目次
かぼちゃは追熟が必要
かぼちゃは追熟で美味しくなる
秋の味覚として親しまれているものといえば、ホクホク感が美味しい「かぼちゃ」もそのひとつで幅広いメニューで料理するのが楽しくなる野菜の一つではないでしょうか。
このかぼちゃを追熟させると甘みが増し、より多くの栄養が含まれるようになります。
スーパーで購入したかぼちゃは追熟したものがほとんどなので、問題なくそのまま調理できますが、自分で栽培したものや直営店で採れたてを買ったものだとまだまだ未熟な状態です。
そのようなかぼちゃは直ぐに調理するのではなく、多くの果物がそうであるように自宅で追熟させる必要があります。そうして時間をかけることで、ホクホクした美味しいかぼちゃに変身させることができるのです。
追熟とは?
新鮮でみずみずしい果物や野菜が手に入ると、すぐに食べてしまいたくなりますが、その種類によっては食べると実が硬くて甘味が少ないことがあります。
収穫してから一定の期間、適した条件の下で保存して実がやわらかくなり甘みが増して美味しくなるまで待ったほうがいい場合があります。
この収穫してから一定期間置いて熟成させるのが「追熟」です。収穫された後に寝かせておくと、成熟を促すホルモンであるエチレンの濃度が倍増することによって、でんぷんがグルコースなどの甘味成分に変わり、実が柔らかくなり香りや甘みが強まるというわけです。
追熟するとおいしくなる野菜やくだもの
野菜では「かぼちゃ」「さつまいも」「トマト」「アボカド」「ゴーヤ」「栗」など。果物では「メロン」「バナナ」「キウイフルーツ」「アボガド」「洋梨」などです。
《 ポイント 》
- 「追熟」とは、収穫してから一定期間置いて熟成させること。
- スーパーで購入したかぼちゃは追熟したものなのですぐに調理できる。
- 自分で栽培したものや直営店で買ったものは未熟な状態。
かぼちゃの追熟のやり方と期間の目安
かぼちゃの追熟の方法
かぼちゃの成分はでんぷんなので、常温で置いておくと一週間経過したあたりから甘みが強まってきます。自分で育てたかぼちゃの場合、収穫した後すぐに食べたくなりますが、ちょっと待ってください。
まるごとのかぼちゃは保存性が非常に高いため、条件が良いと一ヶ月以上持ちますので急いで食べなくても大丈夫です。かぼちゃは、ひと玉まるごと直射日光の当たらない風通しの良い涼しい場所に置いておくと、2週間~1ヶ月ほどで追熟します。
また、冷蔵庫に入れるとかえって傷みやすくなりますので気を付けてくださいね。
かぼちゃの追熟期間の目安
- ヘタの部分が乾燥して固くなりコルクのようになったとき。
- 皮に白く色が抜けた色むらがある場合、その部分が白から黄色、黄色から濃いオレンジ色になったとき。
- 色むらが無い場合は、ヘタの部分がひび割れるか硬く締まったとき。
この3点のいずれかを追熟完了の目安にして、食べごろかどうか判断しましょう。
ただし、熟成しすぎると甘さや食感が変わってきますので、その点に注意して栄養満点のかぼちゃを一番おいしい状態で食べるようにしましょう。
《 ポイント 》
- 追熟は2週間~1ヶ月ほど風通しの良い涼しい場所に置いておく。
- 食べ頃はヘタの部分がコルクのようになった時、皮の白い部分が濃いオレンジ色に変わった時。
かぼちゃが追熟中に腐ってしまったら
かぼちゃの追熟中に気を付ける点が2つあります。それはかぼちゃ本体が腐ってきた、またはかぼちゃのへただけが腐ってきた場合です。
このように途中で腐る場合もあるので、追熟中はこまめにかぼちゃの状態をチェックする必要があります。
かぼちゃ本体が腐る
追熟中や保存中にかぼちゃ本体が腐り始めると、どんどん腐敗の範囲が広がっていきますので早めに対処しなくてはいけません。こうなったら追熟はあきらめるしかありませんので、食べられる部分だけ切り取って早めに食べてしまいましょう。
かぼちゃのへただけが腐る
かぼちゃを含め植物のへたの部分は、複雑な形をしているために水気が残りやすく腐りやすい部分です。かぼちゃのへたの部分に白いカビのようなものを見つけたら、そこを切り取って他の残りの部分の水分をしっかり拭きとってから保存しましょう。
追熟の方法があまりにもシンプルなので、ついつい置きっぱなしでそのまま忘れてしまいそうになりますが、途中で腐ることもあるので、追熟中は状態をこまめにチェックしてくださいね。
《 ポイント 》
- かぼちゃ本体が腐り始めたら食べられる部分だけ切り取って早めに食べる。
- へたの部分に白いカビのようなものを見つけたら切り取る。
かぼちゃは冷凍保存もできる
まるごとかぼちゃの保存方法
新聞紙に包んで風通しのよい涼しい場所に2週間~1ヶ月ほど置いておきます。皮に白く色むらがある場合は、その部分がオレンジ色に変われば食べ頃です。
