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「夜に靴をおろす」の意味
夜に靴をおろすことは、よくないと言われていますが、ここでは夜に靴をおろすの、「おろす」の意味を詳しく紹介していきます。
夜に靴をおろすの「おろす」という言葉ですが、あまり聞きなれないので、何故新しい靴を出すや履くという言葉ではないのか気になりませんか?
これは新しいものを初めて使うときの表現で、「おろす」という言葉を使っています。
現代は玄関の作りが色々あってマンションでは段差のないフラットな玄関まであります。しかし昔ながらの作りをしている玄関では地面と同じ高さの場所で靴を脱いで1段上がって家の中に入りました。そのため家に入ることを「家にあがる」と言います。
家の中は1段高いところにあると考えられるので、新しい靴を玄関に出すことを家の中より1段低いところに「おろす」という表現になります。このことから新しい靴をおろすということは、新しい靴を玄関に置いて使える状態にすることを意味しています。
《 ポイント 》
夜に靴をおろすの「おろす」という表現は、昔ながらの家の作りの場合は家の中は玄関よりも1段高い場所となるので靴を玄関に出すことを1段下に「おろす」という意味でも使われることもあり、一般的に新しいものを初めて使うときにはおろすという表現になっています。
夜に靴をおろすのがいけないと言われている理由
夜に靴をおろすのがいけないと言われている理由を調べてみると江戸時代からの言い伝えや迷信が理由となっていることがわかりました。
夜に靴をおろすのがいけないと言われている理由は大きく分けて3つあるので紹介します。
江戸時代のお通夜
江戸時代のような昔には街灯が無かったため、今では想像もつかないと思いますが日が沈んで夜になると真っ暗になっていました。
灯りを灯そうとしてもその燃料は庶民にとって高価なものでしたので、家の中も真っ暗の状態でしたので、太陽が沈んで暗くなったら寝てしまうという生活が一般的だったようです。
そんな生活をしている江戸時代の人が夜外出するというときは、お通夜などの誰かが亡くなるという時だけでした。
江戸時代に新しい靴をおろすときは冠婚葬祭のときというのが一般的でしたが、それが夜の場合出かけるのはお通夜などの誰かが亡くなるという時ということになるので、人が亡くなることを連想させるので夜に靴をおろすという行為が縁起が悪いと言われるようになったので「夜に靴をおろすのがいけない」ということになりました。
故人に新しい草履を履かせていた
これも江戸時代の話になりますが、一部の地域では亡くなった方を出棺する際に故人には新しい草履を履かせていました。
これは死後の世界への旅立ちの為に新しい草履を履かせてあげようという故人への思いやりから履かせていたということなります。
江戸時代の出棺は夜に行われていたこともあって新しい靴を下ろすことが死を連想させるということ繋がっているため、夜に靴をおろすのがいけないということになっています。
罰が当たる
靴に限らず新しいものはまず先に神様に供えるものとして考えられていたので、神棚の灯火を消したあとに、こっそり新しいものを使ったときには罰が当たるという考えがあったので、夜に靴をおろすのがいけないと言われています。
《 ポイント 》
夜に靴をおろすのがいけないと言われている理由は、主に江戸時代からの言い伝えで当時は夜に出かける理由と言えば、お通夜など人が亡くなったときのみでしたので、縁起が悪いことを連想させるため夜に靴をおろすという行為は、出かけるということにつながるので縁起が悪いということとしていけないことになったという説や、昔は新しいものはまず神様に供えるものと考えられていたため、神棚の灯火を消したあとにこっそり新しいものを使うと罰が当たると考えられていたためです。
夜に靴をおろすのがよいケースもある?
夜に靴をおろすのがいけないという話は古く江戸時代からの言い伝えという話をしましたが、現代においても同じなのでしょうか?
昔は草履が一般的でしたが現代では主に足全体を覆う靴の文化になっています。
また活動する時間も夜になっても街灯によって明るくなった現代では、夜中でも仕事をしていたり出かける場合もあります。
夜になって靴を買おうとして試し履きをしてサイズを合わせて購入した場合、朝になると合っていたサイズが大きくなっているということがあります。
これは夜になると足がむくんでしまうため朝と足のサイズが変わってしまっているということが原因になります。足のむくみ夜に近づくにつれて症状が出てくるので、午前中に靴を買うと夜になったらサイズが合わないということにもなります。
このことから夜に履く靴を購入する場合は、夜に靴を買いに行って夜に靴をおろすことが良いという考え方になります。
《 ポイント 》
- 足は朝から夜になるにつれてむくみの症状が出てくるため朝と夜では足の大きさが変わります。
- 靴を履く時間が夜か昼間か明確な時は、夜に履く靴は夜に購入して夜に靴をおろすことが靴のサイズが合っていることになり、昼間に履く靴は昼間に買って昼間に靴をおろすことがベターな選択になります。
新しい靴をおろす適した時間とは
夜に靴をおろす以外に、新しい靴をおろすのに適した時間は午前中が良いとされています。そして縁起の良い日や晴れた日に新しい靴を降ろすのが良いとされています。
縁起の良い日とは「大安」や「先勝」の日です。
新しいことをはじめるときには縁起の良い日から始めると良いというゲン担ぎの意味もあります。また晴れた日に新しい靴を降ろさず、雨の日ですといきなり汚れてしまうと気分も良くないですよね?
また、家の中で履いてそのまま家を出ることも、亡くなった人が新しい草履を履いて出棺することから縁起が悪いので、一旦玄関におろしてから履いて家を出るようにしましょう。
《 ポイント 》
- 夜に靴をおろす以外に、新しい靴をおろすのに適した時間は午前中が良いとされています。
- ゲン担ぎとも言えますが六曜の吉日である縁起の良いとされている「大安」や「先勝」の日に靴をおろすことが良いとされています。
夜に靴をおろすときには「おまじない」をしましょう
午前中に靴を降ろすことができず、夜に靴をおろすしかない場合のおまじないがあります。
夜に靴をおろすのが、縁起が悪いと聞いてしまうと例え迷信だとわかっていても気になってしまいます。
夜に靴をおろす時のおまじない
- ペンで靴の裏に×印を書く
- ライターの火で少しあぶる
- 靴底につばをつける
- 火を消したマッチの煤をつける
これらのおまじないは神様に備える前に新しいものを使うと罰が当たるという話から、おまじないを施した靴は少し汚れているので新品ではありません…ということになるのです。
昔から伝わっているおまじないは、靴底に黒いものを塗るとされているので、かまどの灰や鍋のすすや墨汁をつけていたようです。これは火には悪いものを追い払う力を持っていると考えられていたからです。
午前中に靴を降ろせない場合には、おまじないをしてから夜に靴をおろすようにしましょう。例え迷信だとしても縁起が悪いと聞いてしまうとできれば避けたいと考えてしまいますよね?
おまじないにはペンで靴の裏に×印を書く・ライターの火で少しあぶる・靴底につばをつける・火を消したマッチの煤をつけると言った方法があります。
日には悪いものを追い払う力があるとされているので、ライヤーの火やマッチを使うおまじないがおすすめです。このおまじないは靴を汚すことで新品ではなくなるという考えです。
最後に
昔から夜に靴をおろすといけないと言われていることには理由がありました。
言い伝えや迷信の話なので信じても信じなくても問題はありませんが、新しい靴は縁起が悪いとされていることはできれば避けて気分良く靴を履きたいですよね?
どうしても夜に靴をおろす場合はおまじないを試してみてください。