ブルーベリーは植え替えが必要!時期と正しいやり方

ブルーベリー収穫

甘い実をつけるブルーベリーは、植え替えが必要です。ですが、間違った時期に植え替えをしてしまうと、株に大きな負担を与えてしまうので注意が必要です。初心者にも育てやすい果樹のひとつであるブルーベリーは、土作りにも大切なポイントがあります。植え替えをする前に、適切な時期の見極め方や土づくり、肥料の与え方など、上手に育てるための情報を知っておきましょう。

ブルーベリーは植え替えが必要

ブルーベリー畑

鉢植えのブルーベリーは、ひと回り大きな鉢に2~3年に一度、植え替える必要があります。

枝と葉が成長するのと同じように、根は土の中で横にどんどん広がっていきます。そのため、植え替えをしないと根詰まりを起こし成長に悪影響を及ぼします。鉢植えの植物が根詰まりを起こすと、水分や養分を充分に吸い上げることができなくなり、成長に必要な栄養を得ることが困難になり、その結果枯れてしまうのです。

中でもブルーベリーの木は、根詰まりを起こすと自己保存のためにたくさんの実をつけることがあります。ということは、例年より実がたくさんついた翌年には、枯れてしまう可能性もありますので、注意してください。

年月に関係なく、植木鉢のサイズに対して、明らかに株が大きく成長して狭苦しそうに感じたり、土の部分が少なくなって水を吸いにくそうに見えたら、根を持ち上げて根詰まりをおこしているかどうかを確認してみるとよいでしょう。

《 ポイント 》

  • 2~3年に一度、植え替える必要がある
  • 植え替えをしないと根詰まりを起こす

ブルーベリーの植え替え時期

ブルーベリー

ブルーベリーの苗木の植え付けは11〜3月の落葉期に行います。10~12月の葉が落ちる時期か、3月の花芽が見えるときが最も植え替えに適した時期となります。ブルーベリーは秋には美しく紅葉し、そのあと葉を落として休眠期に入りますので、その時が植え替えの時期です。

また、寒さの厳しい時期を避けなければならないため、温暖な地域であれば11〜12月、寒冷地では2〜3月中旬というように、お住まいの土地の気候を考えて判断するようにして下さい。

《 ポイント 》

  • 植え付けの時期は11〜3月の落葉期

ブルーベリーの植え替えに必要なもの

ブルーベリー畑

用土

一般的に植物を栽培するうえで大切なことは、地植え、プランターどちらにおいても水はけと水もちがよい土を作ることです。ブルーベリーも水はけと水もちのよい土、そしてやや酸性の強い、pH5.0前後の土でよく育ちます。

逆に、中性や弱酸性の土では枯れてしまう可能性がありますので注意してください。植え替える際に準備しておく土は、市販されているあらかじめpHが酸性に調整されているブルーベリー用の培養土をそのまま用いることができます。

ブルーベリー用の培養土が手に入らない場合は、市販されている野菜用の土にpH無調整のピートモスを同量混ぜて用いるようにします。ここで注意しなくてはいけないポイントとして、市販されているピートモスには、石灰などアルカリ性の資材を混ぜてpHを調整したものと無調整の2種類のピートモスがあるということです。

pH調整済みのピートモスでは、土を酸性にすることはできないので、ブルーベリーを植え付ける土を作るときには、必ず「pH無調整」のピートモスを用いるようにしてください。

鉢植えの植物をひと回り大きな鉢に植え替えることを「鉢増し」、同じ大きさの鉢に植え替えることを「鉢替え」といいます。鉢増しでは、最終的に「木をどのくらいまで大きく成長させたいか」によって選ぶ植木鉢のサイズが変わってきます。

今後の植え替えなども視野に入れ、木の大きさを考慮した植木鉢を選ぶようにします。コンパクトに育てたいなら小さなサイズの鉢に、ある程度の大きさに育てたい場合は、ひと回り〜ふた回り大きな鉢を用意するようにしましょう。

《 ポイント 》

  • 水はけと水もちがよい土を作ることが重要
  • やや酸性の強いpH5.0前後の土でよく育つ
  • 「pH無調整」のピートモスを用いる

ブルーベリーの植え替え方法

植え替え

枝を剪定する

枝を伸ばしっぱなしにしておくと根にストレスがかかり、生育が鈍くなりますので、大きくなったブルーベリーは、剪定が必要です。よって古い枝や細い枝、花芽の少ない枝は剪定して植え替えの負担を減らしておくようにしましょう。

剪定は1~2月が適期で、「木を大きくする」「たくさん果実を実らせる」ためなど、生長段階によって目的が違います。植えてから1~2年目は、花芽がついている先を切って剪定し、木が弱くなるのを防ぎましょう。3年目以降は、内向きの枝、伸びすぎた枝、根元から出ている枝を中心に切り落としてください。

