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作り置きは一週間で腐る?
傷みやすい食材を除いて、多くの料理は作り置きすることでして冷蔵庫なら3日〜一週間ほど腐ることなく保存が可能です。
ただし、食材によっても保存に向くものと向かないものがありますので、方法や食材を間違えてしまうと、一週間どころか3日も持たないで腐ることもあるようです。
ですから向かない食材を避けてポイントを押さえれば、一週間分のおかずを腐ることなく作り置きしておくことが可能になります。
そのためには、保存することを目的とする「作り置きおかず」だからこそ、できたてを食べる料理よりも少し注意しなくてはいけない点があります。
作り置きに向いている食材と調理法
大根
煮汁が染み込んだ大根と相性が良い鶏肉の煮物は、冷蔵保存での日持ちは5日ほど可能です。
作り置きしてその時に使う大根の皮を厚めに剥き、食べやすいサイズに切った皮をポン酢に漬けておきます。ほかほかの白いごはんやお酒のおつまみとの相性はばっちりです。
にんじん
カロテンたっぷりのにんじんは、生で食べるよりも茹でたり油で炒める調理をすることにより、吸収率がアップする栄養満点な常備菜です。
調味料をからめてオーブンで焼くのも、素材の旨味と甘みが引き出されて美味くなります。
ピーマン
食卓やお弁当の中に鮮やかな緑の彩りがあると、華やかになり食欲がそそられますよね。冷めても美味しくいただけるので、まとめて作り置きしておくともう一品ほしい時に重宝します。
ごぼう
ごぼうの素朴なうま味とにんじんで、彩りがきれいなきんぴらごぼうをたっぷり作り置きしておけば、お弁当のおかずや朝食時に助かります。
きんぴらごぼう以外にも、ごぼうの切り方を変えてマヨネーズで和えればごぼうサラダにもなります。風味豊かなごま和えや、炊き込みご飯との相性もバッチリです。
かぼちゃ
洋風と和風、どちらのメニューでも大活躍するかぼちゃですが、煮物だけでなくサラダの味付けも豊富にあります。
醤油味をきかせた和の風味が豊かなものや、デパ地下デリカ風クリーミーサラダなど作り置きして常備しておくと助かりますね。
じゃがいも
老若男女子に愛されている食材のひとつであるじゃがいもですが、冷めて味が染み込んだ方が美味しい煮っころがしを始め、相性抜群のバターの風味を活かしたじゃがバター、ベーコンやハムを加えたポテトサラダなど、幅広いメニューが楽しめます。
さつまいも
小腹がすいたときやおやつ時や、お客様のお茶うけ、お弁当のデザートにうってつけの食材です。
鮮やかな黄色と甘さが美味しさを引き立ててくれるさつまいもは、旬の時期に作って作り置きしておくとお弁当やおもてなし料理に活躍してくれます。
干しいもや大学いも、レモン煮にしたものをそのまま盛り付けても良いし、小さく丸めてお団子状にして冷凍しておいても良いでしょう。
ひじき煮
昔ながらの作り置きの保存食として親しまれているひじき煮を調理する際には、一晩掛けてじっくりと旨味を引き出した干ししいたけや大豆を入れるとヘルシーで体にも良い影響を与えてくれるでしょう。
切り干し大根と
ご飯のお供にも合う切り干し大根の煮物は、味がよくしみ込みお弁当のおかずにもピッタリです。
冷凍保存も可能なので、たくさん作り置きしておけば忙しい朝やお弁当のおかず、夕食の一品としても使えるので助かります。
《 ポイント 》
- 作り置きは食材によって腐るので保存に向くものと向かないものがある。
- 作り置きで方法や食材を間違えると、一週間どころか3日も持たないで腐ることもある。
作り置きで腐りにくいおかずの特徴
作り置きのおかずに向いている調理法
では、作り置きして一週間腐ることなく日持ちさせるのに向いている調理法にはどんなものがあるのでしょうか?
