目次
漂白剤での色落ちを予防する方法
では、漂白剤での洋服の色落ちを予防するには、どのように洗濯すればよいのでしょう。色落ちさせないコツをご説明します。
事前に色落ちテストをする
色落ちを予防するには、漂白剤を使用する前に色落ちテストをするのが必須です。
色落ちテストのやり方は、漂白剤をしみ込ませた綿棒を洋服の目立たない部分につけ、数分ほど放置した後色落ちしていないか確認します。
綿棒に色がついていたら、色落ちするというサインです。漂白剤を使用するのは控えましょう。
手洗いする
麻やシルク、綿などの色落ちがしやすい素材は、洗濯機で洗うよりも手洗いの方が安心です。また、手洗いするにしても熱めのお湯は使わず、ぬるま湯もしくは水で洗うのが無難です。ちなみに、色落ちしにくい素材は、ポリエステルやナイロン、アクリルとなります。
酸素系漂白剤を使い、浸ける時間も短くする
漂白剤には酸素系漂白剤と塩素系漂白剤がありますが、漂白力の弱い酸素系漂白剤を使うほうが色落ちを防ぐことができます。また、浸けおきする時間もできるだけ短くすれば、柄物でも色落ちしにくくなるでしょう。
汚れてもいい服を着て作業する
漂白剤を扱う時は、洗っている途中に漂白剤が飛び跳ねて着ている洋服が色落ちするのを防ぐために、汚れていい服を着て作業するのがおすすめです。また、肌荒れを防ぐために長袖の洋服とゴム手袋で防御して作業するのがよいでしょう。
洗濯槽クリーナーを使ったあとは一度すすぐ
洗濯槽クリーナーには、漂白成分も含まれています。そのため、洗濯槽クリーナーを使った後は、空の状態で一度すすいでしっかり洗い流してから使うのが賢明です。クリーナーの成分が残っていると、残留成分で洋服が色落ちする可能性があります。
漂白剤で落ちた色が他の服についた場合
漂白剤を使い洗濯機で洗濯すると、色落ちした色が色の薄い他の服についてしまうことがあります。そのような場合、どのような対処をすればよいのでしょう。
洗面器にぬるま湯を入れ、洗剤を溶かす
洗面器の中に40度ほどのお湯をはり、通常の3倍ほどの洗濯洗剤と規定量の酸素系漂白剤を入れて混ぜます。
洋服をすぐにつけこむ
色落ちした色がついた洋服を洗濯機からすぐに取り出し、濡れた状態のままつけこんで洗い1時間から2時間様子を見ます。
染料を落とせたらキレイな水ですすぐ
色が落ちたことが確認出来たら、きれいな水ですすいで完了です。
漂白剤で色落ちした服の直し方
漂白剤で色落ちしてしまった洋服は、元に戻すことはできません。しかし、染め直すことで元の状態に戻すこともできます。柄物には使えない方法ですが、単色のものなら満足できる状態に戻せるでしょう。
染め直しのために準備するもの
- 染料
- 塩
- ボウル
- 泡だて器
- ゴム手袋
- 衣類用洗剤
染め方の手順
まずは、洋服を念入りに洗い漂白成分をできる限り落とした後、脱水機にかけて濡れたままの状態にします。洗う時は、柔軟剤や漂白剤は使わないようにしましょう。
次に、ボウルに染料を入れて40℃から50℃のお湯でしっかりと溶かします。適当に混ぜるのではなく、泡だて器を使って混ぜるのがコツです。
そして、別のボウルに固着剤と塩を溶かし40℃から50℃のお湯を入れて混ぜた後、先ほど作った染料を入れます。その中に濡れた服を入れ、時々かき混ぜながら1時間ほど浸しましょう。その後、染料液を捨ててきれいな水と洗剤を入れ、水が透き通るぐらいまですすぎ洗いをします。
それから、40度から50度のお湯を容器に入れて色止め剤を溶かし、すすいだ洋服を絞ってから浸し、時々かき混ぜながら15分間浸けます。最後に、水が透き通るまですすいだ後、脱水して陰干ししたら完了です。
漂白剤の種類と役割
漂白剤は厳密に分けると4つの種類があり、それぞれ役割が異なります。では、どのような種類や役割があるのか詳しくみてみましょう。
塩素系漂白剤
塩素系漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムを主成分としており、強力な漂白効果が特徴です。漂白力によって色素を破壊するため、色柄ものに使用することはできません。
また、白物でも金属製のファスナーやホックが付いているものには使わないように注意しましょう。塩素が残留すると生地を傷める恐れがあるので、しっかりすすぎをすることも大切です。除菌や殺菌力が高く、主にトイレや台所の除菌やカビ取り、洗濯槽の洗浄などに使用します。
酸素系漂白剤(粉末)
酸素系漂白剤の粉末タイプはアルカリ性の過酸化ナトリウムを主成分としており、洋服の色は残し汚れだけ落ちやすくするという特徴があります。漂白力は塩素系漂白剤に劣りますが、繊維を傷めることなく汚れの色素や汚れ自体を落としやすくするため、色柄ものの洋服にも使用できます。
また除菌や殺菌力もあり、衣類を清潔に保てるのも特徴です。しかし、長時間浸けおきすると色落ちする恐れもあるため、2時間以上の浸けおきは避けましょう。
酸素系漂白剤(液体)
酸素系漂白剤の液体タイプは酸性の過酸化水素に界面活性剤などの洗剤成分が入っており、酸素と汚れを反応させて汚れを落とします。刺激が少なく使い方も簡単なので、手軽に使用できるのが特徴です。
洗濯用洗剤と併用したり、直接汚れにつけて染み抜きをしたりと、色々な使い方ができます。消毒や殺菌効果もあるので、清潔に使いたい洋服やリネン類の洗濯にも向いています。
還元型漂白剤
還元型漂白剤は、弱アルカリ性の性質をもつハイドロサルファイトや二酸化チオ尿素が主成分の粉末タイプの漂白剤です。酸素と反応させて汚れを取るのではなく、酸素を奪い取って色素を分解して漂白します。
そのため、色柄ものには使用できません。一般的にあまり馴染みのないタイプの漂白剤ですが、使い方は他の漂白剤と同じです。浸けおきする場合は、生地を傷める恐れがあるので2時間以内にとどめるようにしましょう。
また、漂白のメカニズムが他の漂白剤とは異なるため、塩素系や酸素系では落とせない汚れが落とせるのが特徴です。鉄さびに高い漂白効果を発揮する漂白剤であるため、衣服についた鉄さびのほか、シンクなどのさび落としとしても利用できます。
まとめ
漂白剤での色落ちを防止する方法や洗濯方法などについてご紹介しましたが、色落ちテストをした後に既定の量を使用して洗濯すれば、失敗する可能性は低くなりそうですね。
また、使う用途に合わせて適切な漂白剤を選ぶことも大切です。染みがなく、色鮮やかな洋服を着ると心も晴れ晴れします。上手に漂白剤を使いこなし、洋服を美しく保ちましょう。