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なぜ防水スプレーでシミができるのか?
雨の多い時期に大活躍な防水スプレーですが、使い方を誤るとシミを作ってしまうことがあります。大切な製品を、水や汚れから守るつもりが、逆にシミを作ってしまうなどということがないように、正しい防水スプレーの使い方を身につけておきましょう。
防水スプレーでシミができてしまう大きな原因として、防水スプレーを使用できない製品、素材に使用していることが考えられます。
一般的に、防水スプレーには「革製品やエナメル製品、絹といった素材のものには使用しない」といった注意書きがあります。万が一、上記のように製品に防水スプレーを使用してしまうと、変色してシミになってしまうため注意が必要です。
【素材別】防水スプレーでできたシミへの対処法6つ
ここからは、防水スプレーでできたシミへの対処法を6つご紹介します。
一度シミになってしまうと、なかなか落ちづらく見た目も悪くなってしまいます。できるだけ早く対処するようにしましょう。
なお、素材ごとにシミを落とす方法は異なります。また、方法を間違えてしまうと変色してしまう可能性がありますので注意が必要です。
以下に、素材別のシミへの対処法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
対処法1:スエードの場合
秋冬向けの製品に使われることの多いスエード素材ですが、汚れやすいことから防水スプレーで対策する方は多いのではないでしょうか。
そもそもお手入れが大変なスエード製品ですが、専用のクリーナーを使用すれば、万が一の際にも安心して対応することができます。
ここからは、防水スプレーでスエードにシミを作ってしまった場合にどのように対処するべきかご紹介します。
用意するもの
スエード素材のものに防水スプレーでシミを作ってしまった場合は、
- スエード用クリーナー
- スポンジ
- タオル
- 新聞紙
を用意しましょう。
スエード用のブラシや、シューキーパーなどがあるとより作業がしやすくなります。新聞紙はシューキーパーの代わりとして使用することもできますし、床に敷いて使用することで防水スプレーが他のものにかかる危険性を下げてくれます。
落とし方
防水スプレーによってできたスエードのシミを落とす場合には、スエード専用のクリーナーを使う必要があります。
- スポンジに水を含ませシミ全体を濡らし、スエード用のシャンプーをスポンジに含ませ全体に乗せます。
- ブラシを使って汚れを落とし、タオルで表面の泡を取り除きます。
- 別のタオルで軽く叩くようにして水分を取り、風通しがよい直射日光の当たらない場所に干します。
- 乾燥したら、スエード専用のスプレーやケア用品を使いましょう。
対処法2:エナメル素材の場合
エナメル素材のものに防水スプレーでシミを作ってしまった場合は、エナメル用のクリーナーで落としましょう。エナメル用のクリーナーにはいくつか種類がありますが、伸びの良いローションタイプのものがおすすめです。
また、エナメル素材はそもそも水を通さない性質を持っているため、防水スプレーを使用する必要はありません。今回は、あくまでも誤って使用してしまった場合の対処法なので、今後は防水スプレーを使用しないよう気をつけましょう。
用意するもの
エナメルのシミを落とすために用意するものは、
- エナメル用クリーナー
- 柔らかい布:2枚
です。エナメル用クリーナーはいくつか種類がありますが、ローションタイプは伸びが良く、全体に塗り拡げやすいためおすすめです。
柔らかい布は、クリーナーを塗る時とクリーナーを拭き取る時に必要となるため、2枚以上用意しておくのが良いでしょう。
落とし方
- 柔らかい布にエナメルクリーナーを取り、全体に塗り拡げます。
- 塗り終えたら、クリーナーが乾く前に乾いた布で拭き取って磨きます。なお、ローションタイプを使用すれば、塗り拡げや拭き取りが簡単にでき、つやを出すことも可能です。
- 拭き取りが完了したら適度に乾かしておきましょう。
