目次
豚汁の保存方法と賞味期限
豚汁は保存方法を知ると、美味しい期間を長く楽しめる上、すぐに腐らせずに済みます。また、大まかな賞味期限を把握することで、季節などに応じた量を作る目安にもなりますよ。
冷凍保存する場合の注意点についてもご紹介します。
豚汁の保存方法
豚汁の保存方法は、いくつかあります。
- 鍋ごと冷まして冷蔵保存
- 小分けにして冷蔵保存
- 冷凍対応の保存容器に入れて冷凍保存
一番手軽なのが、鍋ごと冷蔵保存する方法です。豚汁はできるだけ早く冷蔵庫に入れると、傷みにくくなります。コンロから鍋を下ろして、豚汁が自然に冷めるのを待つ方法だと、細菌が増えやすく傷みやすくなるので危険です。
鍋ごと冷蔵庫に入れるときは、鍋を十分冷却することがポイントです。すっぽりがいるボウルや桶などに氷水を入れて、一気に全体を冷ましましょう。
鍋を触り、冷蔵庫に入れても問題ない温度になったら、蓋をしたまま冷蔵庫で保存します。
一度に食べる量に小分けして、冷蔵保存する方法もあります。ジップロックやタッパーなどに分けて、冷めたら冷蔵庫に入れましょう。この方法であれば、冷蔵庫内のほかの食材への臭い移りが気になりません。
冷凍保存をするときの注意点
豚汁は、具材を考慮すると約1か月ほど冷凍保存できます。
以下の食材は冷凍保存に向かないの、最初から冷凍保存を考えているときは後入れするなどの工夫をしましょう。
- こんにゃく
- 豆腐
味噌は冷凍すると風味が落ちるので、食べる寸前に溶かし入れるのがおすすめです。冷凍してしまうと出来立てのような豊かな味わいを楽しめなくなるので、その点は注意してください。
冷凍保存する場合、冷凍用の保存容器に1杯ずつ小分けにして保存しましょう。粗熱が取れていない状態で冷凍庫に入れると、ほかの冷凍食品を溶かしてしまう原因になります。
豚汁の賞味期限
豚汁の賞味期限は、季節によって若干違います。
- 冬場は(作ったその日を含めて)2~3日
- 夏場は半日
- 春と秋は1~2日
常温保存の平均日数は、1~2日です。季節によってばらつきはありますが、常温保存では想像以上に早く傷み始めることもあります。
これは、豚汁内の微生物などが20~40℃で保温されている状態を好むためです。
食べ物が傷む最大の原因は、梅雨時や夏場の暑さです。夏場の常温保存の目安は半日ですが、もっと早く腐り始めることもあります。
豚肉は傷みやすいメニューなので、粗熱が取れたら冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵保存するときは、季節関係なく3~5日を目安に食べきると安心です。
《 豚汁を保存するポイント 》
- 季節問わず冷めたら早く冷蔵保存する
- 風味は落ちるけれど、冷凍保存可能
豚汁の保存期間を長くする調理方法とは
豚汁は、傷みにくくなる保存方法があります。美味しく最後まで豚汁を食べるためにも、保存期間を長くする方法をチェックしましょう。
油で具材をしっかり炒める
油で具材をしっかり炒めましょう。このひと手間を加えるだけで、傷むスピードが遅くなります。
具材を煮込む前に炒めることで、煮込む時間も短くて済みます。時短にもつながるので、炒める工程はできるだけ取り入れたいひと手間です。
豆腐は特に傷みやすい食材なので、焼き色がつくくらいしっかりと炒めた方が保存期間が伸びやすくなります。
傷みやすい食材を知る
豚汁に限らず、味噌汁に入れたときに傷みやすい食材を知っておきましょう。
- 豆腐
- 味噌
- 豚肉
- 里芋
豚肉はスーパーに並んでいる時点で、ある程度熟成が進んでいます。
数日冷蔵庫に放置するだけでも腐敗が進むほど傷みやすい食材です。味噌や豆腐、里芋も傷みやすいので、保存した豚汁を食べる前に、傷んでいないかチェックしましょう。
生姜を入れる
豚汁に生姜を加えると、いくつかのメリットがあります。
- 抗菌作用がある
- 風味や香りがよくなる
