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サバ缶は体に悪い?
手軽に買えるサバ缶は、美味しくてとても栄養価の高い食品でサバ缶が体に悪いということはありません。
サバ缶はスーパーやコンビニで比較的安く売られているので、魚が食べたいときに調理する手間がなくすぐに食べられますし、一人でご飯を食べるときのおかずに最適ですよね。
このようにメリットが多く、栄養が詰まっているサバ缶ですが、実は食べ過ぎによって体に悪い影響を与えることもあるようです。
食べ過ぎると体に悪いと言われる理由として、
- 一缶に一日の塩分摂取量の三分の一が含まれているため塩分の摂り過ぎになる。
- 「EPA」や「DHA」が豊富に含まれているが、摂り過ぎると吐き気や下痢の症状が出ることがある。
- 「セレン」を過剰摂取すると、爪の変形、脱毛、胃腸障害、疲労感が出る場合がある。
- 調味料に含まれる「食品添加物」が気になる。
- サバ缶の 汁の中に「プリン体」が溶け出しているため、痛風、尿酸値の高い人は注意する必要がある。
- 魚の中に含まれている「水銀」が気になる。
などがあげられます。
そもそもサバ缶は、魚の栄養をそのまま取れる、長期の保存ができるなど、良い部分がたくさんありますので、適正な量を食べる分には問題ありません。
《 ポイント 》
- 美味しくて栄養価が高いサバ缶でも食べ過ぎによって体に悪い影響を与えることもある。
サバ缶が体に悪くならない目安の量
サバ缶は体に悪いので食べない方がいいということはありません。正しく食べている分には体の健康にとってうれしい効果効能ばかりです。
特に青魚の代表であるサバにはDHA・EPAといった不飽和脂肪酸が豊富に含まれているのは皆さんがご存じでしょう。ですが、どんなにいい効果がある食品でも食べ過ぎれば害になるのは当然のことですよね。
体に悪くならないサバ缶の目安
では、体に悪くならない1日の摂取量はどの程度なのでしょうか?
美味しいからと言って食べ過ぎることなく、多くても1日1缶に抑えて食べない日も設けたほうがよさそうです。出来れば1週間に3回程度に抑えて、その分野菜など他の食材も同時に食べるようにしましょう。
また、サバ缶の中の汁にも栄養が豊富に含まれていますが、その汁を一緒に食べる場合は、1日の量を減らすことをおすすめします。
過剰摂取したらどうなるのか?
では、1日の目安の量を超えて過剰摂取したらどうなるのかを解説していきましょう。
【DHA・EPAの過剰摂取】
厚生労働省が発表しているDHA・EPAの1日の推奨量は合わせて1.600mg~2. 400mg。それに対して過剰摂取で副作用が現れるのは、DHA・EPAを合わせて常時3.000mg以上食べた場合です。
サバの水煮缶1缶分は汁を含めて約190gが一般的ですが、その中に含まれているEPAは2470mg、DHA、1767mg、両方合わせて4237mgになります。
人によっても異なりますが、合わせて3000mg以上を超えて過剰摂取すると、吐き気や下痢、出血が止まりにくくなるという症状が現れる場合があると言われています。
サバ缶の身だけなら毎日食べても問題がない人がほとんどでしょうが、結局は日々の食事のバランスが重要なのでしょう。
【セレンの過剰摂取】
セレンの1日の推奨量は18歳以上の男性で30µg、女性で25µgと定められています。サバ缶100gで1日のセレンの推奨量の約3倍を摂取することになるので、食べる量を減らすか食べる頻度を減らしたほうがよさそうですね。
爪の変形、脱毛、疲労感など過剰摂取による副作用もあるので、摂取量の見極めが必要です。ちなみに、セレンを含んでいる食品はサバ缶だけでなく数多くありますので、毎日の食生活の中でセレン不足になることはありません。
【プリン体が多い】
サバ缶の汁には、痛風、尿酸値の高い人にとって、体に良くないと言われているプリン体が多く含まれています。
一般的なサバ缶1缶190gには228mgのプリン体がありますが、一日のプリン体の摂取目安量が400㎎と言われているので、サバ缶一缶でこの量は多すぎますよね。よって、痛風の方は汁を飲まない方が良いでしょう。
【塩分が多い】
1日の成人の塩分摂取量が大体7~8gなのに対して、一缶に含まれている塩分は2~2,5gと、およそ3分の1の塩分を摂ってしまうことになります。
他のおかずにも塩分が含まれていますので、これではどう考えても多すぎですよね。ましてや味噌煮缶を使う時は、特に他の料理の塩分量に気を付けるようにしましょう。
【水銀の問題】
