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石油ファンヒーターの電気代と平均料金
石油ファンヒーターの消費電力は、点火の時と燃焼の時で異なり、燃焼している時の電力も強弱によって変わってきます。
10畳ファンヒーターの場合、点火の時が最大で約390W、燃焼の最も電力の大きい時で約130W、少ない時で約60Wです。ただ、点火は点けたときの数分なので、燃焼の時のおおよその平均の100Wが、石油ファンヒーターの平均火力として良いでしょう。
1日の使用電力が100Wとして計算した場合
石油ファンヒーターの使用電力が100W、使用時間を8時間とした場合の電気代計算式は下記となります。(電気代単価は公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が定める電気代単価目安31円/kwhと仮定して計算します。)
100W ÷ 1000(kwh換算)× 8時間 × 31円 = 24.8円
24.8円 × 30日 = 744円
その他の暖房器具を比較
上記で石油ファンヒーターの電気代を算出しましたが、電気代の相場として高いか低いかは判断しにくいはず。ここでは他暖房器具と石油ファンヒーターの電気代を比較します。
ハロゲンヒーター
電気ストーブの一種のハロゲンヒーターは遠赤外線ヒーターで、遠赤外線を発生させ放出することで暖かくなる暖房器具です。部屋全体を暖めるのは苦手ですが、部分的な暖房には最適な暖房器具といえます。
消費電力の目安は、弱の運転で500W、強の運転で1,000W程度となります。
石油ファンヒーターと比較すると弱運転であっても消費電力量はハロゲンヒーターの方が上。当然、発生する電気代もハロゲンヒーターの方が高くなります。特に強運転時は石油ファンヒーターの10倍近く電気代が発生してしまいます。
ただし、ハロゲンヒーターの方が高いのは、あくまでも電気代だけの話。石油ファンヒーターは使用に灯油が必要となります。灯油の価格はその時期や世界情勢によっても大きく左右され高騰することも珍しくありません。
電気代だけで考えるのであれば石油ファンヒーターの方がお得ですが、灯油の使用量と価格を考慮すると一概には優劣を決められません。
具体的なハロゲンヒーターを弱運転・強運転した場合の電気代は、それぞれ下記となります。
1日の使用電力が弱運転500Wとして計算した場合
500W ÷ 1000(kwh換算) × 8時間 × 31円 = 124円
124円 × 30日 = 3,720円
1日の使用電力が強運転1000Wとして計算した場合
1000W ÷ 1000 × 8時間 × 31円 = 248円
248円 × 30日 = 7,440円
オイルヒーター
フィンの付いた密閉されたパネルの中にあるオイルが、部屋全体をむら無く暖め、オイル交換も補充も必要ない暖房器具です。室内の空気を汚さずに暖められるのがメリットです。
石油ファンヒーターとオイルヒーターの電気代を比較すると、電気代はオイルヒーターの方が上です。ただし、石油ファンヒーターには灯油も併せて使用しなければなりませんがオイルヒーターは灯油を必要としません。
灯油料金を加味すると、弱運転で稼働させるのであればオイルヒーターの方がトータル的に安くしやすいです。ただし、強運転の場合は、灯油料金含めた石油ファンヒーターよりも割高になる可能性が高いです。
オイルヒーターで使う電力は、弱の運転で600W、強の運転で1,200W程度です。
1日の使用電力が弱運転600Wとして計算した場合
600W ÷ 1000 × 8時間 × 31円 = 148.8円
148.8円 × 30日 = 4,464円
1日の使用電力が強運転1200Wとして計算した場合
1200W ÷ 1000 × 8時間 × 31円 = 297.6円
297.6円 × 30日 = 8,928円
セラミックファンヒーター
セラミックファンヒーターは、アルミニウムなどに電気をながし、特殊加工のセラミックが発熱して、温風を出す暖房器具です。電気ファンヒーターとも呼ばれ、スイッチを押すと温風が出るようになっています。
セラミックファンヒーターの電力は、弱の運転で600W、強の運転で1,200W程度。商品にもよりますが、オイルヒーターとほぼ同じ消費電力となります。
そのため、弱運転であれば石油ファンヒーターよりもトータルの料金は安くしやすいです。その一方で強運転し続けると、灯油料金含めた石油ファンヒーターよりも割高になりやすいです。
1日の使用電力が弱運転600Wとして計算した場合
600W ÷ 1000 × 8時間 × 31円 = 148.8円
148.8円 × 30日 = 4,464円
1日の使用電力が強運転1200Wとして計算した場合
1200W ÷ 1000 × 8時間 × 31円 = 297.6円
297.6円 × 30日 = 8,928円
エアコン
エアコンは電源を入れる時と、温度が落ち着いているときの使う電力が大きく変わります。また、住む地域の季節ごとの天候や気温などによっても異なります。
石油ファンヒーターと比較すると、エアコンの方が電気代が高くつきます。ただし、石油ファンヒーターには電気代と別途で灯油料金がかかります。灯油の使用量や価格は地域によって差があるため、どちらが絶対にお得かは一概に言えません。
