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ういろうは冷凍保存できる?
「ういろう」は米粉や小麦粉、わらび粉に砂糖と水を練り合わせて蒸した和菓子です。
その性質上、水分量が多くそれほど日持ちしません。そんな「ういろう」を長期保存するのに冷凍しても大丈夫なのでしょうか。
「乾燥してスカスカになるので冷凍保存に向かない」と思われがちですが、賞味期限以内にういろうを食べ切れないときは、冷凍しておくことも方法のひとつです。
ただし、冷凍することで食感が変わったり、冷凍やけを起こしたりと本来の風味が損なわれるのはやむをえません。
一方では、冷凍保存すると食感がかわり美味しくなくなると言う人もいるようです。実際に、冷凍する時や解凍時にひと工夫することで、おいしく食べることができるでしょう。
〈冷凍保存のコツ〉
劣化を抑え、おいしさを損なわないようにするために、ラップを密着させて包んで空気を抜きます。それをジッパーつきの保存袋に入れてから冷凍庫へ入れるようにしましょう。
《 ポイント 》
- 食べきれないときは、冷凍することも方法のひとつ。
- 冷凍・解凍時にひと工夫することでおいしく食べることができる。
ういろうの賞味期限
製造方法や包装方法によって賞味期限にばらつきがある
メーカーで定められた賞味期限は、添加物の有無や製造方法、真空パックなどの包装仕様によって、ばらつきがあります。
一般的な賞味期限は、未開封のもので1~2週間ですが、場合によっては1週間未満と短いものもあれば、中には高温多湿な場所を避ければ常温でも1ヶ月以上日持ちするものもあります。
また手作りの生のういろうは、他に比べて水分が多いため保存に適していないので、1~2日のうちに食べ切るのがおすすめです。
お土産など贈答用のういろうは、衛生面に配慮して包装されているので、賞味期限は手作りよりも長めに設定されています。
乾燥しやすい冷蔵庫での保存には適さない
ういろうは、地域によって原材料が違っていて、それぞれ餅や米粉、小麦粉やわらび粉で作られています。よって、出来たてはつきたてのお餅のように柔らかく、日が経つと水分が抜け徐々に硬くなっていきます。
常温に置いておくよりも、冷蔵庫に入れた方が良さそうに感じますが、冷蔵庫保存だと水分が飛んで、ういろうがよけいに硬くなってしまいます。つまりは、冷蔵庫での保存には適さないことになります。
しかし、暑い夏に冷やして食べるのが好きだという方は、長時間冷やすのではなく、食べる30分前を目安にして冷蔵庫に入れて冷やしましょう。
開封済みのういろうの賞味期限
ういろうのパッケージには「開封後はお早めにお召し上がりください」と記載されています。ういろうは水分を多く含む生菓子なので「お早めに」と書かれているのですね。
「賞味期限」「消費期限」どちらも一度開封してしまうと記載されている期間に関わらず、できるだけ早めに消費するようにしてください。
これは保存料などの添加物を使っているういろうでも同じことです。
常温で保存したういろうの賞味期限
ういろうの基本的な保存方法は「常温保存」です。美味しく食べるためには、高温多湿な場所を避けた「常温」がベストでしょう。
ただし、原材料にでんぷんを多く含んでいるので、長い時間、寒い場所に置いていると歯切れが悪く、風味も落ちてしまいます。
冬場は温かい室内に置くなど、15~25℃くらいを目安に保存場所を選ぶようにしてください。そうすると、硬くなりすぎずおいしくいただけますよ。
冷凍庫で保存したういろうの賞味期限
ういろうを美味しく食べるには常温保存が良いことはお伝えした通りですが、賞味期限以内に食べきれないときは、ういろうを冷凍保存にします。
常温よりは保存期間が長くなりますが、それでも1〜2週間のうちには食べ切るようにしましょう。
「賞味期限」と「消費期限」の違い
食品には「賞味期限」と「消費期限」のどちらかが記載されています。
おいしく食べられる賞味期限は、ういろうを製造しているメーカーや販売しているお店の保存方法によって異なっているため、パッケージをしっかり確認する必要があります。
では、消費期限と賞味期限の違いについて簡単に解説しましょう。
【賞味期限=おいしく食べられる期限】
未開封で保存方法をしっかり守った場合に、記載されている年月日までおいしく食べられます。
【消費期限=安全に食べることができる期限】
年月日が設定されているため、安全性が保障されている期限内に食べ終わらなくてはいけません。
《 ポイント 》
- 製造方法や包装仕様によって、メーカー側の賞味期限にばらつきがある。
- 冷蔵庫保存は水分が飛んで硬くなってしまう。
- 高温多湿な場所を避けた「15~25℃くらいの常温」がベスト。
- 開封してしまったらできるだけ早めに消費する。
- 冷凍保存したういろうは1〜2週間のうちに食べ切るようにする。
ういろうの賞味期限切れとは
ここでは冷凍したういろうが傷むとどうなるのか、詳しい特徴を紹介していきます。
ういろうは水分を多く含むため、腐敗しやすい食べ物です。賞味期限内だとしても、正しく保存していないと賞味期限が早まっているかもしれません。
また、賞味期限切れになったものを食べるのであれば、ういろうの状態をよく確認して、ちょっとでもおかしいと感じたら口にしないようにしてくださいね。
賞味期限がすぎて傷んだういろうの特徴
〈へんな臭いがする〉
腐り始めると食べ物の中で微生物が増殖して、食べ物の成分が分解されるのと同時に異臭がしてきます。臭いにはすっぱい臭いから、アルコールっぽい臭いなどがあります。
〈色が変わる〉
ういろうの中の水分や栄養を利用して微生物が増殖すると腐敗が進んで色が変わってきます。白や緑などのカビや、酵母そのものの色が見えるようになり、食べられない状態になっていると気づくはずです。
賞味期限切れのういろうは、いつまで食べられる?