植え替えの手順

  1. 鉢から引き抜く
    鉢から根を切らないように注意しながらそっと引き抜きます。
    このとき、土がカチカチに固くなり、抜けなくなっていたら、水を含ませて土を柔らかくしてから、スコップで植木鉢と土をはがすようにして少しずつ抜いていきます。それでも抜けない場合は、勿体ないのですが、ハンマーなどで植木鉢を割って取り出します。
  2. 古い根を切る
    無事に引き抜いたら、黒くなっている古い根を切り詰めていきますが、この時、新しい根を切らないように慎重に切るようにしてください。あまり短く切りすぎるとブルーベリーを弱らせてしまいますので、もともとあった根を半分以上残すようにすることがポイントです。
  3. 植え込む
    鉢底にブルーベリー用の培養土、もしくは酸性土であるpH無調整のピートモスを入れます。根についた古い土をほぐしながら落とし、新たに用意した土の中に植え込みます。
  4. 水やり
    残りの土を入れて、植え替えが完了したらまんべんなく水やりをしましょう。この時に土が沈んでしまうようでしたら、さらに土を足してください。

《 ポイント 》

  • 大きくなったブルーベリーは剪定が必要
  • 剪定の適期は1~2月

ブルーベリーの植え替えに関するQ&A

ブルーベリー農園

Q.植え替え後のブルーベリーに適した肥料を教えて下さい。

A.ブルーベリーの生長に必要な成分は、根の生長に役立つ「カリ」、花と果実を大きくする「リン酸」、葉と枝を大きくする「窒素」の3つです。それぞれの成分を調合した緩行性化成肥料を土の中に混ぜるか、土の上に置いてください。

Q.植え替え後のブルーベリーに肥料を与える時期を教えて下さい。

A.ブルーベリーには3月と5月、8月下旬に緩効性肥料を施肥するとよいでしょう。ゆっくりと溶け出して成分が浸透し、1年を通して栄養分が土の中に行き渡るので、新芽や花芽の増加、果実の着果や結実の促進、根張りの強化が期待できます。

Q.ブルーベリーの収穫のタイミングはいつでしょうか?

A.ブルーベリーの収穫は6月中旬頃から始まり、7~8月にピークを迎えますが、品種によっては収穫する時期が多少異なります。

果実全体が青紫色に変化してから4~7日後を収穫時期の目安としてください。完熟のサインである軸の付け根部分まで黒く色づいてきたら、糖度が高まると言われる朝のうちに収穫します。収穫した後に甘みが増すことはありませんので、できるだけ早く食べた方がよさそうです。

《 ポイント 》

  • カリ、リン酸、窒素を調合した緩行性化成肥料を施肥
  • 3月と5月、8月下旬に施肥
  • 収穫は6月中旬~7~8月
  • 軸の付け根部分まで黒く色づいてきたら完熟のサイン
  • 糖度が高まる朝に収穫

ブルーベリーの植え替えを地植えにする方法

ブルーベリー畑

ブルーベリー栽培に欠かせない用土といえば、ホームセンターの土コーナーで販売されているピートモスでしたね。これを使わないと、ブルーベリーにふさわしい酸度を保つのは難しいので、ブルーベリーを育てるなら、ためらわずに必ず用意しましょう。

ピートモスを購入する際には「酸度未調整」または「pH無調整」と書いてあるものを選んでください。以上の点に注意しながら、下記に従って地植えに挑戦してみましょう。

  1. 植え穴を掘る
    ブルーベリーの根より2~3倍大きい植え穴を掘りますが、深さ・直径ともに40〜50cmくらいは必要です。ブルーベリーの根は縦よりも横に伸びていきますので、深さよりも幅を取ると良いでしょう。
  2. 土を準備する
    水で十分湿らしておいたピートモス40〜50Lと、腐葉土40Lを地面の土とよく混ぜて、半分ほど穴に埋め戻します。根に触れる部分は、全てピートモスになるように植え穴に入れなじませます。もちろん、手軽にブルーベリー用の培養土を使用しても構いません。
  3. 植えつけ
    植え穴の中心に根鉢を軽くほぐしたブルーベリーを入れ、株元が地面の高さになるように調整します。固定したら水で十分湿らせたピートモスを溝に埋めていきます。
  4. 水やりと肥料
    植えつけた後に支柱を立て、軽く枝先を切り戻し、最後にたっぷりと水やりをします。緩効性の肥料を株の周りにばらまき置き肥にします。

最後に

ブルーベリーを摘む手

ブルーベリーには植え替えが必要なことが、おわかりいただけましたか。だからといって、頻繁に植え替えを行うことは株に大きなストレスを与えてしまいます。そこで重要なのは、植え替え時期を見極めることと土づくりです。2~3年に一度、株の大きさに対して植木鉢が小さいと感じたり、土の部分が盛り上がって水を吸いにくそうな時は根詰まりを起こしているということなので、植え替えをするようにしましょう。地上の茎や葉と同じように、時には鉢から根を持ち上げて、根の様子も定期的に観察するといいかもしれませんね。

ブルーベリーは手をかければかけるほど大きく育ち、おいしいブルーベリーをたくさん摘み取ることができるようになります。収穫と成長を長く楽しみながら、大切にお世話をしてみましょう。

この記事のタイトルとURLをコピーする

カテゴリから記事を探す

すべてみる
カテゴリを見る