目次
そもそもコーンスターチとは
コーンスターチは、とうもろこしを原料としているでんぷん粉です。お菓子作りのレシピでよく見かける材料ですが、片栗粉などで代用したことがあるという人も多いでしょう。
料理やお菓子作りの際に、美味しく仕上げるためのポイントとなる材料でもあり、レシピにあれば是非使ってほしい食材です。片栗粉と似ており、見た目や質感だけでは見分けが付かない程です。しかし、その違いを知れば、コーンスターチの役割を理解できるでしょう。
コーンスターチの特徴
コーンスターチの質感は片栗粉に非常によく似ており、さらさらした粉末で無臭です。水と合わせても粘り気が少ないので、サクサクした食感を楽しみたい時におすすめできる材料です。
食品用として広く知られていますが、それ以外にも化粧品や工業用に使われることもあり、ベビーパウダーやファンデーションなどの成分にも利用されています。
コーンスターチの用途
揚げ物や焼き菓子を作る時は、小麦粉を使用する人も多いでしょう。しかし、コーンスターチの特徴を活かして焼き菓子作りや、揚げ物の衣などに使っても美味しいお料理が完成します。
焼き菓子や揚げ衣
コーンスターチは、小麦粉のように粘り気の強いグルテンを形成しないため、焼き菓子や揚げ物の衣などに使用するとサクッとした食感を出すことができます。
揚げ物の衣や焼き菓子を作る時、小麦粉を使用しているという人も、小麦粉にコーンスターチを加えてみるだけで、いつもよりワンランク上の料理が完成するでしょう。
とろみ付け
コーンスターチでとろみを加えることもできます。片栗粉と違い、温度が下がってもとろみを維持できるので、お菓子づくりではシュークリームなどに使われるカスタードクリームの材料として使われています。
コーンスターチの代用品5選
調理のレシピにコーンスターチが必要な場合でも常備できていないこともあるでしょう。そんな場合でも、コーンスターチの代用となる食材があります。
ただし、代用品で失敗しないためには、代用品それぞれの特徴を活かした使い方をしましょう。片栗粉や小麦粉の他にも、米粉、葛粉、タピオカなども使えるので、是非チェックしてみてください。
コーンスターチの代用品1:片栗粉
片栗粉はじゃがいものデンプンが原料となっている粉末です。コーンスターチと同じように、料理にとろみをつけたり、揚げ物や焼き菓子をサクサクの食感に仕上げたりする効果があります。
そのため、コーンスターチの代用品としても使える食材です。片栗粉は常備している人も多い食材なので、コーンスターチがない時の代用品としていつでも活躍できるでしょう。
コーンスターチの代用品2:米粉
米粉はお米を粉末にしたものです。小麦粉の代用品としても知られていますが、コーンスターチの代用品としても使えます。
小麦粉にアレルギーがある人は、小麦粉の代用として米粉を常備している人も多いでしょう。米粉は、お菓子作りにも幅広く使えて汎用性のある食材です。
ただし、代用品として使う場合は、米粉の割合に気を付けるようにしましょう。使い過ぎてしまうと、お米の特徴であるもちもち感が強くなり、思い通りに仕上がらないこともあります。そのため、米粉はとろみ付けやお菓子作りのつなぎとして使うと良いでしょう。
コーンスターチの代用品3:小麦粉
小麦粉は水と合わせると粘り気のあるグルテンを形成するため、パンなどのもっちりとした食感を出したい時に使われる食材です。そのため、小麦粉はコーンスターチが使われるお菓子作りなどに使用しましょう。
滑らかなカスタードクリームを作るためにはコーンスターチを使って作るのが理想的ですが、小麦粉でも量を上手く調節できれば、コーンスターチ同様の効果が期待できます。
コーンスターチの代用品4:葛粉
葛粉といえば、寒い日に体を温めてくれる葛湯を思い出す人も多いでしょう。葛湯の他には葛餅を作る時に使われる粉です。
この葛粉もコーンスターチの代用品として使えます。葛粉は、植物の根を原料としたデンプンですが、スーパーなどで見かける葛粉はイモ類のデンプンが含まれているものほとんどです。これらは葛100%の本葛に比べると安価で使いやすいので、代用品としても使用しやすいでしょう。
コーンスターチの特徴5:タピオカ粉
タピオカ粉は、キャッサバという植物の根茎からとれたデンプンです。ドリンクやスィーツの材料として使われたり、料理にとろみをつけたりする時によく使われています。
タピオカの粘り気は、コーンスターチ同様に温度が低くなっても変わらないため、カスタードクリームやプリンを作る時のコーンスターチの代用品にもなります。
パンケーキなどに使うと、特徴的なタピオカのもっちりとした食感になりおすすめです。
【調理別】コーンスターチの代用方法6選
コーンスターチは代用できる食材も多いので、常備できていなかった場合は代わりになる食材を臨機応変に活用しましょう。
しかし、代用品として他の食材を使用する場合は、仕上がりの失敗を防ぐために使う食材の特徴を把握することが大切です。作るお菓子や料理の目的に合わせて代用品を活用してみましょう。
コーンスターチの代用方法1:チーズケーキ(米粉)
チーズケーキでコーンスターチを使用するレシピなら、コーンスターチの代用として米粉が使えます。チーズケーキはコーンスターチのデンプン質の効果でふっくらと焼き上がります。
米粉もコーンスターチ同様にデンプン質を多く含むため同様の効果を得られるでしょう。
コーンスターチの代用方法2:クッキー(米粉)
クッキー作りには小麦粉が欠かせませんが、小麦粉と合わせてコーンスターチを使用するレシピでは米粉が代用品として使えます。
グルテンを多く含む小麦粉は粘り気が強くなります。そこで、グルテンを含まないコーンスターチを加えることで、その粘り気をおさえサクサクした食感に仕上がります。
