ホタルは雨上がりに一番輝く!知らないと損する鑑賞のコツ

ホタル狩り

初夏の夜空を幻想的に飛び交うホタルは、雨上がりに見に行くのがおすすめです。全国にはおよそ150ものホタルを観賞できるスポットやホタル祭りがありますが、できるだけ鑑賞するのに好条件の日や時間帯を選んで出かけたいものです。そこで今回は、 ホタルが見やすい条件と鑑賞マナーや注意点について、そして相応しい服装も併せてご紹介しましょう!

ホタルは雨上がりに見に行くのがおすすめ

雨上がり

ホタルの鑑賞スポットだからといって、初夏の夜であれば必ず舞っているのかというと決してそうではありません。

ホタル観賞に出かける前に、ホタルが飛びやすい天気や時間帯など、いくつかポイントを確認しておけば思う存分見て楽しむことができるでしょう。

雨上がりは絶好のチャンス

ホタルを鑑賞したいのであれば、梅雨時期の曇っている日が見やすいのでおすすめです。気温が20℃以上になる生暖かい風のない夜に多く飛びます。

雨が降っている日や風の強い日、冷え込む日などはそれ程飛びませんが、 雨が上がれば状況は一変します。

というのも、ホタルが夜空を舞う好条件は、星や月が見えそうもない曇り空で、風のない蒸し暑い夜だからです。要は、雨上がりが一番の狙い目でしょう。

しとしとと静かに降っていた雨が上がった直後が、ホタルの鑑賞には絶好のタイミングなので、天気予報をよくチェックしてからホタルを見に出かけかどうかを決めるようにしましょう。

《 ポイント 》

  • 梅雨時期の曇っている日の雨が上がった直後が一番の狙い目。
  • 気温が20℃以上の生暖かい風のない夜に多い。

ホタルは雨の日は見ることができない?

雨の日

ホタルは結婚相手を探すために光りながら飛ぶ

ホタルの光はプロポーズの合図です。毎年、5月~6月の梅雨の雨上がりに最も活発に飛び回っていることでしょう。

オスのホタルは光を発して飛びながら結婚相手を探し、光が弱いメスは草や木の葉の上でオスが訪れるのを待っています。

ホタルは、自分の光が目立ちにくい明るい夜や、風が強くて気温が低い日はあまり飛ぼうとしません。ホタルにとって月明かりのない曇りの時こそが、きれいに光を放ちやすく、飛ぶのに最高な状況なのでしょう。

雨の日はホタルをあまり見ることができない

雨がひどい日は雨に濡れないように、風が強い日には吹き飛ばされないように、身を守りながら葉っぱの裏や岩の隙間に隠れてじっとしています。そのため、雨の日にはホタルの姿を見ることができません。

小雨くらいなら少数のホタルが飛んでいるのを見られるかもしれませんが、条件としては良くありません。ただでさえホタルは寿命が短い生き物です。

雨に濡れて地面に落ちたり、光を放ちながら川に流されてしまったりするので、命がけで無理に飛んでほしくないですよね。

雨が多い梅雨の時期は、ホタルのために少しだけでも雨が降らない日があってほしいものです。

《 ポイント 》

  • オスのホタルは光を発して飛びながらメスを探している。
  • 雨や風が強い日は葉っぱの裏や岩の隙間に隠れて身を守っている。
  • 雨の日は濡れて地面に落ちたり川に流されてしまう。

ホタルを見やすい条件

ホタル狩り

きれいな光を発しながら舞っているホタルを見るのには、雨上がりなどの天候だけでなく時期や時間帯も重要な条件です。

ではホタルが見られる時期やおすすめの時間帯を詳しく解説していきましょう。

ホタルが多く見られる条件

多く見られる条件として次のことがあげられます。

  • 月明かりのない曇り。
  • 気温が20℃以上の生暖かくて蒸し暑い。
  • 雨が上がった直後の風がない。
  • 夜の19時~21時頃で、特に20時~21時頃がピーク。

昼間に活動するホタルもいるようですが、日本で見られる「ゲンジボタル」や「ヘイケボタル」は、昼間は草や葉っぱの陰で休んで夜に行動します。

ホタルを見られる場所はキレイな水場

ホタルが生息するのは、有機毒物がない、アルカリ性のキレイな水場です。それも急流ではなく、ゆるやかな流れの水場を好みます。また暗い場所を好む特性から、街頭や民家の明かりがない場所を選びます。