賞味期限が過ぎたからには、ういろうを食べるか食べないかの判断は自己責任となります。
賞味期限が1~3日過ぎたういろうは、異臭もなく変色していなければ、腐敗を起こしている可能性が低いため、自己責任の範囲で食べられるでしょう。
賞味期限が1週間過ぎたういろうは、異臭も変色もしていないとしても、腐敗が少し進んでいる可能性があります。安全面を考えれば食べることをおすすめできません。
賞味期限が1カ月すぎたういろうは、誰が見ても異変が起こっていることに気付くのではないでしょうか。
もし見た目に異常がなかったとしても、賞味期限が1カ月すぎたものは絶対に食べないでください。食べてしまった場合、腹痛や食中毒を起こす危険性が高いでしょう。
《 ポイント 》
- 腐り始めると異臭や変色に気付く。
- 賞味期限が過ぎたら食べるか食べないかの判断は自己責任。
冷凍したういろうの美味しい食べ方
原材料の違いによって解凍方法が変わってくる。
ういろうの地域ごとの特徴は以下の通りです。
代表的なものでは
- 名古屋は「米粉」が原料でお餅のような食感。
- 伊勢は「小麦粉」が原料でコシがある。
- 神戸は「米粉」と「くず粉」が原料で柔らかめ。
- 山口は「わらび粉」が原料でとろけるような食感。
- 宮崎は「うるち米」が原料でもっちりしている。
どの材料でも温めすぎると溶けてしまったり、逆に固くなったりするので、原材料に合わせて上手に解凍する必要がありそうです。
特にわらび粉で作ったものは、溶けてドロドロになりやすい性質がありますので、様子を見ながら少しずつ加熱してください。
ういろうの解凍方法
ういろうの原材料は「米粉」「小麦粉」「わらび粉」「うるち米」など、地域よって異なっていることがわかりましたが、このどれも、常温や冷蔵庫で自然解凍すると固くなってしまう性質があります。
冷凍したういろうを柔らかくするには熱を加える必要があるので、「湯煎」か「電子レンジ」のどちらかで解凍するようにしましょう。
〈湯煎で解凍する〉
直接お湯の中に入れて加熱するのではなく、お湯に浸けた容器の中にういろうを置いて、間接的に温める方法です。
ムラなく温められるのですが、つきっきりで様子を見ながらの作業なので、時短したい場合は電子レンジでの解凍をおすすめします。
〈電子レンジで解凍する〉
冷凍庫から出したういろうを保存袋ごと耐熱皿に載せ、様子を見ながら5~10秒ずつ加熱します。5~10秒ごとにういろうを触ってみて、加熱ムラが出来ていないか確認しながら調整してください。
ちなみに、未開封のまま冷凍した場合は、電子レンジに入れる前に乾燥剤を取り除いておくのを忘れないでくださいね。
解凍する時の注意点
一度解凍したういろうは、再び冷凍すると確実に劣化します。また、冷凍庫から出した後の温度変化によって、表面についた水滴がカビの発生につながる危険性があるので注意して下さいね。
ういろうのアレンジレシピ
冷凍したういろうは簡単なアレンジで食感がかわり、より美味しくなります。そのまま食べるのに飽きてしまったとき、保存や解凍に失敗して固くなってしまったときに、違う味で楽しんでみてはいかがでしょうか。
〈焼きういろう〉
ういろうを販売しているお店で推奨しているアレンジレシピです。フライパンに薄く油をひいて焼くだけという簡単なアレンジなのに、コクと旨味がプラスされ一気に食べてしまいそうな食感です。
きな粉や粉砂糖をかけたり、ホイップクリームやバニラアイスを添えたりしてみましょう。華やいだ雰囲気が楽しめますよ。
〈パンケーキやバタートーストに挟む〉
バターを塗ったパンに挟むだけの簡単レシピです。本来の味に飽きてしまったとしても、バターを塗ったパンケーキやバタートーストに挟むと、ういろうのもっちり感が際立ちます。
お好みに合わせて見た目を変えるだけでも、思いのほか食が進んでしまいますよね。
《 ポイント 》
- 湯煎や電子レンジで様子を見ながら加熱して解凍する。
- 一度解凍したういろうを再び冷凍すると劣化する。
- 簡単なアレンジでも食感が変わり美味しくなる。
- ういろうのお店で推奨しているのが「焼きういろう」
最後に
ういろうの冷凍保存と美味しく食べる解凍方法のポイントは、
- ういろうは冷凍できるが、基本は15~25℃の常温保存。
- 食べきれない分は賞味期限前になるべく早く冷凍する。
- 賞味期限は添加物の有無や製造方法、包装仕様によってばらつきがある。
- 解凍は湯煎か電子レンジで様子を見ながら慎重に温める。
- 冷凍したういろうは、簡単なアレンジレシピでおいしく食べられる。
ういろうは、日持ちする真空パックなどを利用したものが増えています。その一方で、食べきれないからと冷凍するとどうしても風味や食感に影響が出てしまうようです。
冷凍したういろうを美味しく食べるためには、焼いたりパンケーキやバタートーストに挟んだり、食べ方を工夫して楽しく美味しく召し上がってくださいね!