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排水溝の臭いの原因
排水溝の臭いは場所によって対処方法が異なります。排水溝から臭いが出る場所は、キッチン、お風呂、洗面所などがあり、食器を洗ったあとの油汚れやハミガキ粉や体の皮脂など汚れた水が流れる落ちる場所です。排水溝からイヤな臭いがしてきたら理由はどの場所も共通しています。
排水溝の臭いの三大原因
- 汚れやゴミ
- 雑菌やカビ
- ヌメリ
キッチンの排水溝の臭いの原因
キッチンの排水溝の構造は、基本的にどの家庭でも同じです。
排水トラップからの臭い
排水溝の一部である排水トラップや排水ホースは、下水管からの臭いや害虫、ネズミなどの侵入を防ぐ働きがあります。排水溝からの臭いは排水トラップの劣化や破損、設置ミスなどが原因で、汚れが詰詰まって雑菌の繁殖で臭いが発生している可能性があります。
排水トラップってなに?
排水トラップは排水溝の下、排水バスケット下付近に取り付けられている装置で、常に水を溜めておくことで、下水からの臭いや害虫、ネズミなどの侵入を防いでいます。水が溜まっていると聞くと、その水が腐っているため、それが臭いの原因かと考えてしまいますが、キッチンを使うたびに古い水は押し流され、その溜まった水は入れ替わります。
つまり、常に新鮮な水が溜まるようにできていますので、基本的にはそこにある水が腐るという事はありません。これを「水封(すいふう)の水」と言います。しかし、下水からの臭いをブロックしていても、排水トラップが汚れていたり、破損している場合などは臭いの原因になってしまいますので注意しましょう。
排水ホースからの臭い
シンクの汚れた水は、排水トラップから排水ホースとつながり、さらに排水管へとつながっています。排水管と排水ホースの間に隙間がある場合、そこから下水の臭いが上がって来ることもあるので注意が必要です。
排水バスケット(ゴミ受け)からの臭い
キッチンの排水溝の臭いの一番の原因がシンクの排水バスケットです。排水バスケットの役割は、シンクから流れる大きな食べカスやゴミなどを受け止める事です。種類は浅型、深型、細型の3つがあり、ここでゴミを受け止めきれなかった場合、排水溝全体の詰まりや、臭いの原因になります。
スーパーや100円ショップ、ホームセンターのキッチン用雑貨のコーナーなどで、排水バスケット用の使い捨てネットを購入し、さらにごみを逃さないようにキャッチする工夫をすると良いでしょう。
排水トラップに水を溜めておくことで外部からの臭いやネズミなどの侵入を防ぐものなのですが、その溜まっている水が汚れていると本末転倒です。
とくにキッチンの排水溝は、油汚れや食材かすなどが含まれた水が流れてくるのでそれが長時間溜まっているとバクテリアが繁殖してぬめりや臭いの原因となります。
無駄かなと思っても毎日の最後に水道水を30秒から1分ほど流し、排水トラップに綺麗な水が溜まるようにしておきましょう。そうすることで汚れが溜まりにくい環境を作ることができます。
お風呂の排水溝の臭いの原因
お風呂の排水溝には、髪の毛、垢、油、石鹸かすなど、臭いの元になる雑菌の栄養素がたくさん流れます。また、髪の毛や垢はたんぱく質ですので、時間が経つと腐って臭いを放ちます。しかし、排水溝付近は掃除しているという人が殆どかと思われますが、排水溝は、いくつかのパーツに分かれています。
多くの方は、最上部のヘアキャッチャーと呼ばれる部分しか掃除をしていなかった…ということですが、ヘアキャッチャー以外のパーツからも臭いが発生しています。パーツごとに排水溝の臭いの原因をご紹介します。
ヘアキャッチャーからの臭い
ヘアキャッチャーはバスルームからの流れる汚れや髪の毛などを受け止めています。ヘアキャッチャーは目に見える分かりやすい箇所なので、掃除をしている人が多いかと思います。ヘアキャッチャーにはよく髪の毛などが絡まりますが、そのままにしていると、石鹸カスや体の油が髪の毛に付着し、ヌメリが出て、臭いが発生します。
排水トラップからの臭い
ヘアキャッチャーの下には排水トラップと呼ばれる部品がついています。排水トラップは筒状で、水を溜めておくことで、排水管の奥の臭いが上がってこないようになっています。実は、この排水トラップ自体に石鹸カスや油脂成分が固まり、ゲル状の汚れになっていることがあります。築年数が経過していたり、排水トラップの掃除をしたことがなく、臭いがする場合は、排水トラップに汚れが溜まっていることが原因の可能性があります。
配水管からの臭い
ヘアキャッチャーも排水トラップも掃除しているにもかかわらず、臭いがする場合、排水管に蓄積されたヌメリや汚れが原因かもしれません。排水溝の使用年数が長いと、排水トラップをきちんと掃除していても、排水管にヌメリや汚れがこびりついてしまいがちです。
