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「牛刀」と「三徳包丁」はどちらも万能包丁?
「牛刀」と「三徳包丁」を見分けることができますか?牛刀と三徳包丁、どちらも万能包丁ですが、刃渡りや刃幅の大きさ、形状などで見分けることができます。
牛刀(ぎゅうとう)とは?
牛刀は、西洋の万能包丁で世界中に広く使われています。牛刀の刃は三徳包丁に比べて長く細く、先が尖っているのが特徴です。
牛刀は「シェフナイフ」や「フレンチナイフ」とも呼ばれており、刃が長いので肉の塊のような大きな食材を簡単に切ることができます。
さらに、さくさく包丁の前後を素早く動かして切ることもできますので、みじん切りにも向いています。みじん切りなどでは料理の時短にもなりますね。牛刀は料理好きな方やプロ向きの包丁です。
【牛刀の特徴】
- 刃渡り:長い
- サイズ:18cm・21cm・24cm・27cm・30cmが主なサイズ
- 刃幅 :短い
- 切っ先:尖っている
- 刃先のライン:そりがあり、まな板と並行ではない
三徳包丁(さんとくぼうちょう)とは?
三徳包丁は、もともと「文化包丁」とも呼ばれる日本発祥の万能包丁です。三徳包丁の刃は牛刀に比べて太く短く、先がかまのようなゆるいカーブが特徴です。
三徳包丁は、一般的に家庭で使われている包丁で、肉・魚・野菜の三つの食材を切ることができるので「三徳」の包丁と呼ばれています。
三徳包丁が1本あれば、ほとんどの食材を切ることができますので、三徳包丁は初めての1本におすすめです。サイズも小さめですので収納スペースが取りやすく、手の小さめの方にも使いやすいです。
【三徳包丁の特徴】
- 刃渡り:短い
- サイズ:16.5cm~18cm
- 刃幅 :広い
- 切っ先:かま型
- 刃先のライン:比較的まっすぐでまな板に平行
《 ポイント 》
- 牛刀と三徳包丁は万能包丁。
- 牛刀は、刃渡りが長く幅が細い、三徳包丁は刃渡りが短く幅が広い。
牛刀と三徳包丁の使い方の違い
牛刀も三徳包丁も「切る」という用途は同じですが、得意な切り方は違います。包丁で食材を切る時の切り方は大きく分けて「押し切り」と「引き切り」の2種類あります。
【押し切り】
主に野菜や硬い肉を切る時の切り方で、力が入りやすいよう押して切ります。
【引き切り】
主に柔らかい肉や魚や刺身を切る時の切り方で、包丁を手前に引きながら切ります。
牛刀と三徳包丁は、刃の形状や大きさに違いがありますので、得意な切り方や切るのが向いている食材にも少々違いがあります。
牛刀に向いている使い方と食材
牛刀は刃が細く長いので、包丁を手前に引いて切る「引き切り」が得意です。
牛刀の刃の長さを利用して切りますので大き目の食材を切るのに向いています。また、切っ先が尖っていますので肉の塊を切る時は切っ先が入りやすくなります。
刃の刃先はまな板に平行ではなく反っているので、包丁を素早く前後に動かしてみじん切りなどの刻み切りに向いています。ただし、刃が長く細いので、硬すぎる食材を切ると欠ける可能性がありますので注意しましょう。
【牛刀に向いている使い方】
- 肉の塊をスライスする
- 肉の筋を切る
- 魚をさばく
- 刺身を切る
- 野菜を切る(みじん切り・千切り)
三徳包丁に向いている使い方と食材
三徳包丁は刃幅が広く厚みがあるので、上から下に向かって押し付けて切る「押し切り」のが得意です。
刃先がほぼまな板と並行なので、根菜などもさほど力を入れずに押して切ることができますし、キュウリやニンジンを薄くスライスしてもつながりにくいです。また、お豆腐などのさいの目切りも刃先がまっすぐ入るのできれいに仕上がります。
【三徳包丁に向いている使い方】
- 野菜を切る(千切り・角切り・乱切り・輪切り・いちょう切りなど)
- 硬い肉を切る
- 硬い骨がある魚を切る
- お豆腐のさいの目切り
《 ポイント 》
- 牛刀は「引き切り」、三徳包丁は「押し切り」が得意
牛刀と三徳包丁の選び方
牛刀と三徳包丁を選ぶときのポイントは、「サイズ」「包丁の素材」「使い勝手」です。自分の手にあうサイズや種類を選びましょう。
サイズ
一般家庭で牛刀を使うなら、18cm・24cm・27cmがおすすめです。27cm・30cmはプロが使用していることが多いです。三徳包丁は一般的に16.5cmがほとんどですが、18cmのものもあります。
包丁の素材
包丁の切れ味は素材も影響します。素材は大きく分けて「鋼(はがね)」「コバルト合金鋼」「ステンレス」「セラミック」があります。
鋼(はがね)は、非常に切れ味が良く、切れ味の持続性にも優れています。ただし、サビやすい素材ですのでこまめにお手入れする必要があります。
【コバルト合金鋼】
非常に硬い素材です。切れ味や切れ味の持続性に優れていますが、サビやすい素材ですのでこまめにお手入れをする必要があります。
【ステンレス】
切れ味が良く硬いものを切っても割れたり欠けたりしない素材です。サビに強いのでお手入れは簡単です。
【セラミック】
軽量で切れ味も良く、サビに強い素材ですが、硬いものを切ると刃こぼれしやすいというデメリットがあります。
使い勝手
ハンドル部分は重要なポイントです。実際に握って、持ちやすさや使いやすさを確認しましょう。ハンドル部分の素材は、主に「天然木」「樹脂」「ステンレス」などがあります。
以上のポイントを考えて、おすすめの牛刀と三徳包丁をご紹介します!
