目次
メロンの旬の時期と主な産地
せっかくメロンを食べるなら、メロンが一番多く出回る旬の時期を狙うといいでしょう。メロンの旬の時期と主な産地についてまとめました。
美味しい時期は夏
露地物のメロンは、5~7月の暖かい時期にもっとも収穫量が多くなります。旬のメロンは甘みが強く、若干安く購入できる、といったメリットがあります。
ガラス温室やビニールハウスで栽培されるメロンには、とくに旬はありません。通年安定した味のメロンが出回っています。
《 ポイント 》
- 露地物のメロンの旬は5~7月
- 旬のメロンは甘くて値段も安い!
- 温室メロン・ハウスメロンにはとくに旬はなく、通年収穫できる
産地と輸入先
メロンといえば北海道の夕張メロンをイメージする方も多いかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか。
メロンの主な産地と輸入先について、詳しく見てみましょう。
メロンの主な産地
- 露地栽培のメロン:茨城、北海道、熊本、山形
- 温室栽培のメロン:静岡、愛知、茨城
茨城県は、露地メロン・温室メロンともに、もっとも収穫量が多い県です。温室メロンは、静岡県で栽培される高級メロンが有名です。
メロンの主な輸入先
- メキシコ
- アメリカ
輸入メロンの60%以上はメキシコ産です。冬場など、日本での出荷量が少ない時期に、輸入メロンが多く店頭に並びます。
《 ポイント 》
- 露地メロンの主な産地は茨城、温室メロンの主な産地は静岡
- メロンの主な輸入先はメキシコ
メロンの旬や特徴は品種によって異なる
メロンには、皮の表面に網目模様のある品種(ネット系メロン)や、皮がスイカのようにつるんとした品種(ノーネット系メロン)、両方を掛け合わせた品種があります。
とくにポピュラーなメロンを6種類ピックアップし、それぞれの旬や特徴について解説します。
アールスフェボリット(マスクメロン)
アールスフェボリットとは、マスクメロンの正式名称です。表面の白い網目模様が特徴的な、温室メロンの代表格です。
アールスフェボリットの詳細
- 旬:通年
- 主な産地:静岡
- 栽培方法:温室栽培
- 果肉の色:薄い黄緑
アールスフェボリットは品のある香りと甘さ、ジューシーな食感で、不動の人気の高級メロンです。
静岡県の特産品である超高級メロンの「クラウンメロン」は、アールスフェボリット種です。手間暇かけて育てられており、高価格で味も極上です。
《 ポイント 》
- アールスフェボリットはマスクメロンのこと
- アールスフェボリットは通年食べられる
アンデスメロン
アンデスメロンは、種苗会社であるサカタのタネにより交配&開発されたネット系メロンです。ハウス栽培がメインの、庶民派メロンです。
アンデスメロンの詳細
- 旬:通年
- 主な産地:茨城
- 栽培方法:ハウス栽培
- 果肉の色:薄い黄緑
アンデスメロンはアールスフェボリットとよく似た形状をしており、小ぶりで細かい網目模様が特徴。香り&甘さが強いので味もよく、開発されて以降長い間人気のあるメロンです。
《 ポイント 》
- アンデスメロンは通年食べられる
- 手頃な価格&美味しいので人気!
