目次
着火剤には3つのタイプがある
着火剤の種類によって捨て方も変わりますので、まずは着火剤にどのような種類があるのかを説明します。
着火剤には大きく分けて「ジェルタイプ」「固形タイプ」「パックタイプ」の3種類があります。それぞれのタイプで燃料や使用方法、燃焼時間などが異なるので、用途に合った着火剤を選びましょう。
初心者向けなら「固形タイプ」
固体着火剤は、木炭やおがくずの固まりを灯油や石油系パラフィンワックスなどの燃料にしみこませたものです。固形タイプによって使用する燃料の種類は異なります。
固形タイプの着火剤を使用する場合は、個々のブロックに分割し、グリルなどの中央にブロックを置きます。ブロックの上や周りに小さな炭や薪を置き、ライターやマッチで火をつけて、火が回るのを待ちます。
火をつけてから火が広がるまで少し時間がかかりますが、火の勢いが弱い場合はブロックを追加して火力を調整します。
固形タイプのメリットは、火の広がりがゆっくりなので、初心者でも比較的安全に使えることです。デメリットは、石油系燃料やパラフィンワックスを使用するタイプは煙が出たり、油臭くなったりすることです。
また、火をつけてから食材に火が通るまで時間がかかるので、急いで仕上げるのが難しいという点もあります。
固形タイプは乾燥に弱く、乾くと崩れてしまうので、開封後は必ず空気を抜いて、湿気がこもらないように保管しましょう。
一気に着火させるなら「ジェルタイプ」
ジェルタイプの着火剤の主成分はメチルアルコールです。このアルコールはジェル状でチューブに入っていますが、固形タイプに比べ危険です。
使い方は、炭や薪にジェルを塗り、ライターやマッチで火をつけます。ジェルタイプは固形タイプと違い、火をつけてからすぐに勢いよく広がり、火力が強いのも特徴です。
火力が強いため、火のそばでチューブを開けると爆発する可能性があります。危険ですので、十分な注意が必要です。
ジェルタイプのメリットは、チューブに入っているので量の調節がしやすいことと、火をつけたい場所にピンポイントでつけられるので、着火位置の確認がしやすいことです。また、持ち運びも簡単です。
デメリットは、火力が弱くても、後からジェルを追加することができないことです。火がついてからジェルを追加するのは大変危険で、ジェルの入ったチューブが燃えて爆発したり、大やけどを負ったりするケースも少なくありません。
ジェルタイプの主成分であるメチルアルコールは、高温で放置すると発火することがありますので、必ず火気や直射日光を避け、高温にならない冷暗所に保管しましょう。
メチルアルコールは、保管場所や保管条件に気をつければ、劣化することなく、長期間の保管が可能です。
小分けにするなら「パックタイプ」
バックタイプの着火剤は、ティーパックのような小さなパックに小分けされています。1パックにジェルや固形燃料が入っており、1パックずつ使い切りタイプです。
パックタイプのメリットは、火力調整の際にパックごとに燃料を追加できるため、ジェルタイプより安全性が高いことです。デメリットは、1パックずつ使用するため、燃料の調整ができないことです。
また、メチルアルコールを使用したものは、ジェルタイプと同様に、高温で保管すると発火する恐れがあるので、冷暗所で保管する必要があります。
《 ポイント 》
- 着火剤は大きく分けで「ジェルタイプ」「固形タイプ」「パックタイプ」の3種類。
- 固形タイプはゆっくり火が広がり食材に火が通るのまでに時間がかかる。
- ジェルタイプは火の広がりが早く火力が強い。
- パックタイプはジェルや固形燃料がパックに入っており1パックごとに使い切る。
着火剤を捨てるときの注意点
着火剤は1回または1シーズンで使い切ることが推奨されていますが、余ってしまうこともあります。着火剤は捨て方によっては発火して爆発する可能性があるので、正しい方法で処分することが大切です。
