コーヒーの木の育て方!上手に育てるポイントは置き場所と日当たり

コーヒーの木観葉植物

コーヒーの木の育て方は一見難しそうですが、実はとっても簡単なんです。正しい育て方を知っていると、自分で育てたコーヒーの木に実をならせ、その豆を収穫してコーヒーを淹れる、という夢をかなえることができるんです!ここではコーヒーの木を育てる際の置き場所や水やりなどの育て方のポイント、剪定の仕方や受粉に関する情報まで、あますことなく紹介します。

コーヒーの木を育てる前に

コーヒーの木とコーヒーカップ

コーヒーの木の育て方は難しいと思っている方が多いようですが、実はコーヒーの木の育て方はポイントさえおさえておけば簡単です。

まずは、コーヒーの木の育て方を説明する前に基本的なことをご紹介します。

コーヒーの木の特徴

コーヒーの木は、艶のある緑の葉が美しい常緑低木です。日光不足によく耐え、樹形もあまり乱れないため、室内で育てる観葉植物として人気があります。

植物として販売されているコーヒーの木と、コーヒー飲料の原料となる木は同じもので、実際には7~8mの高さまで成長しますが、生産地では収穫しやすいように3mほどの高さに剪定しているようです。

葉の付け根に白い花を咲かせた後に群生する実は、10か月もの歳月をかけて徐々に熟してサクランボのように赤くなることから、コーヒーチェリーまたは、チェリービーンズと呼ばれています。この赤い実から果肉部分を取り除き、種子にしたものがコーヒー豆となるわけです。

コーヒーの木の種類と苗の選び方

コーヒーの木は、アフリカやマダガスカルに約100種あると言われていますが、観葉植物として一般に流通しているのはアラビアコーヒーの木で、それ以外の品種はあまり出回っていないようです。

では「コーヒー3原種」と言われる3つの種類を紹介しましょう。コーヒーの木は種類によって育て方の特徴が異なります。

アラビアコーヒーの木(Coffea arabica)

コーヒーの木の中で観葉植物として最も親しまれているのは、エチオピア原産のアラビアコーヒーの木という品種でしょう。

クオリティの高いコーヒー豆を大量に収穫できるため、世界中で栽培されていて、コーヒーの生産量の70〜80%を占めています。葉は光沢のある濃い緑色で、ゆるく波打って立体感があるのが何よりの魅力です。

100円ショップや園芸店などでミニ観葉植物として販売されていることもありますが、実は2~8mまで生長するらしく驚いてしまいますよね。

ロブスタコーヒーの木(Coffea canephora var. robusta)

原産はベルギーと思われがちですが、正しくはコンゴ原産のカネフォラ種の変種です。

フランスを中心にヨーロッパ諸国で消費されているコーヒーで、焦げた麦のような風味で苦味と渋みが強く、反対に酸味がないロブスタは主にインスタントコーヒーの原料として使われています。

生長が早いうえに、暑さやサビ病などの病害虫に強いので栽培しやすいのが特徴です。

リベリカコーヒーの木(Coffea liberica)

原産は西アフリカで、アラビアコーヒーの木と比べて豆の品質が劣るため、3原種のうち最も生産量が少ない木です。病害虫や高温多湿に弱いこともあり、主にアフリカで栽培、消費されています。

コーヒーの木を選ぶときは幹がしっかりしていて、葉数が多く色艶がきれいなもの、また、病害虫が発生していないかをチェックします。店内の暗い場所に長期間置かれているものは、間延びして下葉が落ちてきますので避けた方が無難です。

準備しておくもの

  • コーヒーの木の苗
  • 苗のサイズに合った鉢と受け皿
  • 鉢底ネット
  • 肥料(肥料の含まれない土を使う場合に必要)
  • 剪定バサミ
  • スコップ
  • ジョウロ
  • 霧吹き
  • 園芸用のハサミ
  • その他(装飾関係など)

室内に鉢を飾るときは、インテリアとして周囲のイメージにあった鉢や鉢カバーを用意すると、見た目がさらによくなります。

《 ポイント 》

  • コーヒー豆は赤い実から果肉部分を取り除き、種子にしたものです。
  • 「アラビア」「ロブスタ」「リベリカ」がコーヒー3原種です。
  • 幹がしっかりして葉数が多く色艶がきれいなものを選びましょう。

コーヒーの木の育て方のポイント

コーヒーの木観葉植物

日当たりと置き場所

屋外

コーヒーの木の育て方として重要なのは日当たりです。生長したコーヒーの木は耐陰性が弱いため、暖かい季節はなるだけ屋外の日当たりの良い場所で育てるようにします。

午前中は直射日光の当たる風通しの良い場所に置くようにしますが、夏の強い直射日光で葉焼けをおこすようでしたら少し遮光してもよいでしょう。

室内

コーヒーの木を室内で育てるのは気温が低い冬だけにして、それ以外は屋外で育てるようにします。でなければ、週の2~3日だけでもコーヒーの木を外に出して日光浴をさせます。

