“育休”新愛称「育業」を発表 主婦はどう思ってる?意見をまとめてみた

赤ちゃんの足

育休の取得は、現代の日本では非常に難しいものといえます。育休を取ってしまうと、会社の人から冷たい視線を向けられてしまうという立場の人も少なくありません。そこで打ち出されたのが、「育休」の愛称を「育業」に変更するという案。名称の変化を、主婦たちはどのようにとらえているのでしょうか。

“育休”に代わる新しい愛称「育業」

赤ちゃんとお父さん

育休という言葉を聞くと、育児に専念するために休むという印象を持つ人は少なくありません。しかし、実際に育休を取って育児に取り組むと、休む間はほとんどありません。赤ちゃんにつきっきりで、気が休まらない状態が続くのが乳児を育てるということなのです。

小池都知事は、「育児は決して休みではない」とし、育休に代わる新たな愛称を募集しました。そこで選ばれたのが、「育業」です。育業の選出理由を、業という字の意味を解説しつつ、「子どもを育てるにはチームワークが不可欠」としました。

育業をすることを、胸を張って言えるような社会を目指す抱負を抱えていると宣言しています。育業という言葉について、主婦たちはどのような意見を持っているのでしょうか。

「育業」に対する賛否の声

考える夫婦

「育業」という愛称について、主婦からは賛否の声が出ています。

新たな名称に賛成する声

「育休」というと、休むという字を使っているので取りづらく、取ったとしても会社の人に後ろめたさを感じやすいものです。また、育休を取った父親が、休みという字に甘えてしまい、育児に参加せず休みを満喫してしまうというケースもあります。

新しい名称に変更することで、育児に専念する期間を取得しやすくなっていたり、男性が育児参加に対して積極的な姿勢になるのであれば、愛称の変更はよいことという意見が寄せられています。

【主婦の声】

30代女性・既婚/会社員(大阪府)
「確かに、育児で仕事を休むということは、有休みたいな感じで無意識で捉えかねないのでネーミングを変えることは良いと思う。 育休を取るに当たってどういう心構えでいたらいいのか、先輩パパなどの講演を聞くことが必修などがあれば良いのになと思った。」

50代女性・既婚/自営業(京都府)
「子育てにふさわしいネーミング」

育児に対する印象から、反対という意見も

「育休」という言葉が浸透しているからこそ、新しい愛称の「育業」は浸透していくのに時間がかかってしまうかもしれません。それだけではなく、親しみにくさや浸透しにくいのではという声も上がっています。

中でも多かったのが、育児に「業」という感じを使うことへの違和感に対するコメントです。育児は仕事ではないし、母親だけが背負うものでもありません。子どもを育てることに対して、業務のような印象を持ってしまう可能性があるという声もあります。

【主婦の声】

30代女性・既婚/会社員(正社員)(神奈川県)
「意味がわからない。名前を変えたって意味がないし、育児は仕事ではない。」

30代女性・既婚/専業主婦(愛知県)
「今まで母親は業務だと思ってやっていないので、業の言葉を付けることはやめてほしい。」

問題を指摘する声が多数

考える女性

育業や育休についての問題点を指摘する声は、非常に多かったです。

「育業」という名称に対する疑問の声

「育休」を「育業」に変更すると発表がありましたが、仕事を休んで育児に専念するという内容はほとんど変わっていません。名前を変えても中身が変わらないのであれば、大きな発展は望みにくい可能性があります。

名前を変えるのであれば、今までになかったメリットをつけてほしいという意見が上がっていました。今まで通りの育休であれば、名前が変わっても取得が困難である可能性が高いです。

名前ではなく、他の問題点に着手して解決の糸口を見つけることの方が、育休が浸透するためには重要なことなのかもしれません。

【主婦の声】

50代女性・既婚/専業主婦(富山県)
「どーして育休から育業に名称を変えて胸を張って言えるようにになるのか よくわからない」

40代女性・既婚/専業主婦(千葉県)
「言い方の問題ではないと思います。」

名称ではなく、今現在の育休制度に問題があるという意見

女性であれば、職場も育休を取るのは致し方ないと思い、育休が取得できることが多いものです。しかし、いつまで休むのか、復帰はいつなのかなど、これからお産を控えている女性の負担になるようなことを言う人は少なくありません。

男性が育休を取得するとなると、女性よりも取得が難しく、職場環境がよくないと圧力をかけられてしまうことも多々あります。愛称を変更するのではなく、育休制度を整え、誰でも取得できるような整備を行う必要があります。

【主婦の声】

30代女性・既婚/専業主婦(石川県)
「育休がそもそも浸透していないし取れないのに、名前だけ変えても意味が無いと思います。」

40代女性・既婚/会社員(千葉県)
「愛称云々ではなく、まずは職場での理解が大切。育休が取れても、大手でないと手が回らない人数が少ない職場もある。まずは公務員や大手から導入と言うよりは、小売業や中小企業等から導入するなりの新しいやり方をして指針を目指してほしい。」

子どもを産み育てにくい社会を変えるべきという意見

昨今の日本は、少子化が進み子どもの人数は年々減少しています。これには、収入の低さや子どもを産んだ女性の雇用問題、育休が取れないことによる母親のワンオペ育児などが深くかかわっているのは事実です。

こればかりは個人や会社の努力だけでは改善することが非常に難しく、収入を増やすための国の政策や育休を取りやすくする制度を設けることなどが重要になります。

国がすべきことは、名称の変更ではなく、法や制度の設備、子どもを安心して生み育てて育児中でも働ける環境を整えることなのかもしれません。

【主婦の声】

40代女性・既婚/会社員(契約・派遣社員)(愛知県)
「育児=仕事という考えはとってもいいと思いますが、これだけでは少子高齢化は止められないと思う。子供を産むと女性は働けなくなって、収入が途絶えて今うことが一番の問題だと思う。子供を産んでも国は何もしてくれないから、子供を産もうと思わない人が増えているんだと思う。」

育児に参加することは、仕事ではない

散歩する家族

育休を育業に変えたからといって、育児休業を取ることが簡単になるわけではありません。育休を取ることに対するリスクがあるのが、現状といえます。誰もが育児に積極的に参加するためには、育休を取得しやすくなる環境を整えることが重要です。

それだけでなく、業という感じを使うことにも違和感を持つ人もいます。育児は仕事ではありません。その点をしっかりと把握し、育児に専念できるための資格取得がもっと簡単になるよう願いつつ、今後の変化を見守っていきたいと思います。

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