目次
血液がついたときの洗濯方法①「水洗いする」
衣類に血液がついたら、乾く前にすぐ水洗いするのが一番良い洗濯方法です。
血液を水洗いで洗濯する手順
- 洗濯表示の確認 ※水洗い不可のマークがついていなければ水洗いOK
- 血液汚れがついてすぐならば揉んだりつまんだりせずに貯めた水の中で上下左右に布をゆするように洗う
付いてすぐの血液は水洗いで落せます。ここで重要なポイントは2つあります。
1.すぐ洗う
血液のシミは、血液の中にあるたんぱく質が化学変化をおこして酸化したものです。時間がたてばたつほど酸化が進んで落せなくなりますので、酸化が進む前に素早くシミを取ることが重要です。
2.水で洗う
血液中のたんぱく質はお湯につけると固まる性質があり、かえってシミが取れにくくなりますので水でシミをとりましょう。ついてすぐの血液汚れなら揉んだりつまんだりしないことが肝心。浮いている汚れが生地に染み込んでしまう可能性もあるからです。
血液がついたときの洗濯方法②「食器用中性洗剤で洗う」
用意するもの
- 食器用中性洗剤 ※普段使用しているものでOK
- タオルまたはキッチンペーパー
- 歯ブラシ
- コップまたは使い捨ての容器
洗濯する手順
- 洗浄液を作る
コップに水を入れて食器用中性洗剤を混ぜて洗浄液を作る ※量は血液のシミの大きさや固まり具合によって変わるが、コップ半分の水(約100cc)に対して、食器用中性洗剤を1プッシュ~3プッシュくらい - 水に浸す
血液シミの部分を20分~30分ほど水に浸す - 衣服の中にタオルを挟む
タオルを広げその上に血液がついている面をタオルに当てる向きで衣類を置く - 歯ブラシでとんとんたたく
血液のシミの上にたっぷり洗浄液を塗り、洗浄液をつけた歯ブラシでトントンたたいて下のタオルに血液を移していく ※移した血液が戻らないようタオルをずらしながらたたく - すすぐ
綺麗な水を洗面器に入れてすすぎ、血液のシミがうっすら薄くなっていればOK
※もし血液のシミが全然落ちていない場合は、洗浄液ではなく食器用洗剤を直接血液のシミにつけてとんとんたたく - 洗濯機で洗う
最後は洗濯機で洗濯すればおわり
血液がついたときの洗濯方法③「液体漂白剤と粉末洗剤で洗う」
用意するもの
- 色柄もの用の液体漂白剤(ワイドハイターなど)
- 粉末の洗濯洗剤(アタックなど)
- 綿棒またはつまようじ
- コップまたは使い捨ての容器
洗濯する手順
- 洗浄ペーストを作る
液体漂白剤と粉末洗剤を1:1の割合でコップに入れ、綿棒やつまようじなどでグルグル混ぜ合わせる
※割合は血液のシミの固まり具合によって変わるが、漂白効果を高めたい場合は、液体漂白剤と粉末洗剤を2:1の割合で混ぜる - 水に浸す
血液シミの部分を20分~30分ほど水に浸す - 衣服の中にタオルを挟む
衣類を裏返して、衣類の裏面と表面の間にタオルを挟んで置く ※血液がついている表面が裏になっている状態 - 洗浄ペーストを塗る
綿棒で洗浄ペーストを血液のシミ全体にたっぷり塗り、10分~20分ほど放置する ※塗るとすぐ分解が始まる - 洗濯機で洗う
最後は洗濯機で洗濯すればおわり
この方法のポイントは粉末洗剤に含まれる「酵素」です。酵素はたんぱく質汚れを分解してくれますので血液のシミを落す効果は抜群です。
血液がついたときの洗濯方法④「液体漂白剤と重曹で洗う」
用意するもの
- 色柄もの用の液体漂白剤(ワイドハイターなど)
- 重曹
- 洗面器
洗濯する手順
- 洗浄液を作る
洗面器に水と液体漂白剤と重曹を入れて良く混ぜる
※水と液体漂白剤の割合は液体漂白剤の使用方法に書かれている割合にし、重曹は液体漂白剤と同じくらいの量にする - 洗浄液に浸ける
洗浄液の中に血液のシミの部分を浸けて1時間ほど放置する - 洗濯機で洗う
最後は洗濯機で洗濯すればおわり
この方法のポイントは重曹がアルカリ性であることです。血液の中のたんぱく質はアルカリ性に弱い性質がありますので、同じアルカリ性の液体漂白剤と混合することで洗浄効果が上がります。
3と4で液体漂白剤を使う場合、塩素系の漂白剤は避けましょう。
塩素系の漂白剤は漂泊効果は高いですが、色柄物は色も落ちてしまいます。また塩素系の漂白剤は「混ぜるな危険」と書かれており酸性のものと混ぜると塩素ガスを発生し、最悪の場合は死に至ることもあります。
重曹はアルカリ性なので本来は問題ありませんが、塩素系の漂白剤に何かを混ぜるのは間違いがあってはいけませんので避けましょう。