コーヒーの木の育て方として、ある程度、耐陰性がある幼木は、一年中室内でも構いませんが、できるだけ明るい窓辺など日当たりの良い場所で栽培したほうが、生育がよくなり間延びせずしっかりとした株になります。

ただし、日本の夏の厳しい暑さは苦手なので、その時期は午前中だけ日光が当たるような半日陰に置いてください。このことはコーヒーの木の育て方の注意点として覚えておきましょう。

温度

コーヒーの木の冬越しの育て方として、温度に注意を払わなくてはいけません。

戸外での越冬は無理ですが、中型以上の株であれば最低でも5℃以上、できれば10℃以上に保った室内で越冬させます。ただし寒さに弱い小さい株のものは、10℃以上に保った室内に置きます。

日中は窓際に置いて日光に当てるようにしますが、夜間の窓際は冷え込みやすいので、厚手のカーテンを設置するか、部屋の中央に移すとよいでしょう。

また、コーヒーの木にエアコンの風が直接当たってしまうと枯れてしまうことがあるため、エアコンの風が当たらない場所に置くのがコーヒーの木の育て方のベストです。

水やり

コーヒーの木の生育期は、土の表面が乾燥したら、鉢底から水が流れるまでたっぷりと水やりをします。受け皿にたまった水をそのままにしておくと根腐れの原因になりますので、受け皿にたまった水は必ず捨ててください。

特に幼木の場合は、水切れに弱いので、暑い時期や室内が乾燥している時は土が渇いていないかどうか注意して観察してください。そして、ハダニが発生しない為の予防として、コーヒーの木の葉裏に葉水を定期的に行うとよいでしょう。

気温が低い冬になると、コーヒーの木は生長がとまりますので、その時の育て方としては、土は乾かし気味にし一週間に1~2回程度水やりで十分でしょう。

用土と肥料

用土

用土

コーヒーの木の育て方として根腐れに注意する必要があります。水はけの悪い土にコーヒーの木を植えると、根腐れを起こしてしまう可能性があります。

市販の観葉植物専用の土がおすすめですが、自分でブレンドするなら、例えば、観葉植物用の土4:赤玉土1:鹿沼土1、というように、成育環境に合わせて微調整したものを使いましょう。

また、土の表面を鹿沼土や赤玉土、化粧砂などの無機質の用土で覆っておくと、コバエの発生を防ぐことが出来ますので、試してみてください。

肥料

冬場の生長が停滞したコーヒーの木に肥料を与えてしまうと、肥料焼けをする可能性があります。5月~10月の真夏を除いた成長期に、窒素が多めか、3要素が等量含まれた緩効性の固形肥料を与えるようにします。希釈した液肥を10日に1回与えてもよいでしょう。

また、室内で栽培するのでしたら、油粕などの有機肥料は匂いや虫の発生に繋がるので、注意してくださいね。

病害虫

コーヒーの木は、特に屋外ではハダニ、アブラムシ、カイガラムシなどの害虫の被害に遭いやすいので注意しましょう。

枯葉や傷んだ葉を取り除きながら、害虫がついていないか葉裏をよく観察し、見つけたらブラシなどでこすり落とした後、薬剤をかけます。

葉の裏に斑点状の模様を見つけたら、それは一番の大敵であるさび病ですので、発見したら一刻も早く葉を処分してください。コーヒーの木の育て方で病害虫対策も重要ですので忘れずチェックしましょう。

《 ポイント 》

  • 暖かい季節は屋外の日当たりの良い場所で育てましょう。
  • 夏の直射日光で葉焼けをおこす場合は遮光してください。
  • 戸外での越冬は無理です。できれば10℃以上に保った室内で越冬させましょう。
  • 土の表面が乾燥したらたっぷりと水をやります。冬は週に1~2回程度に水やりをしましょう。
  • 水はけの悪い土で根腐れを起こさないように観葉植物専用の土を使います。
  • 害虫やさび病には要注意です。

コーヒーの木を育てて実をならせる!

