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切り花を長持ちさせるにはハイターが有効?
切り花を長持ちさせるには「水」と「栄養」
切り花にとって一番大切なのは清潔な水です。切り花を長持ちさせるには水を腐らせないことと栄養を与えることにつきます。
毎日水替えをするときに花びんを洗って清潔にすること、そしてその度に水切りをして茎の切り口をきれいにして、花のすみずみまで新鮮な水が行き渡るようにしてあげましょう。
切り花を生ける場合、気温が高かったりすると花びんの水にバクテリアがどんどん増えてしまいます。バクテリアが増殖して汚れた水を切り花が吸うと、茎の中にある管が汚れで詰まって水を吸収できなくなってしまうのです。
切り花には根っこがないので、管が詰まってしまっては大変です。そのためにも、バクテリアが増える前に水を交換し、花びんの汚れも洗って常にきれいにしておかなくてはいけません。
毎日そんなことをしている時間がない!という方にとって心強いのが、皆さんご存じのハイターなのです。
キッチンハイターを入れると切り花を長持ちさせられる
キッチンハイターといえば、汚れたタオルの漂白や除菌、多くの家庭でキッチンやトイレなどで使われている塩素系漂白剤です。
キッチンハイターもハイターも、塩素系の漂白剤という共通点がありますが、キッチンハイターに入っている界面活性剤という洗浄成分がハイターには入っていません。
界面活性剤には、「エチレン」という花を老化させるホルモンの発生を抑えてくれるので、切り花を長持ちさせるには、界面活性剤の入ったキッチンハイターを選ぶのがよいでしょう。
もちろんハイターにも除菌効果があるため、キッチンハイターよりやや劣るものの花を長持ちさせるのに十分な効果は得られますよ。
別の塩素系漂白剤でも代用できる
ご自宅にある塩素系漂白剤が、「ハイター」や「キッチンハイター」でなくても大丈夫です!ハイターは漂白剤の中のひとつの商品名として有名ですが、「ブリーチ」など他のメーカーの漂白剤でも同じ除菌効果がありますのでご安心を!
《 ポイント 》
- 切り花を長持ちさせるのに一番大切なのは清潔な水
- バクテリアが増殖する前に水を交換し花びんに付着している汚れも洗っておく
- キッチンハイターを花びんの水に混ぜるとバクテリアの繁殖を抑えてくれる
- 切り花を長持ちさせるには、ハイターよりもキッチンハイターのほうがおすすめ
- 「ブリーチ」など他のメーカーの漂白剤でも同じ除菌効果がある
切り花を長持ちさせるハイターの使い方
お花は手をかけた分だけ、長くきれいに咲かせることができます。では実際に、切り花の水にハイターを注いだら、どれくらい長持ちするのでしょうか?
切り花を長持ちさせるためのハイターの使い方について詳しく解説しましょう。
ハイターの目安
花びんにほんの数滴、具体的には花びんの中の水200~300mlに対して、ハイター1滴の割合で入れます。たった一滴でもハイターには除菌効果があるため、水が腐りにくくなるのです。長持ちさせたいからとハイターを入れ過ぎると、逆に切り花が傷み長持ちしません。
ハイターは、そのままでは少量を入れることが難しいので、入れ過ぎを防ぐためにも出る量を調整できるボトルに詰め替えるか、スポイトを使って一滴ずつ入れるようにしましょう。
水は水道水がよい
花びん入れる水は、ミネラルウォーターや、浄水器を通した水道水などではなく、残留塩素が含まれている水道水にしましょう。水道水に含まれているカルキには飲んでも体に害がない程度の殺菌効果があるので、花を生けるには水道水が適しているというわけです。
延命剤の代わりに水に砂糖を入れる
花や植物は生長するのに糖分を主なエネルギーとしているので、花がすぐに劣化したり、つぼみが開かないまま枯れた場合、考えられる理由のひとつに栄養不足があります。だとすると、砂糖を水に入れることでエネルギー補給になり、切り花をきれいに咲かせることが期待できます。
では、花に補給する延命剤の代わりに砂糖を使う方法をご紹介します。花びんに入れる砂糖の量は、ほんの少量です。ハイターを一滴入れた水200mlに、小さじ1杯程度の砂糖を加えて溶かしましょう。切り花に砂糖を与えるということは、微生物にとっても最適な栄養源となるため、バクテリアが発生しやすくなり水が汚れてしまいます。
そのため砂糖を使うときには、花びんと水を清潔に保つこと、1日1回の水替え、そして先にご紹介したキッチンハイターを一滴加えることを心がけるようにしましょう。
《 ポイント 》
- 花びんの中の水200~300mlに対して、ハイター1滴が目安
- 花を生けるにはミネラルウォーターではなく水道水が適している
- ハイターを一滴入れた水200mlに小さじ2分の1の砂糖を加える
- 砂糖を入れるとバクテリアが発生しやすくなり水が汚れてしまう
ハイターで切り花を長持ちさせるときの注意点
ハイターの入れすぎには注意
ハイターを入れすぎると、切り花が長持ちしないどころか傷んで枯れてしまうため、入れすぎないように注意してください。
ハイターを使う場合でも清潔な水に入れ替える
切り花を長持ちさせるためには清潔な花びんを使いますが、長い間使わずにしまい込んでいた花びんでも、毎日使っている花びんでも、最初だけでなく水を替える度に洗剤で洗うのが理想的です。
花びんの口が細くてスポンジが入らない場合は、泡タイプの台所用漂白剤をスプレーしてみましょう。5分ほど置いてからしっかり洗い流すと、しっかり除菌できますよ。
花瓶に入れる水の量にも注意
花を生ける時の水の量も大切なポイントになります。切り花の茎は浸かっている部分が多ければ多いほど水が汚れやすくなるため、水の量は少なめが基本です。
茎の切り口がしっかり浸かっている量であればOKですが、暑い季節や花の数が多い場合は水の減りが早いのでちょっと多めに入れておいた方が良さそうです。
直射日光の当たらない風通しの良いところに置く
切り花を直射日光に当てるのはNGです。それはハイターを加えた花びんを置く場所でも同じで、気温が高いと水分の蒸発が早まりダメージを受けるので、風通しの良い明るい日陰に置くのがベストです。急激な温度変化やエアコンの風が当たる場所も避けるようにしましょう。
《 ポイント 》
- ハイターを入れすぎると、切り花が傷んで枯れてしまう
- 花びんは水を替える度に洗剤で洗うのが理想的
- 茎の切り口がしっかり浸かっている量であれば水は少なめでOK
- 風通しの良い明るい日陰に置くのがベスト
切り花を長持ちさせるにはハイター以外にも10円玉も効果的?
