目次
ジャガイモでおならが出る理由
ジャガイモの食物繊維がおならの原因
ジャガイモで「おなら」が出る原因の一つとして、食物繊維の摂り過ぎが考えられます。
腸内環境を整えるのに食物繊維は必要なものですが、ジャガイモなどに含まれる食物繊維は摂りすぎてしまうと腸内でガスが過剰に発生してしまいます。
おならは、食べ物を食べている時に一緒に飲み込んだ空気や腸内細菌が食べ物を消化する時に発生するガスです。早食いする人は食事とともに空気もたくさん飲み込んでしまうため、おならが出やすくなると言われています。
また、ストレスや緊張が続く環境にいると自然につばをのみ込む回数が増えてしまい、同時に空気も飲み込んでしまうため、おならが出やすくなってしまいます。
おならが出ること自体は悪いことではありませんが、頻繁に出るようだと生活に支障をきたしてしまいますよね。
不溶性の食物繊維を多く含むジャガイモを食べた時にいくつかの原因が重なってしまうと、よりおならが止まらなくなってしまうようです。
ジャガイモの食物繊維
食物繊維は、「水溶性」と「不溶性」に分けられます。ジャガイモは不溶性食物繊維が豊富なため、便のカサを増やして便通を促します。
ジャガイモ100gあたりの食物繊維量は以下のとおりです。
- 皮付きの生のじゃがいも1個 :9.8g
- 皮を剥いてゆでたじゃがいも1個:3.1g
これは同量の白米と比べて約2倍の食物繊維量になります。
ジャガイモでおならが出るのは防げる?
食物繊維をバランスよく摂る
ジャガイモを食べておならが出るのを防ぐには、腸内環境を整えることが大切です。
こんにゃくや海藻類などの「水溶性食物繊維」は水に溶けやすく、どろどろとした状態になるので便をスムーズに排泄してくれます。
それに対して、ジャガイモなどの芋類や豆類に多く含まれる「不溶性食物繊維」は水に溶けないため、便のカサを増して腸を活発にする作用があります。ですが、不溶性食物繊維を多く摂り過ぎると、便のカサが増して腸内に長く留まりガスばかりが発生してしまいます。
ジャガイモを食べる時は、水溶性の食物繊維を含むわかめやこんにゃくなどと一緒に食べるように心がけるとおならも臭いも気にならなくなります。
「水溶性」と「不溶性」の食物繊維をバランスよく摂ると腸内環境は改善されていきます。
便秘しないこと
おいしいからとジャガイモを食べすぎてしまうとおならが止まらなくなってしまいますが、ジャガイモを食べてもなるべくおならが出ないようにするには「よく噛んで食べる」「たくさん食べ過ぎない」ことがポイントです。
また、日頃から便秘気味の人は少量のジャガイモでもおならが出やすくなるようです。食べ方に気を配るだけでなく、普段から「運動をする」「水分をとる」「トイレを我慢しない」など、常に意識して便秘にならないように腸内環境を整えておきましょう。
運動が苦手な方でも、寝起きにゴロンゴロンと繰り返し寝返をうつだけでも、腸を刺激して便通を促してくれます。おならは病気ではないので、人前など重要な場面以外は我慢せずに出すようにしましょう。
ジャガイモを食べ過ぎるデメリット
カレーやポテトサラダなどバラエティ豊富なジャガイモを多く摂り過ぎた場合、どんなデメリットがあるのでしょうか?
