里芋の栽培方法!育てる前の準備から収穫後の保存方法まで

ほくほくの実がたっぷり詰まった「里芋」。厚くて食べ応えがあるので、煮込み料理などに使用されますよね。栄養も高いお野菜ですが、実は家庭菜園にも人気のお野菜です。今回は、里芋の栽培から収穫までの方法をまとめたので、里芋栽培に興味がある人はぜひご覧ください。

里芋栽培の基本知識

並べた里芋
里芋を栽培したいと思う方は必見です。里芋の栽培から収穫するまでのスケジュールや育てる際のポイントをご紹介します。また、種類によっての特徴や育て方の違いも抑えていきます。

栽培時期と収穫時期

里芋の栽培時期は3月~5月ごろです。

里芋は気温の高い時期に育つ野菜です。3月から種まきを始め、遅くとも5月から植え付けを始めてください。

収穫時期は9月~11月の秋にかけて行います。早く成長したものは8月に収穫してもOK!

里芋の種類

里芋の種類は、なんと200種類以上あります!

市場に出ている数や種類が多く、「どれを選んでいいの?」と悩んでしまうでしょう。里芋を選ぶ際は、どの部分を食べるのかによって選んでください。

今回は、食べる部位が違う代表的な4つの里芋を紹介します。

親芋と子芋が食べられる「八つ頭」

「ヤツガシラ」は、市場にはあまり出ておらず、高価なので中々手に入りにくい、親芋と子芋の両方が食べられる里芋です。深い甘みと、栗のようなほくほく食感が特徴。

通常、親芋と子芋は生え間隔に距離がでますが、八つ頭は親芋と子芋が塊になっています。頭が八個ある様に見えることから「八つ頭」と名付けられました。

「子孫繁栄」「末広がりの八」の象徴として、おせち料理に愛用される縁起物です。

子芋・孫いもを食べる「土垂れ」

「どだれ」と読みます。スーパーで見かける一般的な里芋と言えば、この「どだれ」か「石川早生」のどちらかです。収穫できる時期が長く、10月初旬から3月末まで収穫されます。

親芋は食べず、子芋や孫いもを食べる里芋です。煮崩れしにくい肉質の持ち主で、焼き芋にしたり煮込み料理に向いています。

親芋だけを食べる「たけのこ芋」

名前の由来は、タケノコのように、細長い棒状の形をしていることから来ています。別名は「京いも」。たけのこ芋は、子芋が生えにくい品種で、親芋本体がかなり大きく育つ品種です。硬い肉質をしているので、じっくり煮込んでも煮崩れがおきません。

葉柄だけを食べる「蓮芋」

私たちが口にする里芋の「実」と思われる部分は、「根茎」よばれる茎です。蓮芋はこの根茎が太くならず、代わりに葉っぱと茎を繋ぐ葉柄が太く大きくなります。食用の葉柄はズイキと呼ばれ、料亭などで使用される高級食材です。

≪ポイント≫

  • 「八つ頭」・・・親芋を食べるのに適した里芋
  • 「土垂れ」・・・子芋や孫芋を食べるのに適した里芋
  • 「たけのこ芋」・・・親芋と子芋どちらも食べれる里芋
  • 「蓮芋」・・・葉柄が食べられる品種

里芋の育て方

里芋は気温25℃~30℃前後の、高温で雨の多い地域や、湿度の高い場所を好む野菜です。暑い夏の日差しとたっぷりの水分を与えることでスクスク成長します。

反対に、寒さと乾燥に弱いです。気温が低いと生育が止まり、あまり大きくなりません。土壌の温度が高くなってきたころに植え付けを初めて、本格的な寒さになる前に収穫しましょう。

里芋を栽培する際のポイント

ポイント1. 近縁種が植えられた土壌を使わない

里芋は「連作障害」にとても敏感な野菜です。連作障害とは、同じ科目の野菜を何年も同じ土壌に植え続けることで土中の栄養が無くなり、その土壌に野菜を植えても育たなくなることを言います。

サトイモ科は里芋のみなので、新たに育てる場合は収穫後に違う土壌で種まきしましょう

ポイント2. 生姜と混植する

里芋と生姜は混植の相性がぴったりな野菜。里芋の隣に生姜を植え付ければ、里芋の葉が影となり生姜の生育を早めます。また、収穫の時期が一緒なので、一度の栽培で2種の野菜を収穫できるので一石二鳥です。

《 ポイント 》

  • 里芋を栽培する時は連作障害に注意してください。
  • 余裕があれば生姜との混植にトライしてみましょう。

里芋栽培をはじめる前の準備

里芋の栽培
里芋栽培を始める前に、必要な物を準備しましょう!

