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にんにくの旬は夏
にんにくは1年を通してスーパーなどで購入することができるので、いつの時期が旬の季節となるのか実際にわかりづらい野菜のひとつにですが、にんにくには旬がありその旬の時期にしか味わえない極上のにんにくが存在します。
にんにくは栽培されている品種や地方によって収穫時期にずれが生じるので、旬となる時期もその収穫時期に合わせて少しづつ異なります。
基本的に6月~8月の夏の時期がにんにくの旬となります。
夏は暑さで体力を消耗しやすくなってしまうので、強壮作用があるにんにくは季節に合った食材となっています。
旬の時期だけの極上の味わい「生にんにく」
にんにくは通常収穫されたら、1年を通して出荷するための保管用に1ヶ月ほどの時間をかけて乾燥させてから市場へと出荷されます。にんにくは乾燥させないと、傷みやすいのでスーパーなどで販売されているものは乾燥させてある白いにんにくになります。
6月中旬~7月上旬に収穫されるにんにくは、旬の時期にしか味わえない、乾燥させる前の「生にんにく」です。旬の生にんにくは乾燥していないので特にみずみずしく、香りや味もにんにくらしさが際立っているので極上の味わいとなっています。
生にんにくは傷みやすいので、収穫時期の限られた期間だけ産地のみで食べることができます。スーパーなどで販売されることはほとんどありません。収穫の時期に生産地の近くにお出かけの際は是非味わってみてください。
《 ポイント 》
- にんにくは基本的に6月~8月の夏の時期が旬となります。
- 6月中旬~7月上旬に収穫されるにんにくは乾燥させる前の「生にんにく」です。
にんにくの特徴と種類、主な産地
にんにくの主な産地
旬にかぎらず、スーパーなどでは安価の中国から輸入されたにんにくが多く出回っているのですが、国内の産地に目を向けると青森県が全国の生産量の約70%を生産しています。青森のにんにくは味と香りも優秀で青森の中でも、青森県三都郡田子町は生産量日本一となっています。
青森では、6月中旬の梅雨の時期の前に収穫が始まり、その収穫した後1ヶ月ほど乾燥させて全国に出荷されます。にんにくは北海道から九州、沖縄まで広く各地で生産されています。
全国で生産されているので暑くなる時期にも違いがあるので旬の収穫期は地域によって少しづつ異なります。
にんにくの特徴と種類・品種
にんにくはねぎの仲間の香味野菜で、強い香りに特徴があります。国産のにんにくには多くの種類が存在しています。にんにくは産地によって寒地系と暖地系に分かれています。
寒地系のにんにくは北海道~東北の寒い地方で生産されるもので、代表的な種類・品種にはブランド化された青森産の福地ホワイト六片が特に有名です。6片の粒が大きく、味のバランスがとても良いのが特徴で栄養値が高いとされています。
暖地系のにんにくは沖縄から九州などの暖かい地方で生産されているもので、寒地系よりも大きさはひと回り小さく、片の数が多く固めといった特徴があります。代表的な種類・品種には壱州早生、遠州極早生があり、熟期が早くなるので収穫までの期間も早くなります。
その他の主な種類にはジャンボニンニク、一片種にんにく、最上赤にんにくなどがあり、ジャンボニンニクは厳密に言うとにんにくとは別の種類となりますが、見た目はにんにくそのもので、何倍にも大きくなった形をしていて香りがあまり強くありません。
一片種にんにくは、中が分球せず一個の塊になる品種です。最上赤にんにくは、山形県最上地方の伝統野菜で外皮が赤く生で食べると辛味が強いにんにくで、焼く食感がほくほくとなって甘みが出ます。普通のにんにくよりも大粒な上、貯蔵性に優れています。
《 ポイント 》
- 青森のにんにくの旬は収穫時の6月中旬から。収穫した後1ヶ月ほど乾燥させて全国に出荷されます。
- 中国産の安価のにんにくが多く出回っていますが、国内生産では青森県が全国の生産量の約70%を占めています。
美味しいにんにくの選び方
旬にかぎらず、購入時に美味しいにんにくを選ぶときには下記のことに注目して購入しましょう。
- にんにくを手に取った時にずっしりとした重みがあるもの
- にんにくの結球が硬いもの
- にんにくをは外皮に艶があって、変色していないもの
にんにくをを手に取った時に軽く外皮と身の間にに隙間があるものは、古く水分が抜けてしまっている可能性が高くなるので避けましょう。
にんにくの保存方法
使い切れずに余ってしまったにんにくの保存方法はいろいろあるので、用途に合わせ上手に保存しましょう。
短期間の保存方法