ホタルのエサは「カワニナ」という巻貝なので、カワニナが多くいる場所にはホタルもたくさんいます。また葉で羽を休めるため、草木が生い茂る岸辺がある場所も好みます。近場にこのような条件がそろう場所があれば、ホタルの鑑賞スポットではなくてもホタルを見られるかもしれません。

ホタルを見られる時間帯は一晩に3回

ホタルは夜になるとずっと光っているわけではありません。

  • 1度目は19時~21時頃。
  • 2度目は23時前後。
  • 3度目は午前2時前後。

光を放ちながら活発に飛ぶ時間帯が一晩に3回あるのです。中でも1度目の19時~21時頃のうち20時~21時頃がピークで、最も元気よく飛びまわる時間帯と言われています。午前2時を過ぎると、休むために光を放つのをやめる蛍がポツポツと出てくるので、光る蛍は少なくなってきます。

雨が降っていたとしてもホタルがよく飛ぶ時間帯に雨が上がったら、鑑賞する絶好のタイミングです。

以上のことを踏まえて、ホタルを見に行く時は天気予報の「降水確率」をチェックし、ホタルが飛ぶ「時間帯」と照らし合わせてから予定を立てると高い確率で鑑賞できるでしょう。

ホタルの種類によって見られる時期が違う

ゲンジホタル

国内で最もポピュラーなのが、ゲンジホタルです。ゲンジホタルは主に、本州、四国、九州に生息しています。ホタルの種類によって発生する時期が若干ズレており、ゲンジホタルの発生時期は6月中旬~7月です。

ゲンジホタルの特徴は、前胸部に赤い斑紋が付いていること。またゲンジホタルは、最も明るく大きな光を出すとも言われています。非常に見ごたえがあるので、鑑賞するのにはもってこいの品種です。

ちなみに、ホタルの光は個体によって点滅するペースが異なるのですが、地域によっても違うことが分かっているそうです。ゲンジホタルは、東日本で4秒に1回、西日本で2秒に1回、その境目では3秒に1回光るのだそうです。同じ地域でも光る早さが違うのは、なんだかおもしろいですよね。

ヘイケボタル

日本だけでなく朝鮮半島や中国にも生息するヘイケボタルは、6月~9月に見られます。ゲンジホタルが終了するころに見ごろを迎え、年によっては初秋まで鑑賞を楽しめます。キレイな河川を好むゲンジホタルとは違い、水田や池のような止水域で鑑賞することも可能です。

ヘイケボタルはゲンジホタルとよく似ていますが、発光パターンに特徴があり非常に複雑です。光るペースは1秒間隔と、ゲンジホタルよりも早い傾向があります。ゲンジホタルほどの大きく明るい光ではありませんが、揺れながら光ったり不規則に光ったりするので、すぐに見分けられるでしょう。

ちなみにヘイケボタルは、昔は「コメボタル」と呼ばれていました。ゲンジホタルと区別するために、源平合戦から「ヘイケ」という呼称を取ったようです。

ヒメボタル

ゲンジホタル、ヘイケボタルほど知られていませんが、日本にはヒメボタルというホタルもいます。ヒメボタルが見られるのは5月~6月と短いのですが、まったく水がない場所での生息が可能です。「森のホタル」という愛称の通り、主な生息地は標高の高い森林ですが、ビル街や河川敷で発見されることもあります。

ヒメボタルの光り方もまた個性的で、パチパチとフラッシュをたいているような独特な発光をします。淡い白色に光るゲンジホタル、ヘイケボタルと比べると、少し黄色がかったような、黄金食に近い色味です。

まだまだ謎が多いヒメボタルですが、条件に近い場所があれば探してみてはいかがでしょうか。

ホタルが見られる時期は地域によって違う

地域によってホタルの見ごろも違ってきます。発生には地域差があり、暖かい地域から見頃が始まり徐々に北上していくという流れは桜前線のパターンに似ています。

ちなみに、各地の見頃の目安は以下のようになります。梅雨の始まりの時期と重なるため、雨が降る日が多くなりそうですね。

  • 東北地方:6月下旬~
  • 関東地方・北陸地方:6月上旬~
  • 東海地方・関西地方:5月末~6月上旬頃~
  • 中国地方・四国地方:5月下旬頃~
  • 九州地方:5月中旬頃~

