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レトルトご飯をそのまま食べてはダメな理由
普段、レトルトご飯を食べる時はそのまま電子レンジに入れてチンして食べていますが、災害時に電気もガスも使えなくなったら、レトルトご飯をそのまま食べるしかない…。
試しにレトルトご飯をちょこっと食べてみたのですが、ボロボロでカチカチ!粉っぽくて美味しくない!良く噛んでもご飯の粘り気が出ない!
そこで、レトルトご飯をそのまま食べても大丈夫なのか?と気になったので調べてみたところ、レトルトご飯をそのまま食べるのはNGでした。
レトルトご飯をそのまま食べると消化不良をおこす
レトルトご飯はそのままの状態では、生の米の状態に近いので食べても消化できずに消化不良をおこします。
ご飯の主成分はデンプンです。生の米(生のデンプン)は、水分が無く硬いのでそのままの状態だと消化できません。生の米(生のデンプン)は、水と一緒に炊いて「ご飯」の状態にするとふっくら柔らかく消化が良い状態になります。
しかし、一度「ご飯」の状態にしたものを放置していると、徐々に水分がなくなって硬くなり、もとの生の米(生のデンプン)の状態に変化し、消化できなくなります。この現象を「デンプンの老化」と言います。
老化デンプンは再度加熱することで、柔らかく消化できる状態に戻ります。レトルトご飯は老化デンプンですので、加熱して元の柔らかい状態に戻す必要があります。
レトルトご飯をそのまま食べるのは美味しくない
分かり切ったことですが、レトルトご飯は加熱しないとマズイです。一粒一粒が硬くてボロボロして、味は粉っぽくて美味しくありません。試しにちょこっと食べましたが、レトルトご飯をそのままたいらげることは無理だと思いました。
レトルトご飯をそのままお茶漬けにするのは?
レトルトご飯が老化デンプンなら、お湯をかけて柔らかくしてお茶漬けにしたら食べられる気がしますが、老化デンプンは非常に硬いので、お湯をかけたくらいでは柔らかくなりません。
レトルトご飯は湯煎で加熱して食べることができますが、熱湯で15分~30分かかりますので、お湯をかけたくらいで柔らかくなるわけないですね。
レトルトご飯を製造しているメーカーで、レトルトご飯をそのまま食べることに対して何か言っていないか、サトウ食品のホームページを確認したところ次のような記載を見つけました。
Q:加熱せずに食べることができますか。
A:必ず電子レンジで加熱調理してお召し上がりください。
ごはんの主成分であるでんぷんは、米の状態(生でんぷん)では人は消化できません。これを炊飯による加熱でごはんの状態(糊化でんぷん)にすると、消化できるでんぷんとなります。しかし、これを放置するとでんぷんは徐々に生でんぷんに近い状態(老化でんぷん)になり消化できなくなります。「サトウのごはん」はこの状態で店頭に並んでいます。老化でんぷんは再度加熱することで糊化でんぷんにもどります。ですから、「サトウのごはん」は必ず加熱してお召し上がりください。
引用:サトウ食品「よくあるご質問と回答」
この答えが全てでしたね。
《 ポイント 》
- レトルトご飯をそのまま食べると消化不良をおこす。
- レトルトご飯をそのまま食べるのは美味しくない。
- レトルトご飯をそのままお茶漬けにしても硬いままで美味しくない。
レトルト食品をご飯にそのままかけるのはOK!
レトルトご飯をそのまま食べるのはやめた方がいいことは分かりましたが、レトルト食品はそのまま食べても問題ないでしょうか?実は、レトルトカレーやレトルトシチューなどのレトルト食品はそのまま食べることができます。
ハウス食品のホームページに次のような記載がありました。
Q:レトルト食品は温めずにそのままでも食べられますか?
A:そのまま食べても大丈夫です。
レトルト食品は、完全調理済みなので、そのままでも食べられますが、温めたほうがおいしく食べられます。温める事により、動物性油脂が溶け、おいしくお召し上がりいただけます。出典:ハウス食品|レトルトカレーは温めずに食べられる?
また、ハウス食品では、そのまま食べても美味しいレトルトカレーも出しています。災害時などの常備食に最適です。
他に、レトルト食品のメーカーで、グリコ、丸美屋、S&B、meijiにも確認したところ、「そのまま食べてもOK」でした。ただし、温めた方が美味しいというのはどこも同じ。
レトルトご飯の食べ方
温める方法
レトルトご飯を食べる時は、そのまま電子レンジでチンするか、湯煎で温める方法がありますが、一番手軽なのは電子レンジですね。
湯煎の場合はメーカーや商品によって温める時間が異なりますが、平均的に15分以上はかかりますのですぐ食べたい時はイライラするかもしれませんね。
レトルトご飯はそのまま加熱せずに、フライパンや鍋などで調理して食べることができます。
フライパンで調理する
レトルトご飯をそのままほぐしてフライパンで炒めて調理します。
《レトルトご飯のフライパン料理》
- チャーハン
- パエリア
- ドライカレー
- チキンライス
- オムライス
普通のご飯だとべたついたりしますが、レトルトご飯をそのまま調理するとパラっと美味しい仕上がりになります。
鍋で調理する
レトルトご飯をそのまま鍋にほぐし入れて調理することができます。
《レトルトご飯の鍋料理》
- 雑炊
- クッパ
レトルトご飯は災害時には向かない?
レトルトご飯は炊いたご飯を密封容器に入れて高温・高圧で殺菌されたものです。レトルトご飯の種類として、加熱が必要なレトルトご飯、そのまま食べられるレトルトご飯、お水やお湯を入れて食べられるレトルトご飯などがあります。災害時用として開発されていますので、用意していると安心ですね。
加熱タイプのレトルトご飯
加熱が必要なレトルトご飯はそのまま食べることができませんので、地震や台風などの災害時に停電になると、電子レンジで加熱することはできませんが、ガスやカセットコンロがあれば、湯煎で温めたりフライパンで調理することができます。
【アイリスオーヤマ 長期保存パックごはん】
常温で13か月保存できますので、普段の買い置き用としても使えて便利です。
そのまま食べられるレトルトご飯
災害時に電気もガスもストップされ、カセットコンロもない場合、そのまま食べることができるレトルトご飯が便利ですね。
【おいしい非常食 LLF食品 やわらかご飯】
常温で6年も長期保存できます。そのまま食べることができますし、湯煎や電子レンジで加熱することもできますので便利です。
お湯またはお水があれば食べられるアルファ米
アルファ米は、非常食の定番。炊きあがったごはんから水分を抜いただけの状態ですので、水やお湯で水分を足すだけで元のご飯に戻ります。
【尾西食品 アルファ米 白飯】
西尾食品のアルファ米は、お湯を入れると炊飯器で炊いたのとほぼ同じくらい美味しいと人気があります。水で入れた場合は冷ご飯になりますが美味しさはお湯と同じです。
【尾西食品携帯おにぎり4種】
災害時用のおにぎりや炊き込みご飯などもあります。水やお湯をいれるだけでおにぎりができる優れものです。おにぎりですのでおかずがなくても食事ができますので便利です。
最後に
レトルトご飯をそのまま食べるのはNGです。消化できず腹痛や吐き気をおこすことがありますので危険です。レトルトご飯はそのまま食べずに必ず加熱してくださいね。
レトルトご飯は電子レンジで加熱するのが一番手軽ですが、災害時に電気やガスが使えなくなって電子レンジで加熱できなくても、湯煎で温めるかフライパンで炒めて調理することもできますので、カセットコンロは用意しておくことをおすすめします。