米粉もコーンスターチ同様にグルテンを含まないので、代用することで同様の効果が期待できるでしょう。
コーンスターチの代用方法3:カスタードクリーム(小麦粉)
滑らかなカスタードクリーム作りには、コーンスターチは欠かせない材料です。美味しいカスタードクリームには硬すぎず、柔らかすぎないとろみが重要なポイントになります。
コーンスターチは温度が下がっても粘り気を維持できるため、カスタードクリーム作りに適した材料です。小麦粉はホワイトシチューのとろみ付けでも使われているように、冷めても粘り気を維持できる食材なので、カスタードクリーム作りの代用品としても使えます。
ただし、小麦粉はコーンスターチに比べると少し重ためなので、使用料を調節することが美味しく仕上げるポイントです。
コーンスターチの代用方法4:パン(片栗粉)
パンのレシピで使われるコーンスターチは、小麦粉のグルテン量を減らしてふわふわに仕上げるためです。デンプン質で作られているコーンスターチは、グルテン生成を抑える効果があります。
片栗粉も同様にデンプン質で作られているため、コーンスターチの代用品として使用できます。同様にタピオカ粉も代用可能です。
コーンスターチの代用方法5:プリン(タピオカターチ)
タピオカターチ(タピオカ粉)は、タピオカミルクティーでもおなじみのもちもちした食感が特徴的な食材です。加熱すると粘度が増してさらにもっちりとした食感を楽しめます。そのため、もちもちした食感のお菓子やパンなどを作る時の代用品として使えます。
プリンのレシピに含まれるコーンスターチの代用品として使うと、コーンスターチを使って作る時よりも弾力性がありプルンとしたプルプルのプリンに仕上がります。
コーンスターチの代用方法6:揚げ物(片栗粉・葛粉)
揚げ物にコーンスターチを使うと、コーンスターチの保水性効果で油切れのよいサクサクとした食感の仕上がりになります。片栗粉や葛粉はコーンスターチ同様にデンプンからできているため、コーンスターチの代用として使えます。
片栗粉を使用する場合は、コーンスターチよりも粒子が粗くなっているので、ざっくりとした食感に仕上がります。
コーンスターチと片栗粉の違い5選
コーンスターチと片栗粉は、見た目も質感も非常によく似ているため、どちらも代用可能な印象があります。しかし、それぞれに特徴があるため、代用におすすめできる場合と出来ない場合があります。
ここでは、コーンスターチと片栗粉の違いについて5つ紹介します。それぞれの違いを把握することで、料理やお菓子作りの幅も広がり失敗も防げるでしょう。料理を美味しく仕上げるポイントにもなりますので、是非参考にしてみてください。
コーンスターチと片栗粉の違い1:使用用途の違い
コーンスターチも片栗粉もデンプンですが、その特徴に違いにより適した用途があります。どちらもとろみ付けに使われますが、コーンスターチでは低い温度でも粘度を保てるため、冷やして食べると美味しいカスタードクリームなどのとろみ付けに最適です。
一方で片栗粉を使うと、とろみは無色透明でコーンスターチよりとろみがつきやすいので、料理に使いやすい食材です。
コーンスターチと片栗粉の違い2:原材料の違い
コーンスターチと片栗粉の大きな違いは原材料です。コーンスターチの原材料はとうもろこし、片栗粉はじゃがいもが原料となっています。コーンスターチも片栗粉も、それぞれの原料から処理されて作られたデンプンです。
見た目や質感は非常によく似ていますが、原料が違うため、多少風味の違いもあります。
コーンスターチと片栗粉の違い3:粘りの違い
どちらもとろみ付けに適した食材ですが、温度によって粘度が変わってきます。
片栗粉はコーンスターチの2倍の粘度があります。しかし温度が下がると粘度もなくなりさらさらになってしまうという特徴があります。そのため、片栗粉はあんかけなどの温かい料理を味わう時のとろみ付けに適した食材です。
コーンスターチは粘度が低くても、低温状態でも粘度を維持できるという特徴があります。そのため、冷まして食べるようなカスタードクリームやプリンなどに使用すると良いでしょう。
コーンスターチと片栗粉の違い4:透明度の違い
粉の状態ではどちらも見た目は変わりませんが、とろみ付けの際、水と合わせると透明度に違いが出てきます。
コーンスターチは不透明で、片栗粉は無色透明です。そのため、片栗粉の代用としてコーンスターチを使用する場合は仕上がりに影響してしまうことがあります。仕上がりの色を大事にしたい場合は無色透明で食材の色に影響しない片栗粉を使うと良いでしょう。
コーンスターチと片栗粉の違い5:カロリーの違い
じゃがいもが原料である片栗粉と、とうもろこしが原料であるコーンスターチのカロリーの違いは、100gではおよそ14calの違いしかありません。
コーンスターチが100g354cal程で、片栗粉が100gで330cal程度です。コーンスターチや片栗粉は、主にお料理のとろみ付けや、お菓子作りに少量しか使用しないため、ほとんどその差は気にならない程度と言って良いでしょう。
コーンスターチの代用品で気軽にお菓子作りを楽しもう
コーンスターチは、お菓子作りや料理のレシピで見かけることの多い材料ですが、片栗粉や小麦粉に比べると、常備していないことも多い食材です。コーンスターチがないからと、焦って買いに走る前に、代用できる食材がないか確認してみましょう。
レシピでは少量だからと使わずに仕上げてしまうと、残念な仕上がりになってしまいかねません。お菓子や料理を失敗なく美味しく完成させるためにも、コーンスターチの代用品をしっかり活用してみましょう。