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重曹風呂とは
重曹風呂で使われる「重曹」は弱アルカリ性の「炭酸水素ナトリウム」の商品名です。実は重曹風呂の「炭酸水素ナトリウム」は、市販されている入浴剤に入っている物です。
重曹風呂は皮脂汚れを落とし、血行を促進する効果があります。お店で売っている入浴剤に書かれている効果効能と同じですよね。まずは重曹風呂の概要を解説します。
重曹風呂の特徴
重曹のみを湯船に入れたり水に溶かしても無色透明のままで匂いもありません。市販されている入浴剤は、香料や色素を加えて加工して販売されているんです。ですので、重曹風呂とは無色透明な入浴剤入りお風呂といえます。
市販の入浴剤のには、泡をぶくぶく出しながら湯船に溶けていくものがありますよね。あれは重曹にクエン酸というものを混ぜたものを、お湯の中に入れると化学反応をおこし「炭酸水」に変わるため。この反応によって、泡がぶくぶく出てくるんです。炭酸のドリンクがシュワシュワって泡になるのと同じ原理です。
重曹は、水の成分マグネシウムやカルシウムと結合して、水質をやわらかくしてくれる作用があります。重曹風呂のph.は8.4で一般的なアルカリ温泉のph.は8.2ですので、普通のお湯と違いなめらかさが増します。手軽に温泉みたいなお風呂に入れると考えてください。
入浴後のお風呂掃除が楽になる
重曹風呂に入浴すると、お風呂掃除が楽になるという効果があります。重曹には清掃・消臭効果があり、お風呂の汚れを落とす効果も期待できるため、入浴後、残り湯をお風呂掃除に再利用できます。
重曹には油分を分解し落としやすくする効果もあるため、浴槽に付着した皮脂を洗い流しやすくなるメリットもあります。
また、重曹風呂を流すことで、風呂場の排水溝にたまった垢やぬめりなどの汚れも分解し、詰まりを予防してくれます。汚れが軽減されるため、異臭対策にも繋がります。
ただし、重曹自体の清掃効果は洗剤などと比較すると弱めです。しっかり汚れを落としたいのであれば、スポンジなどで擦り落とす必要があります。
《 ポイント 》
- 重曹風呂は重曹を入れたお風呂のこと
- 重曹には油切れ・消臭・柔軟効果がある
- 重曹の清掃力をお風呂の掃除に活用できる
- 重曹は水の成分と反応し、水を柔らかくする
- 重曹風呂のpHはアルカリ性の温泉と近い
重曹風呂の効果効能
重曹風呂には、お肌に対して様々な効果効能があるといわれています。ここでは、重曹風呂の代表的な効果について解説します。
皮脂汚れを落として美肌効果
重曹風呂は皮脂汚れを落とすスクラブ効果があるので洗っても落としきれないひじ汚れを落としてくれてお肌がつるつるスベスベになる効果があります。皮脂がお肌に残っていると毛穴が詰まってしまい、ニキビなど肌荒れの原因になってしまうので美肌とニキビ予防に効果があります。
特に背中ニキビに対して有効です。背中ニキビは背中の洗浄が不十分の場合や背中の毛穴に汗が流れ老廃物や皮脂がたまるとできやすくなってしまいます。重曹風呂に入ることで汚れを落とすことができるので簡単にケアができます。
角質除去
重曹風呂は角質によって、ひじ・ひざ・かかとの皮膚が硬くなってしまっている部分を柔らかくしてつるつるにしてくれるピーリング効果があります。かかとは特に乾燥しやすいのでお風呂上がりに保湿剤を塗っておくとより効果を感じられます。
体臭の予防と改善
体臭の原因は汗などの老廃物が皮膚で酸化して発生させています。重曹風呂は弱アルカリ性なので酸性の汗や皮脂の脂肪酸や酢酸を中和させて体臭の発生を抑制してくれる予防効果があります。また、重曹には殺菌効果もあり、皮膚の細菌の繁殖を防いでくれるので体臭改善の効能もあります。
冷え性の予防と改善
重曹風呂は、何も入れていない普通のお風呂よりもカラダの表面は冷めやすくなりますが、カラダの中は温熱効果によってポカポカとした状態になり血流を促進させます。血行・新陳代謝が高まるため、重曹風呂は冷え性の予防や改善に効果が期待されています。また、血流が良くなることによって血圧を下げてくれるという効能もあります。
ニキビケア
重曹風呂は、皮脂や汗によって詰まった毛穴汚れを解消するため、ニキビケアとしても有効であるとす。そのため、ニキビや吹き出物の治療に役立つ可能性があります。
ただし、重曹はアルカリ性の物質なので敏感肌の方は使用を控えることをおすすめします。また、ニキビや吹き出物の原因は単純な皮脂の過剰分泌だけでなく、ホルモンバランスやストレスなど様々な要因も考えられます。
《 ポイント 》