種芋を選ぶ

種芋選びは、大きくて立派な里芋を育てる上で重要です。

ホームセンター販売されている種芋を選ぶ際は、できるだけ粒が大きく丸みを帯びた種芋を選んでください。その際は、できるだけ同じサイズの種芋を揃えましょう。

一度でたくさんの里芋を収穫したい方は、親芋と子芋の両方を食べられる「八つ頭」、または子芋と孫いもがたくさん育つ「土垂れ」などの品種がおすすめです。

催芽(芽出し)する

種芋を植える際、種芋の芽だけを地上向けて埋める催芽(さいが)がおすすめです。

里芋は地中に芽を埋めると、地面の温度が上昇しなければ生育が始まりません。地上に向けて、暖かい場所に移動すれば、生育が早まります。

芽を地上に向けて埋めるだけで、あらゆるメリットが得られます。

【芽を地上に向けるメリット】

  • 生育速度が早まり、大きく育つ
  • 本来の植え付け時期よりも遅い時期に植え付けできる
  • 欠株しなくなる

畑の準備(土作り)を行う

里芋粘土質の畑を好みますので、育てる際は保水性の高い、しっとりと湿り気のある土がおすすめです。

土を用意したら植える前に、土作りから始めましょう。植え付けを行う2週間前までに、肥料や苦土石灰を畑に施し、よく耕してください。

その後は畝を作ります。里芋を植えるのに最適な大きさは、幅80cmから100cm、高さは20cmから30cmです。

肥料を用意する

肥料には牛糞などの有機肥料がおすすめです。

有機肥料は土を柔らかくする効果があるので、土を粘土質に保つことができます。土作りのとき元肥として有機肥料を使うようにしましょう。

また、追肥には栄養バランスの取れた配合肥料を与えると良いでしょう。

《 ポイント 》

  • 種芋は「丸くて大きい」もの、複数買う時は「同じ大きさのもの」をそろえる
  • 種芋は芽を「地上に向けて」埋める
  • 里芋を作る際は、生育しやすいように土作りから始める
  • 元肥は有機肥料、追肥には配合肥料がおすすめ

里芋の栽培方法

里芋の畑
里芋を育てる環境、種芋選びなどの準備を整えたら、いよいよ栽培の手順を見ていきましょう。

種芋を植える

種芋を植える際は、催芽した種芋を使用すれば生育が早くなります。植えるときに芽を上に向けて、10数㎝ほど植えてください。

植え付けたら、芽が隠れる程度でいいので土をかぶせて固めるだけでOKです。複数の種芋を並べて植える際は、株間を45㎝ほどの間隔で植え付けます。

芽かきを行う

芽が出始めると、新たにわき芽が生えてきます。このわき芽は子芋から発芽した物です。

子芋だけでなく、孫いものわき芽も発芽してきますが、放置すると細長くて実りの悪い里芋に成長してしまいます。良質な里芋を収穫するためにも、わき芽は早めにかき取ると良いでしょう。

追肥・土寄せする

サトイモを育てる際は、影が必要です。暗い場所でなければ株が大きくなりません。子芋や孫芋の茎葉が出てくる前に、土を茎に寄せてください。

また、里芋は肥料の消費が激しく、生育に半年ほどかかるので、肥料切れを起こさないよう注意が必要です。栽培する際は元肥を豊富に入れましょう。

土寄せと追肥のタイミングは3回に分けて行います。1回目は5月下旬、2回目は7月中旬。いずれも株と株の間に追肥をし、畝の左右から土寄せしてください。3回目は8月中旬、追肥はせず、土寄せだけ行います。

水やりする

湿った大地を好む里芋は、水分をたっぷり与える必要があります。土を乾燥させないようにしましょう。特に日当たりの強い夏場は注意してください。乾燥を防ぐ方法として、畝に刈り草や藁を敷いておくと良いでしょう。

《 ポイント 》

  • 種芋は「予め催芽させておく」
  • 「わき芽」が生えたらすぐに芽かき(わき芽を摘みとる)する
  • 「土寄せ」をして影をつくる
  • 水をたっぷり与え里芋を「乾燥させない」

里芋栽培の収穫

収穫した里芋
里芋の収穫時期や、収穫後の保存方法について見ていきましょう。

収穫の時期

里芋は、直植えしたもので9月下旬から11月にかけてが収穫時期です。収穫のタイミングはすぐに食用にするものと、貯蔵用の2回あります。

食用に回すものは、霜が降りる前に収穫。貯蔵用は、霜が降りた後に掘り返して収穫してください。

保存方法

収穫した里芋は、湿らせた新聞紙に包んで日光の当たらない場所に常温保存してください。

また、洗って泥を落とそうとすると表面についた繊維からカビが発生するので、収穫後は泥を落とさずそのまま新聞紙に包んでください。

先にも説明しましたが、長期間で保存する場合は、土の中で寝かせておくと良いでしょう。

《 ポイント 》

  • 収穫は「9月から11」。貯蔵用はすぐ収穫せずに霜が降りてから収穫する
  • 保存する場合は「常温」
  • 長期間保存する場合は「土の中に寝かせる」

里芋栽培の病害虫

アブラムシ
里芋を狙う害虫や病気の種類、それらの対策を見ていきましょう。

アブラムシ

あらゆる野菜を群生して襲う害虫です。植物の汁を狙うだけでなく、ウィルスも媒介する厄介な存在。反射光を嫌うので、光が反射するテープなどを株の周りに張って対策しましょう。

セスジスズメ

幼虫の時点で8㎝もある大きなイモムシ。食欲旺盛で、葉っぱを食い荒らして生育を阻害します。葉っぱの裏をチェックし、見つけたら取り払いましょう。

モザイク病

黄色くて小さな模様が葉っぱを埋めつくすモザイク病は、放置すると葉っぱが萎縮してしまう病気です。この病気はアブラムシによって媒介されるので、アブラムシの対策はモザイク病の対策にも繋がります。

《 ポイント 》

  • ウィルスを媒介する害虫もいるので早めに害虫対策をしよう

最後に

ザルに入った里芋
里芋は環境を整えて、たっぷりの水分と肥料を与えればすくすく育ちます。高温でジメジメ
した気候を好むので、寒冷地を除けばあらゆる地域で栽培しやすい野菜です。また、細かいお手入れは少ないので、家庭菜園や本格的な栽培どちらにもおすすめ!

種類によって、育つ部位と食べられる部位が異なるので、目的に合わせて種を選んでください。大きく立派に育ちますが、害虫やそれにともなう病気によって枯れてしまうこともあるので、対策は早めに行いましょう。

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