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加湿器から白い粉が出るのは「超音波式」だから
超音波式加湿器とは
加湿器には、超音波式・スチーム(加熱)式・ハイブリッド(加熱気化)式・気化式の4つの方式があり、それぞれメリットやデメリットがあります。超音波式の加湿器は、超音波の振動によって、水を霧状して細かいミストをファンで空気中に出すことで加湿しています。
ヒーターレスのため、消費電力はスチーム式などと比べて少ないというメリットや、熱を使っていないため、小さなお子さんやペットがいるご家庭でも安心して使えるというメリットもあります。
また、他の加湿器よりも小型化で見た目もオシャレなデザインであるものが多いため、雑貨店の店頭でも置かれているのをよく目にします。
ペットボトルを逆さにして使えるタイプをはじめ、手軽にコンパクトに使える加湿器で人気がありますが、一方で、除菌機能が付いていないタイプは、水中にある雑菌や汚れもそのまま空気中に放出してしまうというデメリットがあり、雑菌や除菌の対策が必要です。
そして、使っていると白い粉が蒸気と一緒に出てきて、周りに置いてある家具や電化製品に白い粉が付着したり、フローリングが白い粉だらけになったりすることがあります。
白い粉の正体は水道水のカルキなど
超音波式加湿器から出てくる白い粉は、水道水に含まれているカルキやミネラル、鉱物成分などの結晶が原因です。カルキは次亜塩素酸カルシウムという正式名称で、石灰の一種です。殺菌効果があるため、水道水は法律で一定量のカルキが含まれていないといけないそうです。
また、市販されているミネラルウォーターと同じように、家庭の水道水にもミネラルは含まれています。ただ、どこから取水されているかによって、ミネラルが含まれている量には差があり、豊富な量の地域もあれば、ほとんど含まれていない地域もあるそうです。
ミスト化されたカルキやミネラル成分は、微細な水滴と一緒に部屋の中で拡散されます。そして家具などに付着したあと蒸発することで、ミネラルやカルキの結晶だけが残り、それが白い粉となってしまうのです。
加湿器から白い粉が出る時の対策は?
蒸留水や浄水器の水を使う
カルキやミネラル成分をほぼ含んでいない蒸留水を使えば、白い粉は出なくなります。しかし、衛生面での問題や、毎日使用することを考えると、コストがかかるという点からはあまりおすすめできる対策ではありません。
また、浄水器の水を使う手段もありますが、蒸留水と同様、塩素などが含まれていないということは殺菌や消毒成分も含まれていないことになるため、菌が繁殖しやすくなります。実際に、メーカー取扱説明書にも、水道水を入れるように説明書きがあります。
加湿機本体の内部に菌が繁殖すると、目に見えない雑菌が蒸気と一緒に部屋中に拡散されることになります。そのような雑菌を長いこと吸い込むことで、過敏性肺炎になってしまう症例も中にはあるようですので、殺菌作用のある塩素が含まれている水道水を使い、本体の中をこまめに掃除するほうが安心です。
加湿器の向きを調整して短時間だけ使う
テレビが置いてある方向に加湿器が向いていると、環境によっては画面が真っ白になってしまうほど白い粉が付くこともあります。このような場合は、使う時は超音波式加湿器を自分のほうに向けて置き、使う時間も短時間にする使い方がおすすめです。
ペットボトルタイプを使う
タンク代わりにペットボトルを使うタイプの加湿器もあります。ペットボトルにすることで、お手入れがしやすく、使い捨てすることもできるので、白い粉の発生や雑菌の拡散が防ぐことができます。
タンク内をこまめに掃除する
白い粉が出る場合は、一緒に雑菌が拡散されないよう、本体内部をこまめに掃除しましょう。まず水を毎日取りかえることは必須です。フィルターも雑菌の繁殖を防ぐため、定期的に天日干しをして下さい。そしてクエン酸と重曹を使って本体を掃除するのがおすすめです。
白い粉の出る超音波式加湿器を使うのをやめる
超音波式加湿器の取扱説明書には、以下のような注意書きが書かれているものが多いようです。
つまり、白い粉が発生するのは、対策が取られていない超音波式加湿器を使ううえでは、避けられないことで、家庭で白い粉が出ないための方法はないようです。どうしても気になるという場合は、超音波式加湿器以外の加湿器を使用することをおすすめします。
スチーム(加熱)式は白い粉が部屋に拡散されることはありませんが、本体の加熱部には白い粉が付きます。または、白い粉が出る現象を防ぐ対策の取られている超音波式加湿器も発売されてきているようです。
カートリッジにイオン交換樹脂が搭載されているため、水道水に含まれるカルキを削減できるとのことです。このような超音波式加湿器を購入するのもよいでしょう。
カドー 超音波式加湿器
加湿器タンク内の白い粉の取り方
クエン酸を使う方法
- 超音波振動板に白い粉が付着したときは、綿棒などで軽くこすってみます。綿棒でこすっても汚れが取れない場合は、クエン酸洗浄を行いましょう。
- ぬるま湯とクエン酸をよく溶かします。水タンクにクエン酸水を入れてキャップを締めてください。(量はタンクの大きさによって変わります。水1リットルの場合はクエン酸20~30gが目安です)
- 本体に水タンクを取り付けて、運転せずに1時間ほど放置した後、水タンクと本体内部のクエン酸水を捨て、水道水を2~3回取りかえながら、しっかりとすすぎます。
注意点
クエン酸の成分が残っていると、故障の原因になりますのでしっかりとすすぎを行ってください。また、お使いの加湿器により本体のお手入れ方法は異なることもありますので、確認してから行ってください。
重曹をを使う方法
白くかたまってクエン酸では落としきれない部分は、重曹を使って落とします。重曹は弱アルカリ性で酸性の汚れを中和できるのと、研磨作用があるので、白くかたまったカルキにはスポンジで重曹をこすりつけて落とすことができます。
ただし、この方法は加湿器の素材をいためる可能性もありますので、目立たないところで確認をしてから全体を行うようにして下さい。または、クエン酸の掃除方法と同じやり方で、ぬるま湯と重曹で重曹水を作り、キレイにすることもできます。
加湿器タンク専用クリーナーも販売されてます。面倒な方はこちらは如何でしょうか。
加湿器の白い粉に害はない?
白い粉は、水道水に含まれているカルキやミネラル成分のため、人体には無害であると言われています。ただ、白い粉に害がなくても、タンク内に雑菌が増えることで、菌がミストと一緒に拡散されることは問題です。
雑菌の拡散によりアレルギー症状などを引き起こす可能性もありますので、それを防ぐには本体内部をこまめに掃除してください。また、白い粉が本体に付着したままになっていると、加湿器自体が機能しなくなり故障の原因となることもあるようです。
時間が経過するにつれて、白い粉は徐々に大きくなってきます。早目に対処しておきましょう。
まとめ
超音波式加湿器は、アロマディフューザーとしても使え、デザインもオシャレでインテリアに溶け込みやすいので人気があります。
しかし、一方で水道水に含まれるカルキ成分などによって、白い粉が家具やフローリングに付着する場合や、タンク内のお手入れをまめにしないと、雑菌が拡散されることもあるのですね。
超音波式加湿器を使う際は、このような点に注意して使ってください。