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そもそも逆性石鹸とは?
「逆性」と書くだけに、普通の石鹸とは一味違った能力を持つのが逆性石鹸です。「逆って何が?」って思いますよね。電気の質だとかいろいろありますが、ざっくり説明すると油と水が混じり合うか弾くかの違いです。
普通の石鹸の特徴は?
まず私たちが身近でよく使う普通の石鹸。それに含まれる「陰イオン界面活性剤」から説明します。陰イオン界面活性剤(普通の石鹸)は、油と混じり合うことができます。油と混じり合って何のメリットがあるのかというと、「洗浄力」です。
手や髪の毛、衣服などについた油や汚れと陰イオン界面活性剤が混じり合うことで水で洗い流す事ができます。なので手洗い石鹸やシャンプー、洗濯洗剤に使用される成分です。主に汚れを落とすために使うものが、陰イオン界面活性剤の入っている石鹸ということですね。
逆性石鹸の特徴は?
対して、逆性石鹸には「陽イオン界面活性剤」という成分が含まれている石鹸です。石鹸と書きますが液体のタイプやタブレットタイプ、固形のタイプと様々です。
逆性石鹸は油と弾き合うので、汚れを洗い流す力や洗浄力はほとんどありません。しかし、逆性石鹸の特筆すべき力は強い「殺菌作用」です。
細菌やカビをとらえて細胞を破壊する力があります。その強い殺菌作用を用いて、洗濯物・家具・冷蔵庫・お風呂場・トイレやごみ箱などいたるところを殺菌消毒する際に便利です。そのうえ弱酸性なのでお肌にも優しい!ある程度薄める必要はありますが、手や指の消毒にもうってつけです。
逆性石鹸で洗濯する驚きの効果
逆性石鹸は「殺菌作用」が強くてお肌にも優しい成分を含んでいます。その効果は洗濯物に使用することで大きなメリットに繋がります。
室内干しの嫌なにおいの対策ができる!
逆性石鹸には、カビや細菌を殺菌する作用があるとお伝えしましたね。その効果を利用して、室内干しした洗濯物のにおい対策をしましょう。
室内干しをすると乾きが遅いので、繊維の中でどんどん雑菌が繁殖して嫌な生乾きのにおいがついてしまいます。そうなるとまた洗い直ししなければなりません。
しかし、逆性石鹸ならその嫌なにおいを取っ払ってくれるだけでなく、その後雑菌が繁殖しない様に予防もしてくれます!室内干ししている洗濯物に対して、水で薄めた逆性石鹸をスプレーなどで噴きかけて予防しましょう。
既に嫌なにおいが付いてしまっている物に対しても有効です。洗面所においてある手拭き用のタオルや、ずっとポケットに入れているハンカチに逆性石鹸を噴きかけることで消臭してくれます。
洗濯物をふっくら柔らかに仕上げてくれる
逆性石鹸の効果は殺菌だけではありません。洗濯物にしみ込ませておくと、ふっくらと柔らかい仕上がりにしてくれます。実は逆性石鹸自体がリンスや柔軟剤にも活用される成分なのです。
なぜリンスや柔軟剤に使用されるのかというと、逆性石鹸に含まれる陽イオン界面活性剤は空気中に漂う水分をキャッチする能力に長けています。髪の毛や衣服にしみ込ませることで、常に水分を含んだ状態にできるので「ふっくら柔らかい」状態が維持できるのです。
逆性石鹸を使った洗濯方法
逆性石鹸で洗濯をすると、「嫌なにおいを消臭できる」「雑菌の繁殖を防ぐ」この2つのメリットがあります。それでは実際に、どうやって逆性石鹸を使って洗濯をすれば効果があるのかをご紹介します。使うものは逆性石鹸・洗濯洗剤・バケツ・お水です。洗い方や順番は以下の通りです。
- 洗濯洗剤で予洗いする
- 洗濯洗剤をしっかりすすぎ洗いする
- バケツに水と逆性石鹸を入れる
- 洗濯物を浸け置きする
- しっかりとすすぎ洗いする
- 洗濯機でいつも通り洗う
逆性石鹸を使う前に、洗濯物についている汚れを落としておきましょう。始めに説明しましたが逆性石鹸には殺菌作用はあっても洗浄力はありません。なので、バケツに水と洗濯洗剤を入れて衣類などをもみ洗いして汚れをある程度落とします。
予洗いが終わったら、洗濯物についている洗濯洗剤をすすぎ洗いで落としてください。洗濯洗剤と逆性石鹸が混じりあうと殺菌作用が無くなってしまいます。
しっかりすすぎ洗いしたら、今度は浸け置き用の逆性石鹸を作ります。バケツの中に逆性石鹸を入れて水で希釈しましょう。何倍で希釈するかは、使用する逆性石鹸によって変わります。
逆性石鹸が濃すぎると衣類が色落ちしてしまうので容量はちゃんと守ってくださいね。ちなみに、逆性石鹸は金属を溶かすのでバケツは金属製以外の物を使用しましょう。
バケツの中で浸け置き用の逆性石鹸を完成させたら、予洗いした衣類を浸け込みます。時間は約2時間程度です。2時間たったらバケツから取り出します。これで逆性石鹸を使った洗濯は終了です。
あとは洗濯機で洗うだけですが、ちょっと待ってください!そのまま洗濯機に入れてはいけません。浸け置きした衣類には逆性石鹸が染み込んでいますよね?洗濯洗剤と逆性石鹸が中和されてしまい、洗濯機で洗っても意味がありません。
洗濯機に入れる前に必ず逆性石鹸をすすぎ洗いで落としましょう。それが終われば、あとはいつも通り洗濯機で回せばOKです。これで仕上がりはふっくら柔らか!しかも生乾きによる嫌なにおいもバッチリ予防できます。
逆性石鹸は洗濯以外にも使える!