長時間熱を通している
生焼けは腐敗が進む原因になるので、火をしっかり通すようにします。
レンジやフライパンなどでしっかりと中心まで火をとおすことで、食材の細菌やウイルスを死滅させることができます。
また、食べる直前にも「火入れ」をしてしっかりと火を通しておくことで、再び殺菌することになり作り置きしても一週間腐ることなく安心して食べられるでしょう。
お酢、梅干、しょうが、わさびなどの殺菌効果で傷みにくくする
ピクルスやマリネなどのように、お酢のクエン酸の殺菌効果で傷みにくい状態で作り置きの保存が可能です。
クエン酸とは、梅干しやレモンなどの柑橘類に含まれる酸味成分ですが、ポン酢などを使えばもっと気軽に一週間腐ることなく日持ちする作り置き料理ができそうです。
おにぎりの食中毒菌である「黄色ブドウ球菌」や、野菜や肉類に多い「O-157」は、梅干しによって菌の増殖をある程度抑えられると言われています。
お刺身のツマとして添えられている紫蘇や、紫蘇の実がついた穂紫蘇にも殺菌効果があるからこそ、使われているのですね。
また、ネギ、ニンニク、たまねぎ、ニラに含まれているアリシンや、しょうがの辛味成分であるジンゲロールやショウガオール、からしやすりおろしたわさびから発生するアリルイソチオシアネート(アリルからし油)には抗菌作用、つまり菌をおさえる作用と殺菌作用があるといわれています。
お弁当のバランにわさび成分が塗布されている「わさびシート」が販売されていますので、その効果は期待できるでしょう。
カレー粉など、スパイスを使った料理
カレー粉に含まれている殺菌作用を調理に活かすことで、作り置きのおかずを腐りにくくしてくれます。
色々な料理の隠し味によく使われるカレー粉、そしてターメリック、クミン、コリアンダーなどカレーのスパイスなど、香りある食材にも抗菌作用があります。
醤油など濃い味付けをして塩分を多めにする
きんぴらや佃煮など、味をいつもより濃いめにつけておくと作り置きしても傷みにくくなります。
というのも、水分や砂糖を多めにすることにより、食材から水分がぬけるので、その分、一週間腐ることなく作り置き保存がきくというわけです。
汁気を少なくして水分による腐敗を防ぐ
食中毒の一番の大敵は水分です。その水分が腐敗の原因でもあるので、水分の少ない調理法にするとよいでしょう。
なので、作り置きおかずのメニューには、時間が経つと水分が出やすい和え物や、含め煮のような水分が残る煮物類は避けて、きんぴらや佃煮のように水分を完全に飛ばすものがおすすめです。
また、味付けたまごを作る場合には、半熟よりもしっかり中心まで茹でた固ゆでにしましょう。
できたてのゆで卵をすぐに味わうなら気にする必要はありませんが、しばらく時間を置いた作り置きした半熟卵を食べる場合は、食中毒の危険性が高まります。
《 ポイント 》
- 作り置き料理は、しっかりと中心まで火をとおす。
- 作り置き料理には、お酢、梅干、しょうが、わさびなどの殺菌効果を利用する。
- 作り置き料理は、カレー粉など、スパイスを使って調理する。
- 作り置き料理は、いつもより濃い味付けにつける。
- 作り置き料理のが、腐る原因でもある汁気を少なくした調理にする。
作り置きを一週間日持ちさせるためのポイント
作り置きした料理を一週間腐ることなく日持ちさせるためには、清潔な環境で細菌をつけないこと、火をとおして殺菌しておくことが基本となります。
「日持ちする食材」、「日持ちする調理法」を用いるのはもちろんですが、保存する際の注意点や食べるときの扱いも大切なポイントです。
冷蔵庫や冷凍庫で保存する
これは必須条件です。常温で保管するとせっかく作り置きした料理なのに腐るので日持ちしません。
日持ちさせられる調理法を併用する
作り置き料理が腐ることを防ぐために、食材や調理方法は1種類だけでも良いのですが、塩と食酢など、2種類以上使うことで、より殺菌効果がアップします。
清潔な保存容器や調理器具を使用する
調理器具が不衛生だと調理段階で菌が入ってしまいますので、必ず清潔な器具や容器を使いましょう。
水滴や汚れは腐敗を早める原因になります。しっかりと洗剤を使って洗い、水気をふいた容器に入れるようにしましょう。
また、調理前や盛り付けの際はていねいに手洗いをし、できればアルコールスプレーをしておくとより安心ですね。
粗熱を完全に取ってから保存する
粗熱をしっかり取ってから冷蔵や冷凍で保存してください。すばやく粗熱を取るには、清潔な容器に食材を入れて、一回り大きいボウルに氷水をはり、そこに容器を入れて一気に冷まします。
作った日付を書いておく
「いつ作ったのか分からない」なんてことがないように、日付を正確に記入して在庫を把握しておきましょう。せっかくの作り置き料理が腐るのはもったいないですよね。
容器から取り出すときは清潔な箸を使う
お口に入れる箸を使って、そのまま容器から取り出していませんか?