高カロリーで太ってしまう
油で揚げたフライドポテトやポテトチップスは、ついつい手が伸びて食べすぎてしまいますよね。油で揚げたじゃがいもは少量でも高カロリーになり、肥満やがんのリスクがあるとも言われています。
糖質が高い
ジャガイモは、キャベツの約5倍にあたる糖質が含まれています。糖質を摂り過ぎると血液中のブドウ糖が過剰に増えるため高血糖の状態になってしまいます。
アメリカの研究によると、習慣的にたくさんのジャガイモを食べている人は、2型糖尿病のリスクが高まることが証明されています。
また、油で揚げたフライドポテトを食べ過ぎると糖尿病の発症率がさらに高くなるという研究結果もあるようです。
ジャガイモは、食後の血糖値の上昇するスピードを数値化した「GI値」が非常に高く、精白米と並ぶトップクラスの「高GI食品」と言えるでしょう。
高血圧になる
アメリカの研究によると、ジャガイモを週に4回以上食べている人は、月に1回程度食べている人に比べて、高血圧の発症リスクが11%上昇するという結果が出ています。ジャガイモを食べて血糖値が急激に上がると、高血圧のリスクも高まるので注意しましょう。
毒素による体調不良
「ソラニン」をご存知ですか?ジャガイモの芽の部分や緑色になった部位にはソラニンという毒素が含まれています。
このソラニンは過熱しても毒素が分解されないので、多量に摂取した場合、おう吐や下痢、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が現れることがあります。
ジャガイモを調理する時は、芽や緑色の部分は取り除いて調理しましょう。
ジャガイモの一日の適量
厚生労働省では1日に必要な野菜は、淡色野菜230g、緑黄色野菜120g の合計350gを推奨しています。ジャガイモはこのどちらにも属さない「芋類」に分類されますが、推奨値を目標にするのであれば、1日に中1個=約100gを目安にしましょう。
ジャガイモでおならが臭いと感じる原因
ここでは、ジャガイモでおならが臭くなる原因についてご紹介します。
人は1日に平均14回おならをすると言われています。正常なおならが出ること自体は健康の証しで、消化機能の状態を教えてくれる重要なサインでもあります。
日常生活に支障をきたすほど極端に多く出たり、あまりにも臭いがきつい場合は、何らかの病気の可能性があるかもしれません。
腸内環境の悪化
ジャガイモでおならが臭くなる原因として考えられるのは、腸内環境の乱れによる悪玉菌の増加です。腸内には腸に良い働きをしてくれる「善玉菌2割」と体に悪い働きする「悪玉菌1割」、そのどちらにも属さない「日和見菌7割」が存在し、この割合が最適とされています。
この腸内細菌種類のバランスによって腸内環境が変わってくるのですが、腸の働きを低下させる食生活を続けているとバランスが崩れ、悪玉菌が増えてしまいます。
「外食の多さ」「甘いものの大量摂取」「肉中心の生活」「野菜が少ない」などが原因になります。
腸内細菌の状態
腸内細菌の種類が少ない人は、食物繊維が不足している他に、抗生物質の使い過ぎも原因と言われています。
また、小腸で細菌が異常に増えることによって、栄養を吸収しづらくなり消化不良の症状を引き起こし腸内でガスが大量に発生している可能性もあります。
腸内環境を整えて様子をみても改善されないのであれば、一度病院を受診してもいいかもしれません。
ジャガイモよりさつまいもの方がおならが出る?
ジャガイモよりも食物繊維が多く含まれているさつまいもの方がおならが出やすくなります。
- 100gの生のさつまいもの食物繊維は2.2g
(内、水溶性0.6g、不溶性1.6g) - 100gの生のジャガイモの食物繊維は1.3g
(内、水溶性0.6g、不溶性0.7g)
不溶性食物繊維が多く含まれているさつまいもは、消化に時間がかかるため腸内でガスが発生しやすいため、昔からさつまいもを食べるとおならが出やすいと言われています。
最後に
人は1日に14回程度おならをすると言われていますが、ジャガイモの美味しさにつられて食べ過ぎてしまうと食物繊維が豊富な分、おならが止まらなくなってしまいます。
また、GI値や糖質量が高いジャガイモを食べ過ぎると、肥満や病気のリスクが高くなります。
ジャガイモでおならを防ぐためには、普段から腸内環境を整えておくことが重要です。腸は体が栄養を取り込んで吸収する生命の維持に不可欠な主要経路です。また、病気を防いでくれる何兆個という細菌のすみかでもあります。
どんなに大好きなジャガイモでも食べ過ぎには注意して、日頃から快適な腸内環境を作るように気をつけましょうね。