また、家庭全体の排水の合流地点である排水枡から、浴室まで臭いが上がってくることがあります。例をあげると、キッチンでうっかり、食材から出た生ごみや、使用済みや、食べ残しの油等を流してしまっていると、排水枡で腐敗し、特に梅雨や夏の時期に臭いが発生することがあるため、注意が必要です。
換気からの臭い
マンションやアパートなど賃貸物件に多くみられるタイプですが、浴室に窓がなく、換気扇も小さく、空気の循環が上手くいかない場合、カビが発生し、カビが原因の臭いが発生することがあります。
浴室全体からの臭い
浴槽、壁、床など、排水溝以外の浴室の各箇所を掃除していないと、臭いが発生することがあります。
洗面所の排水溝の臭いの原因
洗面所から気になる臭いがした場合、考えられる原因について、考えていきます。意外にいろいろな種類の成分を洗面台から流れているため、それらが原因となって臭いがあがってくることがあるようです。
シンクからの臭い
洗面台のシンクの排水溝には髪の毛や歯磨き粉や洗い流した化粧品類などたくさんの成分が溜まっていきます。そこに雑菌が発生し、臭いの原因になると考えられます。
S字トラップからの臭い
排水溝をきちんと掃除したのに臭いが取れない場合、シンク下に原因があることが多いようです。洗面台で流した排水は、排水溝から下水管へと流れていきます。洗面台の下を見てみるとパS字型のパイプがつながっており、下水臭が上がってこないようになっています。
パイプが真っ直ぐだと全ての水が流れて空気の通り道になり臭いも運ばれてしまいます。S字にすることで、水をパイプ内に残し、臭いが上がってこないようになっているのです。もし、臭いがする場合、そのとどまっているべきS字部分の水が蒸発してしまい、パイプ内に水が溜まっていない状態になっていることが考えられます。
これは、長い間洗面所を使っていない場合に起こる現象です。長期間家を空けた場合や、マンションやアパートに引っ越した時に洗面所が臭う場合は、このことが原因と考えらえそうです。
排水パイプと排水キャップからの臭い
排水管と排水パイプのつなぎ目を確認してみて、塩ビ管(床から出ている管)と、排水パイプの間に隙間があると、そこで臭いが充満します。おおよその臭いの原因はここにあると考えてよいかもしれません。また、塩ビ管と排水パイプの間には、防臭キャップと呼ばれる下水の臭いを防止するパーツがあります。この防臭キャップが緩んでいたり、劣化している場際に、下から上がってくる下水の臭いを防ぐことが出来なくなります。
排水溝の臭いを消す場所別掃除方法
家庭のそれぞれの場所の排水溝の臭いの原因についてお話しましたが、それらの場所別のお掃除方法についてご説明します。
排水溝のゴミ受けの臭いをとる方法
キッチンハイターに漬け置きするのも有効ですが、今回の洗浄液は重曹と酢、キッチン用の中性洗剤で作ります。
用意するもの
- キッチン用中性洗剤
- ゴム手袋
- 使い古した歯ブラシまたは、台所用のスポンジ
- 酢…1/2カップ(100cc)
- 重曹…1カップ(200cc)
家庭にあるもので簡単に作れる洗浄剤を使って綺麗にお掃除ができます。
排水溝の臭いを取る手順
- 窓を開け、換気扇を回すなどで換気している状態にしておく。
- 排水溝のカバーや排水バスケット、排水トラップはシンクに出しておく
- 排水バスケットに溜まったゴミをあらかじめ捨てておく
- キッチン用中性洗剤を歯ブラシかスポンジにつけ、取り出した各パーツをこすり洗いする
- 排水溝に重曹をたっぷり振りかける
- ふりかけた重曹の上に、酢を回しかける
- 泡が発生してたら、30分~1時間程度そのまま置く
- 熱湯ではなく、必ず60℃以下のお湯で、丁寧に排水溝内を洗い流す
お風呂場の排水溝の臭いをとる方法
ヘアキャッチャーと排水トラップの掃除
ヘアキャッチャーと排水トラップは、簡単に取り外して掃除をすることができます。排水溝の臭いのお掃除で苦労しないために、最低でも1週間に1回、梅雨の時期や夏場などは2~3日に1回は、ヘアキャッチャーのゴミを取り除きましょう。ただし、排水溝の種類によっては、ヘアキャッチャーがない場合があります。
ヘアキャッチャーがついていない場合、排水管に大量の髪の毛が流れ出て詰まり、排水溝から臭いが発生しやすくなります。ヘアキャッチャーがない場合は、ホームセンターや100円ショップ、オンラインショップなどで、排水溝にあったサイズのヘアキャッチャーを購入することをお勧めします。
排水トラップについては、お掃除はほとんどしたことのない方もいるかと思います。築年数がかなり経過している場合は、汚れがこびりついている場合がありますので、お掃除中の水はねで、口に汚水が入ることを避けるために、マスクをつけて作業しましょう。
用意するもの
- マスク
- ゴム手袋
- スポンジ
- 使い古した歯ブラシなど
排水溝の臭いを取る手順
- 排水溝カバーを取り外す