10円玉は花びんの中の水を殺菌する効果がある
花びんの中に10円玉が入れられているのを見たことはありませんか?
10円玉から出る微量の銅イオンには、花びんの中の水を殺菌してくれる効果があり、水を汚れにくくするのに役立ちます。酸化した黒っぽい10円玉より、ピカピカの10円硬貨を入れる方が溶けだす銅イオンの量が多くなります。
ただし、ほんの数枚の10円玉を花びんに入れただけでは溶けだす銅が少なすぎて、期待するほどの効果は得られないでしょう。10円玉を数枚入れるより、毎日こまめに新しい水に替えるほうが効果的ですよ。
砂糖の代わりにサイダーを入れても効果が期待できる
炭酸ガスには抗菌作用があるので、水の濁りを遅らせるのに役立ちます。
また、サイダーに含まれている果糖ブドウ糖液糖は粒子が細かく、茎の管から栄養になる等分を吸い上げやすいため、砂糖よりも切り花を長持ちさせる効果が期待できます。
サイダーのふたを開けた瞬間に「シュワッ」と音がしますよね?炭酸の刺激が切り花にダメージを与える可能性もあるので、このシュワシュワ感が落ち着くまで少々待って、炭酸がある程度抜けてから使いましょう。
200mlの水に対して40~50mlほどサイダーを混ぜます。サイダーには糖分が入っているため水が汚れやすいので、ハイターと併用しながら水替えと水切りの手入れを忘れないようにしてくださいね。
切り花延命剤には長持ちさせる成分が詰まっている
花束をもらった時に、小袋に入った「切り花延命剤」が付いていることがありますよね。切り花延命剤には、花に栄養を与える成分、水を汚れにくくする殺菌成分、水を吸い上げる力になる界面活性剤など、長持ちするのに必要な成分が含まれています。
切り花延命剤があれば、ハイターや砂糖、サイダーを入れる必要はありません。使い方はとっても簡単で、決められた分量を花びんの水に混ぜるだけです。
ただし、延命剤を入れたからといって水替えをしなくていいわけではなく、気温の高い時期に限らず毎日水を交換するに越したことはありません。
また、切り花に付いてきた小袋の切り花延命剤は1回分なので、翌日の水替えのタイミングでハイターや砂糖などを使うと良いでしょう。毎日、切り花を飾りたいのなら、ボトルタイプの延命剤を用意しておくと便利ですよ。
《 ポイント 》
- 10円玉から出る微量の銅イオンには、花びんの水を殺菌してくれる効果がある
- 酸化した黒っぽい10円玉より、ピカピカの10円硬貨の方が銅イオンの量が多い
- サイダーの炭酸ガスには抗菌作用、果糖ブドウ糖液糖は栄養になる
- 切り花延命剤には栄養、殺菌成分、界面活性剤など切り花に必要な成分が含まれている
最後に
切り花を長持ちさせるハイターの使い方についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
ハイターなどの塩素系漂白剤は除菌効果が高いので、雑菌の繁殖を防ぎきれいな状態をキープしてくれます。頻繁に水替えができないときにほんのちょっと加えるだけで、花びんの中のバクテリアや雑菌を抑えてくれるのですが、入れすぎると花が傷んでしまうので、使用するハイターの量に気をつけて上手に活用してくださいね!
また、花を元気に長持ちさせるために、わざわざ切り花延命剤を準備しなくても、砂糖やサイダーに含まれている果糖ブドウ糖液糖などで代用し、栄養を補充してあげることもできます。
この機会に水をこまめに取り替えたり、キッチンハイターなどの塩素系漂白剤を活用したりして、花のある暮らしを楽しんでみてはいかがでしょうか!