しかし、仮に灯油に使う1ヶ月の料金が6,000円前後で済むのであれば、エアコンより石油ファンヒーターの方が低コストといえます。
具体的な電気代を平均の約1000Wと仮定して計算します。
1日の使用電力が運転1000Wとして計算した場合
1000W ÷ 1000 × 8時間 × 31円 = 248円
248円 × 30日 = 7,440円
ただし、エアコンの消費電力は起動時に最も多く発生します。そのため、こまめにつけたり消したりを繰り返すと逆に電気代がかさむ恐れがあります。
1~2時間以上外出するときは消した方が好ましいですが、自宅にいるときは弱運転・20℃くらいの温度設定で点けっぱなしにした方が節約としては効果が見込めます。
比較まとめ
1日8時間の消費電力 | 1ヶ月の消費電力 | |
石油ファンヒーター | 24.8円 | 744円 |
ハロゲンヒーター | 124円(弱) | 3,720円(弱) |
248円(強) | 7,440円(強) | |
オイルヒーター | 148.8円(弱) | 4,440円(弱) |
297.6円(強) | 8,928円(強) | |
セラミックファンヒーター | 148.8円(弱) | 4,440円(弱) |
297.6円(強) | 8,928円(強) | |
エアコン | 248円 | 7,440円 |
電気代だけで見れば、最も安いのは石油ファンヒーターですが、灯油代が別途かかります。
最も高いのは、オイルヒーターやセラミックファンヒーターを強で使用した場合ですが、使い方によって電気代は変わってきます。
経済的には、それぞれのヒーターを弱で設定する使い方や、最初は石油ファンヒーターで暖めその後エアコンに切り替えるなど併用した使い方が好ましいです。
石油ファンヒーターは灯油代もかかる
石油ファンヒーターは、本体の内部で灯油を燃焼させた熱を、送風ファンによって温風がでる暖房器具です。
熱源は灯油を使いますが、送風ファンや動作制御などのためには、電気も使用するので、石油ファンヒーターは電気代と灯油代とどちらも必要になります。
灯油代は地域の温度によって変わりますが、1リットル140円とします。1日8時間使用したときの灯油の量は平均1.44リットル前後なので、1日にかかる灯油代は201.6円。1ヶ月の灯油代は6,048円です。そこへ1ヶ月平均約648円の電気代が加算されますので、合計すると約6,696円となります。
140円 × 1.44リットル = 201.6円
201.6円 × 30日 = 6,048円
648円(電気代) + 6,048円(灯油代) =6,696円
料金を節約する方法
どれだけお得な暖房機器を使用したとしても、何も考えずに長時間使い続けると電気代や灯油料金が大きく膨らんでしまいます。そのため、空間を温めつつも最小限の使用で済むように工夫することが重要となります。
窓からの冷気を遮断する
外からの冷気を遮断して、室内の温かな空気が外に漏れないように窓をしっかりと閉めておきましょう。ただし、定期的な換気は忘れずに行ってください。
また、厚手のカーテンをつけたり、窓に断熱シートを貼るのも効果的です。隙間風が気になる場合は、専用の隙間テープを貼って風が入ってこないようにします。
定期的に掃除をする
こまめに掃除をすると、暖房効率も上がって、月々の電気代も抑えられるようになります。
石油ファンヒーターは周りの空気を取り入れて燃焼しているため、周辺のホコリを吸い込みやすくなっています。背面のフィルターにホコリがつきやすいので、定期的に掃除をしましょう。
省エネセンサーやタイマーを使う
省エネセンサーやタイマー機能がついていれば、それらを併用して、無駄に使いすぎないような工夫もしてみましょう。
温度を上げすぎない
寒さ対策は室温を上げることだけではありません。温度を上げて室内を暖めすぎると、当然電力を消費し電気代もあがります。
室内でもマフラーやレッグウォーマー、厚手の靴下などの防寒アイテムを身に着けたり、ショウガなど体を温めてくれる食材を取り入れたりしてみましょう。適度な運動も体全体や手足を温めてくれます。
電気代が安いおすすめの石油ファンヒーター
コロナ 石油ファンヒーター WZシリーズ FH-WZ3617BY
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B074SCJFQR/
寒い時でも秒速タイマー、秒速点火機能がついているので、すぐに点火でき、省エネセンサー付きのため電気代の節約にもなります。明るいカラーでおしゃれなエレガントホワイトとアーバンブラウンの2色あるので、お部屋のインテリアに合わせて選ぶことができます。
ダイニチ 家庭用石油ファンヒーター FW-3218S-S
出典:https://www.amazon.co.jp/dp/B07GTFHX75/
給油汚れんキャップはグリップが付いているので、回しやすく手が汚れにくくなっています。温度設定で部屋の温度が安定したら、ひかえめ運転をすれば電気代の節約になります。最初サイズといってもよいくらいのコンパクトなサイズも魅力です。
まとめ
石油ファンヒーターは電気代だけでは、他の暖房器具と比較すると圧倒的に電気料金はかかりません。しかし灯油が必須になるため、灯油代を加えると月々にかかる料金は、他の暖房器具と大きな違いはないのですね。電気料金を節約する方法と併用しながら、少しでも電気代を抑え、暖かく過ごしたいですね。