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ふきんは煮沸(煮洗い)をしましょう!
布製のふきんは、頻繁に除菌するのが理想的です。除菌の中でも手っ取り早く効果的な方法がふきんの煮沸(煮洗い)です。
キッチンや食卓で使用するふきんは、その都度水洗いをしても、毎日使用しているうちに独特なニオイが気になってきます。食材や調味料を拭きとったふきんは、雑菌の栄養になるものを含んでいるので、ふきんについた雑菌がどんどん繁殖してしまうというのが臭いの原因です。
汚れてしまったふきんを他の洗濯物と一緒に洗うのにも抵抗があるという方、けっこういらっしゃいますよね?そのうえ洗濯機で洗濯して臭いが消えたと思っても濡らすことでまた臭ってきたりすることもあるようです。雑菌が大量に繁殖してしまうと、普通に洗濯しても完全に排除することができないからです。
そんな時に活躍するのは「重曹」です。実は、「重曹」を入れてふきんを煮沸することで、除菌だけでなく油汚れを落としてくれる効果も期待できます。
ふきんの煮沸は70℃以上の熱湯であれば、ほとんど一瞬で除菌してくれるほどの効果を持っています。
新しいおろしたてのふきんは食器拭きに、少し汚れてきたものはテーブル拭きに、そして最後はと、段階的に使い分けて、定期的にふきんを煮沸消毒をすることで、いつでも気持ちよくふきんを使う事ができます。
ふきんの煮沸(煮洗い)の方法
ふきんを煮沸消毒する時に必要なもの
- 重曹
- 鍋
- 水
ふきんを煮沸消毒する手順
- ふきんを洗う
ふきんの汚れがひどいと、除菌効果が落ちてしまうので、煮沸の前は水、もしくは洗剤で洗っておくようにしましょう。ふきんの汚れに多いタンパク質の凝固を避けるため、煮沸消毒する前に水を使ってゴシゴシ汚れを落としておきます。 - 沸騰させる
お鍋に水を張り火をつけて沸騰させたら、大さじ1杯程度の重曹を入れます。お湯が沸いた後に重曹を入れた方が洗浄力が強まります。 - 煮沸する
そこにふきんを入れ、菜箸などで時々ふきんを動かしながら、中火~強火で10分程度煮詰めます。この時、お鍋の吹きこぼれに十分注意しましょう。 - すすぐ
火を止めたらふきんを取り出して水ですすぎます。取り出す際はやけどにじゅうぶん気をつけるようにしてください。 - 乾燥させる
すすいだ後は濡れたままの状態で放置したりせず、十分に乾燥させましょう。天気が良ければ天日干しを、室内であれば、乾燥機を利用するか、風通しのよいところで干すなどして、雑菌が増殖しないようにしっかりと乾燥させてください。
ふきんを煮沸する時のポイント
最初は汚れの軽い「食器拭き用」のふきんを煮沸し、それを取り出したら次は「テーブル拭き用」のふきんを煮沸します。そして最後に「コンロ周り用」ふきんという具合に分けて行います。汚れで鍋の中のお湯が濁ってくるのがわかります。
ふきんを煮沸する時の注意点
ふきんの素材に気をつける
「煮洗い」は、綿や麻など丈夫な繊維の布製品で効力を発揮します。高温に弱い化学繊維・ポリエステルなどの素材のふきんは煮沸できません。アルカリに弱いシルク・ウール、プラスチック製品が使われている衣類などは、変質する可能性があるのでこれらも控えた方がよいでしょう。
ふきんや食器拭きとしても人気のあるマイクロファイバーも煮沸はNGです。変色や変質の恐れがありますので注意しましょう。
鍋の種類に注意する
鍋の種類にも注意が必要です。お鍋はステンレスやホーローのものを使いましょう。アルミ製の鍋やタライを使うと、重曹の成分と化学反応を起こし、変色したり腐食を起こすことがあります。
柔軟剤はNG
柔軟剤は使わない方が良いでしょう。柔軟剤の匂いが食器へ移ったり、ふきんの吸水性が悪くなります。
しっかり乾燥させる
煮沸したふきんは、しっかりと乾燥させないと再び雑菌の温床になってしまい、煮沸した意味がなくなります。高温多湿な環境で干しても、雑菌が増殖しやすいだけですので、天気が良ければ天日干しするなどして十分に乾燥させましょう。
重曹はなぜ匂いや汚れを落とすのか?
弱アルカリ性の重曹は、酸性の汚れに対して効果を発揮します。キッチンで使うふきんは、食べ物の汚れの他に、油汚れなどのベトベト・ネバネバ系の汚れが中心なので、酸性の汚れです。ふきんを煮沸消毒する際は重曹のようなアルカリ性を加えることで汚れを中和するというワケです。このように汚れは中和させることが絶対条件なのです。
では重曹自体に除菌効果があるのでしょうか?