血液がついたときの洗濯方法⑤「オキシドールと塩と石鹸で洗う」
この方法を始める前に、オキシドールの色落ちテストをすることをおすすめします。オキシドールは色落ちする可能性がありますので、色物や柄物は目立たない箇所にオキシドールを塗って色落ちや変色が無ければOKです。
用意するもの
- オキシドール30ml~50ml
- 塩10g~20g
- 液体石鹸
- タオルまたは雑巾
- 歯ブラシ
- カップまたは使い捨ての容器
洗濯する手順
- 洗浄ペーストを作る
カップにオキシドールと食塩と液体洗剤を入れて良く混ぜる - 洗浄ペーストを塗る
綿棒で洗浄ペーストを血液のシミ全体にたっぷり塗り、軽く歯ブラシで数回たたいた後、乾くまで放置する - タオルでとんとんたたく
乾いたタオルでペーストをつけた部分をとんとんたたいて汚れをタオルに移す - すすぐ
綺麗な水を洗面器に入れてすすぎ、血液のシミがうっすら薄くなっていればOK - 洗濯機で洗う
最後は洗濯機で洗濯すればおわり
この洗い方のポイントは、オキシドールと塩の組合せです。オキシドールは血液の中のたんぱく質を分解させる作用をし、逆に塩はたんぱく質を固める作用をするので、オキシドールで浮き出たたんぱく質を塩が固めることになり落としやすくなります。
血液がついたときの洗濯方法⑥「マジックリンで洗う」
用意するもの
- マジックリン
- 歯ブラシ
- タオルまたは雑巾
- カップまたは使い捨ての容器
洗濯する手順
- 洗浄液を作る
カップにマジックリンと水を1:1で混ぜて洗浄液をつくる - 衣類の間にタオルを挟む
衣類を裏返して、衣類の裏面と表面の間にタオルを挟んで置く ※血液がついている表面が裏になっている状態 - 洗浄液を塗る
血液のシミにたっぷり洗浄液を塗り、歯ブラシで優しくとんとんたたいて汚れをタオルに移す - 水で拭き取る
水をつけた布で拭き取り、乾燥するまで放置し、水をジャージャーかけてマジックリンを洗い流す ※血液のシミがうっすら薄くなっていればOK - 洗濯機で洗う
最後は洗濯機で洗濯すればおわり
この方法のポイントは何と言ってもマジックリンの洗浄力です。ガンコな血液のシミには最強です。
血液がついたときの洗濯方法⑦「外出先での応急処置」
衣類についた血液が乾く前に素早く水洗いすれば落すことができますが、水洗いできない状況の場合、応急処置が必要です。
外出先で付いた血液を落す手順
- 血液をティッシュや乾いたハンカチなどで拭き取る
- 綺麗なハンカチを水で濡らす
- 血液がついた面の裏側に乾いたティッシュやハンカチなどをしき、血液がついた表面をハンカチで何度もトントンたたく
- 血液の裏面のハンカチに血液を移してシミを取る
外出先では携帯用しみ抜きが便利です。
血液がついたときの洗濯でやってはいけないこと
お湯で洗わない
血液中のたんぱく質は、お湯につけると固まる性質がありますので、水でシミをとりましょう。どうしてもお湯で取る場合は30℃以下のぬるま湯で洗ってください。
洗うときに力を入れすぎない
力いっぱいこすると血液のシミが広がる可能性がありますので、つまみ洗いやたたき洗いをおすすめします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?油汚れはお湯で洗う方法が洗浄効果がありますので、血液も同じにお湯の方が洗濯力があると思っていた方も多いかと思います。
血液を水で洗うことが一番重要なポイントですので忘れないでください。やっかいな血液のシミも正しい洗濯方法さえ覚えておけば慌てることはないですね。
血液のシミ抜きにはこのほか炭酸水(着色やや香料甘味料が入っていないもの)やジアスターゼというたんぱく質分解酵素が含まれている大根おろしも有効です。
シミを落とすためのいろいろな方法を覚えておき、血液のシミに気づいたらすぐに対応できるようにしておきましょう。
家事アドバイザー・節約アドバイザーとしてテレビ・講演・コラム連載などで活動。頭を使って賢くスマートに、時間とお金をバランスよく使う暮らし方を提唱。著書に「シンプルライフの節約リスト」(講談社)などがある。
何よりも大切なのはシミに気がついたらすぐに処置すること。そのためにもいろいろな染み抜きの方法を知っておくとより早い対応ができるようになります。
このページで紹介されている方法を覚えておくとよいでしょう。