- 重曹風呂は皮脂汚れを落とし、肌をつるつるにする
- 重曹風呂は角質を除去し、肌を柔らかくする
- 重曹風呂は体臭の原因となる老廃物を中和する
- 重曹風呂は血行を促進し、冷え性に良い
- 重曹風呂はニキビの原因となる皮脂汚れを解消する
重曹風呂の作り方
重曹風呂の作り方は浴槽にお湯を張り重曹を入れて溶けるまでよくかき混ぜるだけです。重曹を入れる量は一般的なお風呂のお湯200Lに対して重曹を大さじ1~3杯です。
使用する重曹は食用と書かれているものを使用しましょう。食用の重曹を使用すれば誤って口に入ってしまっても問題ありません。
重曹風呂をアレンジする方法
重曹風呂の楽しみ方は、ただ単にお風呂に重曹を入れて終りではありません。ちょっとしたふと工夫で、よりお風呂タイムを楽しく演出してくれます。ここでは、重曹風呂のアレンジ方法を紹介します。
香りを入れる
重曹だけですと無臭・無色透明なので、お好みのアロマオイルを数滴垂らしてみたり、みかんやリンゴの皮、茶葉を乾燥させガーゼで包んで入れてみるといった楽しみ方もあります。
重曹でバスボムを作る
重曹に、クエン酸を加えることで、爆発的に泡が立ちシュワシュワとさせる炭酸風呂のバスボムにアレンジできます。まるで、バブルバスみたいになるので、お子さんとの入浴タイムも楽しくなります。炭酸風呂は、水よりも皮膚に対して浸透率が高いので保湿効果も期待できます。
《材料》
- 重曹: 1カップ
- クエン酸: 1/2カップ
- 無水エタノール:少量
- エッセンシャルオイル:お好みで
《手順》
- 重曹:クエン酸=2:1の割合で用意し、計量した後ボールなどに混ぜ合わせます。
- エッセンシャルオイルなども加えます。
- 無水エタノールを霧吹きなどで、少しずつかけていきます。握ったら固まるまでが目安です
- シリコン製の型(アイスキューブの型でもOK)に詰め込み、しっかりと押し固めます。
- 1日ほど置いて乾燥させる。完全に乾燥させることが大切です。
- 乾燥したら型から外し、お風呂に投入して楽しみましょう。
注意点として、重曹・クエン酸に直接触れると手が荒れる方もいます。制作するときは、手袋の着用を推奨します。また、バスボムは少量の水にも反応し発泡し始めます。誤って水をかけないようご注意ください。
重曹バスソルトの作り方
重曹だけでなく、塩を少し混ぜ込むバスソルトもアレンジ方法としてオススメです。
重曹バスソルトには、体が中心から温まりやすくなり疲れを癒してくれます。発汗作用も促進されるため、結果的に新陳代謝も改善が期待されます。通常の重曹風呂よりも、リラックスしやすいでしょう。
《材料》
- 重曹:大さじ1
- 塩:大さじ1
- エッセンシャルオイル:お好み
《手順》
- ボールに重曹と塩を入れ、よく混ぜ合わせます。
- エッセンシャルオイルなども加えます。
- お風呂に投入して楽しみましょう。
- 使用する塩は、肌への刺激が弱い天然塩を選ばれることを推奨します。
《 ポイント 》
- 重曹風呂の作り方は、浴槽にお湯を張った後、重曹を入れて溶かす
- 重曹の量は200Lのお湯に対して大さじ1~3杯
- 香料オイルやドライフルーツで香り付けできる
- クエン酸を添加すると炭酸入浴になる
- 塩を混ぜると発汗効果のある重曹バスソルトになる
重曹風呂の残り湯で掃除するポイント4つ
重曹風呂の残り湯は重曹水なので、そのまま浴室のお掃除で活躍させることができます。浴槽やお風呂の床、壁、小物も全部きれいに掃除しましょう。
重曹風呂の残り湯で浴槽を掃除するときのポイントを紹介します。上手に活用すれば、めんどうなお風呂掃除が楽ちんになりますよ。
油汚れなどの汚れ落とし
浴槽の汚れは皮脂や汗などの老廃物で酸性です。酸性の汚れはアルカリ性の重曹水で洗うことで落とすことができます。ただし、重曹の清掃効果はそこまで高くないため、しつこい汚れに対してはスポンジやブラシなどでよく擦り落としましょう、
小物の汚れ落とし
浴槽に残り湯を入れたまま洗面器、お風呂の椅子、子ども用のおもちゃなど小物を一晩浸け置きしておくと、汚れをキレイに落としやすくなります。付け置きした後はしっかりと水で洗い流しましょう。
壁や床の汚れ落とし
浴槽の壁や床に残り湯をかけて掃除するのも、ひとつの工夫です。100均などで購入できるスプレーなどに残り湯を詰めると壁にも吹きかけやすくなります。残り湯をかけた後は、スポンジなどでこすり水で流せばキレイになります。
排水口の汚れ除去
