カレーは何日持つ?冷蔵・冷凍・常温保存の違いとじゃがいもの影響

カレー

大好物はカレーという人も少なくありません。材料を切ってお鍋に入れ、グツグツ煮込めば出来上がりという手軽さも人気の理由です。大鍋で作れば何食分も作れるカレーですが、間違った方法で保存すると腐ってしまいます。今回はカレーの消費期限、保存方法別の賞味期限、そして上手に日持ちさせるコツなどについて調べてみました。

カレーは何日持つの?

カレーが入ったステンレス鍋

カレーは一晩寝かせると美味しくなると言われる通り、日数が経ったカレーは作り立てとは、また違った美味しさが楽しめます。とはいえ、作ってから放置したままでは、カレーがあっという間に傷んでしまいます。

カレーを日持ちさせる方法はいくつかありますが、それぞれの方法でどれくらい日持ちするのでしょうか?ここでは、各方法におけるカレーの日持ち期間の目安を紹介します。

常温保存の場合

大きな鍋でカレーを作っている場合は、冷蔵庫に入れるスペースが無いと常温保存することもあります。軽く温めるだけですぐに食べられるという利便性がありますが、常温保存している場合はあまり日持ちしません。特に気温が高い夏場や、雑菌が繁殖しやすい梅雨の時期は食中毒が発生しやすいので、半日ほどしか日持ちしません。

そのため、カレーの常温保存は基本的に非推奨です。余ったカレーは食中毒菌が増える前に、できるだけ早く冷蔵・冷凍保存してしまいましょう。

気温が低くなる冬場も同様です。こちらも常温保存では、せいぜい1日~1日半が限度です。気温が低くてもカレーそのものに温度があれば、食中毒菌はあっという間に増殖してしまいます。

中には、火を通せば大丈夫と考えている人も多いですが、後述するウェルシュ菌などはいくら加熱しても、その有毒性を消失させられません。そうした過信が食中毒を招く大きな原因です。常温で放置するのは腐りやすい保存方法であることを理解し、食べ物の保管を徹底しましょう。

冷蔵保存の場合

冷蔵保存する場合、日持ちする期間は常温保存より延びます。具体的には2~3日以内に食べ切るのが理想です。それ以上は冷蔵であっても、品質面で懸念があるため、冷蔵保存したから数日以内には食べ切ってしまいましょう。

また、カレーが温かいまま保存すると、冷え切るまで時間がかかるだけでなく冷蔵庫の中にある他の食材を傷める恐れがあります。カレーを冷蔵保存するときは、粗熱が取れるまで冷ましてから入れるようにしましょう。かき混ぜながら熱を放出すると、早めに粗熱が取れるので試してみてください。

冷凍保存の場合

長期にわたって保存するなら冷凍保存がオススメです。細菌が繁殖する心配も無いため、約1ヶ月は日持ちします。

ただし、それ以上の期間は品質・衛生面に懸念が生じるため、冷凍保存であってもできるだけ早く食べ切ってしまいましょう。また冷凍保存したカレーは、風味や食感が劣化しやすいです。長期保存できる代わりに、美味しさを損ないやすい点は覚悟しておきましょう。

じゃがいもなしの方が日持ちする?

カレーにじゃがいもを入れなければ日持ちするかといえば、答えはNOとなります。

たしかに、じゃがいもに含まれるでんぷん質は細菌が餌とし繁殖の糧にします、ただし、でんぷん質は何もじゃがいもだけに含まれている訳ではなく、カレールーに使用されている小麦粉にも含まれています。

また、じゃがいもが入っていようとなかろうと、作ったカレーをできるだけ早く食べ切ってしまった方がいいことには変わりありません。仮にじゃがいもなしでカレーを作ったとしても、冷蔵保存で2~3日以内には食べ切ってしまいましょう。

また、じゃがいもを冷凍すると食感や風味が損なわれるという意見も多いですが、その点に関しては人参やタマネギなど他の具材も同様です。それでも気になる方は、冷凍保存する前にじゃがいもだけ炒めておくと、油でコーティングされて水分を失いにくくなります。その他にも、じゃがいもだけ取り除き、別の料理に活用する方法もオススメです。

じゃがいも有る無しでは、カレーの日持ちや保存性が大きく損なわれるわけではないので、安心して使用してください。

カレーを保存する時のコツ

コンロの上のカレー

カレーを保存する場合、冷蔵・冷凍ともにコツがあります。それぞれ見ていきましょう。

冷蔵保存する場合

カレーを冷蔵保存するコツは、とにかく早く冷まして冷蔵庫に入れるということです。調理した後に鍋に入れた状態で自然に冷めるのを待っていても、その間に菌が繁殖する恐れがあるのです。

