イースト菌とは!特徴と酵母菌の違い

イースト菌

ホームベーカリーが手軽に手に入ることから、ご家庭で焼き立てパンを楽しんでいるという人も多いのではないでしょうか。パン作り経験者にとってはお馴染みかもしれませんが、パンを作るためにはイースト菌が欠かせません。そこで今回は、意外と知らないイースト菌について、その特徴と酵母菌との違いなどをわかりやすくお伝えします。

記事の監修
管理栄養士、野菜ソムリエプロ

管理栄養士取得後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」思いから独立しセミナーや個別サポートを行っている。その他、事業立ち上げ、商品開発、記事監修、特定保健指導、講師活動などを行っている。

おうち時間が増えた今、自宅で手作りパンを作られる方も増えたのではないでしょうか?イーストにもさまざまな種類があり、また代用品もたくさんあります。それぞれの特徴によってパンの出来上がりも大きく左右されるので、作りたいパンによってイーストを変えることで楽しみの幅も広がります。しかし、イーストは乾燥しているものでも生きています。そのため、保存法にも注意が必要です。ドライイーストは空気になるべく触れない密閉容器に移し、冷蔵保存がおすすめです。

イースト菌とは

イースト菌

英語のイースト(Yeast)を訳すと「酵母」になります。パン作りに携わっている人や業界では、日本語の「酵母」ではなく「イースト」という言葉のほうが一般的です。

酵母=微生物

酵母(イースト)とは、自然界にたくさん存在している微生物のことを意味します。この微生物の中から、発酵力が強くてパン作りに適したものを選び出し、それらを培養させたものが「イースト菌」です。つまりイースト菌は、パンを作るときに使われる代表的な酵母のことなんですね。

イーストもパン酵母も同じ意味

販売されているパン製品によっては、原材料に「パン酵母」と記載されているケースも多くみられます。これは、イーストという言葉に対して、人工的で安全性が低いものというイメージを一部の消費者が抱いていたため、誤った認識を広めないようになされた対策だそうです。

実際には、イーストが天然に存在する酵母であることには変わりありませんし、健康を著しく害するような悪い成分を含んでいるわけでもありません。原材料に「イースト」と表示されていても、「パン酵母」と表示されていても、基本的には同じものなんですよ。

イースト菌の特徴

イースト菌

イースト菌は、生イーストとドライイーストの2種類に分類されます。それぞれの違いや特徴を解説します。

生イーストとドライイーストの違い

生イーストの特徴は、発酵力が強くて安定していることです。そのため、大量生産を目的に製造されているパン製品によく使用されています。

ただし生イーストは、その名に「生」という文字がついているように、日持ちがしません。そのため、手作りパンを日常的に楽しんでいるご家庭では、使い勝手のよいドライイーストが好まれています。

イーストを乾燥させたドライイーストは、保存がきくことはもちろん、凝縮されているため生イーストよりも少ない量でよいのです。ただし開封後は、密封してから冷蔵庫か冷凍室で保存するようにしてください。

パンをふっくらさせる働きがある

イースト菌は、パン生地に含まれている糖分を分解して、アルコールと炭酸ガスを発生させます。
この過程を発酵と呼びますが、この働きのおかげでパン生地が膨らみ、パン特有の風味も生まれるのです。

イースト菌が活性化する温度は、30℃前後が最適だといわれています。温度が低すぎると発酵するのに時間がかかってしまい、逆に50℃以上の高温になるとイースト菌は死滅してしまうのです。

酵母が発酵する働きを活用した食品には、パン以外にも味噌や醤油、酒などがあります。日本では古くから食品の醸造に酵母を用いており、私たちの暮らしに酵母は欠かせない存在なんですね。

イースト菌と酵母菌の違い

イースト菌

イースト菌と酵母菌は、表現が違うだけで本質的には同じものです。イースト菌が単一の酵母を純粋培養するのに対し、天然酵母(酵母菌)は果実や穀物といった複数の酵母や乳酸菌が混在しています。