ホタルの寿命はとても短い

ホタルの寿命は成虫になってから1~2週間と言われています。その短い期間に光を放って子孫を残そうと頑張っているわけです。

成虫のホタルは卵を産んで子孫を残し、その卵が幼虫になり成長して1年後に成虫になります。

そしてまた卵を産み、成虫になってから1~2週間で死んでしまうというサイクルで存続しているのですね。

ホタルの幼虫はごく小さな虫などを食べて生きているのですが、成虫は口が退化しているために水しか飲むことができません。

ホタルの成虫の命が短いのは、幼虫の時に蓄えていた栄養分が1~2週間でなくなってしまうからなのでしょう。

《 ポイント 》

  • ホタルを見られる時間帯は一晩に3回。
  • 気温が20℃以上の蒸し暑い雨が上がった直後。
  • ホタルの種類や地域によって見られる時期が違う。

ホタルを鑑賞する時のマナーや注意点

ホタルと手

5~6月の梅雨の始まりや雨上がりは、ホタルを見に行く絶好の時期です。

ホタル観賞に出かけるときは、ホタルにはもちろんのこと、周りの人にも迷惑をかけないように正しいマナーを守らなければいけません。

ホタルを捕まえたりしない

成虫になって飛べるようになってから1~2週間しか生きられないホタルは、その短い期間に求愛をして子孫を残すためにがんばっています。

光がきれいだからと言って、捕まえたりするのは絶対にしてはいけないことです。

強い光を出さないようにする

ホタルが光りながら飛んでいるのは、求愛行動をして子孫を残すためです。車のライトやカメラのフラッシュなど強い光を出してしまうと、ホタルが驚いて求愛行動ができなくなってしまいます。

ホタルを見に行く際は、ホタルが暮らしやすい環境を邪魔しないように気を付けましょう。

川を汚さない

ホタルを見るときは、川や川岸を汚さないよう気を付けましょう。ホタルは、キレイな環境でないと生きていけない生き物です。ゴミやタバコをポイ捨てするのはもってのほかです。

来年以降もキレイなホタルを鑑賞できるように、自然を壊さないことを心掛けてくださいね。

住人に迷惑をかけない

ホタルや自然環境だけでなく、近場に住む住人にも迷惑をかけないよう気を付けましょう。ホタルが見られるのは、基本的に夜間です。寝ている人が多い時間帯ですから、大きな声を出したり、走り回ったりしてはいけません。

またホタルの鑑賞スポットには車で行く人が多いと思いますが、無断駐車や路上駐車にも注意してください。あまりにマナーが悪いと、今後ホタル観賞できなくなるかもしれません。

虫刺されに注意する

当たり前のことですが、ホタルは昆虫なので虫よけスプレーなどの虫よけグッズの使用は厳禁です。ホタルを鑑賞するためには、夜に緑地や河川近くに行くことになりますので、虫対策をしておきたいですよね。

そんな場合は、ハッカ油のアロマオイルを使ってみてはいかがでしょうか。化学薬品の虫よけスプレーより効果は劣りますが、自然由来のハッカ油はお子さんや肌の弱い方にもおすすめですよ。

ホタルを見に行く時の服装

蚊など害虫に対する虫よけ対策を全くしない訳にはいかないので、ホタルを見に行く時の服装は、肌の露出を防げる薄手の衣類がおすすめです。

ボトムスも肌の露出の少ない長ズボンで、下半身をしっかりカバーできるものだと安心ですよね。

また、暗くて足元が悪いため、レインコートの方が傘より動きやすく、露出のない歩きやすい靴を履いていくと虫刺され対策にもなりますよ。

《 ポイント 》

  • ホタルを捕まえるのは絶対にしてはいけない。
  • 車のライトやカメラのフラッシュなど強い光を出さない。
  • 虫よけグッズの使用は厳禁。
  • 肌の露出が防げる服やレインコート、歩きやすい靴がおすすめ。

最後に

ホタル狩り

ホタルを見られる時期や見頃の時間帯などの見やすい条件、そして鑑賞する時のマナーや注意点についてご紹介しました。

雨が降っている時は、残念ながら夜空を飛ぶホタルを見られる可能性は低いです。ただし雨上がりには、一気に状況が好転します。

梅雨の始まる時期と重なるため雨降りの日が多いのですが、天気予報をチェックしながら雨上がりの夜を選んで、ホタルのありのままの姿を楽しんでみてはいかがでしょうか。

注意点として、車のライトやカメラのフラッシュをたくと、ホタルは驚いて草の中に隠れてしまいます。またホタルの生息地は虫に刺されやすい場所でもあるので、当日の服装には気を付けましょう。

ホタルが成虫になって空を飛び、光を出せるのは、わずかに1~2週間だけです。ホタルがいる環境を壊さないように、くれぐれも注意してくださいね。

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