生姜は好き嫌いが別れる食材なので、豚汁に生姜を入れる場合は一緒に食べる人に生姜を入れるか確認しておきましょう。たくさん生姜を入れると、香りがぐっとアップして食が進むかもしれません。
濃い目の味付けにする
冷蔵庫の空きがなく、やむを得ず常温保存する時間が長くなるときは、濃いめの味付けにすると細菌の増加が防げます。塩分が多いと細菌が増えにくくなるので、傷むスピードが遅くなるのです。
味噌を多くして味付けを濃くすると、体にはよくありません。再度加熱したら味が濃くなることもあるので、味がより一層凝縮した豚汁になることも想定されます。
豚汁を濃いめの味付けにするなら、一度にすべて食べきる量を作りましょう。
保存した豚汁の美味しい食べ方
冷蔵庫で保存した豚汁を美味しく食べるためには、いくつかのポイントがあります。難しいものはないので、冷蔵保存た豚汁を温めるときにぜひ試してみてください。
豚汁を沸騰させない
味噌汁は全般的に、沸騰させると香りが飛んで風味を損なってしまいます。豚汁も、その例外ではありません。味噌の風味を堪能するためにも、沸騰直前で火を止めるのがおすすめです。
沸騰させた状態で具材を煮込むと、味噌の塩分が具にしみこみやすくなります。全体的に塩辛く感じやすくなり、食べているうちにくどくなってしまうかもしれません。
後入れが美味しい食材を把握して一工夫
豚汁をより長くおいしく楽しむならば、後入れした方がおいしい食材を把握しておくとよいでしょう。
- 豚肉
- 味噌
- 豆腐
- ネギ
豚肉と味噌は煮込みすぎると風味が落ちてしまうだけでなく、傷みやすい食材です。豆腐も食べる直前に入れましょう。
ネギは、ほかの食材のように煮込んでしまうとくたくたになってしまいます。風味や食感を楽しむためにも、食べる直前に入れるのがおすすめです。
食べる分だけ加熱する
豚汁を鍋で保存していると、食べるときは鍋に入っている豚汁を全部温めてしまいがちです。しかし、鍋全体を温めてしまうと、以下のようなデメリットがあります。
- 具材に火が入りすぎて食感を損なう
- 味噌汁が濃くなり酸味が強くなる
冷蔵保存している豚汁は、食べる分だけ温めましょう。何度も温めていると、里芋や大根に火が入りすぎてしまいます。
一食分だけ分けて温めることで、残えいの豚汁の風味を損なわずに味わえます。
豚汁のリメイクレシピを取り入れる
豚汁は、リメイクできるメニューです。いくつかリメイクメニューを知っているだけで、豚汁でいろいろな料理が楽しめますよ。
麺類を入れるリメイクレシピは、簡単で重宝します。うどんを入れて煮込めば味噌煮込みうどんになり、幅の広い平麺を入れるとほうとうやだんご汁にアレンジ可能。一皿で満足できる立派な料理になるので、ランチなどにもおすすめです。
調味料を加えてアレンジすることもできます。カレー粉を足してカレーうどんにしたり、ラー油などを足してタンタンスープにするなど、ちょい足しするだけで豚汁とは全く違った味わいの一品の出来上がり。
ご飯を炊くときの水分として使えば炊き込みご飯に、お好み焼きの水分に使えば出汁の効いたお好み焼きもできます。大量に作って困ったというときには、ぜひリメイクレシピを試してみてください。
《 保存後の豚汁と美味しく楽しむポイント 》
- 沸騰させずに風味をキープ
- 後入れすべき具材は食べる前に入れ足す
- アレンジレシピで豚汁をほかの料理に変身させる
保存した豚汁を温める時の注意点
豚汁の温め方の注意ポイントをご紹介します。電子レンジで豚汁を温めるときの注意点や、冷凍保存した豚汁の食べ方についてもまとめました。
沸騰直前までしっかり加熱
豚汁は中途半端に温めてしまうと、汁の中に含まれる細菌が活性化して劣化が進んでしまいます。加熱するなら沸騰直前まで、しっかりと加熱しましょう。
沸騰させてしまうと、味噌に含まれる乳酸菌がうまく働けなくなります。アルコールと風味が飛んでしまって傷みやすくなってしまうので、気を付けてください。
電子レンジで加熱するときの注意点
電子レンジで豚汁と温めるときは、以下のことに気をつけましょう。
- 電子レンジ対応のお椀を使う