にんにくを短期間で保存をするには、高温多湿になる場所を避けて風通しの良い涼しい場所に置いて保管しましょう。にんにくは旬の夏の暑い時期には冷蔵庫に入れて保存をしますが、冷蔵庫の中で長期間保存してしまうと芽が出てきてしまうので早めに使い切ることをおすすめします。
冷凍保存の方法
にんにくを冷凍保存する場合には、表皮を剥いて1片ごとにばらした後、1片ごとラップで包んでから冷凍保存をしておくことで、使用する時に冷蔵庫で解凍させることで生で使用する場合と同様に使うことができます。
また、にんにくをフードプロセッサーや包丁を使ってみじん切りにしてから、ジップ付きの保存袋に入れて平の板状にしてから、包丁の背の部分で縦横に等間隔に碁盤のように筋を付けてから冷凍をしておくと冷凍後に使用する分だけパキッと折って使用できるので便利です。
加工して保存する
にんにくを剥いて容器に入れてにんにくが浸るほど醤油を入れて浸けるとにんにく醤油として保存したり、にんにくをみじん切りにしてオリーブオイルに漬けてにんにくオイルを作ることで、長期保存が可能で料理をするときに役立ちます。
《 ポイント 》
- にんにくは高温多湿になる場所を避けて風通しの良い涼しい場所に置いて保管します。
- にんにくを冷凍保存する場合は、表皮を剥いて1片ごとにばらした後、1片ごとラップで包んで冷凍します。
- 加工して保存する場合は醤油浸けにしたり、オリーブオイルでオイルを作ることで長期保存できます。
にんにくを扱うときの豆知識
にんにくの皮むきの裏技
ボウルの中に皮つきのにんにくを入れて、同じ形状のボウルを蓋をするように被せてよく振るとにんにくの皮がきれいに剥けます。他にもにんにくの下側を切り落として皮が残っている状態で電子レンジに15秒ほどかけると楽に皮を剥くことができます。
にんにくが変色する理由
すりおろしたにんにくは、時間の経過とともに青緑色に変色してしまうことがありますが、これはにんにくの香りや辛味成分のアルキルサルファイド化合物が時間の経過に合わせ分解されて、にんにくに含まれている鉄分と反応して変色してしまうと言われています。
この変色はすべてのにんにくで起こるわけではなく、旬にかぎらず収穫後常温で保存されたにんにくの場合や、発芽が始まっているもののときに多く見られるようです。変色してしまっているも体に害はありません。
《 ポイント 》
- にんにくの皮をきれいに剥がす方法として、「ボウルの中ににんにくを入れ、同じ形状のボウルを蓋にしてよく振る」「電子レンジに15秒かける」などがあります。
にんにくの栄養
旬にかぎらず、にんにくの栄養の効果は疲労回復、滋養強壮、免疫力の向上などが挙げられます。
にんにく特有のにおいの成分のアリシンという物質で、アリシンはビタミンB1の吸収を助けてくれるので疲労回復や復滋養強壮の効果があります。またアリシンには免疫力の向上の効果や強い殺菌作用もあるので体力が落ちてしまっているときの体調不良の回復にも役立ちます。
スコルニジンは新陳代謝を促して、疲労回復の効果があり末梢血管拡張作用で血液の流れを良くする働きがあります。
他にもにんにくにはたんぱく質やカルシウムなどのミネラルやビタミン類も多く含まれているので健康維持や免疫力の向上作用があります。食物繊維も含んでいるので、腸の働きを良くして便秘の改善させることで肌や美容にも効果があります。
多くの栄養が含まれているとはいえ、とても刺激が強い食材なので食べ過ぎてしまうと胃腸の粘膜を刺激してしまい胃が痛くなってしまったり、便秘や下痢をしてしまうことがあります。
《 ポイント 》
- にんにくは、疲労回復、滋養強壮、免疫力の向上などの効果があります。
- にんにくを食べすぎると胃腸の粘膜を痛めたり、便秘や下痢をおこすことがあります。
にんにくの美味しい食べ方
旬にかぎらず、一年を通じてにんにくを焼く、煮る、炒める、おろすなど調理をする過程で加えると料理の味に香りとコクをつけることができます。
また、にんにくをみじん切りやスライスにしたり潰した状態でオリーブオイルなどの油を加えて加熱すると香ばしい香りがついて風味が良くなります。素焼きやオーブンでにんにくを丸ごと焼いたり揚げるとホクホクの触感で美味しい料理をつくることができます。
最後に
旬にかぎらず、一年を通してスーパーなどで購入することができるにんにくですが、にんにくの旬の時期は収穫の時期の夏になります。基本的ににんにくは乾燥させた状態で販売されていますが、旬の時期の収穫地では生のにんにくを食べることができます。
6月~8月の旬の時期は暑い夏をむかえて体力を消耗しやすく夏バテをしてしまいますが、強壮作用があるにんにくは夏にピッタリの野菜です。その他の季節でも免疫力アップの効果もあるので積極的に摂取して元気に過ごせるようにしましょう。