サバに含まれている水銀の値は、普通に食生活をしている中でいろいろな食材をまんべんなく食べていれば、それほど気にする必要はありません。サバ缶を一日に何缶も食べたりしない限りは大丈夫でしょう。
【サバ缶のカロリーは高め】
高たんぱく質、高脂肪のサバ缶のカロリーは、一缶あたり200~300キロカロリーと決して低くはありません。しかも味噌煮のサバ缶だとカロリーはもっと高くなりますので、ダイエット目的でサバ缶を食べている人は食べ過ぎに注意してくださいね。
サバに含まれている成分は、ダイエット向きと言われていますが、同時に高カロリー食でもあるので、その分他の食事で調整しなくてはいけません。魚はヘルシーだと思って安心して食べると逆に太ってしまいますよ。
《 ポイント 》
- 一日一缶に抑えて、食べない日も設けたほうがよい。
- 痛風の人は汁を飲まない方が良い。
- 過剰摂取を避け、日々の食事のバランスが重要。
- ダイエット目的で食べている人は食べ過ぎに注意。
サバ缶は体に良い栄養素もたくさんある
前の章と重なる部分もありますが、改めてサバ缶の主な栄養素やメリットを紹介しましょう。
良質なタンパク質
タンパク質源である魚は、そのタンパク質の質がとても良い食材です。サバのアミノ酸スコアはなんと「100」最大値が100なので、サバはタンパク質を効率的に摂ることができるお魚といえるでしょう。
DHA・EPA
青魚の脂に含まれるDHA・EPAは、青魚の中でもトップクラスで、高脂血症や動脈硬化予防になることは有名ですね。
これらは青魚に多く含まれる「油」のことなのですが、EPAとDHAの働きとしては、血液をサラサラにしてコレステロールや中性脂肪を下げる効果があります。
中性脂肪を減らせるということで、サバ缶を食べてダイエットしている人が急増しているようですが、サバ缶自体を食べて痩せるのではなく、食べて痩せやすい体に変えるだけというわけです。
セレン
抗酸化作用があり、老化を防ぐ効能や免疫力を高める効果がある「セレン」という栄養素は、ガン予防も期待できる働きがあります。生のサバ100gで一日に必要なセレンの3倍の量が摂取できるのですが、過剰摂取には十分注意してくださいね。
ビタミンD
サバには多くのビタミンが含まれますが、中でもビタミンDが豊富に含まれています。ビタミンDはカルシウムの吸収率を上げることで骨形成を促しますので、丈夫な骨づくりには欠かせない栄養素でしょう。
《 ポイント 》
- 良質なタンパク質を効率的に摂ることができる。
- 高脂血症や動脈硬化予防になるDHA・EPAがトップクラス。
- 免疫力を高めガン予防が期待できるセレン。
- 丈夫な骨づくりに欠かせないビタミンDが豊富。
サバ缶の選び方
添加物のない調味料で作られている
安くて手軽に食べられるサバ缶ですが、調味料に含まれる「食品添加物」が気になります。
原材料表示には、「調味料(アミノ酸等)」や「増粘多糖類」と、食品添加物が記載されていますが、「等」や「類」とは、いくつかの添加物がまとめて一括表示されているということになります。
食品添加物は急性の毒性がないとしても、長期摂取した場合の安全性やリスクが未だにわかっていません。
一方で、中には添加物のない調味料だけで味付けしているサバ缶もありますので、購入する際には、なるべく食品添加物の少ないものを選ぶようにしてはいかがでしょうか?
ビスフェノールAの溶出を抑えた缶を使っている
ビスフェノールA(BPA)問題というのを知っていますか?
金属の腐食防止の「ビスフェノールA(BPA)」が、サバ缶の内面にコーティングされているものが多く、このビスフェノールA(BPA)が汁に溶け出すという問題があるのが実情です。
厚生労働省の発表には「公衆衛生の見地から、ビスフェノールAの摂取をできるだけ減らすことが適当と考えられる」とあります。ビスフェノールAの溶出を抑えた缶を採用しているメーカーもありますので、これは要チェックですね。
最後に
さて、いかがでしたでしょうか?栄養満点のサバ缶でも、体に悪くならない目安の量を大幅に超えてしまうと、体に支障をきたすこともあるのですね。塩分やDHA・EPA、セレンの過剰摂取や、決して低くはないカロリーなどに注意しながら、バランス良い食生活が大事です。
どんなにいい効果がある食材でも食べ過ぎれば害になります。缶詰の塩分や調味料の添加物も気になりますし、何より食べ過ぎには気を付けなければいけません。
これまでにサバ缶を毎日のように食べていた人は、これを機に安心して食べるための目安の量や選び方を見直してみましょう。