その時に食べ切ってしまうのであればともかく、さらに数日保存をするのであれば取り分け用に清潔な別の箸を使うようにしましょう。
ちょっとしたひと手間を加えることで、健康的でおいしい作り置き料理を一週間腐ることなく日持ちさせられますよ。
《 ポイント 》
- 作り置き料理は、冷蔵保存や冷凍保存が必須条件。
- 作り置きするときは、塩と食酢など、2種類以上使うことで殺菌効果をあげる。
- 作り置きするときは、必ず清潔な保存容器や調理器具を使用する。
- 作り置きするときは、粗熱を完全に取ってから保存し、作った日付を記入する。
- 作り置き料理を容器から取り出すときは清潔な箸で。
作り置きを一週間腐らせないためには冷凍保存がおすすめ
作り置きは、冷蔵でも腐ることなく一週間程度の長期間保存ができるものもありますが、冷凍しておくとさらに安心です。
手間や時間のかかる作り置き料理は、作りたくてもなかなか手が出せないという忙しい方にとって、冷凍保存というのはとてもありがたいことで、食べたいときに解凍すれば、あっという間におかずが一品完成します。
休日など時間に余裕がある時に作っておけば、忙しい日にもバランスのいい食事を計画的に取ることができます。作り置き料理が腐ることを防ぐ冷凍保存方法は以下のとおりです。
- 温かいものは粗熱をとったらすぐに容器に移して冷凍する。
- 平にしてムラなく凍らせることで、冷凍、解凍のときに均一に熱が抜けたり入ったりする。
- 空気に触れて霜がつくと細菌が付きやすいため、保存中は空気に触れないようにする。
- 密封容器やジップロックに入れてできるだけ空気をぬいて保管する。
《 ポイント 》
- 作り置きを冷凍するときは、粗熱をとったらすぐに容器に移して冷凍保存する。
- 作り置きを冷凍するときは、平にしてムラなく凍らせる。
- 作り置きを冷凍するときは、密封容器やジップロックに入れて空気に触れないようにする。
最後に
作り置き料理を一週間腐ることなく日持ちさせるためのポイントについて、いかがでしたでしょうか?
できたてをすぐに味わう作り置き料理であれば気にする必要はありませんが、作ってからしばらく時間が経ってから食べる場合は、しっかり中心まで火を通しておく必要があります。
また、古くから作り置き料理としてよく作られている、きんぴらや佃煮のような水分が少なく味の濃い作り置き料理など、昔の人の知恵を参考にしてみてください。
他にも、ピクルスやマリネのように殺菌効果を活かしたお酢や、スパイスを使った調理法などは、長期保存になくてはならない方法でしょう。
このように、ちょっとしたコツをつかめば、安全で美味しい作り置きができますので、時間に余裕のあるときにまとめて作り置きを調理をしておくと、一週間腐ることなく毎日の食事に役立てることができますね。
ただし、せっかくの作り置き料理で健康を損ねてしまうことがないように、衛生面には気を配らなくてはいけません。
主婦にとって毎日なら大変な作り置き料理でも、作り置き料理を一週間腐ることなく上手に活用することで栄養を取りつつ彩り豊かな食卓にすることができますので、ご家庭に合った作り置き調理方法をいろいろ試してみてくださいね!