイコサペンタ塩酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)は、青魚に多く含まれる「油」で、必須脂肪酸(n-3系脂肪酸)の一種です。血液をサラサラにする、コレステロールや中性脂肪を下げる効果や、脳や神経の機能を活性化させる働きがあります。
特にサバは青魚の中でもEPA、DHA量はトップクラス!ふたつとも人間の体内で作ることができない為、必須脂肪酸を摂取するには食事で補うしかありません。
カルシウム
水煮のサバ缶には、100gあたり260mgのカルシウムが含まれています。カルシウムは、主に骨や歯を形成するのに重要な栄養素ですが、他にも筋肉の働きをスムーズにしたり、止血の為の血液凝固に働きかける性質を持っています。
ビタミンB群
全部で8種類あるビタミンB群は、糖質や脂質、たんぱく質をエネルギーへ変換するサポートをしてくれます。サバ缶には、主に脂質の代謝に関わるビタミンB2とナイアシン、たんぱく質の代謝に関わるビタミンB6とビタミンB12が多く含まれています。
ビタミンD
水煮のサバ缶は、ビタミンDも豊富で100gあたり11.0μgものビタミンDが含まれています。
カルシウムの吸収率を上げて骨形成を促進させたり、血液中のカルシウム濃度を保ったりする働きをしますので、サバは丈夫な骨づくりにも非常に良いということになります。
サバ缶の栄養を効率的に摂る方法とは
サバ缶の栄養を効率よく摂るには、缶詰の汁を捨てずに汁ごと料理に使うとよいでしょう。
サバ缶の汁には、身から溶け出た栄養がたっぷり含まれています。なので、水煮や味噌味の味をそれぞれ活かした料理に使うとコクが増して美味しくいただけます。おまけに調理の時短にもつながりますね。
サバ缶の裏側にコーティングされているサビの防止剤が酸化して、サバ缶詰の汁を飲むと体に悪影響を及ぼすと言われていますが、サバ缶を一日一缶を目安に食べている分には、それほど不安を感じる必要はないでしょう。
「体にいいから汁も全部飲んだ方が良い」と公言している専門家もいるようです。
《 ポイント 》
- サバ缶は良質なタンパク質、EPA、DHA、カルシウム、ビタミンB・Dを摂取できる。
- サバ缶の栄養豊富な汁を捨てずに料理に使う。
サバ缶以外で食べ過ぎに注意する魚とは?
ここではサバ缶以外で食べ過ぎに注意する魚の種類を紹介します。
水銀は徐々に体外へ排出される
魚介類の栄養素は利点が多い反面、自然界の水銀を食物連鎖の流れによって体内に蓄積しています。
驚くことに、日本人の水銀摂取量の80%以上が魚介類を食べることによって取り込まれているのですが、普段の食事で身体に取り込む水銀量は、健康に影響を与えない程度といわれています。
魚の種類によっては、他の魚よりも水銀濃度が高い魚もありますが、水銀を含んでいる魚をたくさん食べたとしても、体外に排出されて2カ月で約半量になるため、平均的な食事をしている限り健康被害を及ぼすことはありません。
しかし、重要なポイントがひとつ!妊婦さんが水銀を一定量口にすることで、胎盤を通じて移行し胎児の発育に影響を与える可能性があると、厚生労働省が公表しています。
メチル水銀量が高い魚の種類
大型魚ほど、食物連鎖の関係でメチル水銀を取り込んでいます。特にメチル水銀量が多いとされるメカジキやメバチマグロ、クロマグロ、キンメダイといった魚は、普段、私たちの食卓や回転寿司などでよく見かける魚なので注意が必要です。
放射性物質の心配について
魚に取り込まれた放射性物質は、食物連鎖を通じて体内に蓄積していくことはなく、体外へと排出されます。
海中に放たれた放射性物質は拡散されるため、体内においての濃度は非常に薄くなっています。この薄くなった放射性物質は、沈殿して海底へと移動していきます。ということは、深海魚に至っては放射性物質を多く含んでいる可能性が高いといえるでしょう。
食べても問題のない魚
その一方で、キハダ、ビンナガ、メジマグロ、シャケ、サンマ、タイ、ブリ、アジ、サバ、イワシ、カツオは注意する必要のない魚と言えます。微量の水銀を含んではいるものの水銀含有量が低めなので、例え妊婦さんであっても普段通り食べても問題はないでしょう。また、マグロやシャケなどを加工して作られるツナ缶も問題はありません。
《 ポイント 》
- 水銀は徐々に体外へ排出されるが妊婦さんの胎盤を通じて胎児に影響を与える可能性がある。
- 大型魚ほど、メチル水銀を取り込んでいる。
- 深海魚は放射性物質を多く含んでいる可能性が高い。
最後に
サバ缶の食べ過ぎがNGな理由について、おわかりいただけましたか?
栄養豊富で手軽なサバ缶ですが、サバ缶を1日に何個も食べていた人は、サバ缶は食べ過ぎないで、1日1缶を目安に戴くようにしたらいいですね。
いくつかのデメリットもありましたが、食べ過ぎず適正に食べている分には、健康に優れた良い食材ですので、他の食材とのバランスを保ちながら上手に取り入れてみましょう。
サバ缶にはビタミンCやβカロテン、食物繊維などの栄養素はほとんど含まれていませんので、緑黄色野菜や海藻類などと組み合わせてアレンジを楽しむと、栄養バランスもアップしますよ。