コーヒーの木とコーヒー豆

コーヒーの木の育て方で一番気になるのは「いつコーヒーの実がなるのか?」ですよね。

コーヒーの木の花が咲けば簡単に実がなると思いがちですが、コーヒーの実を収穫するには、1m~1m50cmの高さに育てるまで数年かかります。

コーヒーの木に実をならせたいと思ったら、受粉に挑戦してみましょう。

室内での栽培では、受粉作業をしてくれる昆虫がいないので、取った花の花粉を他の花の花粉にこすりつける方法で受粉させます。受粉させたらと言って、必ず実になるわけではありませんが、自然に任せっきりにしているよりも成功率は高いでしょう。

生育が旺盛なコーヒーの木は、3~4年で100cmほどの大きさに生育し、6~7年で人の身長まで大きくなります。

その後は鉢のサイズを大きくせず、あえて根詰まりを起こさせて、肥料を与えるのをやめると、コーヒーの木は苦しみますが、この厳しい育て方をすることで、苦しい環境に身の危険を感じ、子孫を残そうとたくさんの実をならせます。

年月をかけて栽培することは根気と努力が必要ですが、いつの日かたくさんの実を収穫し、自家製コーヒーを味わえる日が訪れることに期待して栽培してみてはいかがでしょうか。

《 ポイント 》

  • コーヒーの実がなるのは3~4年、1m~1m50cmの高さになる頃です。
  • 室内の場合は、取った花の花粉を他の花の花粉につけて受粉させましょう。
  • コーヒーの木の育て方として、あえて根詰まりを起こさせるとたくさんの実をならせます。

コーヒーの木の育て方に関するQ&A

コーヒーの木の実

Q.コーヒーの木にはどのような花が咲きますか?

A.コーヒーの木に咲く花は白く、ジャスミンのようなさわやかな芳香が、満開前後周囲に広がります。星型の花びらが5枚、大きさは1~2cm程度で素朴な美しさがあります。5~6月頃に咲くのですが、開花期間が短く2日ほどであっという間にしぼんでしまいます。

Q.コーヒーの木を栽培してどのくらいの年数で花は咲きますか?

A.コーヒーの木を数年栽培して、3~4年目の1mを越える大きさになったころから花を咲かせるようになります。

Q.コーヒーの木の花言葉は何でしょうか?

A.リラックスするときに飲むコーヒーにぴったりの花言葉、「一緒に休みましょう」です。素敵な花言葉と育てやすさから、くつろげる時間を共有したい家族や恋人へのプレゼントに用いられることが多いようです。

《 ポイント 》

  • 白くてジャスミンのような香りの花を咲かせます。
  • 開花時期は5~6月頃で、たった2日でしぼんでしまいます。
  • 花言葉は「一緒に休みましょう」

コーヒーの木の植え替えと増やし方

コーヒーの木観葉植物

植え替えは5~8月頃

コーヒーの木の育て方で注意するのは植え替えです。根詰まりすると生育が衰え、下葉が落ちて株の先端にだけ葉がついている姿になってしまいます。適期月は5月~8月で、1~2年おきに一回り大きな鉢に植え替えてください。

購入したばかりの株も、一回り大きな鉢に植え替えておいたほうが水やりの手間が減り、活発に生長してくれます。

切り戻し剪定は5月頃

切り戻し剪定を行うとしたら5月頃の成長期が始まる時期が適期でしょう。

自然に樹形が整うので、剪定の必要性はあまりなく、定期的な剪定も不要なのですが、何らかの理由によって樹形が乱れた場合は、株元付近から切り戻せばよいので簡単です。

枝葉が混み合ってくるとカイガラムシが発生してしまうので、枝数を減らして風通しをよくする間引き剪定をすると予防にもなります。

挿し木は5~8月頃

コーヒーの木の育て方として、一般的に、さし木で増やすのは簡単ではなく、コーヒー豆の生産地でも、さし木繁殖はほとんど行われていないようです。

ですが、不可能ではないので、発根剤や殺菌剤などを併用しながら、生育が旺盛になり始めの5~8月頃にチャレンジすれば、意外と簡単に成功するかもしれません。

《 ポイント 》

  • 植え替えは1~2年おき、適期月は5月~8月です。
  • 定期的な剪定は不要ですが、切り戻し剪定を行うとしたら5月頃です。
  • さし木繁殖は難しいですが、するなら適期月は5月~8月です。

最後に

コーヒーの木観葉植物

観葉植物として人気があり、園芸店だけでなく雑貨店や100円ショップなどで簡単に株を入手できるコーヒーの木の育て方、いかがでしたでしょうか?

暑さの厳しい日本では、品質のよいコーヒー豆の生産は難しいのが現状です。ですが、正しく栽培すれば、家庭でもコーヒーの実をならせ、収穫もできるので、自分だけのオリジナルコーヒーを淹れて味わうのも夢ではありません。

小さな木のまま観葉植物として飾って楽しむだけでなく、ぜひこの機会に大きく育てて実をならせてみてはいかがでしょうか?

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