対処法3:ナイロンの場合
ナイロン素材のものにシミができてしまった場合は、固形石鹸をはじめとする洗剤とスポンジで落とすことができます。傘などによく使われるナイロンですが、シミを作る原因はスプレーのかけすぎや、湿気や温度変化によるものです。
それでは、ナイロンについた防水スプレーシミへの具体的な対処法を見ていきましょう。
用意するもの
ナイロンのシミを落とすために用意するものは、
- スポンジ
- 石鹸をはじめとする洗剤
- タオル
です。スポンジは、普段使用している家庭用台所のもので問題ありません。洗剤は、ご家庭にあるものを使用してください。最後に、水気を拭き取るためにタオルなどを用意しておきましょう。
落とし方
まずはスポンジに洗剤をつけますが、特に泡立てる必要はありません。
シミができている箇所に優しくスポンジを当て、こすり洗いしましょう。この時に強い力でこすってしまうと生地が傷む可能性があるため、あまり力を入れずこするようにしてください。
ポンポンと優しく叩き込む程度でも十分に落ちるでしょう。十分にこすり洗いが済んだら流水で流します。しっかりと洗剤を落としきるよう、水で流しましょう。
洗いあがったらタオルなどで軽く水気を切り、陰干ししましょう。
対処法4:ポリエステルの場合
ポリエステルの場合も基本的にナイロンと同じで、スポンジと石鹸などの洗剤を使用してシミを落とすことができます。
固形石鹸がない場合は、食器用洗剤でも代用が可能です。また、水よりも温水で洗った方が楽に落とせますので、お風呂場などでシャワーを使って洗うことをおすすめします。
用意するもの
ポリエステルにできてしまったシミを落とすために用意するものは、ナイロンと同様に
- スポンジ
- 洗剤
- タオル
です。汚れを落ちやすくするために、可能であれば水よりもお湯を使用すると良いでしょう。洗い終わった後に軽く水気を拭き取れるタオルなどがあるといいでしょう。
落とし方
落とし方もまた、ナイロンと同じようにスポンジに洗剤をつけ、優しくこすり洗いします。この時、ポンポンと叩きこむようにしてシミを落とすようにしてください。
ある程度シミが落ちたと感じたら、流水で洗い流しましょう。この時もやはり、冷水ではなく温水を使うと汚れが落ちやすくなります。洗い終わったら水気をタオルなどで拭き取り、陰干ししましょう。
対処法5:合成皮革の場合
合成皮革の場合は他の素材と異なり、防水スプレーが染み込みにくいため、表面にシミができてしまうケースが多く見られます。そのため、合成皮革にシミを作ってしまった場合は、クレンジングオイルなどで落とすのが良いでしょう。
用意するもの
合成皮革についてしまったシミを落とすために用意するものは、
- クレンジングオイル
- 柔らかい布
です。クレンジング剤には様々な種類があるため、使用する前には一度目立たないところでためし塗りをして、変色しないかよく確かめてから使用してください。
落とし方
- クレンジングオイルを布に取り、シミができている箇所に塗り拡げます。
- ある程度塗り拡げ、シミが落ちたら乾いた布でクレンジングオイルを拭き取りましょう。
- クレンジングオイルが製品に残らないように、しっかりと拭き取るようにしてください。
対処法6:爬虫類革の場合
財布やバッグに多い爬虫類革に防水スプレーでシミを作ってしまった場合は、専用スプレーを使用しましょう。一見手入れが難しそうな爬虫類革ですが、専用のスプレーを使用すれば、その美しさをより長く維持することができます。
用意するもの
爬虫類革についてしまったシミを落とすために用意するものは、
- 爬虫類革用の専用スプレー
- 柔らかい布
です。また作業中のひっかき傷等が気になる場合は、布製の手袋などを用意しておくと安心です。
落とし方
はじめに柔らかい布やコットンで、製品についた汚れをある程度落としましょう。その後シミのある部分に専用スプレーを噴射していきます。余裕があれば全体に噴射することで、ムラなく均一に仕上げることができます。