ゴム手袋とマスクを装着し、排水溝カバーを取り外す。(だいたいがシャワーを流した後に水が流れていく場所にあるふた) - ヘアキャッチャーを取り外す
排水溝カバーを取り外したところある、ヘアキャッチャー(穴の空いた金属もしくはプラスチックのパーツ)を取り外す。(排水溝のタイプによっては、ヘアキャッチャーがないタイプもある。) - 排水トラップを外す
ヘアキャッチャーを取り外した後、排水トラップと呼ばれる筒を上に引き抜いて取り外す。(円筒状と楕円形タイプあり) - スポンジやブラシを使って掃除
カバー、ヘアキャッチャー、排水トラップを取り外した後は、スポンジやブラシを使ってお掃除。排水トラップには、油や石鹸カスなどが固まってできたぬめりがあるので、そのぬめりをきれいに拭き取る。 - 水で洗い流す
お掃除が終わった後は、部品を取り付け直して水を流して完了。
排水トラップ、排水溝の手前に近い部分で汚れが詰まっている場合はこの方法でOK。一度お試しください。
お風呂の排水管掃除
今回の方法は薬剤を流すだけですので、ご自身でお試しいただけます。特殊な技術などは必要ありません。
用意するもの
- 液体パイプクリーナー
- ゴム手袋
液体パイプクリーナーを使う際は、しっかりと換気をしましょう。また、酸性の洗剤と混ざると有毒なガスが発生しますので、十分に注意しましょう。液体パイプクリーナーを使用する際は、必ず液体パイプクリーナーの注意書きを呼んでから使用してください。
排水溝の臭いを取る手順
- 排水溝カバーを取る
排水溝のカバーを取り外す。ヘアキャッチャーにゴミがついている場合は、先に取り除いておく。 - 液体パイプクリーナーを流す
液体パイプクリーナーを排水溝に流す。流す量は、必ず使用方法を読み、適量を流し込む。 - 所定時間待ち、水を流す
液体パイプクリーナーの使用方法に書いてある所定の時間まで待った後、水で薬剤をしっかりと洗い流して完了。
お風呂場の場合は、パーツによってお掃除方法を分けることで、臭いの原因を断つお掃除ができます。ぜひお試しください。
洗面所の排水溝の臭いをとる方法
洗面台の排水溝には時間をかけてさまざまな汚れが溜まっていきます。表面上はスポンジでこすり洗いすればすぐに綺麗になりますが、こまめに掃除するのが詰まりや臭いを防ぐポイントなので、できれば週に1回はお掃除をしましょう。
用意するもの
- カビキラーなどの塩素系漂白剤
- ティッシュ
- スポンジ
- 使い古した歯ブラシ
排水溝の臭いを取る手順
- 排水溝のフタを取って大きなゴミを取る
排水溝のフタを外し、ゴミ受けについた髪の毛などをティッシュで取り除く。シンク全体と排水溝の周辺にある髪の毛等もティッシュで取り除く。汚れがあれば洗い落とす。 - 塩素系漂白剤を吹きつける
排水溝にたまるヘドロのような汚れは塩素系漂白剤で除菌も兼ねてお掃除。ふた全体と、排水溝の中までしっかりまんべんなく吹きつける。 - 20~30分程度置いてから、水を流す
20~30分程度置いた後、水できれいに洗い流す。最後に洗ったふたを元に戻して完了。
水を流しただけでは汚れが残っている場合もあるので、スポンジで軽くこすり落としましょう。排水溝のなかは使い古しの歯ブラシを使うと楽にお掃除ができます。こまめなお掃除で臭いの元を断ちましょう。
まとめ
排水溝の臭いを断つためのお掃除、いかがでしたか?臭いの原因を断つお掃除で重要なポイントは以下の通りです。
- 目で見える表面のお掃除だけでなく、ふたの奥のお掃除で臭いの原因は断てる
- 排水溝のパーツごとに合った掃除用具や方法で掃除する
- こまめなお掃除が臭いを防ぐ。排水溝の上部のゴミはこまめに取り除く
汚れやゴミをため込む前のこまめなチェックで臭いを防いできれいな水回りを保っていきましょう。
何度掃除をしても排水溝から臭いがしてきてしまうということがあります。これは素人の手では届かない部分に髪の毛や汚れが溜まってしまっていてそこから臭いがしてきている可能性があります。
そのようなときはプロに頼んで一気に汚れを落としてもらいましょう。多少の支出はかかりますが、イヤな臭いから解放されると暮らしやすくなります。その後を綺麗に使うようにし、清潔な状態を保つようにすれば高くない支出となります。
どうしても臭いがする場合は一度ご検討ください。
家事アドバイザー・節約アドバイザーとしてテレビ・講演・コラム連載などで活動。頭を使って賢くスマートに、時間とお金をバランスよく使う暮らし方を提唱。著書に「シンプルライフの節約リスト」(講談社)などがある。
現時点で既に臭いがする場合は市販のパイプクリーナーを利用して一気に汚れを落としてしまいましょう。その後は毎日の使用後に真水を30秒から1分ほど流し、排水溝の汚れも流して綺麗な水が溜まっているようにします。
そのようにすることでバクテリアなどの繁殖も防げてぬめりの防止をすることができます。