- 沸騰寸前まで加熱しない
- ラップをふんわりかけて加熱する
電子レンジ非対応のお椀を使うと、お椀の破損につながります。目に見えなくても豚汁を入れている内側が溶けて豚汁に溶け込むと、体にも負担をかけてしまうかもしれません。
電子レンジで水分を加熱すると、沸点で気泡が出にくく、過剰に加熱してしまう可能性があります。過剰加熱した水分は、何らかの刺激で一気に沸騰することがあるので要注意!水分が一気に沸騰すると、液体が破裂したように飛び散ることもあります。
可過熱状態にならないためにも、豚汁を沸騰寸前まで温めないよう心がけましょう。万が一液体が一気に沸騰してもケガをしないよう、ふんわりラップをかけておくのも有効です。ぴっちりトラップをかけると、液体に圧がかかるので気を付けてください。
冷凍した豚汁を加熱するときの注意点
冷凍した豚汁は、ある程度電子レンジで温めてから鍋に移して温め直すと美味しく食べられます。
凍った状態の豚汁をそのまま鍋に入れてしまうと、熱する部分にムラができて解凍が思うように進まず、風味を損なってしまうのです。
鍋の焦げ付きや具材の煮崩れなどにもつながるので、冷凍した場合はレンジで少し温めてから鍋で加熱しましょう。
《 豚汁を温めるときのポイント 》
- 沸騰させない
- 可過熱状態にならないように配慮する
- 冷凍したものはレンジで適度に解凍してから鍋で加熱
豚汁が腐ると
豚汁が腐ると、どんな変化が現れるのでしょうか?
傷んだ豚汁を誤って食してしまうと、食中毒を起こすこともあります。家族や自分の健康を守るためにも、豚汁の危険な異変サインを見逃さないようにしましょう。
豚肉の赤身部分と豚汁表面に注目
豚汁は豚肉を使っているため、冷蔵庫で保存すると豚の油が白っぽくなることがあります。豚の油と豚肉の傷みを見分けるには、赤身に注目しましょう。
また、豚汁の表面にも異変が起きやすいのでチェックしやすいポイントです。
- 赤身に白いポツポツが出る
- 豚汁の表面にうっすらと膜が張る
劣化が進むと、豚汁表面の膜に青カビが発生することもあります。冷蔵庫から豚汁を取り出したら、まずは見た目に変化がないかを観察してみてください。
嫌な臭いがする
豚汁から生ごみやアンモニアのような臭いがしたら、傷んでいる証拠です。食べて確認すると食中毒になるリスクがあるので、嫌な臭いがしたら破棄しましょう。
豚汁は冷めた状態では臭いにくい料理なので、冷蔵庫から出して確認したときは気が付かないこともあります。食べる前に温めて、再度傷んでいないか臭いを確認してみてください。熱が入ると香りは出始めるので、異臭にも気が付きやすくなります。
具材を箸で持ち上げると糸を引く
里芋や豆腐などは、傷みやすい具材を箸で持ち上げたときに、具材が糸を引いていると傷んでいるサインです。ちょっと怪しいなと思う程度ではっきりわかりづらいときは、臭いや少し食べて味などをたしかめてみましょう。
豚汁の汁全体にとろみがみられるときも、傷んでいます。あんかけのような強いとろみではないので、汁全体をよく観察して傷みサインを見逃さないようにしましょう。
食べると酸味が強く舌がしびれる
臭いやとろみなどでは見分けがつかないけれど怪しいと思っているときは、豚汁を少し食べてみるのもアリです。たくさん食べてしまうと食中毒を起こしてしまうかもしれないので、少量口に含んで確認してみましょう。
傷んでいる豚汁は、今までとは明らかに違う酸味を強く感じやすい傾向です。また、舌に汁が触れた瞬間、舌がピリピリしびれるような感覚を感じることもあります。これも通常の豚汁では起きない異変なので、食べるのは諦めてください。
《 豚汁が傷んでいるときに現れるポイント 》
- 作ったときと見た目が違う
- 明らかに最初とは違う臭いがする
- 食べたときに体が拒否するような味の変化がある
最後に
豚汁は傷みやすいメニューなので、一度に作る量を考慮して作り始めましょう。
冷蔵庫内には鍋を入れるためのスペースを確保し、安心安全に保管しながら、美味しい豚汁を堪能してくださいね。