スプレーを直接噴射するのが心配な場合は、布やコットンに吹きつけたものを使って拭きあげるのがおすすめです。塗布が終了したら、乾いた布で丁寧に拭き取りましょう。
【アイテム別】防水スプレーの上手なかけ方3つ
防水スプレーでできてしまったシミの取り方について紹介してきましたが、そもそも防水スプレーでシミを作らないかけ方はあるのでしょうか。
防水スプレーを使用する製品ごとに形状や材質が異なるため、特徴にあったスプレーのかけ方をマスターしましょう。
ここからはアイテム別に、防水スプレーの上手なかけ方を3つ紹介します。
①靴へのかけ方
防水スプレーの上手なかけ方1つ目は靴へかける方法です。まず事前準備として環境を整えましょう。防水スプレーを吸い込まないように、換気の良い場所で行うことをおすすめします。
また、床には新聞紙を引くなどして、他のものに付着しないように気をつけましょう。スプレーを噴射する靴に汚れがついていないか確認し、汚れがある場合には汚れを落としてから使用してください。特に革靴の場合は汚れを優しく、丁寧に拭き取るようにしましょう。
準備が整ったらスプレーをかけていきますが、この時スプレーは靴から30センチほど離して噴射するようにしましょう。できるだけまんべんなくスプレーをかけてください。
一度スプレーを噴射した後、乾かしてからもう一度スプレーをかけると、より防水効果が高まります。
②傘へのかけ方
防水スプレーの上手なかけ方2つ目は、傘へかける方法です。
傘へ防水スプレーをかける際も周りの環境に配慮しましょう。換気の良い場所で下に新聞紙などを敷いた状態でスプレーを行います。事前準備として傘についた汚れは拭き取っておきましょう。
傘を広げた状態にし、30センチほど離してスプレーを全体に吹きかけます。余裕があれば、傘の裏面にもスプレーしておくと表面のスプレーが落ちてもある程度防水効果が持続します。噴射後は日陰で乾燥させましょう。
③バッグへのかけ方
防水スプレーの上手なかけ方3つ目は、バッグへかける方法です。
バッグにかける際は柔らかい布などで汚れを拭き取っておきます。レザーバッグなどは特に丁寧に汚れを拭き取るようにしてください。
きれいな状態にできたら、スプレーを30センチほど離して全体に吹きかけます。リュックなどの形状が複雑なものは一度にすべて噴射しようとせず、小分けに噴射しましょう。
風通しの良いところで乾かし、表面が乾いたら、乾燥した布で仕上げに軽く拭きあげましょう。
防水スプレーのシミを防ぐ方法
防水スプレーでシミを作らないために気をつけるべきことを紹介します。注意事項をよく確認して、大切な製品を雨などから上手に守りましょう。
スプレーをする上で気をつけるべきことは、吹きつけ方と、使用できる素材かどうかの2点になります。
吹きつけ方に気をつける
1つ目の注意するべきポイントは、吹きつけ方です。防水スプレーを使用してシミができてしまう要因として、スプレーが1箇所に大量についてしまうことが考えられます。
それらを防ぐためには、防水スプレーをかけたいものから30センチほど離して、1箇所に留まることなく、まんべんなく吹きかけることを意識しましょう。また、一度にすべて吹きかけようとするのではなく、2度に分けて行うのもシミを防ぐ有効な方法です。
注意書きを確認する
2つ目のポイントは、「防水スプレーに記載されている注意書きを確認すること」です。
防水スプレーにも様々な種類があり、それぞれ対応できる素材が異なります。防水スプレーに記載がある、「使用してはいけない素材」に使用することがないよう、注意書きを必ず確認してから、防水スプレーを使用することを忘れないようにして下さい。
防水スプレーでできたシミに対処しよう
防水スプレーを使用してできてしまったシミは、素材ごとに落とし方が異なります。それぞれに合った落とし方でシミを落としましょう。
また、初めからシミを作らないことも大切です。防水スプレーの吹きかけ方や、注意事項に記載されている内容を確認した上で、正しく防水スプレーを使用するようにしましょう。
防水スプレーの使い方を理解し、愛用の傘やバッグなどを水濡れや汚れから守りましょう。