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漬物の塩抜きでやってはいけないこと
漬物が思いのほか塩辛く感じた時、みなさんは漬物の塩抜きをしていますか?
漬物は保存食なので、塩加減や漬ける時間によって辛くなりすぎることもあるようです。咄嗟に思いつく漬物の塩抜きは、「水に浸して塩分を薄めて塩抜きをしてみよう」ではないでしょうか?
しかし、水を使って漬物の塩抜きをすると、漬物本来の美味しさが表面から失われるうえに、中は塩辛いままになってしまうのです。水を使うと塩分が一気に溶け出してくれるものの、濃度の差が大きすぎて、塩分だけでなく甘味や旨味、栄養素までもが抜けてしまいます。
結果、この塩抜き方法では外側は塩分のないぶよぶよの無味な状態になり、せっかく漬けたけたはずの漬物を台無しにしてしまいます。
《 ポイント 》
- 水を使って漬物の塩抜きをすると、塩分だけでなく甘味や旨味、栄養素まで抜けてしまう。
漬物を塩抜きする方法6選
酢と水を使って塩抜きする
せっかく味付けした漬物を水で塩抜きするのはもったいないので、お酢と水を利用して塩抜きしてみましょう。
手順
お酢1に対して水1の同量を準備し、体積が漬物の3分の1位になるようにします。漬け過ぎて塩辛くしてしまった漬物をポリ袋に入れ、水とお酢を注ぎ冷蔵庫に30分程いれておきます。味を確認して、ちょうどいい味になったら出来上がりです。
塩水を使って塩抜きする
真水ではなく、塩水を作って塩抜きすると、漬物と水の濃度の差が少ないため、ゆっくり塩分が抜け、均一に塩抜きをすることができます。
これを「呼び塩」または「迎え塩」と言ったりしますが、いわゆる濃度差による「浸透圧」を利用した原理なのです。両方の水分量を一定にしようとする作用が働きますので、濃い液体は薄い液体の方に移動します。
よって、塩分濃度が10%前後の漬物から、濃度1%の塩水に漬物の中の水分が移動し、ちょうどよい塩加減になるというわけです。このように呼び塩で塩抜きすると、風味が損なわれることなくおいしく食べることができます。
手順
やり方は、200ccの水に対して小さじ半分程度の塩を入れてかき混ぜて溶かしてから、漬物を入れます。30分もあれば辛みが徐々に抜けるので、自分の好みに合うように調節してみましょう。
ちなみに、塩水はただのお塩ではなく、ミネラルたっぷりの「岩塩」を使うことにより、より美味しく仕上がります。
茶殻を使う
美味しいお茶を飲み終わった後のお茶の葉っぱを使うと、塩水だけの時よりも旨味が逃げにくくなります。先に紹介した塩水に茶殻をひとつまみ入れて半日浸けるだけという簡単な方法です。
茶殻には「タンニン」が含まれているので、旨味を閉じ込めてくれる他に、塩水だけの時より水っぽくならない効果もあるようです。
熱湯を使って塩抜きする
漬物が浸るくらいの熱湯を用意して、その中に漬物を入れたら冷めるまでそのまま放置します。
その後水洗いしますが、完全に味を抜く必要はなく、あとはつゆの素や浅漬けの素などで調整ながら付け足してください。冷蔵庫で半日以上漬けるとパリッとして味が浸みます。
酒粕を使って塩抜きする
酒粕を使って濃厚な味わいに仕上げてみましょう。
手順
まずは酒粕を軽く洗って、あらかじめ温めておきます。酒粕200gに対し、酒大さじ1杯、みりん大さじ1杯、水大さじ1杯を混ぜ合わせた中に漬物を浸し、冷蔵庫で半日ほど置きます。こうすることで塩抜きはもちろんのこと、さらに漬物にコクが生まれます。
酒とみりんを使って塩抜きする
酒とみりんを使うことにより、塩抜きと同時に旨味を閉じ込めておくことができます。
手順
水200ccに対してみりん小さじ1杯、酒大さじ1杯を入れてかき混ぜた中に、漬物を浸して半日ほどおきましょう。こうすることにより、旨味とコクをアップさせながら塩抜きもできるので一石二鳥ですね。
《 ポイント 》
- 漬物は水とお酢を注ぎ冷蔵庫に30分程入れておく。
- 漬物を呼び塩で塩抜きすると、風味が損なわれない。
- タンニンが含まれている茶殻は、漬物の旨味を閉じ込めてくれる。
- 熱湯に漬物を入れて冷めるまでそのまま放置する。
- 漬物は酒粕を使って濃厚な味わいに仕上げる。
- 漬物は酒とみりんを使って旨味とコクをアップさせながら塩抜きする。
漬物の塩抜きに失敗したときの活用術
ねばねばトッピング
塩辛くなり過ぎた漬物の塩抜きしたもの使います。
手順
水気をよくふいて、小さくて細かいサイコロ状にカットします。容器に漬物と同じサイズにカットした長芋と漬物、それに納豆昆布を入れ、水で薄めためんつゆをひたひたにつかるくらい加えてかき混ぜます。