おすすめの牛刀
藤次郎 牛刀180mm 日本製 コバルト合金鋼
藤次郎は有名な包丁メーカーです。藤次郎の包丁は、鋭い切れ味、耐久性、機能性に非常に優れており、プロの料理人に愛用されています。
貝印 牛刀包丁 210mm ステンレス
貝印は刃物だけでなく調理器具なども出しています。包丁は「旬」と「関孫六」の2つのシリーズをだしており、鋭い切れ味が長道する高硬度の作りは定評があります。
ティファール 牛刀包丁 18cm セラミック
ティファールはフランスの調理器具トップメーカーグループで、電気ケトルや取っ手の取れるフライパンなどの斬新な商品を次々出しています。
おすすめの三徳包丁
藤次郎 三徳 170mm 日本製 コバルト合金鋼
藤次郎の包丁の切れ味は定評があり、耐摩耗性、靭性、硬度などすべての条件を備えていますので、世界中のプロのシェフに愛用されているプロ定番の包丁メーカーです。
下村工業 村斗 Fit-Line 165mm モリブデンバナジウムステンレス
下村工業は、家庭用包丁からプロ用包丁、産業刃物を出しています。炭素含有の高いステンレス刃物鋼を使用しているので鋭い切れ味で持続性・耐久性に優れています。
ZWILLING ツインフィン2 180mm オールステンレス
Zwilling(ツヴィリング)は、ドイツのトップクラスの包丁メーカーです。ドイツで独自に配合したスチールを用いて、機能性だけでなく、デザイン性や使いごこちなどの細部にこだわった包丁として世界中に認められています。
包丁のお手入れに便利なダイヤモンドシャープナーとセットになった人気商品です。
「牛刀」と「三徳包丁」結局どっちがおすすめ?
1本あればOKなのは三徳包丁
家で使うなら家庭料理向きの三徳包丁。三徳包丁が1本あれば、肉・魚・野菜などさまざまな食材を切ることができますので便利です。
プロや料理好きなら牛刀
料理好きの方や料理に凝りたい方、料理研究家などのプロに向いているのは牛刀。牛刀の長い刃渡りは引き切りもでき、より鋭利な切り味をだすことができます。
2本持ちで使い分ける
三徳包丁と牛刀を1本ずつ持って、素材に合わせて使い分けるのもおすすめです。刺身を切る時は牛刀包丁、野菜を切る時は三徳包丁など、使い分けることで食材をきれいに切ることができます。
最後に
初めて包丁を使う場合は、牛刀より三徳包丁の方が使いやすいのでおすすめです。
牛刀や三徳包丁以外に、出刃包丁も広く知られていますね。出刃包丁は家庭では魚を三枚におろしたり、骨を切るなどさばくときに使うことが多いと思います。
包丁はさまざまな種類がありますが、中でもあったら便利な包丁としては、刺身をきれいに切る「刺身包丁」、果物や食材の皮むきなどに便利な「果物ナイフ」、フランスパンなどパン専用の「パン切り包丁」などがあります。
どれも何を切るのか?「切るモノ」に合う形状になっていますね。牛刀や万能包丁、あなたはどちらを使いますか?