素早く粗熱を取る方法としては、鍋ごと水に浸けて冷やします。大きめのボールに氷を入れ、水を張った中に鍋を投入するのですが、冷やしながらしゃもじ等で鍋の中をかき混ぜるようにすると、表面だけではなく中身も万遍なく冷やすことが出来ます。

冷凍保存する場合

冷凍保存する場合も、粗熱を取る工程は冷蔵保存の時と同じです。そして食事1回分ごとに小分けして、真空パックやタッパーに入れるのですが、出来るだけ平らな状態にしておくのがポイントです。これは平らにしておくと早く冷凍出来るためです。

そしてカレーを冷凍する時に1つ注意したいのがジャガイモの存在です。ジャガイモは冷凍すると中の水分が抜けてパサパサになってしまうので、美味しく食べるためにも、冷凍保存する前にジャガイモは取り出しておくようにします。

少し手間はかかりますが、以下の方法でじゃがいもの美味しさをある程度保つことが可能です。

  • 冷凍する前にじゃがいもだけ油で炒めてコーティングしておく
  • 食べる時にジャガイモだけ茹でる・電子レンジで加熱してからカレーに投入する

ちょっとした工夫でじゃがいもの品質を保ち、従来通りのホクホクとした食感を楽しむことが出来ます。それでも美味しさが損なわれると感じる方は、冷凍前にじゃがいもを取り除き、別の料理に活用するのもオススメ。マッシュし油で揚げればカレー風味のコロッケに変身します。

小分け保存もオススメ

カレーを日持ちさせるために、冷蔵・冷凍保存するときは、ジップロックなどに小分けして保存するのもオススメです。

冷蔵・冷凍庫にカレーを入れるとき、まとめて入れると内部まで冷えるのに時間がかかります。熱を保ったカレーを入れておくと冷蔵庫内に結露が生じ、カレーだけでなく他の食べ物も傷みやすくなります。

粗熱が取れてからなら、さほど心配ありません。ただ、作ったばかりのカレーは粗熱がとれるまで時間がかかるのも事実です。そこでオススメしたいのが日持ちさせたいカレーを小分けして保存する方法です。

ジップロックなど真空パックや密封用タッパーに小分けすると、粗熱がとれやすくなり冷蔵・冷凍庫に入れても比較的早く冷えていきます。再加熱して食べるときも、必要な分だけ取り出しやすくなるため利便性も良好です。カレーを保存する際は小分け保存を意識しましょう。

保存容器に匂いや色が移りやすい

カレーをジップロックなどプラスチック容器に移して日持ちさせるとき、気を付けたいのが匂いや色が容器につくことです。保存したカレーを食べ終わって洗ったとき、なかなかカレーの色や匂いがとれず苦労するケースが多いです。

そんなときオススメなのが、保存容器にラップを敷いておくこと。こうしておけば、カレーの色や匂いはラップに付着します。使い終わったラップはそのまま捨ててしまいましょう。

いちいち、ラップを敷くのがめんどうという方は使い捨ての保存容器を使用しましょう。意外と安く販売されているので、日持ち保存の手間が軽減されますよ。

ウェルシュ菌に要注意

冷蔵にしても冷凍にしても、保存する際に急速にカレーを冷やす必要があるのは、ウェルシュ菌発生の恐れがあるからです。

ウェルシュ菌は酸素の無い所で発生しやすいという特徴があるのですが、鍋に入っているカレーの中身は空気に触れることがなく、まさにウェルシュ菌が発生しやすい環境となります。

食中毒の原因となるほとんどの菌は加熱によって死滅しますが、ウェルシュ菌は熱に強い芽胞によって生き残るため、100℃以上の高温で5時間以上煮込んでも死滅しません。

非常に厄介な菌であり、発生させない、繁殖させないためにも素早くウェルシュ菌が嫌う状態にする必要があるのです。

食べ残したカレーの加熱方法

ぐつぐつ煮込んでいるカレー

家族によって食べる時間帯が違ったり、昼に食べたカレーを夜も食べたりというケースはよくあることです。食べ残したカレーを再度加熱するのは美味しく食べるため、そして食中毒を予防するためでもあります。