アムスメロン
アムスメロンは、「アールスフェボリット」と「ロッキーフォード」という品種から生まれた母と、「オーゲン」という品種の父から生まれたネット系メロンです。「オーゲン」はオランダの品種なので、オランダの地名「アムステルダム」が由来となり「アムスメロン」と呼ばれています。
アムスメロンの詳細
- 旬:通年
- 主な産地:千葉県、島根県など多数
- 栽培方法:ハウス栽培
- 果肉の色:淡い緑
アムスメロンは、スイカとメロンがミックスされたようなユニークな見た目が特徴です。全国各地で栽培されていますが、基本は温室栽培のため通年美味しくいただけます。ただ5月~7月に収穫されるので、6月頃が旬とも言われているようです。果汁が多くジューシーなので、夏のメロンスイーツやメロンドリンクといったレシピが人気です。
《 ポイント 》
- アムスメロンは通年食べられる
- ジューシーなのでスイーツやドリンクに最適
夕張メロン
北海道夕張市で開発された、果肉がオレンジ色の大きめサイズのネット系メロンです。味も香りもクオリティが高く、北海道の特産品としても有名です。網目模様は、アールスフェボリットよりも細かめです。
夕張メロンの詳細
- 旬・・・6月下旬頃から8月上旬
- 主な産地・・・北海道
- 栽培方法・・・ハウス栽培、露地栽培(トンネル栽培)
- 果肉の色・・・オレンジ
夕張メロンは、出荷時に厳しい検査がおこなわれます。価格は高めですが、味がよくとてもジューシー。一度は食べる価値のある、高級メロンです。
《 ポイント 》
- 夕張メロンは超高級で味も極上
クインシーメロン
クインシーメロンは夕張メロンと同じく、果肉がオレンジ色のネット系メロンです。比較的手ごろな価格ですが、独特の甘みがあり果汁たっぷりでおいしいです。
クインシーメロンの詳細
- 旬:5月頃から8月頃
- 主な産地:熊本、茨城
- 栽培方法:ハウス栽培、露地栽培
- 果肉の色:オレンジ
高級メロンではありませんが糖度が高く、クインシーメロンにしかない美味しさが魅力です。
《 ポイント 》
- クインシーメロンは見た目と味が夕張メロンに似ているが、値段が安い
プリンスメロン
プリンスメロンは、サカタのタネによるマクワウリ種とマスクメロン種の交配で誕生しました。皮に網目模様のない、ノーネット系メロンです。
《プリンスメロンの詳細》
- 旬:5月頃から6月頃(最盛期は5月)
- 主な産地:熊本
- 栽培方法:露地栽培(トンネル栽培)
- 果肉の色:薄い黄緑と淡いオレンジ
プリンスメロンが販売された当初と比べると、出荷量は減少傾向にあります。香りは少なめですが、甘くて果汁もたっぷりです。
《 ポイント 》
- プリンスメロンは美味しいが、最近はあまり出回っていない
ハネジューメロン
ハネジューメロンは楕円形で、乳白色のきめ細かな皮が美しいノーネット系のメロンです。輸入品がほとんどで、通年出回っています。価格がとても安いので、気軽に買うことのできるメロンです。
《ハネジューメロンの詳細》
- 旬:通年
- 主な産地:メキシコ、アメリカ
- 栽培方法:露地栽培
- 果肉の色:薄い黄緑、薄いオレンジ
さっぱりとした甘みがあり、固めの食感です。国産のメロンと比べると、多少風味が劣ります。
《 ポイント 》
- ハネジューメロンは輸入品がほとんど
- 価格は安いが味が劣る
パパイヤメロン
パパイヤメロンとは、その名の通りパパイヤのような形状をしたノーネット系メロンです。長崎を始め主に九州地方で栽培されますが、最近では千葉や茨城でも栽培されています。スペインの「ピエール・デ・サポ」という品種と、南アジアの「マクワウリ」の交配種なので、南欧系メロンとしても親しまれています。
《パパイヤメロンの詳細》
- 旬:4月~5月頃
- 主な産地:長崎県
- 栽培方法:露地栽培
- 果肉の色:白
しゃくしゃくっと歯ごたえを楽しめる食感で、すっきりとした甘みが特徴です。さわやかな後味なので、生ハムと合わせたサラダレシピなどにも人気です。ただし流通する数が非常に少なく、店頭で見かけることはほとんどありません。食べたいときには通販などを利用しましょう。
《 ポイント 》
- すっきりとさわやかな味わい
- 流通数が少ないので通販での購入が安心
旬のメロンの選び方
旬のメロンを購入するときに、なるべく美味しいものを選びたいですよね。メロンを選ぶときには、以下のポイントを参考にしてみてください。
ネット系メロンの選び方のポイント
- 皮表面の網の目の線が細くて膨らみがある
- 表面にキズがない
- バランスのとれた丸い形状
- ずっしりとした重量感
ノーネット系メロンの選び方のポイント
- 皮表面にキズがなくなめらか
- バランスのとれた丸い形状
- ずっしりとした重量感
購入の際には上記のポイントを押さえたうえで、適度な固さのあるメロンを選びましょう。柔らかいメロンは、熟しすぎている可能性があります。
《 ポイント 》
- メロンを選ぶときの基本は、バランスのいい丸みと重量感!
- ネット系メロンは、網目の線が細く膨らみがあるとgood
完熟メロンの見分け方と追熟方法
メロンをカットするタイミングを間違えると、甘さが足りなかったり熟れすぎていたりして、美味しく食べることができません。
ここで紹介する完熟メロンの見分け方と追熟(ついじゅく)方法を参考にして、できる限り美味しい状態でメロンを食べてくださいね。
完熟メロンの見分け方
メロンはまだ固いうちに収穫され、収穫日から日が経ってようやく熟します。完熟したメロンの特徴は、以下のとおりです。
- お尻(下部)付近を押すと少し柔らかい
- ふんわりと甘い香りがする
- 皮の色が黄色っぽくなっている
- 軽く叩いたときに、高音ではなく低温の鈍い音がする
つるが付いているメロンは、つるが先端にいくにつれてヒョロっと枯れた状態になっていれば、完熟のサインです。
《 ポイント 》
- お尻部分が柔らかく、甘い香りが漂ってきたら完熟した証拠!