排水口の掃除は、髪の毛やごみを取り除いてから重曹水を流しましょう。使い古しの歯ブラシでこすると、垢やぬめりをきれいに流せます。重曹水の上から、クエン酸をかけて発泡させて10分ほど放置させてから洗い流すとよりキレイにする事ができます。
《 ポイント 》
- 残り湯の重曹は油汚れなどの汚れを洗い流しやすくする
- 残り湯に小物を浸け置きすると汚れが落ちやすくなる
- 壁や床に残り湯を吹きかけると汚れが取れる
- 排水口の掃除には残り湯とクエン酸を使う
重曹風呂の注意点
美肌に嬉しい効果が期待される重曹風呂ですが、注意をしなければならない点があります。ここでは、重曹風呂の注意点を紹介します。
重曹の量を増やしても効果は変わらない
お風呂に入れる重曹の量を増やしても美肌効果、角質除去、体臭予防、冷え性改善の効果が上がるものではありません。
重曹を入れすぎてしまうとお風呂のお湯のアルカリ性が強まってしまい肌荒れの原因になってしまいます。逆効果にならないためにも重曹は入れすぎず適量を入れるようにしてください。
乾燥肌・敏感肌の人はしっかりとシャワーで流す
重曹風呂のお湯は普通のお湯よりも肌が乾燥しやすくなるので、お風呂から出る際は必ずシャワーでしっかり流してから出ましょう。お風呂上りの保湿ケアはすばやく行ってくださいね。
重曹は低刺激を起こすので敏感肌の人は注意が必要です。長く湯につかることなく様子を見ながら入浴してください。ネット上では洗顔をおすすめしているサイトもあるようですが、洗顔で使用するのはやめましょう。
アトピー・赤ちゃんは避けた方が無難
重曹風呂は一般的に、健康な人に対しては比較的安全な入浴方法です。しかし、アトピーや赤ちゃんなどは、肌が弱めなので注意が必要です。
重曹はアルカリ性の物質であり、使い方によっては肌を傷めることがあります。アトピーの方は、肌が乾燥し、重曹による刺激に弱いことがあります。赤ちゃんの場合も、肌が未熟なため、重曹による刺激が大きい可能性があります。
重曹風呂がアトピーに対して有効である保証もないため、基本的には入浴を避けた方が無難です。
毎日は入るのは良くない
毎日継続的に重曹風呂に入っていると肌がアルカリ性に傾き、一部の細菌が繁殖して体臭をより強くしてしまうおそれがあります。毎日入るよりも週に1回~2回ぐらいがおすすめですが、個人差があるので体質改善の効果や肌への負担の様子を見ながら、自分に合った回数を見極めましょう。
追い炊きをしない
追い炊きとは冷めたお湯を温めなおすことです。冷めたお湯を風呂釜の装置が吸い込んで沸かし、温められたお湯はさらにパイプを通して浴槽に戻り、全体のお湯が温まるまで(設定した温度になるまで)循環します。この流れで重曹風呂のお湯を追い炊きすると2つの問題が発生してしまいます。
2.風呂釜や配管のお湯に触れる部分を傷めてしまう。
重曹の入ったお湯を追い炊きすることによって風呂釜の部品の劣化を早めてしまう場合があります。銅が使用されている風呂釜は重曹との相性がよありません。追い炊きは控えるようにしましょう。
洗濯に使用時には注意
重曹風呂の残り湯を洗濯に使うのはおすすめできません。重曹風呂は普通のお風呂よりも洗浄効果が高いので、カラダの皮脂や垢や汗などの老廃物の汚れが重曹風呂に残っていますので、そのまま洗濯に使用してしまうとその汚れも洗濯槽に入ってしまいます。
洗濯槽に入ってしまうと雑菌や細菌が繁殖し、嫌な臭いの原因になってしまいます。残り湯を使うときはフィルターを使い汚れが洗濯槽に入らないように注意して最初の洗濯の時のみにし、すすぎでは重曹風呂の残り湯は使わないようにしてください。
重曹を肌に塗らない
重曹風呂が肌にいいからといって、重曹を直接肌に塗り込むのはNG。重曹はアルカリ性の物質です。重曹を肌に塗ると、肌が弱い方は皮膚が荒れてしまう恐れがあります。
お肌のためにと、重曹を直接肌に塗り込むことは避けましょう。
《 ポイント 》
- 重曹の量を増やしても効果は上がらない
- 乾燥肌の人は入浴後しっかりすすぐ
- アトピーの方や赤ちゃんは使用を避ける
- 毎日の使用は避け、週1~2回が目安
- 追い炊きは重曹の効果で釜を傷める
- 重曹は直接肌に塗るのは避けるべき
まとめ
重曹風呂についてご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか?
お風呂に重曹を入れるだけで手軽にさまざまな効果や効能を得ることができるのはうれしいですね。重曹風呂では食用の重曹を使用しますので誤って口に入ってしまっても心配ありませんが、重曹を多く入れても効果があがるわけではありませんので入れすぎないようにしましょう。
注意すべき点を守りながら快適な入浴を楽しんでください。