カレーを再加熱するときのポイント

再加熱するとき、ただ温めれば良いというものではありません。火が当たる鍋底だけが熱くなり、肝心の中身がしっかりと加熱されていないということも起こり得るからです。

そもそも料理を温め直す時は、75℃で1分以上加熱するのが基本となっており、しっかりと火を通すことで食中毒も予防することが出来ます。そのため、食材全体に万遍なく熱が行きわたるように加熱する必要があります。

鍋に入ったカレーを温める時は、鍋底からしっかりとかき混ぜて、空気をカレーに含ませるようにするのがポイントです。おたまでかき混ぜながら温めると、全体に火が行き届くようになります。朝昼晩、三食をカレーにするとしても、また少し時間を置いて食べる場合も、食べる度に加熱しなければいけません。

冷凍カレーの注意点

冷凍して残しておいたカレーに関しては、解凍する際に常温に置いておくと菌が発生する可能性が高くなります。あらかじめ冷蔵庫へ移して時間をかけて解凍し、その後は電子レンジか鍋に移し替えて加熱してから食べるようにしましょう。

また冷凍・解凍という手順を取ると、食材の状態が劣化します。美味しさや風味もやや損なわれるため、アレンジレシピに活用するなど工夫されることをオススメします。

保存したカレーのアレンジレシピ

冷凍したカレーは日持ちする分、どうしても美味しさが劣化しがち。そのまま食べると、イマイチと感じてしまうことは少なくありません。そんな冷凍カレーを美味しくアレンジし直すレシピを簡単に紹介します。

  • カレーうどん
    定番なアレンジ方法が、カレーうどん。うどんを茹でて温めたカレールーをかけるだけ。お好みで刻みネギや天かすをトッピングして完成です。
  • カレードリア
    自宅にオーブンがある場合は、カレードリアに挑戦されることもオススメです。ご飯にカレーをかけてオーブンで焼くだけ。とろけるチーズをトッピングすれば、とても美味しくなります。
  • カレーパスタ
    パスタを茹でて、温めたカレーを加えるだけ。お好みでパルメザンチーズをかけると美味しく仕上がります。

上記で紹介したレシピ以外にも、カレーのアレンジ方法はたくさんあります。色々と挑戦してみてください。

カレーが腐っているかどうかの見分け

カレー

本来ならスパイシーな香りが漂うカレーですが、腐っている場合はいつもとは違う状態になります。ここでは、注意したい傷んだカレーの特徴を解説します。

酸っぱい臭いがする

食べ物が腐ると酸っぱい臭いがするとよく言われますが、カレーも例外ではありません。怪しいと感じるカレーの匂いを嗅いだ時、鼻をつくような酸っぱい臭いがすると、そのカレーは腐っていることになります。

酸味臭は、食べ物が細菌によって分解されることで生じます。細菌が増殖しているサインでもあるため、摂取してしまうと食中毒菌を引き起こす恐れがあります。

もちろん一口食べた時に酸っぱいと感じるのもアウト。食中毒の原因となる菌が、大量に繁殖している状態なので食べることは出来ません。怪しい味・臭いがするカレーは避けるようにしましょう。

納豆のような味がする

食べてみた時に納豆のような味がするのも腐っている証拠です。本来のカレーは納豆の味がすることはありません。元々納豆は大豆を腐らせて出来るものだけに、カレーから納豆の味がするのは明らかに腐っていると言えます。

ここでは納豆を例に出しましたが、明らかにカレーとは思えない味・違和感を覚えた時は廃棄した方が賢明です。

表面に白い膜ができる

カレーを常温で放置していると、カレーの表面に白い膜が張っていることがあります。この白い膜の正体はカビで、当然食べることは出来ません。酸っぱいような臭いや味が腐っている状態の前段階とすれば、白い膜が張っているカレーは腐敗がエスカレートしている状態と言えます。

泡が立っている

カレーにシュワシュワとした泡が立っているのは、白い膜同様に腐敗が進行している状態です。混ぜるとネバネバとした粘りもあり、絶対に食べることは出来ません。試しに一口食べるということも避け、すぐに廃棄する必要があります。

まとめ

カレーを食べる女の子

作り置きするのにも便利で、忙しい人にとってカレーは理想的なメニューです。ただ保存方法を間違うと、食中毒を引き起こす可能性があることを忘れてはいけません。

夏はもちろん冬も常温保存はなるべく避け、急速にカレーを冷まして冷蔵・冷凍保存することが賢明です。また再加熱する時も、カレー全体に火が行き届くように混ぜることで食中毒は予防出来ます。

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