洗濯物で大活躍する逆性石鹸ですが、その使い道は多岐にわたります。洗濯以外でも、身近なことに利用できる便利な使い道をご覧ください。
手と指の殺菌消毒
逆性石鹸をアルコールの様に手に噴きかければ、お肌にダメージを与えず消毒することができます。消毒する前にまず手を洗いましょう。何度も説明していますが、逆性石鹸には汚れを落とす力はありません。なので、普通の石鹸や手洗い用ソープを使って手の汚れを落としてください。
汚れを落とすための普通の石鹸はアルカリ性、逆性石鹸は弱酸性なので、手に普通の石鹸(アルカリ)が残っていると逆性石鹸を噴きかけても中和されます。手洗いの後はしっかりすすぎましょう。
そして、容量を守って希釈した逆性石鹸を手に噴きかけます。手のひら・手の甲・指と指の間など手全体に30秒くらい優しくもみ込みます。
最後は手をすすぎ洗いすれば手と指の殺菌消毒は完了です。アルコールと違って簡単に蒸発はしないので、必ずすすぎ洗いは忘れずに!弱酸性でお肌に優しい成分ですが、希釈度によってはお肌を傷つけることもあります。
家の掃除に活用できる
逆性石鹸の強い殺菌作用を活用して家中を消毒しましょう!
トイレ・お風呂場・床・家具
トイレやお風呂場、床の掃除が終わった後に、逆性石鹸をスプレーで噴きかけて殺菌消毒しましょう。人の肌が接触しやすい場所なので、なるべく薄めに希釈します。希釈度は200倍から500倍程度が好ましいです。
小さなお子様がいるご家庭では500倍以上でもいいかもしれません。スプレーで噴きかけたら、水ですすぐか布巾で拭き取ってください。
ゴミ箱・排水溝・冷蔵庫の中
特に菌の多そうな場所には、希釈度を下げて濃い逆性石鹸を使用します。希釈度は100倍から200倍。ゴミ箱や排水溝には、これぐらい強力な殺菌力が必要です。
意外かもしれませんが、冷蔵庫の中も結構菌が多い場所ってご存知でしたか?生の食品も多いですし、ソース類は出し入れが多いので菌が付着して、冷蔵庫の中でゆっくりと繁殖をしています。特に野菜室などは要注意です。
一度冷蔵庫から中身を出して、強めに希釈した逆性石鹸をスプレーで噴きかけましょう。特に夏場は菌の繁殖が活発で食中毒にもなりやすいので早めの対策をおすすめします!
逆性石鹸の注意点
これまでメリットだらけの逆性石鹸でしたが、使用には注意点もあります。「薬品」であることには変わりませんので、正しい使い方を覚えておきましょう。
絶対に希釈して使用する
逆性石鹸は弱酸性です。弱酸性は一般的に「肌にとっても優しい」といわれますが濃度が高すぎると逆に肌を傷つけ炎症させてしまう成分です。
なので、逆性石鹸を原液で使用することは非常に危険!必ずその逆性石鹸に表示されている希釈度を守って使用してください。希釈しても心配という方は、ゴム手袋を使うといいかもしれません。
使用期限は長くても2日以内
逆性石鹸は封を開けなければ約一年は使用できますが、一度封を開けるとたったの2日で肝心な「殺菌力」が無くなってしまいます。むしろ開発元は一日で使い切るように勧めています。一度に何カ所も清掃する時や大量の洗濯物を浸け込むタイミングを見計らって使用しましょう。
せっかく購入したのに長期で使えないなんて残念ですよね。確かに使用期限が短いのは痛いですが、逆性石鹸はアルコールなどの薬品と比べて安いし少ない容量で販売されています!
衣類の嫌なニオイには逆性石鹸を!
以上が逆性石鹸の特徴とメリット、逆性石鹸を使った洗濯や様々な使い道でした!
逆性石鹸は汚れを落とす事はできませんが強い殺菌作用を持った薬品です。手洗いや家の掃除にも活用できますが、洗濯物に使えば嫌なにおいを予防できるし、気持ちいい肌触りに仕上げてくれる頼れるアイテムです。
メリットの多い逆性石鹸ですが、使用期限は短いし希釈しないとお肌が危ういという注意点もあってちょっと扱いづらい印象もあります。
しかし、逆性石鹸は使い方さえマスターすれば非常に優秀です。消毒・消臭効果にめちゃくちゃ優れているのにお値段もリーズナブルな薬品は他にありません!逆性石鹸を使いこなして洗濯物の嫌なにおいや家の掃除に活用しましょう。