着火剤の捨て方の注意点
ジェルタイプの着火剤の主成分はメチルアルコールですが、扱い方によっては非常に危険です。
メチルアルコールはチューブの中で気化し、爆発性の混合ガスが溜まりやすく、チューブが爆発してしまうことがあります。また、火のそばや高温の場所で蓋を開けると爆発することもあり、危険です。
着火剤の捨て方は自治体によって違う
着火剤の捨て方は、都道府県や市区町村によって異なります。
ほとんどの場合、着火剤は燃えるゴミとして分別されますが、自治体によっては危険物として燃えるゴミに直接捨てることを禁止していたり、清掃センターや廃棄取扱い業者に処分を依頼しなければならないところもあります。また、着火剤専用のゴミ袋を用意している自治体もあります。
着火剤を捨てる際は、必ずお住まいの自治体にご確認ください。都道府県や市区町村の公式サイトにゴミの分別方法を説明したページがありますので、そこで確認するか、電話で教えてもらいましょう。
着火剤の捨て方
着火剤の捨て方として、着火剤のタイプ別にご説明します。
着火剤「ジェルタイプ」の捨て方
ゲルタイプはアルコールが主成分なので、そのまま捨てると破裂・爆発する恐れがあります。チューブが膨らんでいる場合は、ガスが溜まって圧力がかかっていますので、ガス抜きをする必要があります。
捨てる場所は、屋外の風通しが良く、直射日光の当たらない日陰(温度が低い場所)で行います。
〈用意するもの〉
- バケツ
- 新聞紙またはボロ布など
- ビニール袋
〈捨て方の手順〉
- チューブのフタを開けてガスを抜く。
- バケツに少量の水を入れ、ジェルを水の中に絞り出す。
- 水で薄めたジェルを新聞紙やボロ布に吸わせる。
- ビニールに入れたらOK。その後、自治体のルールに従って捨てる。
着火剤「固形タイプ」の捨て方
固形タイプの燃料はジェルタイプとは異なりますが、固形の劣化によって染み込ませた燃料が漏れ、発火する可能性がありますので注意しましょう。
捨てる場所は、直射日光の当たらない、風通しの良い日陰(涼しい場所)の屋外で行います。
〈用意するもの〉
- 新聞紙またはボロ布など
- ビニール袋
〈捨て方の手順〉
- 新聞紙やボロ巾を水で濡らす。
- 固形の着火剤を濡れた新聞紙やボロ布で何重にも包む。
- ビニールに入れたらOK。その後、自治体のルールに従って捨てる。
着火剤の代用品を使えば簡単に捨てられる!
着火剤の代用として身近なものを使うことができ、代用品を使えば捨て方が楽になります。
牛乳パック
牛乳パックの内側には、パラフィンワックスと呼ばれるものが塗られています。パラフィンワックスは石油からできているので、よく燃えて、捨て方も簡単ですね。
新聞紙
新聞の印刷に使われるインクには発火性があるので、新聞は火をつけるとよく燃えます。新聞紙を着火剤の代用にする際は「紙薪」にするのがおすすめです。
〈紙薪の作り方〉
新聞紙を細かくちぎって濡らします。それをラップの芯などにギュッと巻き付けて乾かします。乾いたらラップの芯からスルッと外せば新聞紙の着火剤「紙薪」の出来上がりです。
松ぼっくり
松ぼっくりの松脂(まつやに)は発火性が高く、よく燃えます。松ぼっくりは乾燥させてから着火剤として使用します。松ぼっくりは乾燥させるとカサが開くので、拾うときはカサが開いているものを選びましょう。
最後に
ジェルタイプの着火剤は、火力が強く、火の回りが早いため、バーベキューやキャンプでよく使われます。しかし、ジェルタイプの着火剤は、捨て方を誤ると爆発する可能性があることを知らない人が多いと思います。
この記事を読んでからバーベキューやキャンプをする人は、着火剤を使う人や一緒にいる仲間に、着火剤の危険性と正しい捨て方を教えてあげてくださいね。