天ぷら粉と小麦粉の違い!それぞれの特徴と代用方法

大葉 天ぷら

「天ぷらをしようと思ったのに天ぷら粉を切らしてしまった。でも小麦粉はある」というような経験は、普段料理をされる方ならどなたにでもあるかもしれません。一見すると天ぷら粉と小麦粉に違いは特になく、見た目だけで違いを判断するのは難しいですよね。そこで今回は、天ぷら粉と小麦粉に違いはあるのか、またそれぞれの特徴と代用方法についてご紹介していきます。

天ぷら粉と小麦粉の違い

天ぷらと小麦粉

天ぷら粉と小麦粉の違いについて見ていきましょう。まずは天ぷら粉とは一体何かということをご紹介します。

天ぷら粉

天ぷら粉とは、簡単に言えば読んで字の如く天ぷらを揚げるための粉のことを言います。これだけ聞くと、天ぷら粉は天ぷら専用の粉なのではないかと思われる方も多いかもしれませんが、実はお菓子やお好み焼き作りに使用することもできます。

小麦粉

小麦粉は、小麦粉に含まれるタンパク質の量に応じて強力粉、中力粉、薄力粉などに分類されます。強力粉はパンや麺類を作る際に使用され、中力粉はうどんやお好み焼き、たこ焼きなどを作る際に使用されます。薄力粉はお菓子などを作る際に使用されます。

天ぷら粉の特徴

天ぷら粉をまぶしたエビ

一般的な天ぷらは、海老やかぼちゃといった具材に水や小麦粉、卵などを混ぜ合わせて作った衣を付けて油で揚げるのですが、この衣づくりがなかなか難しく、自作の衣を使って天ぷらを作ってもカラッと揚がらないことが多々ありました。

サクッとした旨さが天ぷら粉

そのような声を受けて作り出されたのが天ぷら粉です。天ぷら粉は小麦粉にデンプンやベーキングパウダーといった調味料を配合して作られているため、誰でも水と天ぷら粉だけで美味しい天ぷらを揚げることができるようになったのです。天ぷら粉を使用すると、家庭では作ることが難しいとされていた、黄金色のサクッとした衣が簡単に作れるので料理初心者の方にもオススメです。

クッキーや餃子にも活躍する

天ぷら粉は天ぷら以外にも使用することができると言いましたが、どのような料理に使えるのか疑問に思った方も多いかもしれません。具体的に言うと、天ぷら粉はクッキーやお好み焼き、さらには餃子にも使用することができるのです。

クッキーは通常薄力粉を用いて作りますが、天ぷら粉を使用することでサクッとした軽い仕上がりになりますし、お好み焼きに使用することで通常のお好み焼きよりもふんわりと仕上げることができます。また、餃子の皮に天ぷら粉を用いることで一般的な餃子の皮よりもモチモチとした食感の皮を作ることができるのです。

小麦粉の特徴

麻袋に入った小麦粉

小麦粉は、小麦を挽いて作られた穀粉のことを言います。小麦粉に含まれているタンパク質が11.5~12.5%程度なら強力粉、8~9%程度なら中力粉、7%程度なら薄力粉というように分類されます。

このことから分かるように、小麦粉には最大でも1割強程度のタンパク質しか含まれていません。残りは何なのかというと、小麦粉の栄養成分の7〜8割はデンプンです。

豊富なタンパク質

小麦粉には1割強のタンパク質が含まれていると言いましたが、小麦粉に含まれているタンパク質は全部で80種類以上もあります。そして80種類以上あるタンパク質の中でも大事なタンパク質が、グリアジンとグルテニンと呼ばれるタンパク質です。

これら2つのタンパク質は水と一緒になるとグルテンというタンパク質を作り出します。グルテンには程よい弾力性と粘着性があり、食パンを膨らませたり、うどんなどの麺類にコシを与えたりすることができます。

コシの源であるグルテン

このグルテンは、なんと小麦粉にしか存在しません。グリアジンとグルテニンのどちらかを持っている穀物ならありますが、グリアジンとグルテニンの両方を持っている穀物は小麦粉をおいて他にないのです。そしてグリアジンとグルテニンの両方を持っていなければ、グルテンを作り出すことはできません。

そのため、小麦粉以外の穀物を利用してパンを焼いても十分に膨らませることはできませんし、うどんなどの麺類を作っても弾力性に欠け、すぐに切れてしまう麺しか作ることができないのです。

自家製天ぷら粉の作り方

粉を混ぜている手

自分の家で天ぷら粉を作る方法をご紹介していきます。まずは材料についてです。

材料

  • 小麦粉:200cc
  • 片栗粉:20cc
  • 水:200cc
  • 卵:1個

作り方

まずは容器に卵1個を入れ、水を200cc入れてかき混ぜていきます。

十分に混ぜることができたら、小麦粉200ccをそこに入れていきます。この時に注意しなければならないことは、小麦粉の大きなダマが入らないようにするということです。

小麦粉のダマは少しくらいならあった方が良いのですが、あまりにも大きいダマがあると食感に問題が出てきてしまいます。大きなダマを入れないようにするためには、編目のザルなどで振るうことが必要になります。

また、小麦粉を振るって入れることで空気が入って衣が軽く仕上がり、サクッとした食感を実現することができます。この一手間を抜いてしまうと、美味しい天ぷら粉ができないので注意してください。

卵と水と小麦粉を同じ容器に入れたら、しっかりとかき混ぜていきます。

この時ダマは全て無くした方が良いと考えて徹底的にダマを潰す方がいますが、少しくらいのダマがあった方が揚げた後にサクッとした食感が出るのでそこまで神経質になる必要はありません。

多少小麦粉のダマが残っている程度にかき混ぜればOKです。そして最後に片栗粉を20cc入れてかき混ぜていきます。片栗粉が家にない場合は入れなくても大丈夫ですが、片栗粉を入れた方が揚げた後にサクッとした食感が増すので家にあるという方は是非入れてみてください。

片栗粉の特徴と代用した時のメリット

片栗粉

片栗粉とは、調理用に精製したデンプンの粉のことを言います。元々ユリ科カタクリ属の多年草「カタクリ」からデンプンを抽出していたため、片栗粉という名前が付けられましたが、近年ではカタクリからデンプンを抽出することは少なくなり、専らジャガイモから精製されています。

片栗粉が何に使われているのかというと、唐揚げなどの揚げ物を作る際の衣や、中華料理の餡かけやとろみ付けとして使われています。片栗粉は唐揚げなどの揚げ物を作る際の衣としても使われているので、天ぷら粉の代わりとして使用することができます。

代用した時のメリットとしては、野菜や魚でもまぶすだけで簡単に衣の食感をカリカリに仕上げることができるということでさす。

また、天ぷら粉などと比べて油を吸いにくいため、「揚げ物を食べたいけれどカロリーが気になる」という方でも、揚げ物を楽しむことができるということなどが挙げられます。

また「一般的な衣は柔らかすぎてあまり好きではない」という方でも、片栗粉を使用して揚げると硬めの衣になるので揚げ物を楽しむことができます。

お家で上手な天ぷらを揚げよう!

天ぷら

市販の天ぷら粉を利用することで家でも簡単にサクッとした美味しい天ぷらを揚げることができますし、また天ぷら粉が家にないような場合には天ぷら粉の代わりに片栗粉を使用することもできます。

片栗粉の他に小麦粉や卵があれば、それらを使って自宅で天ぷら粉を作ることもできますので、是非家にある材料を使って天ぷらに挑戦してみましょう。

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