カットしたかぼちゃの保存方法
カットしたかぼちゃは、常温での保管は無理なのでもちろん追熟もできません。一度カットしてしまったらワタの部分から傷み始めるので、ワタと種はスプーンなどでくり抜いて取り除いてしまいましょう。
水分が残っているとそこから傷み始めるので、できるだけ実の部分は濡れないように気を付けてください。どうしても洗う場合には皮の部分だけ濡らすようにして、水気はペーパータオルでしっかりふき取ります。
そうして取り除いた後の空洞に、水分を吸わせるためのペーパータオルを入れた状態で、全体をラップでピッタリ包んでから冷蔵庫の野菜室へ入れます。
消費期限は4日~1週間なので、それまでに食べきるようにてください。もしも食べきれそうにない場合は冷凍保存をおすすめします。
かぼちゃの冷凍保存
一度切ってしまったかぼちゃを、すぐに使わないときは冷凍しておくと安心です。では、かぼちゃの鮮度をできるだけ失わないための正しい冷凍保存の方法を紹介します。
上の章の「カットしたかぼちゃの保存方法」と同じように種とワタを取り除き、用途に合わせてカットします。1回分ずつ小分けにしてラップで包み、酸化しないようにできるだけ空気を抜いてラップを密着させることがポイントです。
ラップで包んだかぼちゃを冷凍用密閉保存袋に入れて冷凍します。このように、ラップと冷凍用密閉保存袋で二重にして、乾燥による酸化や変色や食感の悪化を防いでおくと、かぼちゃの鮮度をできるだけ失わずに冷凍保存できるので試してみて下さい。冷凍庫で保存できる期間は1ヶ月程度です。
かぼちゃは生でも冷凍できますが、冷凍しないものに比べると、食感や美味しさは落ちてしまいます。そこでおすすめなのが、電子レンジで加熱するか固ゆでした後に冷凍するやり方です。
また、美味しさを優先するなら加熱したかぼちゃを「マッシュ」してから冷凍保存すると、食感、味、色の変化を軽減できます。
冷凍したかぼちゃを解凍する場合
冷凍保存していたものを調理する時は、解凍せずに凍ったまま調理しましょう。解凍すると水分が流出して煮崩れしやすくなってしまいます。マッシュして冷凍保存していたものは、ある程度柔らかくなるまで冷蔵庫に入れて解凍するようにしてください。
《 ポイント 》
- カットしたものは常温保管が無理なので追熟はできない。
- すぐに使わないときは冷凍しておくことができる。
- 生の他、電子レンジで加熱するか固ゆでしてから冷凍してもよい。
- 解凍せずに凍ったまま調理すると煮崩れしにくい。
美味しいかぼちゃの選び方
かぼちゃの旬の時期は、収穫が盛んな「夏」と食べ頃になる「秋~初冬」の2回あります。
夏に収穫した後、追熟させて水分が抜けて甘みがギュッと詰まった秋~冬頃になると一段と美味しくなりますが、まるごとのかぼちゃの場合、追熟してあるかどうか分かりませんよね。
基本的にはスーパーで売っているかぼちゃは、すべて追熟済なので心配する必要はありません。収穫したての新鮮なかぼちゃは、水っぽくて甘みがないので美味しくないのですが、追熟することででんぷんが分解されて糖分に変わり、ホクホクとした食感と甘みを味わうことができます。
それを踏まえたうえで美味しいかぼちゃを見極めればよいだけですが、その際のポイントは以下のとおりですのでチェックしてみてください。
まるごとかぼちゃ
- 皮 :皮が固くて爪を立ててもへこまないもの
- ヘタ :ヘタが太く、切り口がよく乾燥してコルク状になっているもの(ヘタの周りがへこんでいる)
- 形や重さ:綺麗に左右対称に丸くなっていて、手に持った時にずっしりと重いもの
カットかぼちゃ美味しいかぼちゃの見分け方
- 果肉の色:濃いオレンジ色をしていて肉厚なもの
- ワタ :乾燥した状態になっているもの
- 種 :しっかりと熟して膨らんでいるもの(未熟なうちに収穫されたものは種が薄い)
《 ポイント 》
- 旬の時期は収穫が盛んな夏と食べ頃になる秋~冬の2回。
- 底の方にある色むらのオレンジ色が濃ければ完熟の目印。
- 未熟なうちに収穫されたものは種が薄い。
最後に
かぼちゃを美味しく食べるための「追熟」について解説しました。いかがでしたでしょうか?
野菜や果物は収穫後の鮮度の良い時に食べたほうがよいイメージがありますが、収穫直後のかぼちゃは水っぽくて甘くありません。そこで追熟させることによって、甘みが増してかぼちゃ独特のホクホク感を味わうことができます。
およそ一ヶ月は長期保存もできますので、収穫後はゆっくりと追熟させましょう。
美味しいかぼちゃの食べ頃や選び方は、皮の色やヘタの状態などで見分けられますので、この記事を参考にして甘みたっぷりのホクホクした美味しいかぼちゃを味わってくださいね。