天然酵母を使用したパンは、どの酵母を使うかによって風味・旨味・食感などが異なるため、バラエティ豊かなパンを作れることが魅力の一つといえるでしょう。

天然酵母のパンというと、以前は一部のこだわり店でしか販売していないような珍しい商品でしたが、イースト菌の代わりに天然酵母を使用するメーカーも増えてきました。今や天然酵母パンは、専門店だけではなく、ディスカウントストアや駅の売店などでも販売されています。

酵母菌とは

酵母菌

先にもお伝えしましたが、酵母は自然界に存在する微生物です。したがって、樹皮や樹液、土壌、空気中などにも酵母は生息しています。酵母菌とは、この天然の酵母に、水と穀物粉(小麦粉など)を加えて培養することで作られるパン酵母のことをいいます。

糖をアルコールと炭酸ガスに分解する「アルコール発酵」を行う酵母菌の働きに着目して、ビール・ワイン・ウィスキー・清酒などの酒類をはじめ、醤油や味噌といった、さまざまな食品の醸造に活用されてきました。

例えば、ビール酵母やウィスキー酵母、醤油酵母などいくつもの種類があり、それぞれの食品に適した酵母が使い分けられています。

ドライイーストを他食材で代用

もしもドライイーストを切らしてしまったら、以下の食材で代用してみてはいかがでしょうか。いつもとは違ったパンを味わってみることも、よい経験になるかもしれませんね。

ベーキングパウダー

ラムフォード アリサン ベーキングパウダー 113g

ベーキングパウダーは、ふくらし粉としてケーキ作りに使われることが多い食材です。スポンジケーキやホットケーキ、パウンドケーキのような焼き菓子に適しています。ドライイーストとは特徴が異なるため、ベーキングパウダーを代用してホームベーカリーでパンを焼くことはできません。

ベーキングパウダーは、水を加えて加熱することで炭酸ガスが発生し、ケーキなどを膨らませるのです。膨らませる力は強くはないので、粘り気のある強力粉ではなく薄力粉に向いています。

ベーキングパウダーで作ったパンは、サクサクと軽い食感が特徴です。ドライイーストで作るパンとは大きく異なるため、ベーキングパウダーで作れるパンレシピを参照しましょう。

天然酵母

ホシノ 天然酵母パン種 500g

天然酵母には、果実や穀物に付着している酵母が複数含まれるため、風味豊かな焼きあがりが特徴の一つです。しかし、天然酵母の温度管理は容易ではなく、発酵するまでにも時間がかかります。

一定の室温かつ衛生的な環境を保つことができなければ、雑菌が繁殖したり発酵しなかったりするのです。発酵に失敗してしまうと、うまく生地が膨らまず固いパンができてしまったり、風味や旨味に乏しいパンになったりする可能性があります。

何度も繰り返して使ってみてコツを覚えることが必要ですが、天然酵母自体は自宅で作ることもできます。レーズン酵母やリンゴ酵母は、家庭でも比較的作りやすい天然酵母です。

重曹

重曹も、ベーキングパウダーと同じくふくらし粉として焼き菓子に使われる食材です。ただし、重曹には苦みがあるため、大量に使ってしまうと料理にも苦みが生じてしまうので注意しましょう。

また、重曹は掃除に使われることも多いですよね。刺激が少なく環境にも優しいナチュラルな掃除道具として、愛用している人も多いようです。重曹には食用と掃除用の2つがありますので、パン作りに使う場合には、食用の重曹を購入するように気をつけてくださいね。

まとめ

イースト菌

イースト菌も天然酵母も、自然界に存在している酵母です。安定した発酵力で扱いやすいイースト菌と、酵母に由来する独特な風味・旨味を楽しめる天然酵母、それぞれに魅力があります。

また、ホームベーカリー愛用者には、日持ちがするドライイーストがおすすめです。それぞれの酵母の特徴を知って、オリジナルのパン作りに挑戦してみましょう。

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