半日ほど冷蔵庫に入れて冷やしたものを、ご飯や冷奴の上にたっぷりと掛けていただきます。
ポテトサラダ
塩抜きした漬物をポテトサラダに入れてみると、漬物っぽさをほとんど感じることなくポテトサラダとうまく馴染みます。生のきゅうりを使ったものより、きゅうりの漬物で作るポテトサラダの方が、意外とコクがあって美味しいですよ。
和風の和え物
漬物を細かく刻み、みじん切りの薬味と和えるアレンジ料理です。
例えば、シソ、みょうが、生姜、ゴマなどと和えることで、しょっぱかったものがサッパリした料理に仕上がります。
茹で野菜のマヨネーズ和え
ご家庭にある野菜と漬物で、コクと旨みのある美味しいサラダが作れます。
手順
食べやすい大きさに切った漬物を、カボチャやブロッコリーなどの茹で野菜とマヨネーズで和えるだけです。もちろん生野菜と合わせてもいいですし、市販のドレッシングで和えても美味しいです。お好みでオリーブオイルを少量かけてみてください。
チャーハンや炊き込みご飯の具に
ごはんと漬物は相性がいいので、チャーハンや炊き込みごはんの具にしてみてください。
手順
漬物とベーコンを食べやすい大きさに切り、オリーブオイルで軽く炒めてチャーハンや炊き込みご飯の具にいかがでしょうか?それ以外にも、パスタやうどんなど麺類の具にしても美味しいですよ。
タルタルソースの具に
刻んだ漬物とクリームチーズ、マヨネーズを和えればタルタルソースの出来上がりです。お肉や魚のソース、パンにのせてトーストやカナッペとしても美味しく食べられます。たくあんや甘酢生姜、パセリなど、いろいろ混ぜて楽しんでください。
オリーブオイルと合わせてマリネに
刻んだ漬物とオリーブオイル、レモン汁と合わせて、切ったサーモンのお刺身や海老、タコ、鯵など和えてマリネにしてみてはいかがでしょう。
スープや雑炊に
漬け物を刻んで具にするとダシが出て美味しいスープが作れます。
手順
塩抜きした漬物に水を加えてひと煮立ちさせ、溶き卵を加えて醤油で味を整えます。このスープにご飯を入れると雑炊にもアレンジできます。
コチュジャン和え
きゅうりの漬物とコチュジャンだれで美味しく、しかも時短になる料理が一品完成します。
手順
塩抜きに失敗したきゅうりの漬物をはさみで輪切りにて水気を切ります。塩抜きをしたきゅうりは味が浸み込みやすいので、お好みの量のコチュジャンだれをかけるだけのとても簡単な料理です。
タバスコを加えてサルサソースに。
漬物の塩抜きに失敗したきゅうりを使ってサルサソースを作ってみましょう。
手順
トマト、ピーマン、漬物を1cmの角切りにします。玉ねぎはみじん切りにしてから水に10分程度さらし、水気を切ります。これらとケッチャップ、タバスコ少々を混ぜ合わせます。
サルサソースは簡単に作れるうえに、定番タコス料理だけでなく、万能調味料としていろんな料理に使って楽しめます。
ザーサイの塩抜き
ザーサイの塩抜きと、きゅうりを漬けるのを同時にできる、切るだけの簡単な漬物です。
手順
丸い塊のザーサイときゅうりを同じくらいの大きさになるように薄く切ります。ボウルにきゅうりとザーサイを入れ、ヒタヒタになるように水を加えて冷蔵庫に入れておきます。
1時間後に味を確認して、まだまだ辛いようでしたら、水をこぼして新しい水を入れ替え、再び冷蔵庫に入れます。好みの塩加減になったら水気を切って皿に盛り付け、お好みでラー油をかけて出来上がりです。
《 ポイント 》
- 長芋と納豆昆布を入れてねばねばトッピング。
- きゅうりの漬物で作るポテトサラダ。
- シソ、みょうが、生姜、ゴマなどと和風の和え物。
- 茹で野菜や生野菜とマヨネーズで和える。
- ベーコンをオリーブオイルで炒めてチャーハンや炊き込みご飯の具に。
- クリームチーズ、マヨネーズを和えたタルタルソース。
- オリーブオイルやレモン汁とお刺身でマリネに。
- ひと煮立ちさせ、溶き卵と醤油で味を整えたスープ。
- コチュジャンだれをかけるだけの時短料理。
- ケッチャップ、タバスコ少々でサルサソース。
- ザーサイの塩抜きと、きゅうりを漬けるのを同時におこなう。
最後に
漬物の塩抜き方法を6種類紹介しましたが、いかがでしたか?
水に浸けただけの塩抜きは、表面の塩が抜けるだけで中は辛いままなんですね。同時に旨みも抜けてしまうので、おすすめしません。
そこで、「酢と水」「塩水」「茶殻」「熱湯」「酒粕」「酒とみりん」の6つのやり方をピックアップしてみましたので、漬物が「ちょっと塩辛い」と思った時には、ぜひ試してみてください。
もしも漬物の塩抜きに失敗したときには、11種類の活用術を使って料理を楽しんでみて下さい。どれも簡単にできて美味しいアレンジ料理なので、ぜひ試してみて下さいね!