追熟のためには常温で保存する
メロンは収穫後に追熟期間を経て、グッと美味しくなります。上手に追熟させるポイントは以下の3つです。
《メロンを追熟させるポイント》
- 20~25℃の冷暗所に置く
- 直射日光を当てない
- 完熟するまでは冷蔵庫に入れない
まだ熟していないメロンを冷蔵庫で冷やすと、追熟が止まり甘みが増しません。そのまま傷んでしまうので、完熟前のメロンは冷蔵庫に入れないようにしましょう。
《 ポイント 》
- メロンを完熟させるには、冷蔵庫に入れずに常温でじっくり追熟させる
食べ頃のメロンは冷蔵保存で2~3日で食べる
完熟したメロンは半分に切って種を取り、好みのサイズに切り分けて早めに食べましょう。
食べきれない分はラップをかぶせて冷蔵庫に入れ、2~3日以内に食べきるようにしてください。完熟したメロンを冷蔵庫に入れたままにしておくと、発酵が進み風味が落ちるので、注意してくださいね。
《 ポイント 》
- 完熟したメロンはすぐにカットして早めに食べないと発酵してしまう
メロンを冷凍保存する方法
せっかくメロンを入手したのに食べきれない…といった場合には、冷凍保存がおすすめです。
次に紹介する方法で冷凍すれば、そこまで味を落とさずに長期の保存ができ、美味しいデザートとして楽しめます。
- メロンを半分に切り、スプーンで種を取り除く
- 1を4~5等分に切り、皮と実を切り離す
- 食べやすいサイズに切り、アルミのバットにのせて急速冷凍する
- 凍ったメロンを、空気が入らないようにジッパー付きのフリーザーパックに入れ、冷凍保存する
冷凍メロンの保存期間は、約2ヵ月。冷凍メロンを使って、いろいろなデザートが作れます。
冷凍メロンの使い方
- そのまま食べる:半解凍にしてシャーベットのようにする
- スムージーにする:牛乳とヨーグルト、砂糖などと一緒に凍ったままのメロンをミキサーにかける
- かき氷にする:かき氷器に冷凍メロンを入れて、メロンかき氷を作る(お好みで練乳をかける)
冷凍メロンを完全に解凍するとべチャッとしてしまうので、半解凍で止めてください。かき氷器を使ったシャリシャリのメロンかき氷は、絶品です。
《 ポイント 》
- メロンは冷凍すれば約2ヵ月保存できる
- 冷凍メロンは完全に解凍しないほうが美味しい!
メロンに関するQ&A
メロンに関するよくある疑問について回答します。
A.メロンは大きいので、冷えるまでに時間がかかります。食べる3時間ぐらい前に、冷蔵庫に入れましょう。
A.メロンの主な栄養素は糖分とカリウムです。また、ペクチン(食物繊維)やククミシン(タンパク質分解酵素)も多く含みます。果実がオレンジ色の夕張メロンなどには、カロテンがたっぷり含まれています。
A.体内の余分な塩分を体外に出す働きがあり、血圧を下げる効果が期待できます。温室栽培のメロンにはGAVAが多く含まれるので、とくに高血圧の方におすすめです。
またメロンを食べることで体温が下がるので、夏場に食べると夏バテ予防に効果的です。さらにオレンジ色の果実に多く含まれるβ-カロチンには、目や皮膚、髪の毛や粘膜を保護する働きがあります。メロンは美味しいだけでなく、健康維持にも役立つ優秀なフルーツなのです。
《 ポイント 》
- メロンは食べる3時間前に冷凍しておく
- メロンはカリウムや食物繊維たっぷりの健康フルーツ!
- 高血圧の方にはメロンがおすすめ!
最後に
メロンは高級なので、なかなか気軽に買えませんよね。しかし旬の時期なら、いつもよりお得な値段で味のいいメロンを手に入れることができます。メロンは美味しいだけでなく体にもいいので、旬の時期に自分へのご褒美として購入してみてはいかがでしょうか。旬のメロンを贈り物にするのもおすすめです。きっと喜んでもらえるはずですよ!