重曹にはそもそも殺菌効果はあまり期待できませんが、洗浄力と消臭力はとても優れており、染み抜きとしても使われています。ふきんの染みを落としたい場合は、重曹ペーストがおすすめです。重曹と液体酸素系洗剤を1:1の割合で混ぜてペースト状にし、染みの部分に塗ってもみこんで10分ほど放置します。あとは水ですすげばOKです。染みを落としてから煮沸消毒したら完璧ですね。
重曹は自然にやさしいエコな成分で、料理やケーキなどにも使われています。ハイターのような塩素系漂白剤と違い、安全なものなのでキッチンでも安心して使用できます。
ちなみに、トイレのアンモニアや水道水のカルキなどのアルカリ性の汚れに重曹を使っても、効果はありません。
洗濯機での洗濯はおすすめできない
ふきんを洗濯するのに一番手っ取り早い方法は、洗濯機を使って洗うことと思いがちですが、ふきんの場合、洗濯機に入れてから洗濯を始めるまでの時間が長ければ長いほど雑菌がよけいに繁殖してしまいます。その間に他の洗濯物を汚染してしまいますので、洗濯機でふきんを洗濯することはあまりおすすめしません。
漂白剤で洗う場合の手順
臭いが取れても、シミや汚れが取り除かれていない場合は漂白剤を使ってみましょう。
白い色のふきんでしたら塩素系漂白剤を使用しても大丈夫ですが、色、柄ものなどのふきんだと色落ち・脱色の原因になりますので、柄もののふきんには酸素系漂白剤を使いましょう。
布きんを清潔に保つために漂白剤を使うのは効果的です。その際もまずは洗剤で布きんの汚れを落とすことが必要になります。洗剤で洗ってすすいだものを漂白剤に漬けるようにします。
白いものであればキッチン用漂白剤(塩素系漂白剤)、色柄物は酸素系漂白剤を指定の分量の水で薄めて漬けおきしましょう。
30分から1時間漬けおきしたら取り出して、真水でよく洗います。
肝心なのはその後の干すときです。脱水が十分でなく乾燥に時間がかかってしまうと再び雑菌が繁殖する可能性も捨てきれません。
しっかり脱水をしてとにかく早く乾かすようにしましょう。
漂白剤で洗う手順
漂白剤を使用する時は手を守るために、必ずゴム手袋を着用してください。
漂白洗剤水を作る
塩素系漂白剤は水で薄めてから使うので、水1リットルに5ミリリットル程度の漂白剤をいれます。メーカーや製品により分量は異なりますので、製品の取扱説明文をしっかり読んでから使用してください。
浸け置きする
ふきんを30分ぐらい浸け置きします。30分後に取り出し、よくすすいでから再び雑菌の温床になってしまわないように、しっかりと乾かしましょう。汚れが酷いと漂白剤を多く入れたり、長く浸け置きしたくなるかもしれませんが布が痛む可能性がありますので、決められた分量と時間はきちんと守りましょう。
最後に
わざわざふきんを煮沸する時間を設けなくても、食後の食器洗いの時にお湯を沸かしておいて、ふきんを使い終わった直後に鍋に入れ煮沸(煮洗い)をすれば、あっという間にふきんを煮沸消毒できます。
雑菌まみれのふきんを使用してしまうと食中毒を起こす原因にもなってしまいますので、面倒くさがらずに煮沸で殺菌して、清潔で衛生的な環境を維持していきましょう。
ほぼ一瞬で除菌効果があるという熱湯。
ふきん以外にも、台所周辺の調理道具はもちろんのこと、熱湯をかける簡単なやり方であれば、まな板や三角コーナー、排水口などの除菌にも利用できるのが嬉しいですね。
清潔に使いたい布きん。毎日のことだからどうしても億劫になってしまうかもしれませんが、慣れてしまえばさほど手間のかかることではありません。しかしどうしても清潔にできないという場合は、不衛生なものを使うよりは使い捨てのものを使うのも一つの方法です。
自分の使える時間を考えてライフスタイルにあわせた家事方法をとることがストレスのない生活へとつながります。
家事アドバイザー・節約アドバイザーとしてテレビ・講演・コラム連載などで活動。頭を使って賢くスマートに、時間とお金をバランスよく使う暮らし方を提唱。著書に「シンプルライフの節約リスト」(講談社)などがある。
煮沸消毒やキッチン用漂白剤で消毒したとしても乾く時間がかかってしまっては、その間に雑菌が繁殖する可能性も高くなります。
洗うことだけでなく、早く乾燥させることも意識するようにしましょう。